巷で流行っている画像です。
素朴な見た目に騙されがちですが、とても周到に練りこまれており、高度で優れた諧謔（ユーモア）です。まったく嫌味なく2020年東京五輪開催を取り巻く様々な問題を突いています。しかもそれは運営側だけでなく、受け取る側に対しても、です。
制作された方はエディトリアル・デザインにおける効果というものをとてもよく理解されています。
イベント告知ツールとしてのフライヤデザインとして、2015年現在で日本人に向けての必要な情報は概ね揃っており、しかるべき場所にしかるべき大きさでレイアウトされています。大変読みやすいです。
さらに、効果的なタイトルデザイン処理、月桂樹を思わせる囲み、親しみのあるフリー素材のクリップアート、中揃えを基調としたレイアウト、出場と来場を呼びかける短く的確なコピー・・・まったく問題ないです。
では、なぜ笑えるのでしょう。
なぜ、これがパロディになり得るのでしょう。
町内会の運動会風だから？
・・・なぜそう見えるの？ 制作ソフトのせいなの？
チラシの裏に刷ってあってチープに見えるから？
・・・では、チラシの裏に刷ってあるとなぜチープだと感じるの？
これで問題ないじゃん。お金もかからないし。
・・・本当にそうでしょうか？
恐ろしいことにこれは、突き詰めると
笑っているアナタを笑っているかもしれないデザインなのです。
