阿修羅の杜へ

 会社のみんなと仕事帰りに阿修羅展へ。6時過ぎに会社を出て、東京国立博物館に着いたのが6:30頃。その時点で「40分待ち」の看板が出ていたが、実際には20分少々で館内(平成館)に入ることができた。
 

 
 エスカレーターで2階へ上がって第1会場へ。ガラスケースに収められた中金堂鎮壇具が入場者を迎える。部屋を移るとガラスケースに収められた阿弥陀三尊像と、剥き出しの厨子。そして国宝・十大弟子八部衆立像。古代人の信仰の対象であった世にも稀なる仏像群を、およそ1300年の時を隔てて、室温管理された近代的な空間の中で生々しく目の当たりにすることの背徳的な快感。とりわけ壊滅的な崩壊の一歩寸前で救い出され陳列された五部浄像・部分が衝撃的だ。さらにスロープを渡ると、本展のクライマックスである阿修羅立像の部屋に突き当たる。
 
 当日は、それでも観客数は少ない方だったのかもしれないが、誰しも立像を前に立ち止まってしまうので、人だかりに紛れてディティールを自由に観察することが難しい。ライトアップの関係で、脱活乾漆造の立像が大理石の質感に見紛うばかりだ。無人の部屋で、立像と対面したら何を感じるだろうか…など考えながらコーナーを後にする。
 比べて、中金堂に収められていたという壮大な薬王・薬上菩薩立像、四天王立像は思い切りゆったりと鑑賞することができる。まさに「見上げるために作られた」巨大立像は顔の部分が極端に大きく設計され、足下から間近に見上げると、その異様な遠近感に圧倒された。
 
 ミュージアムショップでは、展覧会公式図録と、今回誘えなかったmaiさんに手ぬぐいのおみやげを購入。iさんは風邪気味で気の毒だった。maruさんとoさんは終始マイペース。歩く「歴史散歩事典」emiさんの推薦で、上野駅ビル内の居酒屋で軽く飲んで帰宅。