凸と凹の間

2016-12-31 2016年:回顧と展望 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

四十代になって一年目。外出を極力控え、ひたすらエンブレム本をを書いている一年だった。

・「誰もが広告を語る社会:天野祐吉と初期『広告批評』の居場所」、齋藤美奈子成田龍一(編著)『1980年代河出ブックス2016年pp.290-304、http://www.amazon.co.jp/dp/4309624898/

・「東京五輪2020エンブレム騒動以後のグラフィックデザイン」『アイデア』(第374号)誠文堂新光社2016年7月pp.125-131、http://www.idea-mag.com/idea_magazine/374/

 単行本原稿に集中していたため、今年は刊行物が少ない。『1980年代』の「誰もが広告を語る社会」は雑誌広告批評』のバックナンバーを読みながら書いた論文で、天野祐吉批評観と消費者目線広告語りがどのように出会ったのかを書いたものピップエレキバンの社長が出演していたテレビコマーシャルの独特な違和感について書けたのは楽しかったが、あの違和感について誰とも話せていないのが寂しい。毎日新聞がこの論文言及してくれたのは嬉しかった(「「未知の世界」が始まった80年代」『毎日新聞2016年4月4日夕刊

http://mainichi.jp/articles/20160404/dde/018/040/053000c)。『アイデア』の「東京五輪2020エンブレム騒動以後のグラフィックデザイン」は三月のトークショーの抄録。

・「デザイナーと書くこと:東京五輪2020旧エンブレム審査委員平野敬子ブログ記事を読む」、第6回史料データセッション2016年1月25日東海大学高輪キャンパス

・「東京五輪2020エンブレム騒動以後のグラフィックデザイン」、クリティカル・デザイン・スクール2016年3月12日、横浜BUKATSUDO)、http://bkd-cds.peatix.com/

・【記事コメント】「五輪エンブレム 国民の意見に期待…最終候補に4作品」『毎日新聞』(2016年4月9日朝刊)、http://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20160409/k00/00m/050/085000c

・「依頼したデザインの拒否はいかにして可能か:大阪万博1970公式マーク選定をめぐる会議録を読む」、第7回史料データセッション2016年4月30日学習院女子大学

・「デザインを理解するとはいかなることか:東京五輪2020のエンブレム問題を事例として」、第64回関東社会学大会2016年6月4日上智大学

・「東京五輪2020エンブレム問題をいかに考えるか:市民参加型社会における専門家市民」、日本マス・コミュニケーション学会 2016年春季研究発表会(2016年6月18日東京大学本郷キャンパス

・「デザインを理解してもらうとはいかなることか:東京五輪2020旧エンブレム原作者記者会見を事例に」、第64回データセッション2016年7月31日成城大学

・「日本におけるオリンピックシンボルの使われ方の変遷:マークからエンブレムへ」、第8回史料データセッション2016年8月17日学習院女子大学

・「エンブレム問題インターネット世論社会現象としてのパクリ探し」、第61回文化社会学研究会2016年12月10日早稲田大学

 エンブレム問題関連で研究報告を重ねた一年である。一月から執筆を始め、もう一度修士論文を書くような気持ちだったのだが、そんなに甘くはなかった。文献を読み、あちこちで史料を探し、夏にはロンドンへ調査にも行った。おかけでメモは膨大となり、構成は何度も作り直し、とても一年で書き上げられる本ではないことが判明した(笑)新書のつもりが選書になり、選書のつもりが選書二冊分になり、いまや博論本と同じくらいの分量になりそうなのだが、とにかく年度内には脱稿したい。

2016年度− 早稲田大学文化構想学部「デザイン論」(非常勤講師

・「ふぉんとってどんな歴史があるんだろう?〜社会学からみるふぉんとのはなし〜」早稲田リンクス2016年7月)、http://www.waseda-links.com/column7/

 新しい展開としては、早稲田大学でも非常勤講師を始めたこと。トーキョーに行かないと死んじゃう病が年々酷くなってきたので、これには本当に助かった(笑)。「へぇ」と思ったのは、学生自分の専門を踏まえてコメントカードを書いてくれること。今までいろんな大学で教えてきたけど、こういうのは初めてだったので、こちらもしゃきっとした。「ふぉんとってどんな歴史があるんだろう?〜社会学からみるふぉんとのはなし〜」は受講生によるインタビュー記事で、とてもよい出会いだったと思う。

 来年は三月末までにエンブレム本を脱稿し、『〈広告制作者〉の歴史社会学』の二刷と共に刊行するのが最初目標。一月末には、インタビュー記事も出る。出版企画もいくつか抱えているが、査読論文投稿国際学会での発表もしたい。白髪も増えてきたのだが(涙)、楽しくやっていきたいものである

 今年もお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします。