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2009-03-05

[]クルーグマンの心変わり? クルーグマンの心変わり?を含むブックマーク


Hey, who you callin’ neo-Wicksellian? (wonkish)

クルーグマンの結論

最近話題のアレです。ryozo18さんとこで、訳が読めます。クルーグマンといえば


 これは、おかしな議論どころか、倒錯した話にきこえる。でも忘れないでほしいんだけれど、基本となる前提――名目金利がゼロでも、十分な総需要を作り出すには不足だという事態――は仮定なんかじゃないってこと。これはまさにいまの日本の実状そのもの。だから、構造改革や金融拡大が必要なだけの需要をもたらすという説得力ある議論が展開できないかぎり、経済を拡大するための唯一の方法は実質金利を下げることだ。そしてそれをやる唯一の方法は、インフレ期待をつくりだすことだ。

日本がはまった罠


って文章が有名で、リフレを日本に進めていた人の一人だったんですが。


A whiff of inflationary grapeshot

クルーグマン「インフレターゲットのススメ」(資料編)


最近でもこんな文章(下の矢野さんのエントリで訳が読めます)書いてまして、リフレ進めているのかなーと思ってたんですが、ところが、この間、


My view, which I thought was pretty clear, is that the liquidity trap is real: no matter how much the Fed increases the monetary base, it has no effect, because it just substitutes one zero-interest asset for another. If the Fed could credibly commit to inflation at rates higher than the 2-ish percent target it’s already believed to have, that would be effective. But right now I don’t see that as a realistic option, hence the emphasis on fiscal policy and bank recapitalization.


A quick response to Scott Sumner


という文章で、強調は僕ですが「けど今、僕はインフレターゲットを現実的なオプションだと思ってないんだ。だから財政政策と銀行への資本注入なんかを進めているのさ。」と書いてて、正直「ええッ!?」とか思っていたわけです。


そしたら、今日、ようやくその意見に対する答えみたいなのが遂に明らかにされてて、


What comes down to is this: once you’ve pushed the short-term interest rate down to zero, money becomes a perfect substitute for short-term debt. And any further increase in the money supply therefore displaces an equal amount of debt, with no effect on anything. Period, end of story.


(意訳)

こういう事なんだ。いったん、短期金利がゼロになったならば、貨幣は短期金利の完全な代替え物になる。だから、あらゆるマネタリーサプライの増加は、同じ量の負債となるので、何にも効果がないってこと。マル。話は終わり。


まー、アレですよ。これは、クルーグマンが以前いってたことと同じ。


日本破綻―デフレと財政インフレを断て (講談社現代新書)

日本破綻―デフレと財政インフレを断て (講談社現代新書)


この本の中で、深尾先生(当時リフレを主張していた元日銀マン。現在慶應の教授)が、


 現在のような深刻なデフレになると、日銀が現金で長期国債を買っても、実はそれ自体に緩和効果はあまりないと考えられる。デフレ下で需要があるのは、政府の名前(保証の)の付いた金融資産だ。それが国債であり、現金であり、郵便貯金などである。それに対して、実物資産が売られるからデフレになる。


って書いてます。これ、2001年の本なんですけどね。ここまでは深尾さんとかクルーグマンは言ってること同じ。



そんなわけでクルーグマンは持続的なマネタリーベースの増大をコミットする(景気が良くなり始めても金利は上げないとコミットする)という形を当時、確か進めてたし、深尾先生は日銀がバランスシートにガンガン実物資産を買い入れればいいと進めていたわけですよ。


 国債買いオペは、いわば「政府の名前」の付いた資産の中での交換にすぎない。本当に緩和効果を出すのなら、民間が持っている実物資産を日銀がどんどん買い取ることだ。これを大量に行えばデフレは止まる


深尾先生はこういう主張してます。上記の本のなかで。


ただ、これにも副作用があって


バフェット氏は最高経営責任者(CEO)を務める米保険・投資会社バークシャー・ハサウェイの株主への年次書簡の中で、「現時点では、経営難で政府保証を確保した企業の方が、政府保証を得ていない難攻不落の企業よりもはるかに状況は良い」と指摘。「バークシャーの信用格付けは無傷であり、米国で最上級のAAA格付けを持つ7社の一角であるが、当社の借り入れコストは政府支援を受けた財務力の不安定なライバル企業よりもはるかに高くなっている」と述べた


バフェット氏:高格付け企業は政府支援企業より苦戦−借入コスト上昇


ってバフェットが愚痴ってます。政府保証のせいで、民間が金借りにくくなってると。まぁ、しょうがないんですが。今、みんなが欲しがっているのは、政府の名前のついた資産ですしね。政府の名前のついた資産のバブルなんです。今は。で、政府の名前のついてない資産はガンガン売られるのでデフレになっちゃう。


ところが、これもクルーグマンがばっさり切ってて、

Now, maybe the central bank can do other things, like buying long-term debt or risky assets, which will have an effect. But that’s because the central bank is taking some risk off the private sector’s hands. It has nothing to do with increasing M, per se.


現在、多分だけど、中央銀行は他の政策をとることもできるよ。長期債権とかリスク資産を買ったりね。効果はあると思うよ。でもそれは中央銀行がリスクを民間セクターから肩代わりしてあげるってだけ。マネーサプライの増加とは実のところ何の関係もないんだ。


ええええええええええ!!!という感じです。


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流動性供給は、資本増強につながらない


以前、ちょっと紹介しましたけど、FRBのバランスシートは、深尾先生がかつて主張したように、国債じゃなくリスク資産だらけになってます。しかもバランスシートが超膨張してる。でも。


But can we say that recent events appear to disprove that claim? (So did Japan’s experience in the 1990s, but that lesson failed to sink in.) What we have now is a Fed that is determined not to “do it again.” It has been very aggressive about monetary expansion. Here’s one measure of that aggressiveness, banks’ excess reserves:


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Friedman and Schwartz were wrong


こないだ、クルーグマンがFRBのバランスシート出して、つぶやいてましたが、ここまでやってもインフレが起きてない


日銀も、バランスシートを三倍に拡張し、長期国債も三倍くらいまで買い入れたんですが、結局、インフレ起こせず。


正直、FRBも打つ手無し・・・って感じなんでしょうか。つーか最近のバーナンキは、なんかかつての日銀みたいで、もう公的資金が入らないことにはもうどうしようもないよオーラだしまくりで嫌なんですが。


まぁ、こうなってくると、残る希望はオバマの財政砲とガイトナーの銀行救済案だけになるわけですが。最近、この二人がしゃべる度にマーケットが崩れるので、不安すぎます。


といっても、オバマが米国債発行して、FRBに引き受けさせて、そのお金で財政政策を毎年30兆円規模で打ち続ければ、絶対インフレできます。なんでかって?同じ事をムガベが延々とやってるからです。本気でインフレ起こすなら、これが確実でしょう。問題は、インフレ率をどこまで制御できるか、なんですが。これは誰にもわからない。

suzume002suzume002 2009/03/11 22:20 制御不能にならないとインフレは起きず、そうした状況で起こったインフレはもちろん制御できないわけですから、「インフレ率をどこまで制御できるか」なんて設問にはそもそも意味がないのです。