社会的課題と技術革新の関係についての話

心の師匠であるMaynard氏のブログ追っかけをちょっとサボってたら先月からかなり刺激的な展開になっている。11月にDubaiのWorld Economic ForumのSummit on the Global Agendaに参加したあたりから。
ここでは招待された15〜20名ずつからなる80個近くの"Council"でアジェンダについてのブレインストーミングが行われた。カウンシルの名称を眺めるだけでもワクワクする。Maynard氏が招待されたのは、"Emerging Technologies Council"。11月21日のブログによると、"Catastrophic Risk Council"で出てきたアイデアが、"World Risk Organization"!そして、"International Legal System Council"で出てきたアイデアが、"Intergovernmental Panel on Global Risks"だ!もちろんそれぞれ、WHOとIPCCからの連想。さらに、"Emerging Technologies Council"では、「安全で持続可能でかつ成功する新規技術の開発に向けた政策に情報提供するための新しいグローバルセンター」を提案していた。すべて「やられた!」という代物。
翌日のブログでも技術革新についての重要発言。

グローバルな課題に対して適切な技術に基づく解決策を生み出すことは、技術革新政策が、政府や産業や他の関連組織の最高レベルにおいて意思決定プロセスに統合されているときのみ可能となる。そういった高レベルでの管理がないと、必要とされる技術じゃなくて、(ただ単に)利用可能な技術を使うことになってしまうし、人口過剰かつ資源過少な世界で生活するための課題はどんどん増えていくので、重要な課題と技術ベースの解決策の間の断絶が悪化するばかりとなる。

ここはまさに最近、技術開発についてぼくが考えていることとまったく同じ。本来は、社会の課題(つまりその解決というニーズ)に合わせてその都度、研究開発の方向を決めなくちゃいけないのに、専門分野が細分化されすぎてるので多くの人はそんな柔軟な対応はできないし、そんな発想もそもそもない。そこに、技術(=人材)と社会ニーズとのギャップが生まれる。このギャップは誰かが意識的に指摘し、思い切って舵を切っていかないと、どんどん広がるばかり…。いろんな分野で今日本で起きていることそのものだ。