Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

LBRCのローイングスタイル統一に向けて

oyajisculler2011-02-15

LBRCは、同じ大学のOBの集まりとは言え、実際は各年代でローイングスタイルが異なるため、様々な世代のクルー構成で漕ぐと、ブレードワークやボディーワークが合わず、バランスもなかなか決まらない事態が発生する。(例えば、S54〜S57年の全日本エイト4連覇の世代でも、前半2年と後半2年ではかなり異なるローイングスタイルとなっている)
そこで、LBRCでは以下に記す内容にてローイングスタイルで統一してゆきたいと考え、メンバーに対し、以下のローイングスタイルで統一しようと投げかけた。

1)キャッチからフィニッシュまで体軸(背骨)はキールセンターをキープする。

これを実現することで、体の傾きによる左右アンバランスモーメントを最小限とし、多少動きにズレが合っても艇が大きく傾かない様にする。(体を傾けない) 

これが出来ている漕手は、上の写真の整調の様に、キャッチ前では、アウトサイドの肩は下がり、インサイドの肩が上がる。(前傾した状態で肩を回すと、こういう姿勢になる) また、これが出来ている漕手は、アウトサイドだけでなく、インサイドの腕も良く伸びて、両腕が良く伸びた状態になる。
  

2)水中一枚平らに押し切る。

フィニッシュでブレードが浮いてしまう人が多いのも事実。フィニッシュハーフで、ハンドルを腹に向けて落としてしまう癖がついている者は、エルゴで30分、60分などのロングを漕ぎ、この中でハンドル軌道を矯正する。 特に、フィニッシュ引き切り状態で、ハンドルが乳首より上に来るように引き切る。 この際、両脇を軽く締め、肘は下向きとし、手首を高く保つようにして背中の大筋郡を使って引くことが肝要。結果としてフィニッシュで手首は曲がっても良い。(でも手の甲は水平に!)

3)スイープローイングでのフィニッシュ周りの両手の使い分け:

  • アウトサイドハンド:ハンドル軌道をコントロールし、パワーを司るスイープローイングの主役。 
  • インサイドハンド:フェザーやスクウェアリングなど、ハンドルの回転を司る。パワー面ではアウトサイドハンドを補佐する役割。

フィニッシュではアウトサイドハンドをアウト側の乳首に向けて水平にドライブする。そしてフィニッシュ引き切り時にアウトサイドハンドでハンドルをタップダウンし、ブレードを離水する。(タップダウンは確りした段差が必要) この時、インサイドはリラックスさせ、タップダウンと同時にインハンドの手首を使って「スパッ!」と瞬時にフェザーターンする。(インハンドが力んでいると、素早いフェザーが出来ない) この時のブレードの動きは、ブレードの上端を支点にして下端が振り上げられる動きとなる。 (小さじ一杯程度の少量の水が斜め後方に向って「ピシュ!」と跳ね上げられる動きになる。)

4)ブレードが離水したら、素早くハンズアウェー、それに引かれて上体を前傾させる。

ドライブからハンドル膝前までのハンドルの動きはワンモーションで淀みなく動く。(フィニッシュで長々とハンドルを抱え込むのは間違い) その先の膝前からキャッチ前までのシートスライドは出来るだけリラックスしてユックリ動く。

5)シートスライドを加速せず、等速で動く。(フォワード終盤でスライドは少し減速する)

現在、中年以上のOBの方々は、大学生で漕いでいた頃は、大半のクルーが加速フォワードをしていたと思われる。しかし、現代漕法の考え方では、加速フォワードは極端に言えば「悪しき漕法」となっている。何故なら、加速フォワードすると弊害ばかりで良い事が何も無いからである。フォワード終盤は艇(ストレッチャー)が自分の方に近づいてくるまで気長に待ち、レンジを伸ばす事が肝要。 フォワードを加速させないために、クイックハンズアウェーが必要となる。

7)ブレードは、ノーフェザーでの軌道が基本。

ブレードの軌道は、ブレードスクウェアと同じ軌道とし、水面とのクリアランスを保ち、水平に動かす。(フォワード中にブレード軌道を上下させない。)

8)バランスはフィニッシュの押し切りを合わせる事で取る。

ウォームアップルーティーンの中に、ノーフェザーによる両舷フィニッシュ練習を織込む。①フィニッシュ位置でのチャボリ、②腕漕ぎ、③上体漕ぎ、④フィニッシュクォーター、⑤フィニッシュハーフ、⑥フィニッシュスリークォーター、⑦フルレンジ、⑧フェザー付きフルレンジ、これら一連の技術練習を完了するまで2km程度を使ってタップリ行う。各々のフェーズでキチンと出来るまで次のフェーズに入らない様にすることが肝要。

9)フォワードエンドがブレードエントリーとなる様にする。

フォワード終盤のブレードの水平方向の動きはユックリ、そしてエントリー時の鉛直方向の動きは素早くする。(キャッチは先ずブレードエントリー) そしてブレードエントリーと同時にドライブする。(ブレードが水に入る前にドライブしてはならない)

今日、LBRCメンバーに配信した文書の本文:
LBRCのローイングスタイル統一に向けて.doc 直

以上