第299冊目 大橋照子の話し方教室 だれでも理想的な声になれる /大橋照子/著

大橋照子の話し方教室 (CD付)

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本番を迎えて、いつもどのくらい練習されていますか?
「原稿を作って、3回くらいは読みますよ」
そんな方が多いようですが、あなたはいかがですか?

ピアノの発表会に出ると決まったとき、先生から渡された新しい楽譜を何回くらい弾いて練習するでしょうか。家で3回弾いただけで出ますか?――それは無理ですよね。ピアノの先生に聞くと、延べ300回くらいは練習するはずだ、ということです。

100回練習すれば、今までより確実に上手になり、練習しない人よりはるかにうまくなるのです。大切なのは、練習する意志と根性と、そして何を練習するかです。

ピアノの発表会も、野球の試合も、スピーチのプレゼンテーションも、皆同じです。

あなたが「いいな」と思うひとの表情をよく観察して覚えておきます。そして自宅で鏡を見て、毎日練習しましょう。雑誌などのきれいな笑顔のモデルさんやタレントさん、好感度の高い人の写真を前に置いて、唇(口角)の広げ方や歯の見せ方を鏡の中で真似してみるのもいいですね。

ほめるときは、口数を多くしないことです。短く、心を込めて言いましょう。

「口が回らなくて言い間違いをする」場合、ほとんどが単に早口なだけです。言いにくい言葉は誰にもありますから、「やっくり、正確に発声する」だけで解消される場合がほとんどです。

強調する手段としては、3つがあります。

  1. 声のトーンを変える――大きくしたり、強くしたり、高くしたりします。
  2. スピードを変える――その部分だけを、他の部分とコントラストをつけてゆっくり言います。
  3. 間を空ける――強調する部分の前か後ろ、または両方に間を取ってみましょう。

練習がある程度できて「ちょっとうまくなったかな」と思ったら、テープレコーダーやICレコーダーなどに録音して聞いてみてください。思ったほど変化がついていないことが多いです。かなりオーバーに表情をつけて話して、ちょうどよいくらいです。

「えー」を言わないようにするには、「えー」を言っている時間を、「間」にすることです。
もちろん口癖ですから、一朝一夕には直せないかもしれません。しかし、毎日直すための努力をしてください。日々心がけをしていけば、必ず「えー」は取れるはずです。

練習、練習、そしてまた練習です。

序章 アガらずに話したい-スピーチ、プレゼンテーション上達のための「教材」(教材(1)呼吸法「腹式呼吸
教材(2)口を大きく開け、声を前に出す練習「アー」 ほか)
第1章 必ず声は変わる-症状別、声の磨き方(大勢の前だと、いつもの声が出ない
モゴモゴしてこもった声、くぐもった声 ほか)
第2章 話し方(笑顔が作れない
早口 ほか)
第3章 話の内容(最初に聴衆の気持ちをつかみたい
余韻を残す ほか)
第4章 見た目・動作(第一印象は最初の2秒
外見、服装 ほか)
第5章 スピーチ、プレゼンテーション-大勢の前でアガらず上手に話す直前練習法(直前練習法)

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