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砂漠のリアルムシキング Twitter

2016-06-25

海外学術調査フォーラムで講演会をします

先週はニコニコ学会βでお世話になった江渡浩一郎さんたち主催の『つくば横の会』に参加してきました。

http://togetter.com/li/989093

私もつくば市民。ご挨拶してきました。

ネットで知り合っていた実物の方々に続々とお会いできました。

やー 楽しかったです。





久しぶりに東京講演会をします。


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(前野拓郎 作)

(公開、事前申込不要)

気合い入れて弟の拓郎氏に当日配布用の資料を作ってもらいました。



公式HPはこちら

http://www.aa.tufs.ac.jp/~gisr/forum/2016/index.html




科研費の海外学術調査関連の会議だそうです。



講演一番手は、卯田 宗平氏国立民族学博物館/環境民俗学

「概念を規定し、事例を読みとく

        ―鵜飼研究、中国から日本、そしてマケドニアへ」

 

二番手に私です。


今回の講演会は、フィールドワークにおいて「あつめる、はかる、かぞえる」という問題とどう向き合っているか焦点を当てております。


研究成果について解説するのではなく、どうやってサハラ砂漠フィールドワークをし、「あつめ、はかり、かぞえ」てドキュメンテーションしているのか、その工夫について話す予定です。

講演時間はたっぷりの一時間。

話のメインはもちろんサバクトビバッタモーリタニアです。


今回は文系理系両方の海外でフィールドワークする研究者が全国から集うとのこと。

情報交換などを含め、楽しみです。


お時間ある方はお越しくださいませ。

土曜日の昼飯前にたっぷりのバッタを見せつけられて、食欲がなくなること間違いなし!

新手のダイエットととしてご活用ください。




どうぞよろしくお願いいたします。

2016-04-24

春の御挨拶

春の息吹が耳をくすぐり、身悶える日々が多くなった今日この頃、

皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

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川端裕人氏 撮影)



大変ご無沙汰しております。

京都大学白眉センターにおりました前野です。


昨年度をもって京都大学を退職いたしました。






この4月から茨城県つくば市にある国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター(JIRCAS:ジルカス)に任期付研究員として着任いたしました。


こちらの研究所は、世界中の飢えをなくすため、地球規模の農林水産業問題の解決に向け、地球上のあちらこちらで活動をしている日本を代表する国際的な研究機関です。

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http://www.jircas.affrc.go.jp/index.sjis.html




私が与えられたミッションは「国境を越えて発生する作物病害虫の防除」。

アフリカで大発生し、農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタという昆虫を研究するためにアフリカに乗り込み、現地の食糧問題の解決に取り組みます。


バッタ一筋36年。とうとうバッタで職を得ました。


京都大学白眉プロジェクトは大変居心地が良いものの5年間の任期付きでその先がないため、どこかのタイミングで他を探さなければなりませんでした。

結局、2年しかおられませんでしたが、この2年間で学べたことは計り知れません。

お世話になった研究室の皆様のおかげで、相当なレベルアップができました(手前味噌ながら)。


思い起こせば、絶望の無収入時代に、私を拾ってくださったのが京大白眉

救ってもらったこの命を次に繋げることができ本当に嬉しいです。



現在、大学や研究所では任期付き(テニュアトラック)という雇用形態が流行っております。

ようは、「お試し期間」で、この期間の間に成果をあげて所属機関に認めてもらえると、終身雇用に切り替わります。

すなわち、私はこれから成果をあげることができなければ路頭にまっしぐら。

余裕をぶちかまして飲んだくれるわけにはいかないのです。

与えられた猶予は5年間。

緊迫した環境ながら、京都大学で培った力を武器にして、これからどれだけのことができるか楽しみでなりません。

バッタ問題に一石を投じるためにも、終身雇用を確実にものにするためにも、皆さまの多方面からのお力添えが必要となってきます。

応援いただけますと嬉しいです。


私の可能性に賭けて、採用してくださったジルカスのため、アフリカのため、自分自身の野望のために今後ともより一層精進する所存です。

5年後に再び皆さまに吉報をお伝えできるように身を粉々にして挑んでまいります。

今後とも御支援、御指導、御声援のほどよろしくお願いいたします。


国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター

前野ウルド浩太郎

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新しいメールアドレスです。御用のある方はこちらまでお願いします。

kmaenoあっとaffrc.go.jp

以前からのotokomaenoあっと@yahoo.co.jpも使ってます。

2015-05-31

クマムシ博士のフィールドの生物学 「クマムシ研究日誌」

クマムシ博士こと堀川大樹博士がフィールドの生物学第15弾として出版した「クマムシ研究日誌」

謹呈していただき、さっそく拝読いたしました。


いったい何回クマムシという単語が出てきているのだろうか。

彼のクマムシに対する愛はとめどなく溢れてはこぼれ落ち、この本に散りばめられている。

私がバッタ本を出した時に、小見出しについて彼に散々いじられたのだが、彼のほうはどうだろうか。


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クマムシ研究日誌 

ー地上最強生物に恋してー

目次


はじめに

第1章 クマムシに出会うまで

型破り教授

クマムシとの出会い

クマムシとの遭遇

カーブのすっぽ抜けが真ん中やや高めに甘く入ってきた

【コラム】 クマムシとは

クマムシの圧力耐性

変な優越感

クマムシの酒

着手

クマムシを誰かにやらせようと思っていた

卒業研究

第2章 クマムシに没頭した青春の日々

パワーエコロジー

背中に深く突き刺さるナイフのような視線

運命のクマムシ

このクマムシ何のクマムシ気になるクマムシ

手なづけられたフェレットのように

大学院生としてやっていけるという自信が確信へと変わる夏

消えた学会発表資料

国際クマムシシンポジウム二〇〇三

【コラム】 人生最大のピンチ到来

クマムシ橋本聖子選手における共通点についての考察

ボゴールの奇跡

熱帯育ちの眠り姫たちに待っていた過酷な試練

クマムシを乾かそう

研究人生の転機

新天地

オニクマムシの飼育

オニクマムシ介護

【コラム】つくばライフ

ガンマ線照射施設に立ち入る

イオン線照射施設TIARA

クマムシ地獄

【コラム】つくばの異次元タイ料理店

飼い犬の鼻先をゆっくりと触れるように

岩のような塊となって肩にのしかかる落胆

最有力候補クマムシ

クマムシ・レボリューション

乾燥スケジュール異常なし

横綱級の乾燥耐性

命名「ヨコヅナクマムシ

【コラム】乾燥耐性メカニズム

【コラム】乾燥すると縮まるクマムシの謎

宇宙生物科学会議とタコス

NASA進出への伏線

クマムシのなかまの発見と二度目の居候

【コラム】真っ白に燃え尽きるのか

クマムシゲノムプロジェクト始動

【コラム】乾眠クマムシの記憶

第3章 クマムシNASA

学振の生殺し

九回の裏ツーアウトからの逆転サヨナラ

【コラム】アカデミアで研究者になるには

【コラム】余剰博士問題について

新天地

【コラム】アメリカでの宿探し

クマムシ餌問題

【コラム】ジョン(John)

クマムシ宇宙生物

【コラム】科学啓蒙に大切なこと

第4章 クマムシ研究所設立の夢

おもしろいことができれば、それでよい


あとがき

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http://horikawad.hatenadiary.com/entry/2015/05/10/232630 より断りなく引用




クマムシ博士のほうもたいがいだと思います。




クマムシとの出会いから出版までに過労で死ぬのではないかと心配していたのだが、無事にこぎつけられて安心しました。


身近にいながら、その人の知らない伝記を読むのは非常に楽しいものがある。

どうぞ初夏にお楽しみください。

2014-10-30

セミナーのご案内

秋です。



立て続けにセミナーをさせていただくことになりました。



明治大学科学技術研究所 講師招聘講演会

(第 24 回明大昆虫セミナー共催)

題目『アフリカで大発生するサバクトビバッタ

日時:2014 年 11 月 1 日(土)15:00〜17:00 頃

場所:明治大学生田キャンパス 中央校舎メディアホール

世話人:糸山 享専任准教授






第35回九州昆虫セミナー

演題:『サバクトビバッタと闘う』

日時:2014年11月3日(月・祝)16:00〜17:30

場所:佐賀大学農学部1号館1階第3講義室

世話人徳田 誠准教授



寒くなってきました。

皆様お風邪など引かれませんように。


今年のハロウィンワイシャツを着たままで過ごします。

2014-08-10

野に解き放たれた奇才・裏山の奇人


その男、

時に地蔵の如く身動きを止めたたずみ、

時に鬼神の如く自然に立ち向かい、獲物を狙う。





昨年、ニコニコ学会βで登壇した盟友・小松貴博士が著書を出版された。

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右から丸山宗利氏、小松貴氏、前野ウルド浩太郎、堀川大樹氏 (撮影: 石澤ヨージ氏)



バッタ本と同じ東海大学出版部が繰り出すフィールドの生物学シリーズ第14

「裏山の奇人 野にたゆたう博物学



こちらのシリーズでは若手研究者が執筆を手がけている。小松博士も例にもれず32歳くらい。

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http://sangetuki.blog.fc2.com/




しかしながら、彼の昆虫研究は2歳からはじまっているため、キャリア30年の超ベテランだ。幼少期から自らを自然の中に放り出し、自然との付き合い方をセルフで英才教育してきた。その結果、人間の成せる領域を越え、常人が見えないものまで見える奇人と化した。


本書では、幼少期から現在までにいたる小松博士が体験してきた虫や動物との出来事をきわどく綴っている。たまにアウトだったりする。スリーアウトチェンジにならないよう絶妙のバランスでドラマチックに物語は進んで行く。


自伝の流れとしては時系列なので、今までもなくはないものかもしれないが、これを書いたのが奇人だったため、その内容は絶対無二のものとなっている。とくに初めて聞くような様々な動物や昆虫が登場してくるが、そのほとんどが小松博士が自らからんでいった話であり、小松博士の動物に対する執念と怨念がにじみ出ている。


奇人」という単語が世に生まれたのは小松博士のためだったと言っても過言ではない。そのくらい、研究に対する思いは並々ならぬものがある。そして、それが伝わる文章力。私は、文字を読めることをこれほど感謝したことはない。




読者の楽しみを奪うことはしたくないため、内容について触れることは避けるが、自らの肉体の一部をアリに提供するシーンなど、リアルアンパンマンを彷彿させ、小松博士の虫に対する愛を感じられずにはいられない。


研究の楽しみ方だけではなく、人生の生きがい、楽しみ方も学ぶことができる。本書を読みすすめるうちに苦しみさえも楽しんでいる小松博士を羨ましく思った。


途中、登場してくるキーパーソンとなる丸山宗利博士との研究記も手に汗握り、本を湿らせてしまう展開となっている。


本書を飾る美しい写真は、昆虫写真家の小松貴博士が撮影したものだ。



「小松貴」という生物が秘める底知れぬ才能と可能性に脅えてしまった。





この夏、日本が自信を持っておおくりする裏山の奇人

手にとった者だけが、本当の驚愕の意味を知ることになるだろう。

裏山の奇人: 野にたゆたう博物学 (フィールドの生物学)