Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

写真でみるK都大学によるレク艇浸水試験

oyajisculler2009-08-09

昨日のログで少し紹介したが、8月6日に瀬田川にあるK都大学ボート部によりレク艇安全性確認の一環として浸水試験を実施頂いた。
試験中に撮影した写真やビデオの電子ファイル一式を頂いた中から、実験の結果をよく表すと思われる写真をピックアップしてみた。おやじ本人は残念ながら試験に立ち会うことが出来なかったが、試験に立ち会ったレク艇開発PJメンバーから伺った内容を踏まえながら、極簡単な補足説明を追記する。

D社レク艇実験艇の浸水試験:

レク艇開発P/Jでは、今年3月よりD社よりレク艇を1艇借り受け、各種試験を実施し、レク艇として必要な要件を検討しながら、リガー形状や適正リギング値に関して検討成果を適用し、実験を重ねてきた。ラフコンによる波の浸水による浸水時残存浮力に関しては、FISA安全基準(=日ボ安全基準)を日ボ版レク艇に適用する方向で検討中。この中で船首及び船尾のカンバス部分はシェル艇同様に空気室として十分な浮力を確保しないとFISA基準をクリアしないと判断。そこでこの構造を適用しているD社の最新レク艇をN医大ボート部より借用し、今回の試験に臨んだ。

写真1(D社レク艇):バケツで艇内に進水させる京大新人部員。ガンネル部に貼ってある青いテープはFISAの安全基準シート高(水面から5cm以上沈まない)をキープするための喫水上限ラインを示す。

写真2(D社レク艇):艇内満水後に各シート位置での乾舷高さを計測。艇が揺れると艇内水が零れるのでCOXは常に水を補充し続けている。

写真3(D社レク艇):艇内満水後にローイングタイムトライアル(TT)実施。漕ぐと艇内に浸水した水(フリーウォーター)が、舷外で排水される=艇が浮く。

写真4(D社レク艇):艇内満水後のローイングタイムTTの様子。耐航性能改善型のリガーではあるが、ここまで艇がしずむとメインステーが水面下に没して推進抵抗になる。通常のダブルパイプ型リガーより抵抗が小さく、改善出来ているが、もう少し形状を工夫して抵抗を減じたい。

写真5(D社レク艇):艇内満水ローイングTT後の様子。ローイングにより、艇内のフリーウォーターが排水され、艇内の水が減っている様子が分かる。

写真6(D社レク艇):TT後、40分間水上に留まり、空気室機密性をチェック。空気室水密性について、浸水速度をチェックするために長く水上に留まった。

写真7(D社レク艇):空気室機密性チェック時に落水・回復も実施?D社艇を使って、いろいろ試した模様。

K社レク艇実験艇の浸水試験

本艇はK社がオデッセイの名で既に販売している艇をベースとし、今回の浸水試験用に浮力を増強したレク艇の実験艇。(浸水時残存浮力を増強すべくシートデッキの裏側に、合計0.15m3の発泡浮体を貼り付け加工)

写真8(Kレク艇):艇内満水状態。船尾コーチ席を設けている為、Stern浮体容量が小さく、船体後部のガンネルは水没している。

写真9(K社レク艇):艇内満水におけるローイングTTの様子。船尾側が沈み気味でFISA基準値をクリア出来なかったが、クラッチが水上に出ているので漕ぐ事は出来た。Stern浮体及びシートデッキした浮力を増強する必要がある。

従来のナックル艇(木造艇)の浸水試験:


写真10(木造ナックル艇):艇内が満水になる前に舷から浸水し沈没。もはやこの状態では漕ぐ事は不可能。先ずは艇から降りて艇を浮き揚がらせる。木材は比重が水より軽いので水舟になっても沈まず浮いている。漕手はこういう状態になったら、この水舟状態の艇を救命筏として救助を待つことになる。一方、新たに建造されているナックル艇はFRP製であり、FISAの安全ガイドラインを満たす残存浮力を有する艇を建造することは技術的に可能と思われる。日ボとしては、新たに建造させるナックル艇に対し、FISA安全ガイドライン(日ボ安全基準)を満足する様に指導すべきと考える。
以上

PS:
今週は種々の事情により、乗艇練習が全く出来なかった。1週間全く漕がないと体が鈍るので、今日は自宅でエルゴを漕いだ。暑いので冷房をONにし、扇風機を回し、更に夏用の長袖アンダーウェア(ワコール製:ゴルフの石川選手も愛用とか?)を着て60分漕を実施。暑いのでユッタリEasy Rowingしたところ、14km弱しか漕げなかった。そこでCooling Downを兼ねて更に4kmを追加で漕いだ。合計18km。来週は乗艇したい。