Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

早朝: 3km漕 x 3

今朝はほぼ満潮。流れはないので、戸田橋から笹目橋間にブイを打ち、3kmコースを設営してトレーニング実施。
コースは上り方向に設置。生憎今日は西北西の風が2〜3m吹いており、逆風でのシミュレーションとなった。ジュニアは未だ未熟であり、3本あると分かっていると、一本目から全力で突っ込む事が出来ず、3本平均的な出力になってしまう傾向がある。まあ、こういったものは思い切りとか精神力に依存する分野であり、経験を積むことで克服してゆくものだと思う。
さて一本目。今日はカーブ一箇所に対して2個のブイを設置した。2個のブイは概ね12m間隔で設置したので、本番通り。後ろからカーブワークを見ると2個のブイの間を、概ね真ん中で通過していたが、ブイ通過後に船体がアウトカーブ側に大きく膨らむ傾向が見られた。もう少し手前から舵を切り、イン側のブイに近づきながら最短コースでカーブしてゆく方が速度を落とさず、そして距離の損も無いと思う。
まあ、何れにせよ、今日課題としていたカーブでの艇速減速は少し改善が見られたと思う。
リズム面では、ギャザーしてドライブというものに対して、足蹴りなど強くドライブしようと漕手全員が意識した時には、力強いドライブ感が見られたが、ハンズアウェーが素早く出せていないため、ギャザー感が確り出せず、リズム感が未だ十分で無い。この点に関しては、北京五輪金メダルのポーランドM4Xクルーの漕ぎ・リズムを良く観察してお手本として欲しい。
世界選手権で連戦連勝するクルーには、その独特のリズム感を持ったクルーが多いと思う。例えば、北京五輪のカナダ8+、ポーランド4X, そして1982年の東大対校8+。
何れもYoutubeや、DVDなどいつでも動画で見る事ができる環境が整っているので、良く観察して良いところを真似ればよい。
3km 1本目(逆風)
 同上(中盤)
 同上(終盤)

復路の二本目は順風。水面にさざ波ができるほどのハッキリした順風。こう言う環境では、キャッチからガンガン飛ばして順風のメリットを最大限に生かしたいところ。でも何と無く水中出力を出し切れぬまま、マッタリとしたリズムになっていた。良いコンディションでは嬉々としてダイナミックに艇速を上げて欲しい。
3km 2本目終盤(順風)

3本目は再び逆風。一本目の時より幾分風速が治まった様だった。3本目は艇速を維持しようとする意思が少し改善されてキャッチからのドライブ感が改善されていた。
3km 3本目序盤のカーブ
3km 3本目中盤

3本平均で評価すると、概ね先週、対校と並漕した時と同等の艇速だった。今日は単独でのトレーニングだったので、先週より少しパフォーマンス改善したと言って良いだろう。

午前:新人の4X+艇リガー取付など

新人は今日からシェル艇の舵手付きクォードを使った乗艇を行う。ということで、今日は新人自身の手でリガー取付作業を行った。新人だけでは作業が出来ないので、工具の使い方や大まかなリギングの仕方をおやじが教えながら実施した。今日教えた内容で特記すべき事項は以下の通り

  1. リガー取付に用いるナットはJIS規格のM6番のなっと。スパナサイズは10mm。通常のスパナで締め付け過ぎると船体が痛むので、ソケットドライバーを使って締め付けられる程度のトルクで締め付けるのが好ましい。
  2. 古い輸入艇の中には、M6でなく、インチ規格の11mmナットがある。素手でナットを回して上手く回らなかったら、ネジの規格が異なっているので、無理に押し込まないこと。
  3. スカルのワークハイトはBサイドをSサイドより高くする必要がある。東大新人では左右のハイト差を3cm程度としている。このため、規格艇クォードを使う場合は、ピンのワッシャー調整だけでは出来ないので、L板の取付ボルト穴を左右で異なる位置とするなどの対策が必要。ユーロタイプリガーの場合は、リガー取付ボルト穴位置を左右で変えるなどの対策が必要。
  4. PTH位置の基準点であるピン位置のチェック方法。

見ていて感心したのは、新人諸君が、艇の整備に関して興味津々で確り学び取ろうとする姿勢が際立っていたこと。やはりこの辺りは東大生の気質だと思う。
 乗艇で使用する規格艇4X+を整備する新人
 同上

 船齢20年の彗星:レール下のウェッジが腐っていた
 ウェッジ交換後。

午後:ジュニアエイトのUT及び技術練習

ジュニアのキャッチ角やフィニッシュ角がバラバラで揃っていないので、出艇前に大型三角定規を使ってキャッチ角とフィニッシュ角の位置をガンネルにマーキングした。昨年度のジュニアエイトがマーキングしたモノが八割方残っていたが、テープが外れて無くなっていたものがあったので、改めて付け直した。
 キャッチ角:55度(白)、フィニッシュ角:35度(黄色)をガンネルにマーキング

岸を蹴って直ぐにフィニッシュレンジが合っているかどうかをチェックし、あっていない者はストレッチャー位置PTHを船上で調整しなおした。
また、各々の漕手がキャッチ位置とフィニッシュ位置を認識したことで有効レンジが一気に伸びた。
午後は南風が3m程度吹いており、大曲より上流は、往路は好順風。アップは大曲迄だったが、折角の順風を享受してトップスピードの殻を破りたいので静止スタート練習を追加。好順風に押されて、これ迄で最も速い艇速が出た。やれば出来るの典型である。

その後の NF-UTでも、レンジが伸びて良い艇速が出た。
復路は逆風だったが、溜めてドライブするリズムが少しずつ浸透し始め、逆風の割りにはまあまあの艇速が出た。
一方で、フィニッシュハーフでペロペロとブレードが浮いて、シャカシャカとブレードがスリップする傾向がが見られた。
ここで、オマノトペ方式で"フィニッシュハーフは、ブレード一枚キープして、「グッと脚で」押し切ろう"と指示したところ、艇速の改善が見られた。
エイトは大人数が乗るので、一人一人にフィードバックが掛かりにくいが、コーチが分かりやすいアドバイスをすることで、艇速がグンと良くなるという事を改めて体感した。

リズム感を醸成する切っ掛けを掴みつつあると同時に、それが出来れば一皮むけそうな感じがする。

 午後のNF-UT
フェザー付きUT
 オールの振り角統一、ドライブ主体のリズムが定着し、艇の進みが安定してきた
 同上
 揚艇。今日は中国人が多数、川辺で夕涼みをしていた。

以上