Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

全国マスターズ:強風波高く、決勝後半は中止

oyajisculler2005-10-30

安倍久旅館という迫の旅館で朝食を食べた。米どころ、佐沼の美味しいご飯と美味いおかず、やはり東北の飯は美味い。(父親が岩出山出身なので、おやじも半分、東北人の血が流れている)腹一杯にしたところで、8時前に宿を出る。長沼漕艇場に8時過ぎに到着。未だ殆ど誰もいない。北西の強風が吹いて長沼の水面は波が立っており、所々白波が見える。コースを見るとエイトに出漕する石巻クルーが乗艇練習をしている。今日の決勝(2杯レース)に備えている模様。おやじの出漕する45歳以上1Xの決勝は10時30分、岸蹴りは9時45分を予定しているので1時間半程、時間がある。この間、長沼艇庫に設置されたエルゴメーターでウォームアップすることにした。この間に風が治まってくれる事をひたすら念じた。
(右上の写真は、後述する回漕後船台につけたところ、ローイングスペース全体に浸水し、レールが完全に水没している。それでも1Xは沈まないんだな。。。)

1Xレースに向けて岸蹴り:

岸蹴りする頃になると、一旦風が弱まり、水面が穏やかになった。下の写真は岸けりの場面。(船台は東向きの岸に設置されているので、西の風が吹いている時は全く影響がない。

風が治まり昨日の様なグッドコンディションの中を2000mコースのスタート方向へ漕ぎ進む。2000Mのスタート地点に着くと、一瞬、完全に無風となる。長沼の2000mコース用常設スタート台の設備、素晴らしく立派だ。そうこうしていると警戒艇がおやじに近づき、ここまで来てはいけないと言われる。常設コース内なのに何で?と思いながらも従う。すると突然、北西の強風が吹き始める。あっと言う間に波が立ち始め、水面がチャプチャプしだす。10時15分頃1000M地点の1000mレーススタート地点に近づくと、辺りはもう、ラフコン状態。今少し、W.UPしようと艇を返す間に横波を受け、注意しないと波がガンネルを越えそうな状況。

1Xレースが一時中止、船台へ回漕:

ステッキボートに着けるためにバックローすると、大きな波がスターンカンバスに乗り上げ、船尾から水がローイングスペースに浸水。何とか上手く着けて一安心し、発艇までの間、持参したスポンジで船底に溜まった水を排水する。一応、1Xレースの3杯はステッキボートに着いた。徐々にコンディションが悪化するので、発艇を繰り上げてくれないか?と思っていると。スタート台の審判から、波が高くて危ないので一時レースを中断、各艇は船台に戻る様に、とのアナウンス。どうせ漕いで帰るなら、発艇してレースを強行して欲しい等とブツブツ言いながら、回漕を始める。(ラフコンレースも楽しみたかったのに。。。)1500M地点までは波は高いが浸水せずに何とか漕いで行く。1500mを通過した瞬間、大きな波がリガーに当たり大量の水がローイングスペースに浸水する。水位が踵を過ぎると、一気に水がドボドボ入り、ついには1750m地点付近でローイングスペースが完全に水没。下記の図に示す通り、長沼コースは1000m地点で南側に大きく湖面が広がり、1500Mで窄まる地形となっている。この為、西の順風が吹くと1500m付近で入り江に入った津波の原理で波高が一気に高まることになる。この波にやられた。

こんなに酷い状況になるのは、おやじも初めての経験。これは危ないと思って、伴走する審判艇に「艇が沈みます」と申告すると、審判が「大丈夫ですから、そのまま漕いで下さい」とのこと。(どうやら、長沼のラフコンに慣れっ子の彼らは1Xが沈まないことを熟知している模様)本当かよ、とブツブツ言いながら、何とか船台にたどり着いた。下の写真はゴール地点を通過した辺り。(この波、相当酷いのが写真で分かるかな?)

下の写真は、船台について一安心したところ。専属カメラマン(I氏)を呼び、証拠写真を撮って貰う。もう笑うしかない。

1X揚艇後、レースの続行判断待ち:

風の勢いは治まりそうになく、審判団は11時まで様子を見て続行するかどうかを判断すると言う。おやじは、午前中は治まらないと判断。風邪をひかぬ様に着替える。決勝で対戦する筈だった他の2人と、決勝が流れても昨日トライアルレースをやっているので、それを決勝とみなして表彰して貰おうと雑談していた。そうこうすると、審判団から少し風が落ちついたので、11時30分にKF決勝、11時45分にエイト、12時00分に45歳以上の1X決勝とのこと。嘘だろ!KF艇は波に強く白波の立つ中を出艇して行く,我々LBRCエイトも、再度ユニフォームに着替えて出艇準備。濡れたユニフォームは冷たいが已む無し。エイトで岸蹴りする。少し漕ぎ出しコースを横切ろうとしたが、荒川のタンカーの引き波の様な大波がガンネルを超え中に入って来た。これは危ない、エイトは1X艇と異なり、大量に浸水すると沈む。安全第一、LBRCエイトのキャプテンでもあるおやじの判断で、直ぐに引き返した。すると、石巻エイトが丁度岸蹴りしているところ。彼らに向って、我々は波が高くで漕げないと判断したことを告げる。一応、彼らにも実際に判定してもらって、彼らが漕げるというのなら出ることにした。果たして彼らも危ないと同じ判断を下し、戻ってきた。

決勝中止のレースは初日TTの結果で表彰:

自然の力には適わないとは言え、大枚を叩いて戸田から遠征してきた。初日に決勝と同じ組み合わせで漕いでいることもあり、初日のTTを決勝とみなし、何とか表彰して貰えぬかと、大会事務局に時か時下談判した。T北大OBのC葉さんも審判団に時下談判してくれた。流石、元オリンピック選手!フェアだ。しかし埒が空きそうにないので、おやじが「これで表彰無しだと、来年はもう来れないな」等と聞こえる様に呟いた。これが効いたかどうかは分からぬが、おやじの提案でOKとのご沙汰が出た。ヨシヨシ!ローカルレースは臨機応変に行かなくちゃ、突然ラフコンに見舞われる長沼のレースはこれが必要だと感じた。(大会要綱に前もって書いておいた方が更に良い)ということで、今大会に出漕した我がLBRC選手団の戦績は下記の通り。:

  1. 35歳〜44歳1X(O氏):準優勝。彼の出漕した10時15分発艇の決勝までは、レースが行われて2位でゴールしたO氏は準優勝。因みにO氏の自艇はSykesのMould 20(Ultimate I)でChoppyコンディションに強いとのこと。正しくこの艇を乗りこなしたO氏は艇の所期性能を発揮し、1位と僅か0.8秒差まで詰め寄った。
  2. 45歳〜54歳1X(おやじ本人):上記に詳細記載の通り、決勝が流れた為、前日のTT結果で順位が決定。おやじは見事#1回大会の優勝を文字通り「モギ」取った。何だか良く分からぬが大満足。
  3. エイト:前日のTTはLBRCの独漕だったが、決勝の実施されなかった種目は、前日のTT結果で順位を決定するという裁定なので、LBRCが優勝ということになった。おやじは決勝レースこそ無かったが2日目に長沼を往復し、且つ、ローイングスペースが完全に水没するという貴重な経験まで出来たので妙な充実感がある。しかし、O氏とおやじ2人以外は2日目に殆ど漕ぐことが出来なかった他のLBRCメンバーは不完全燃焼といったところか?それでも表彰式で優勝の賞状を貰い、皆何となく納得顔。前日、舵が取り付け不良で大蛇行させたI氏は、残念だった模様。こんな体験でも笑い飛ばしてしまうのが、LBRCの良いところ。(でも、表彰状が無いと笑えないのだが。。。)下の写真は表彰状を貰ってニコニコ顔のLBRC選手団。

来年の長沼での社会人大会に備えて長沼ラフコン対策を検討:

おやじの自艇はSykes Mould 19。長さが8.3mあり、凄く細長い。ラフコンで波を切り裂く様に進むのは良いが、ダブルパイプリガーなので、ラフコンだと下側のパイプが波に当たって水がローイングスペースに入るのが欠点。そこでラフコンに強いというhttp://www.carldouglas.co.uk/html/aerowingpics.htmlを注文して、リガーを付け替えようかと検討している。だけど難点はこのAeRoWing Riggerの値段。1X用1セットでHard Adnisedで87000円、無塗装のBrushed Silverで82000円もする。おやじの1X艇は1993年に購入したから13年になり、現在価値は20万円以下と思われる。下手をするとこのRiggerの方が高いかもしれない。もうすこし凌波製の良いリガーに交換するとして何を選ぶかが問題。やっぱり35000円と廉いRowing Centerで扱っている中国製http://www.rowingcenter.com/Japanese/parts/rigger.htmlにしようか?どちらを選択すべきか、暫く悩みそう。

以上