諫早干拓問題の怪

有明海の漁業者が、諌早干拓地の「閉め切り堤防を開けろ」と云って裁判をし、それを認める判決を福岡高裁が出した。地元が控訴しようとしたが、当時の民主党政府の菅首相が受け入れて、控訴をさせず、決心してしまった。
やむなく地元は「開門差し止め」の仮処分を地裁に申請し、それが認められた。というところが現在の状況だ。
私はどう考えても、菅元首相と高裁の頭が狂っているとしか思えない。
ここへ地図をコピーして説明したいのだが、先ほどから何度やってもうまくいかない。どうかネットの地図の有明海を見ていただきたい。
有明海の一番奥の部分の、島原と玉名以北を影響域とすると、そこへ流れてくる河川は、最大が、筑紫次郎といわれている大河川・筑後川だ。それは阿蘇山の北麓から流れ下ってきており、大分県と福岡県の雨を運んでいる。坂東太郎・利根川の弟分だ。また佐賀県南部を集水域とする嘉瀬川もある。おそらく、諌早に流れてくる本名川の水量は、この有明海流域部分に降る雨の数十分の一に過ぎないと思う。
有明海に潮流は反時計回りです。だから、阿蘇山の火山灰が佐賀の南部沿岸にまわり、ガタリンピックが出来るほどガタが溜まっている。このガタは、有明海の生物にとって大切な生存の場になっている。
漁業者は、「干拓農地の汐留堤防を開けろ」と云っているが、本気でそれで漁業被害が無くなると思っている人がいるとは考えられない。海水は反時計回りだということ、流入水量はわずかだということなどは、マスコミと裁判官以外は、常識だと思う。
さらに、漁業被害の原因は、当初は、ノリ網などの洗浄薬品や農薬の汚濁が原因だといわれていた。何時の頃からか『諫早干拓』だけが目の敵になっている。まさか補償交渉がしやすいからなどと云うことでなければいいが。