Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

Pause at the Finish

oyajisculler2017-06-15

昨日のブログでは、Finishで動きを止める漕ぎをFinish Stop漕ぎと称したが、ネットで検索したところ、英語圏ではPause at the Finishと称されていた。
という事で、英語に習って、今後はPause at the Finishと称す。

今朝の荒川乗艇では、6km漕の1本目をこのPause at the Finish漕ぎ(SR18)で行った。

今朝は、エイトで初めて本格的に導入したが、特に支障なく行う事が出来た。
後述の狙いの通り、FinishでのWash outを抑制し正しい漕ぎに矯正する練習が出来ると考えるので、今後も継続する。
特にフィニッシュでハンドル軌道が下がり、フィニッシュでブレードを浅くしながら、タップダウン無しでブレードリリースする誤魔化しの漕ぎをしている者は、自分自身でそのブレードワークの不正を確認する事が出来る点が良い。

<写真>
 5時39分。岸蹴り時の空。薄く雲が掛っているが朝日が出ている。
 6時17分。6km UT漕の1本目。大曲から下り方向へ。今日からPause at the Finishを導入。
 6時21分。逆風だった事もあり、天寵が3L差のハンデを一気に詰め、抜き去った。
 6時26分。笹目水門前通過。無限はFinishで動きを止める漕ぎで、レート18以下指定なので艇速が伸びなかった。
 6時50分。6km漕の2本目はPause無しのSR20で実施。無限はレートを高めて天寵を引き離していた。
 7時00分。6km漕 2本目の復路でも、無限が良く粘っていた。

<動画>

対校8+ 天寵

  • 6000m 1本目(Pause at the Finish, SR18, 無限と並べ):Ave.1'54.0/500m, SR19.0(逆風)
  • 6000m 2本目(SR20、無限と並べ、3000m往復):Ave.1'49.8/500m, SR20.7(出遅れて無限の曳波被る)

https://www.youtube.com/watch?edit=vd&v=vrU2AF7xaxU
https://www.youtube.com/watch?v=7OjqZC7oePk&edit=vd

2nd 8+ 無限

  • 6000m 1本目(Pause at the Finish, SR18, 天寵と並べ):Ave.1'59.4/500m, SR18.6(逆風)
  • 6000m 2本目(SR20、天寵と並べ、3000m往復):Ave.1'49.2/500m, SR22.8(レートが高過ぎる)

https://www.youtube.com/watch?edit=vd&v=xE3Py-jlAuQ
https://www.youtube.com/watch?edit=vd&v=Z5_DJCumrs0

M1X 新田

  • 7500m * 2:Ave.2'11.7/500m, SR20.3, 2000mSS換算8'00.6, η82.5%(今日は少々水面に波があった)

https://www.youtube.com/watch?v=xLnkRhSGagA

M2+ 月影(山本・田中リハビリ対応)

  • 6000m 1本目(独漕):Ave.2'20.5/500m, SR18.5(独漕でも確り強度を保とう)
  • 6000m 2本目(W2Xと並べ):Ave.2'14.3/500m, SR19.4

https://www.youtube.com/watch?v=qJFgGrpii_k&edit=vd

W2X Spica

  • 6000m (M2+と並べ):Ave.2'15.3/500m, SR18.8
  • 4000m (Pause at the Finish, 独漕):Ave.2'25.1/500m, SR16.2

https://www.youtube.com/watch?edit=vd&v=O1XcvuefHKk

M1X Y本(腰痛リハビリ中)
https://www.youtube.com/watch?v=kbwdWPtkaAE&edit=vd

Pause at the Finishに関するネット上の解説・議論:

Youtube解説:Analysis - Pause at the finish, boat run and effective catches
ロンドン五輪銀メダルの豪州M4-の低レートUT漕に関する解説動画。
特にPause st the Finishに関して解説している。
https://www.youtube.com/watch?v=ltAWzeJ44x4

Pause at the Finishに関して、その狙いと効果に関してコメントされている。
https://www.reddit.com/r/Rowing/comments/6bmdj7/pause_at_the_finish/

参考までにこのPause at the Finishを導入した豪州M4-クルーのロンドン五輪決勝レースと、スイスLM4-クルーの2015年世界選手権決勝レースの動画を添付する。
何れも正確なブレードワークとなると同時に、レースレートではFinishで止まる様な漕ぎにはなっていない。

豪州M4-クルーのロンドン五輪決勝レース
https://www.youtube.com/watch?v=x6wHZNWF7pA

スイスLM4-クルーの2015年世界選手権決勝レース
https://www.youtube.com/watch?v=u6xf00AcC1E

東大漕艇部の狙い(氏家の考え):

昨日のブログにも書いたが、私としてはこのPause at the Finish(Finish Stop漕ぎ)の狙いは以下の通り:

  1. Finishで動きを止(ハンドルをタップダウンし、フェザー完了した瞬間に止める)める事により、漕手はFinish押し切りとクリーンリリースに集中する事ができるので、技術改善につながる。
  2. SR18以下の低レートで行うものであり、フォワードの時間は十分あるのでFinishで動きを止めてもリラックスしたフォワードは阻害されない。
  3. スカルの場合は左右のシンクロ、スイープの場合は両舷の漕手の押し切り&リリースのタイミングをシンクロさせないとバランスが取れない。即ち、合せるためのトレーニングになる。バランス改善トレーニングにもなる。(スカル漕ぎの場合はFinger Turnする事が必要。即ち、Finger turnの練習になる)
  4. フィニッシュでバランスを取れた状態からフォワード出来るのでリラックスし、且つ、良くコントロールされたフォワードが出来、結果として正確なキャッチに繋がる。
  5. フィニッシュで動きを止める分、容易にレートを下げる事が出来ので、フォワードの時間が長くなる分、キャッチ前の艇速が落ち、キャッチがしやすく、且つ、確りと水を掴む事が出来る。従って、ある意味で負荷付きトレーニングの様なキャッチの掴み改善の練習にもなる。
  6. レート18以下の低レートUT漕で行うものであり、SR24以上の様な中間レート以上ではフィニッシュで動きを止める事無くスムーズにハンズアウェーしてユッタリとフォワードする。

東大漕艇部では、今後、方針変更をしない限り、SR18以下の低レートUT漕(6kmUT漕など)では、このFinishでオールの動きを止めるPause at the Finish漕ぎを標準様式として、今後トレーニングする。

以上