工学部と資格とそれから私

 昨日、山倉さんが書いていたが、大学の工学部というところには基本的に資格がない*1。その理由をつらつらと考えてみた。


 なぜ工学部に資格がないのか。それにはいくつかの理由が考えられる。


 まず、工学部は内容が結構広範囲に渡る。
 自分の研究室に限っても、油圧シリンダを使って機械を製作する人、人とロボットの会話を研究する人、画像処理を研究する人、ヒューマノイドの運動を研究する人とまあえらく色々な人がいる。一つの研究室でこれだから、工学部で資格を扱うのは相当難しいだろう。


 そもそも工学部に資格はいらない、と僕は思う。
 資格というのは、ある特定の作業を行なう上で必要となってくるものである。例えば保育士、教師、介護士建築士などは、それぞれ特殊な作業*2であり、誰にでも任せられるわけではない。だから資格を作り、それらの作業ができる人を限定しているわけだ。
 逆に言えば、資格の必要とされる作業というのはある程度ルーティンワークの性質を持つということでもある。そうでないものは、試験で適性を判断するのが非常に難しいからだ。
 工学部の場合、大学で勉強した知識をルーティンワークで使う、ということがあまりない。特に社会に出て開発部門などに入ったら、そこでの仕事はルーティンワークとは無縁である。


 まあ福祉系に資格があって工学部に何も資格がなくても自分は特にどうとも思わない。
 福祉の資格取った人が工学系の仕事に就けるわけでもないし。

*1:建築学科→一級建築士とかは別として

*2:仕事、と言ってもいい