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Konstanz als Heimatstadt

ドイツのクリスマス

ドイツはもともと「家クリ」の国です。


ドイツのクリスマスを迎えるまでの様子は既に「アドベント」や「聖ニコラウス」でも紹介したところです。ドイツではクリスマス前の4つの日曜日を非常に大事にしていて,その日が来るたびにろうそく(die Kerze)に火を灯します。またこの2番目の日曜日とほぼ重なる時期に来る聖ニコラウスの日には,ニコラウス(地域によってはクリスマスマン)が子供達に甘い物などを配るとされています。
ドイツではクリスマス(25日)とその翌日(26日)が祝日になっており,この両日はお店も完全に閉まります。また実質的にはクリスマスイブの午後も店が閉まることが多いです。ドイツ各地で華やかに開催されてきたクリスマスマーケットもほぼこの時期に終わりを迎えます。都市によっては年明けまで開催しているところもあるようですが,コンスタンツでは23日までで,クリスマスイブの朝は片付けをやっています。日本ではクリスマスイブが盛り上がりのピークであるのに対し,ドイツではクリスマスイブを含む3日間にはそうした華やかさがあまりなく,むしろ家で家族と過ごすことに重点が置かれているように見えます。
伝統的なクリスマスツリー(der Weihnachtsbaum)はろうそくが用いられる
典型的なドイツのクリスマスの過ごし方は,日本の年末年始に似ているとも言えます。この時期には遠隔地に住んでいる家族・親戚が戻ってきます。クリスマス時期の食事は日本のおせち料理のように,ある程度日持ちがするものを前倒しで作っておいたり,あるいは簡単な食べ物で済ませることが多いようです(クリスマスイブの食事を豪華にする日本のやり方は,おそらくアメリカから来たのではないかと思います)。家族がいない人の場合には,友人がパーティーに呼んでくれたり,あるいは酒場などでそうした人向けの企画が用意されていたりするそうです。
クリスマスに贈り物をするのはドイツでも見られます。家によって違いがあるようですが,ニコラウスの日にはお菓子など簡単なものを,24日から25日にかけての時期にはもっと高価なものが贈られる傾向にあるようです。ドイツではこの時期にプレゼントを持ってくるのはクリストキント(Christkind)という天使の姿をした子どもだと言われています(サンタクロースが持ってくるのではありません)。日本でもよく知られているニュルンベルクのクリスマスマーケットではこのクリストキントが毎年選ばれて街中で活躍しています。どの時期に誰がプレゼントを持ってくると言われているかは国により随分異なっているようで,イタリアでは1月に入ってからなのだそうです。
日本のクリスマスは華やかで賑やか,豪華絢爛という印象ですが,ドイツではむしろクリスマスに入る前までがそのような様子であり,クリスマスになるとむしろ静寂を大事にしているような気がします。一年で最も夜の時間が長くなるこの時期に,ろうそくに火を灯して,幻想的な雰囲気の中で家族や親しい人と過ごす時間,それがドイツのクリスマスのようです。