2007-07-10
■[日記]異性と長く付き合いたければどういう相手選べばいいの、という話

[シカゴ 9日 ロイター] 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームは9日、筋肉質の若い男性がそうでない男性よりも性交渉の相手を得やすいとの調査結果をまとめた。同チームが学術誌「Personality and Social Psychology Bulletin」に発表した。
という記事があったんで、ちょいと尻馬して。
これ、「Personality and Social Psychology Bulletin」って学術誌に載った奴みたいなんで、ちょいとPersonality and Social Psychology Bulletinで、ぐぐってみたわけですよ。
そしたら、まぁ、この記事のは出てこなかったけど、
こんな面白い論文みつけたんで、これの紹介をかねて、ね。この論文は日本語で、日本の大学生の類型についてまとめた奴です。
で、面白い話になるんですけどね。
本研究では,外見的魅力と性格という恋人選択要因が恋愛類型に影響を及ぼすのか,また比較的長い交際をしている人と短い交際をしている人では,恋愛類型に違いがみられるかどうかを明らかにするため質問紙調査を行った
という奴なんですけどね。
ちょいと、表だけ引用させてもらいますが、
となっています。
これ、なかなか面白い。
ええと、詳細は、上記の論文読んでもらうのがいいのですが、調査方法としては、以前引用したデビット・M・バスのやり方と一緒です。まず、男女の被験者に段階別のアンケートを取り、それの平均値を割り出して、偏差を出し、T検定にかけて有意差があるかどうか確認するという手法です。これが行われているので、ざっと表を眺めると、どこの性差が存在するのか、簡単に把握できるんです。
結果として出たのが、
LETS‐2の尺度得点を松井他(1990)に従って得点化した。次に各類型について男女の差がみられるかどうかt検定を行なったところ,Pragma得点において有意差がみられた(Table 2)。
交際期間と恋愛類型の関連については,長く交際している女性はEros得点が高く,男性はLudus得点が低いことが明らかになった。また,長く交際している学生の男女を比較した場合も女性のEros得点が高い。Pragma得点においても有意差がみられたが,これは総合的な男女比較においても同じ結果であり,男性よりも女性の方が実利的恋愛の傾向があることが明らかになった
まずはここ。Pragma(実利的な愛)得点に有意な差があります。
これは、「恋愛を地位の上昇などの手段として捉えており、色々な基準を立てているかどうか」、という点に重きをおいているかどうかがわかる分野です。
男性の平均値が、12.23に対し、女性の平均値が、15.84なわけです。有意な差が出ていますし、女性のほうが明確に平均値が高い。
これは、つまり、女性は、「恋愛を地位の上昇などの手段として捉えており、色々な基準を立てているかどうか」という要素を男性と比較して強くもっているということを示します。
以前紹介したデビット・M・バスの調査もそうですが、女性は、「恋愛を地位の上昇の手段」として捉える傾向が男性と比較して強いんです。ここが性差です。これは、どの文化圏でも、ほぼ共通なんです。
また、男性は、この分野では、女性を利用はまずしないんです。平均値が、Pragma(実利的な愛)に関して、非常に低い。他の5タイプと比較して、明らかに低いんです。男性は、女性と「社会的な地位や財産」のために結婚はまずしない、というのはこれが理由です。男性は、女性を利用して富を増やそうという行動は、あまりしないんです。ですが、女性はする傾向がある。あくまで、男性と比較しての相対的な話ですが。
で、この手の話を出すと、大抵は、「男性が富を独占しているから」という反論がくるんです。実際に、この論文でも
しかし「男社会」である日本の社会構造から考えても,男性は女性に対して地位の上昇など実利的な恋愛目的を持ちにくいと考えられる。
こうなってます。男性が富の大部分をコントロールしているというのは、事実です。これは、ほぼどの文化圏でも同じです。
ただし、それが女性が「Pragma(実利的な愛)を男性より好む理由」だとする説には、反証がいくつかあります。
まず、日本の高学歴な女性やアメリカの高学歴な女性の中には、明確に男性より稼いでいる女性というのが存在します。そりゃ、同じ高学歴な男性と比較すれば、女性のほうが収入が平均的に低いというのは確かです。ただ、高学歴な女性というのは、大抵、いい企業に就職しますし、平均的には、低学歴な男性よりも稼いでしまう可能性が高いわけです。これはアメリカでも同じです。実際問題として、ハーバートを出た女性の平均年収は、平均的なアメリカ男性より高いんです。
で、そういった女性が、「地位の上昇」という実利的な恋愛目的を捨てるかというと、そうでもない。
「私の相手は、ハンサムで包容力があって、私のしたいことを好きにさせてくれて、その上仕事もバリバリ出来る人。しかも、私が仕事を辞めても生活水準が維持できるレベルの収入。」
こんな人、そう珍しくもないんです。要するに、女性が富を持ち、豊かになっても、「Pragma(実利的な愛)」に関しては、経済学的にいうと、「効用が逓減しない」んです。女性が豊かになっても、やっぱり、女性は豊かな男性が好きなんです。
以前、引用したドミニカの話も、その典型なんです。ドミニカのセックスワーカーは、ドミニカの大多数の男性より遥かに稼ぐが、事実婚をするだけで、法的に結婚したがるのは、海外の男性になるという話です。
デビット・M・バスは、西アフリカのカメルーンにあるバクウェリの社会の例をだしていますが、そこでは、女性が農園で働く他に、一時的なセックスという大きな収入源を持っている上、男性のほうが、ずっと数が多い。そのため、女性は、男性をかなり自由に選べる上に財産まで持っているわけですが、そういう女性がやることは、「財産をもった男性と結婚したがる」という事らしいわけです。
ようするに、ですね。この傾向は、極めて生得的なものである可能性が高いということです。効用が逓減しないのは、おそらくは本能的な部分が大きいためだと考えられます。
さらに、経済的に成功した女性、あるいは成功しそうな女学生というのは「より強く高収入の男性との結婚を望む」という傾向も報告されてます。これは、アメリカの話ですがね。多分、日本も同じでしょう。
そういうわけですので、この点については、男は頑張って金稼ぐしかないわけです。
ただし、
さらに外見的魅力を重視する男性15名,女性30名と,性格を重視する男性15名,女性30名に分け,それぞれ外見重視群と性格重視群とした。次に外見群と性格群についてt検定を行なったところ,外見群の中で男女を比較した場合のPragma得点においてのみ有意差がみられた(t (43) = 2.535, p <.05)。女子大学生において外見的魅力を重視する人は,社会的な地位の上昇など,さらに実利的な基準をもっていることが明らかになった。
こういった結果をみていると、「外見群の中で男女を比較した場合のPragma得点においてのみ有意差がみられた」となっていますので、男性の性格重視の女性であれば、外見重視の女性よりは金がなくても結婚できるということなのかもしれません。
逆に言えば、男性の外見重視の女性は「Pragma(実利的な愛)」の傾向が強いとなっていますんで、「ハンサムが好き」とか「背が高い人が好き」とか、「筋肉質の男性」が好きな女性というのは、男が相当金もってないときつい傾向があるのかもしれませんが。
まぁ、振り返ってみるとハンサムな人が好きとか、運動神経のいい人が好きなんて女性は、確かに、実利的な子が多かったなぁと思います。
しかし、なんといいますが、一般的に「男は外見より中身」という女性がそれなりにいるわけで、大抵、そういう女性のほうが男性に好まれるわけですが、男性がそういう女性を好むのは、「低コストで手に入る可能性があるから」というアレなのかもしれません。
これまた微妙です。
で、次。
外見的魅力と性格という恋人選択要因が恋愛類型に影響を及ぼすのか,また比較的長い交際をしている人と短い交際をしている人では,恋愛類型に違いがみられるかどうかを明らかにするため質問紙調査を行ったが,恋人選択要因は特に恋愛類型に影響していなかった。
これが面白かったのですが、「ツラか性格か」は、恋愛類型に影響を及ぼしてないんですな。ツラは、Erosに影響与えてそうにも思えますが、意外とそうでもない。また、遊びの恋愛は、男性のほうがしてそうな印象もありますが、これまたそうでもない。女性も十分やるみたいです。Ludosの数値に有意な差がありませんので。
それから、
恋愛関係を維持するためには,女性のErosと男性のLudusが重要であり,長期恋愛群と短期恋愛群に有意差がみられたことから,恋愛が長続きしやすいタイプ(女性においてEros得点が高いタイプ)と,しにくいタイプ(男性においてLudus得点が高いタイプ)が存在することが示唆された。
これもなかなかおもしょい。
長期間、一人のパートナーと恋愛したければ、女性が「強いロマンティックな恋愛感情をもちやすい事」、そして男性が「恋愛をゲームとは捉えていない事」が重要みたいですな。また、長く交際している男女の場合でも、Pragmaに有意な差があり、女性のほうが、それを重視するのは変わりない、と。
というわけで、まぁ、あたりまえの話っちゃ当たり前の話ですが、女性はロマンティックな恋愛感情をもっていたほうが関係を長続きさせやすい、という話にはなりやす。
一方、男性は、「恋愛をゲームと捉えている」なら、まぁ、結婚向きの性格ではないよ、という話になります。
最後に、この調査でも、やっぱり、女性と男性の間には、Pragma(実利的な愛)、恋愛を社会的な上昇と結びつける傾向に、はっきりとした性差が出ているんで、この点では男性は頑張りましょうという事で。
ただし、男性の性格重視の女性の場合、比較的、この傾向が弱く、男性の外見重視の女性の場合、この傾向が強い、そんな話なのでした。
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で、そういった女性が、「地位の上昇」という実利的な恋愛目的を捨てるかというと、
そうでもない。
あの。
まだまだ男らしさや女らしさの概念が残ってる(SFなどに登場する世界観に比べればジェンダーの影響はアホほど色濃く残ってると思いますアメリカや日本は)社会において生まれ育った女性が
いくら稼いでるからって「金を稼ぐ男の方がいい」という価値観から逃れられるとは思でないんですが。
本人が自分の美しさを磨いたりする「ごく普通の女性」(女性の求められる「お化粧をする」などのジェンダー規範を内面化している女性)ならばなおのこと。
本当に全く男らしさ女らしさが無い世界、あるいは逆転している世界に生まれ育った女性なら
男を金の稼ぎっぷりで判断(恋愛を道具にしてステップアップしたがる)ことは無いと思います。
男性と同じように顔とか気立て、あるいは全く別の軸で評価するようになるでしょう。
ついでに、男らしさ女らしさが逆転した世界も動物の世界ではあります。両生類の一部にみられるような、精胞をオスが作って、それをメスが奪い合うケースです。
そういった性的役割が逆転した場所では、メスがオスを巡って争ったり、オスに社会的な保護を与えたりします。
ですから、おっしゃる通り、人類のオスが、何らかの形で、受精段階から多大な投資をするような性的役割を担うのであれば、女性が男性を巡って争い、場合によっては男性に社会的な地位や金を与えるような社会も築かれた可能性は高いと思います。他のいくつかの動物のように、ですが。
ただ、地上に現存する200種類程度の霊長類では、メスが受精・妊娠・出産・授乳といった形で莫大なコストを払う形で進化してきました。
である以上は、人類の女性が、そういったコストに見合うだけの男性を選ぶようになるのはごく自然なことだとは思っております。究極的には、女性が体内での受精・妊娠・出産・授乳といったコストを担わされている限りは、この構図は基本的に変わらない可能性が高いと思っています。