宝石の国/魔法使いの嫁

宝石の国・4話。月からのでんでん虫はなんか知らん「一族の王」とのことで、一時融合してたフォスさんはなまじ彼…いいや彼女かしらね、とにかくソイツの言葉が判るだけにどうも「ボク周囲から浮いてしまう」とか気にする日々。そんなんなくても充分浮いてるんですけどもそれはともかく。やたら軽口叩きでイージーゴーイング、これが異星からの王なんですか? ただの色ボケ軟体生物なのでは? とか思わせて、最後にちゃんとシリアスなとこ見せるのがいい流れ。ちうかフォスさんまた身体破損してますね。…肉体に傷を負うことは彼にとって何らかの象徴なのかしらん。

でんでん虫言うに、月人とでんでん虫と宝石はかつて在った「人」という存在の、それぞれ魂・肉・骨にあたるものらしい。精神と身体構成物質と遺伝子とか、何らかの理屈はつけられそうだけどまあ置いといて。見た目はどの存在も程度の差こそあれ人間を思わせるところはあるけれど、やはりそれぞれ異質ではあるのだな。でんでん虫の人がフォスに「死」についてレクチャーしてる辺りの、フォスの想像の限界っぽい感じはいいSFだと思った。

でんでん虫の斎藤千和さんが引き続きいい演技。なめくじ状態でのファンキーさと、海中での威厳ある姿でのミステリアスさがちゃんと両立してんのがいい。あと宝石たちがみなアセックスでちちがないのとの対比だろうけど、王がやったらちちをぷるんぷるん動かしてんのがなんかギャグみたいではありました。

魔法使いの嫁・4話。なんか録画失敗してたのであれこれして補完。エリアスがめんどくさそうに教会からのクエストをこなすのにくっ付いてゆくチセさんという構図であり、彼と彼の属する世界はチセさんにとってかなり異質なので割と往生したりする。いや、部分的にチセさんの過去に通じるところもあったりするので却ってめんどくさい。今回は猫の国にて猫殺しの怨念と対峙するエリアス/チセだが、その怨霊だけじゃなくて横合いからのイケメン悪役っぽい人たちが出てきたりもするので色々と困るなあ、という流れ。

猫の国の猫の描写がなかなか凝ってたり、猫殺しの回想における平和そうなベッドサイドシーンが妙に動的で目を引いたりと、地味ながらなんか絵的に面白い回だった気がする。コンテは久々に見たなかむらたかし。せっかくだから演出系だけじゃなく絵も描いてほしいんだけどムリかなあ。

にしても、チセさんはよくよく受難グセのある人ですねというか、エリアスが目を放した隙に第三者にかっさらわれて難儀する、ってパターンが多くないすかね。今回はエリアスも半ば織り込み済み的行動してるっぽいけどね。あと退魔の装束がいかにもイギリスというかケルトっぽい雰囲気があってよかった。「ハリエニシダ」という単語だけであ、イギリス文学だ、って気がするもんなあ。