マジンガー/化物語/ザムド/ハガレン

真マジンガー 衝撃!Z編・18話。機械寄生体の精神世界での冒険は、なぜか現実とリンクしはじめる。…んー、ここら辺の要素を掘り進んでったらエエ感じに狂気テイストなSF話になりそうだけど、まァそういうワケにもいかんわな。基本的には回想編のノリなのに現在のキャラが干渉できる、っちうだけで面白いのではあるけれど。


てことで、二つの主に仕えしあしゅら男爵の苦悩である。煩悶の末に結局Dr.ヘルを選び、その場に崩折れるあしゅら男爵に「これでお前も立派な裏切り者だね」と堂々の台詞を叩きつける女将がやっぱし凄い。迷い無くテメエの命を捧げるクロスとヤスの行為を、真正面から肯定するだけのことはありますよ。器がデカい…ちうか、太いわ。


そしてゼウスとハーデスの神々バトル。相手が矢島正明となれば、そらまあ内海賢二クラスでないと太刀打ちできんわなあ。それにしてもマジンガーが肩にちょこんと乗っかるくらいにデカかったのかよゼウス、という驚きも冷めやらぬうちの「ゼウスロケットパンチ」に大いにのけぞる。叫ぶ矢島! ごっつエエポーズの矢島! か、かっこええなあ! こういうバカな勢いのある演出は監督の真骨頂ではある。…ま、ワシはパトレイバーの初期OVA1話思い出しましたんですけどね。 


化物語・5話。でんでんむしのマヨイさんは怪異に取り憑かれてはおらぬ、お嬢さん自体がその怪異であるがゆえ。ここにおいて、実は語り手であるアララギさんの方に不整が発生していたのでしたという叙述トリック…ちうか、姑獲鳥の夏を思い出した。その相方として自分に自信を持てないひたぎさんを配している、っちうのも周到ではあるな。そしてマヨイさんは、晴れて浮遊霊としてアララギさんとお話することができるようになったのでした。ふむ、着々とハレムゲー的状況が整いつつある。


視点が変われば見方も変わる。故に正解を探すは難しい、と忍野さんは言うけれど、まァ…ある意味その変化した「見方」はどれも正解ではあるのだよな。同じ物を別の言葉で語ったからって、その物自体が偽となるワケではない。当然マイナーで細い道の「見方」を選んでしまえば、それを正解とするための手続/手順はひどく面倒なことになるかもしれない。アララギさんは、そういう面倒さから逃げない人だ。無論セエダイ文句も言いますが、無視して通り過ぎることが出来ぬのだ。所謂所の「お人よし」であるが、筋金入ったお人よしとなればそれはそれで浮かぶ瀬もある。例えば自称めんへらな彼女が発生するフラグが立ったり、ね。…へへ、ご愁傷様である(ニヤけつつ)。


今回もいろんな手練手管で見せているのだけど、しかしまあよくここまで画面を統制できるものだなあ、と思うよ。ひたぎさんを脚からじわあっとパンアップするシーン、手描きアニメでは破綻無く立体を回り込むのが難しいので何か違和感のある作画になりやすい、っちう現象をそのまま「画面効果」として使ってんのが面白いなあ。ヘンテコだ。


あと、今回もようじょ相手にブルータルな仕儀を働くアララギさんが実に最低でよろしかった。相手の胸つかんで「何か言うことあるでしょう」と言われ「…ありがとう?」はワシも思ったが、実際に言っちゃダメだ。うん、ダメだ。


亡念のザムド・18話。ハルさんはアキユキだった人を探しに出ると決めた。どこにいるかはイマイチ判らない、会って何をしたらいいのかもサッパリ判らない。でもまあ、さしあたってそれしかない。…ハタから見れば実にあやふやな決意なんだけど、そこに至るまでの何だか判らない積み重ねが上手いので「ああ、ワシもそうするやろな」と思わされてしまうんだよな。よし、若いし一本気だしもう行っちゃえ。古谷さんのデムパ放送によれば時間もないそうだしな。


ナキアミとパクロミ、ハルとミドリ、っちう二組の姉妹が出てくる。妹は姉に理解されないと思い、姉は妹の行動結果に後悔を思う。言葉も感情もすれ違う彼女たちの「構図」を絵で見せる対峙シーンがベタで良い。二度繰り返される対峙構図は、このアニメらしい生真面目な雰囲気がありました。


あと、彼女たちの妙に肉体的なイメージの連鎖な。ハルさんが軍施設から逃げるシーンの、割とめんどくさい走り作画とかもそうだけど、ナキアミさんと妹さんの妙にちちと腰を強調した服装…でも露出度は低い、というあの肉体性・官能性はちと面白いな。異世界的なディテイルがあったりヘンなことする人たちが居ても、彼らは血肉通った人間なんですよ、てな「雰囲気」があるっちうか。うん。主にちちね、ちち。


鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST・18話。てことでああ、やっぱしロスお嬢さんは大佐のカラクリによって救われていたのでした、っちう話。ま、誰にも知られず国外追放に近い状況であり、ある意味大佐の「軍内陰謀釣り上げ作戦」に利用されたって面も無いではないが…命あってのモノダネだしねえ。あとでシン国でも意外な大立回りしてるロスさんの話とかあったらエエな。


国境に近いのであろうクセルクセス遺跡。あーこれはイスラ…もといイシュバールの民とか出てきそうな名前だなあ、と思ったらやっぱ出てきた。彼らによって語られる一面的ではない民族間のゴタゴタ話は、また深く演出しようと思えばなんぼでもできそうだけど、あくまでエピローグ的に触れられるのみ、って感じだったな。…理想としては「ロスさんが落涙しつつ遺跡を去るシーンで続く」ってのがエエ感じなんだろうけどねえ。


遺跡のBGは、とにかく水分の少なそうな砂漠の空気感がよう出てたっすね。日に焼けちゃってアラバスターっぽい白色になってる石材と、彩度の高い青空の対比が美しい。酷暑な風景の中のちょいと涼しげな陰とか、エエ感じでしたわ。

ガキが来たりて笛を吹いたりする

●夜中コンビニに行くと小さいお子さん連れのご家族さん。坊ちゃんは玩具の笛をくわえて歩いている。どっかのお祭りか花火大会の帰りだろうか。控え目にピーピーやってたが、何か「ええいもうチマチマ鬱陶しいわ、一発やったれ」てな感じでピー! と一吹き。


当然お母んに「ピーピー止めなさい言うてるでしょ!」と叱られるんだが、お子さんの方も言いたいこと溜まってたんでしょうね、ほな言わしてもらうけどなっちう感じで、
子「でも笛やん! 笛は吹くもんやん! 吹いたらあかんかったら何のために買うたん!」
母「人おるでしょ! 人がおらんとこで吹き!」
子「音出すのは聞かせるためでしょ! 聞く人おらんとこで吹いて何の楽しいことがある!」(ホンマにこういう言い方してた)
母「だから、他の人に迷惑でしょ! 帰ってからアタシが聞いたげるから!」
子「お母さんは聞いてももう何にも反応してくれへんやんか!」


…坊ちゃんよ、それは大きな壁だ。同じことの繰り返しでは再々ウケは取れんのだ。天丼手法には技術が必要なのだ。それに気付いた時坊ちゃんは一回り大きくなれるだろうが、でもやっぱし笛は鬱陶しいのでウチで吹いてね。おっさんからのお願い。