2012-02-10
『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on』『ペントハウス』
『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on』(監督:高橋栄樹)★★★★
最初に僕のスタンスを言っておくとAKB48は好きでも嫌いでもなく(どちらかといえば好き)、メンバーの顔と名前が一致するのが5人くらい(大島優子と篠田麻理子がカワイイ・笑)、幾つかの曲は良いなと思ってて(「ヘビーローテーション」「Everyday、カチューシャ」あたり)、「総選挙制度」とか「ジャンケン大会」とか、「西武ドームの初日が大失敗に終わった」とか、そういう超有名なイベントやエピソードは「なんとなく耳にしている」程度。そんな僕でもこの映画、ちょっと色んな要素を詰め込み過ぎかなとは思ったが、基本的にはめちゃくちゃ面白かった。
僕はエンターテイメントの力を信じているので被災地での活動には初っ端から涙が止まらなかったし、「最初は自分の為に始めた(AKB48)の活動が、人にこれだけ笑顔を与えられるものなのだと気づかされた」というメンバーのコメントにも胸が熱くなった。
総選挙に関しては噂には聞いていたが、ここまで壮絶とは‥‥。「ファンが直接メンバーを選ぶ」という重圧に耐えきれず、体調を崩すメンバーの姿は『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマンを彷彿させたり。こんな「ブラック・スワン的な世界」を現実に作り上げ、それを白日の下に曝す秋元康という人の「プロデューサー」としてのドSな“商魂”と“サーヴィス精神”に戦慄が走った。
あと、コンサート裏のドキュメントはPerfumeとの違いがかなり興味深かった。Perfumeのライヴのメイキング映像を観ると、メンバーとスタッフの一糸乱れぬチームワークに心から感動するし、Perfumeの活動そのものがコンサートに向けて全ての力を結集しているのが分かる。一方、AKB48の場合は、TV出演やら何やらの過密スケジュールを縫ってコンサートのリハーサルを行っているので、本番になっても段取りがグダグダ、増え過ぎたメンバーと大勢のスタッフとの意思疎通も全く出来ていなくて文字通りの修羅場。リーダーの高橋みなみは、コンサートが始まる前から何となく嫌な予感がしていたようだがそれも言い出せない、という状態。「初日の悪夢」が起きるべくして起きたのだな、というのが観ているこちらにも分かるのだ。
そういう「エンターテイメントの裏事情」とかに興味のある人なら、たとえAKB48を知らなくても、全く興味がなくとも楽しめるのではないかと。
インタビューの受け答えを観てて、峯岸みなみという子はメチャクチャ魅力的だな、と思った。あ、あと、たかみなの存在って物凄く重要なんだなということを、この映画で思い知らされた。彼女がいないとあのグループは成り立たないよね。
オーシャンズ・シリーズの軽妙さに比べたら凡庸だがまあまあ楽しめた。特にアレが宙吊りになるシーンと、某カメオ出演のアーティストには声出して笑いました。
2012-02-09
『人生はビギナーズ』『マシンガン・プリーチャー』『セルビアン・フィルム』
2005年公開『サム・サッカー』の監督であり、これまでにビースティ・ボーイズやソニック・ユース、AIRなどの映像/アートワークを手がけてきたマイク・ミルズの新作。主演の男女(ユアン・マクレガー&メラニー・ロラン)と、クリストファー・プラマー演じるゲイの父親が着ていた服がどれもいい感じだったのと、犬が最高だった以外は特に何の感情も沸かなかった。母親が実は…ってとこだけグッときたかな。ただそれも、あの母親の言葉と取った行動って、観ているこちら側がゲイをどう思っているかで受け止め方も変わるのかも知れない。決して「感動的」というものではないし。
そんなことを帰りすがら考えていたら、『シングル・マン』また観たくなったし(これは昨年の個人的ベスト1位)、こないだ観て全然ダメだった『J・エドガー』再チャレンジしたくなってきた(『J・エドガー』、思ってた内容と全然違っていたのだよ‥‥)。
ちなみに、後からTwitterで教えて頂いたのだが、衣装担当はバンド・オブ・アウトサイダーズのスコット・スタンベルグが担当だとか。
あ、あとこれもTwitterで友人が指摘していたのだが、犬連れ禁止のレストランでのやり取りはちょっと閉口。日本人のモラル感と異なるのかもしれんが、あそこは全く共感出来なかった(特にメラニー・ロランの態度)。
『マシンガン・プリーチャー』(監督:マーク・フォースター)★★★
結構好きだった『チョコレート』の監督による新作。感情移入なんてとても出来ないようなどうしようもない悪党が、キリスト教に目覚めてスーダンで孤児院を作る話。出所して間もなく覚醒剤欲しさに強盗をはたらいたり、ストリップ・ダンサー辞めて堅気の職業に就いた献身的な女房をあり得ない剣幕でなじり倒したりするような人間が、ある事件(これもヒドイ)をキッカケにキリスト教に入信するのだけど、そこまでの流れが短い上に唐突過ぎて「え、これでこいつの罪は赦されたの?」と呆気に取られた。まあ、彼の暴力的な側面の葛藤は中盤である程度描かれるのでホッとしたが、このまま「イイ話」で終わったら最低最悪のクソ映画だったよ。
エンドロールの最後に、主人公のモデルになった実在の人物サム・チャイルダースが出てきて言う言葉(被害者を救出する“手段”について、家族があれこれ注文付けるだろうか)が最も印象に残ったな。そこでは当然ながら北朝鮮の拉致問題のことを考えた。
映画のモデルが今も活動している人物を取り上げているだけに、かなりご都合主義な描かれ方もしているところもあるが、色々考えさせられたので観て良かったと思う。
あと、個人的には似たようなモチーフとしてロバート・デニーロ主演の『ミッション』を思い出した。あれも忘れ難い映画だったな。いい映画なので未見の方は是非チェックしてみて。↓
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『セルビアン・フィルム』(監督:スルディアン・スパソイエビッチ)★★
日本版公式サイトには「血塗れペド変態グロ狂気拷問ゴアゴア凄惨ゲスなスナッフ主題のホラー映画」とあったのでかなり期待していたのだが、周りのシネフィルたちが見終わった後の感想で口を濁していただけあって(笑)、まあトホホな映画でした。まず、エンジンかかるまでが長過ぎてたるい…。殺戮、拷問、乱交が始まってからも、どこかで観たことあるような手法だらけでインモラルな衝撃も皆無。ギャスパー・ノエやラース・フォン・トリアー、三池崇史の方が余ほど人でなしだよ(三池崇史・監督作『インプリント』の爪の垢でも煎じて(以下略))。オチはまあ面白かったけど物語の核心が全部回想ってのも臨場感や緊張感損なってた。
あ、あと『セルビアン・フィルム』に出てくる"少女"が、どうしても板尾の嫁に見えてしまってインモラル感が台無しだったことも付け加えておく。
2012-02-02
『サラの鍵』(監督:ジル・パケ=ブレネール)★★★★
たとえ探し求めていたものが見つからなくても、その過程で周囲の人に思わぬ影響を与え、自分自身も予想だにしなかった(いい意味でも悪い意味でも)意外な場所へとたどり着く…ということは、誰の人生に於いてもあることだ。すでに失ってしまったもの、結局は手に入れることが出来なかったもの、代わりに手に取った、今ではかけがえのないもの。‥‥そんな、幾つもの事柄や人物に思いを馳せながら映画を観ていた。
個人的には「ユダヤ人迫害をベースにした映画」って物凄く苦手で(あまりにも現実が重過ぎて、どんな“物語”もその前では何の説得力も持たない気がしてしまうのだ)、本当は観に行くつもりはなかったのだけど、周囲の信頼するシネフィルたちがこぞって進めるので意を決して観に行ったのだが、まさかこのような展開になっていくとは思わなかった。ラストシーンは虚を突かれたように涙腺決壊したのだが、これがなんの涙なのかそのときはよく分からなかったし、今もよく分からない。言葉に出来ない感情を揺さぶられたという意味でも、見応えのある素晴らしい作品だったのだと思う。観に行って良かった。
幼い頃のサラ(メリュジーヌ・マヤンス)が余りにも可愛くて、それが余計に辛かったな。
2012-02-01
『哀しき獣』(監督:ナ・ホンジン)★★★★
先週観に行ったときは寝不足がたたり、なんと前半30分くらいで撃沈。その後はずっとウトウトしながら観ていたため全く内容を把握していないという最悪の事態に。悔しいので体調を整え再チャレンジしてきた。新宿シネマートは月曜日が「メンズデー」で1000円、おまけにスクリーン2での公開ということで、メチャメチャ狭い空間に男ばかり詰め込まれ、まさに密航船で運ばれるハ・ジョンウの気分で鑑賞。
いやー、なんでこんなに面白い映画を観てて寝落ちしたのだろうと自分を呪いたくなるくらい、最初から最後まで圧倒されるような“ナ・ホンジン・ワールド”に今回は酔いまくった。最初の殺人計画を、セリフによる説明抜きで映像だけで見せていくところとか、カットの割り方、空間の見せ方などゾクゾクしっぱなし。前半は「依頼殺人」と「妻の捜索」という2つのイベントが平行して進んでいくので一本調子にならずに緊張感が持続しているし、中盤からの「あれよあれよの展開」にはアドレナリンがドバドバ出てくるのが分かるくらい興奮した。主人公の無敵っぷり、キム・ユンソクの怪物っぷりには何度も吹きそうになるが(この2人が『チェイサー』のあの2人だったなんて信じられん)、それがラストの救われなさを際立たせる。エンドロールのシーケンスは「蛇足だ」との声もあるようだが、さらに追い打ちをかけるようで個人的にはヤラレました(後で宇多丸さんのラジオを聴いたら、「このエンドロールは少し救われた」と、言っていたけど、僕は逆に「それだったら主人公のやってきたことって、一体何なの‥‥?」っていうやり切れなさで一杯になったな)。
映画が動き出すまでのフリが結構長いので、『チェイサー』ほど高密度ではないかもしれない。が、それでも凡百の映画と比べたら怒濤の展開に目眩がする。後半、ワケワカメな部分もあるのだけど(1回観ただけで全て把握できる人は少ないのでは?)、それも含めて圧巻だったな。再チャレンジして良かった。
あと、韓国女優の美しさには毎回唸らされるのだけど、今回も素晴らしかった。主人公のヨメ、教授の妻、韓国社長の愛人、出てきた女性全員タイプなんですが‥‥(特に教授の妻!!!)。
主人公のヨメ(タク・ソンウン)
教授の妻(イム・イェウォン)
韓国社長の愛人(イーエル)
イーエルちゃんなんて、メチャクチャ激しいFxxxシーンまであるんだぜ‥‥?男は全員行かなアカンやろ。
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2012-01-31
Perfume Live at SAITAMA SUPER ARENA(1/28、1/29)★★★★★
【注意】ネタバレがないよう細心の注意を払っておりますが、「観る前に一切の情報を入れたくない」という方は読まない方がいいかもです。
先週土日はさいたまスーパーアリーナにて、Perfumeのライヴ。2日とも行ってきた。
彼女たちのライヴを見始めたのは、09年の代々木体育館から。実は恵比寿Liquid Roomのワンマンのときから気にはなっていたのだけど、すでに「売れかけていた」彼女たちのライヴはおそらくギチギチの満員だろうと思って怖じ気づいてしまい、次の武道館からチケット入手に動き出したクチ。そのときはあえなく撃沈し、「ビートルズ・シネ・クラブ」(現「ザ・ビートルズ・クラブ」)以来、初めてのファンクラブ(PTA)入会に至ったのであった。
それからは代々木体育館、横浜アリーナ、お台場ZEPP東京(PTAの集い)、東京ドームと、都内近郊で行なわれた単独公演は全て参加、フェスも2010年末のJAPAN COUNT DOWN、2011年サマソニと観てきたので、今回が7回目(日曜日で8回目)となる。単独ではドームからおよそ1年半ぶりということもあって、(その後、フェスで2回観ているものの)いつも以上に楽しみで待ちきれなく、1週間くらい前からDVDを観まくったりCDを聴きまくったりしながら当日を待ったのだった。
で、ライブ。まだまだツアーは続くしセットリストや演出方法など、ネタバレになるようなことは書けないのでざっくりとした感想だけ。
まず、土曜日はアリーナ前方での観戦。大型モニターに頼らなくても常にPerfumeの姿を肉眼で観られるというのは、それだけでもう至高。恒例の「客いじり」で花道を練り歩いているときには、声をかけられるんじゃないかとドキドキした(んなわけないのに)。ただ贅沢を言うと、いつものように曲によって頻繁にステージ位置が変わるのだが、アリーナ前方にいるとそのたびに身体の向きを変えることになり、そうすると前方スピーカーから出ているサウンドの聞こえ方も激しく変わってしまうのは、ちょっと気が散ってしまった(ホント、贅沢な悩みですよねコレ‥‥)。
そして内容的に一番感動したのは、以前ブログにも書いた俺の『JPN』解釈はやっぱり間違ってなかったことを確認できたこと。特に、某曲までの流れと照明効果は泣きそうになった。やはりあのアルバムは「日本への鎮魂・応援」の意味が含まれていたのだね。
2日目は、アリーナ後方。メインステージは結構遠くて肉眼で確認するのは至難の業だったが(オペラグラス持っていって良かった!)、PAの近くだったので出音は文句なし。特に、前半にやった初期某曲(笑)のシンセベースとか、胃がせり上がるような迫力だった。レーザーや照明などの効果も全体を俯瞰して観ることが出来、文字通り光やレーザーを浴びているような、降り注いでくるような感覚を味わうことが出来たのも嬉しかった。しかも、後半の某曲(うう、もどかしい‥‥笑)で使われる「お立ち台ステージ」に立ったときには50メートルくらいの距離で、それからさらに10メートル以内という至近距離で観る「瞬間」まであってテンション跳ね上がりました。いやー、最近は「あ〜ちゃん推し」の自分ですが、生で観る彼女の可愛さは神がかってましたね。
MCも、初日は震災について、「震災」という言葉は敢えて使わず中盤かなり長めに話していたが(これはこれで、ぎこちないながらも真心が籠っていてとても良かったのだが)、今回はそれを前半にギュッと凝縮して話してからは、ひたすらまったりとした「いつものPerfumeらしい」MCに終始していた。この方がライヴ全体の流れも途切れず、「ショウ」としてはまとまっていたと思う。
311以降、どのアーティストも“そのこと”を意識せずに表現活動を続けるのは難しいと思うのだけど、PerfumeはPerfumeらしい方法でそれを表明してくれたので、嬉しかったし安心したし感動した。
よく言われていることだが、Perfumeのライヴは、ダンス、サウンド、照明、衣装、トーク、人柄、オーディエンスの一体感、その全てがハイレベルで繋がった一流のエンターテイメント。曲が終わった後の、お辞儀の長さ・深さを見るたび、ぽっと出のアイドルやアーティストにはない、エンターテイナーとしての自覚と覚悟をひしひしと感じて胸が熱くなる。Perfumeを好きになれて良かった、同じ時代を生きられて良かった。そう思えるアーティストってなかなかいない。
う〜ん、色々言いたいことがあるのだけど「ネタバレしないように」と思うとなかなか難しいっすね。某新曲の振り付け、キメのところで見せるかしゆかの表情とかホントやばかった。ハート射抜かれた(笑)。
というわけで、次は静岡公演に行ってきます。もちろん、SSA初日の最後に発表された追加公演「武道館4DAYS」と、ツアーファイナルの沖縄野外公演も両方行きますよ!
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