ボカロ三昧


リサイタルのお仕事が縁で仲良くして頂いている尺八奏者の神永大輔さんが所属する和楽器バンドがなんとavexよりデビュー、NEWアルバム「ボカロ三昧」が本日よりCDやBlu-rayや配信で販売開始だそうです。
ボクは和楽器の音色と演奏スタイルを現代の音楽に再定義していく動きは鼓童あたりから本格化しはじめたのでは、と勝手に思っているのですが、さらに、ここにゲーム・漫画・アニメーション・アイドル・DTMなどのポップカルチャーを背景にデジタルネイティヴとして「も」育ってきた次世代の和楽器奏者たちが、そのポテンシャルの高さを見せつけた一つの大きな成果であり、通過点だと思いますよ。
彼らの音楽や映像を鑑賞していると、かつて江戸時代に、源平〜室町〜戦国時代の逸話や能や御伽草子などを歌舞伎や幻想文学に再定義していった、舞台人や戯作家や絵師などに思いを馳せてしまいます。
そこには多少の誤釈や経験不足からくる間違いや伝統的な業界の慣習からは外れた表現も出てくると思います。その全てに目をつぶる訳ではありませんが、今では形式美として認められている表現の中にも間違いや勘違いが発端となっているものも数多くありますし、フェイクやキッチュがオリジナルを喰っていくことは文化の歴史の中で頻繁な現象です。
今後が楽しみです。
ちなみに神永さんはN響バストロの黒金寛行さんと幼馴染み。恐るべし、音楽の街いわき。

ボカロ三昧 (ALBUM+DVD)

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