Hatena::ブログ(Diary)

pal-9999の日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

生涯楽天家がモットーの男のネタ的はてなダイアリー。本家はこちら
サッカーネタは、pal-9999のサッカーレポートに移転しました。

2009-03-08

[]クルーグマンは何で銀行への資本注入と財政政策をすすめてるのか、とか クルーグマンは何で銀行への資本注入と財政政策をすすめてるのか、とかを含むブックマーク


まぁ、そんなことをつらつらと考えていたんだけど、メインブログでそのうちやろうかと思ってたけど、手短に。


現在、欧米は銀行危機のまっただ中にあるわけだ。


で、中央銀行が流動性の罠にはまり込み、金融政策が手足を縛られた状態の中で、マネーサプライを起こせる政策となると、過去、効果があったのは僕が知ってる中では二つ。他にもあるのかもしれないけど、知ってる限りでは二つだ。


1 大規模な財政政策

これは、日本では日銀引き受けによる政府支出(軍事予算)の増額を行った高橋是清の施策が有名だと思う。他には、ちょっと違うけど、ヒトラーも似たような形で、借金しまくって軍事に予算を突っ込み、ドイツをデフレからいち早く脱却させた。今現在進行中でこれやってるのはジンバブエムガベ政権(もっともこっちはプリンティングマネーだけども)。


不況終わらすために戦争って選択肢をあげる人がいるけどさ


以前、こっちで書いたけど、この政策は、インフレを起こすという点では優れている。経済を過熱気味にすることも可能だ。ただ、その後、増税がどうしても必要になるし、場合によってはハイパーインフレになっちゃうケースも多い。


アメリカやイギリスもWW2で、軍事支出をひたすらに増やした。アメリカはGDP比で170%の債務を負ったし、イギリスは200%の債務を抱えることになった。経済は立ち直ったものの、莫大な負債が残ったわけだ。その後、イギリスとアメリカはインフレや増税、経済成長(GDP比での債務を減らす)で何とか債務を返済した。大体、その後30年くらいかけて、この借金を返したわけだ。


やりくりに失敗したら、ハイパーインフレになる事があるんで、危険と隣り合わせの政策。



2 銀行への資本注入

脱デフレ、銀行健全化で─増資で貨幣量増加─


ネットで読める奴だと、これが簡単だと思う。小林慶一郎のコラム。

このようなメカニズムは単なる理論的な可能性ではない。ミネソタ大学のジョン・ボイド教授とテキサス大学のブルース・スミス教授らの研究グループは、近年銀行危機に見舞われた23ヶ国について実証分析を行った。銀行危機の定義は、銀行の総貸出の5%〜10%以上が不良債権化した状態とされる。これは不良債権がこの比率を超えると、銀行が実質的に債務超過になってしまうからである。

ボイドらが調べた結果、このような銀行危機が発生すると、M2が急減し、インフレ率が低下することが統計的に確認された。インフレ率があまり高くない経済では、インフレ率と経済成長に正の相関があるため、スミスは「銀行危機の時に実体経済が不況になるのは、銀行危機がM2の減少を招くからだろう」と述べている。


これは、今の世界の状況と同じ。銀行危機から始まった不況は、インフレ率の低下を生じさせてる。


ボイドらも、銀行システムの再生のためのコスト(破綻処理や資本注入など)を国内総生産(GDP)比で1%使うと、M2の増加率が5%増える、という統計的に強い結果を報告している。つまり、「過大な不良債権を抱えた国では、銀行システムの資本を増強し、銀行システムを健全化させると、貨幣量が増加し、インフレ率が上昇する」ことが示されたのである。


ジョン・ボイド教授の研究は、この報告が一番面白い。つまり、銀行危機下では、公的資金を注入したりすると、M2が増加するってのが統計的に有意になるって所ね。「銀行システムの再生のためのコスト(破綻処理や資本注入など)を国内総生産(GDP)比で1%使うと、M2の増加率が5%増える」ってのがポイント。


小林慶一郎って人は、2003年の論文で、不良債権がデフレを招くメカニズムをモデル化した人なんだけど、ボイドの研究から強く影響を受けたのかな、とも思う。


まぁ、そんなわけで、クルーグマンがこの二つを進めているのも、それなりの背景はあるんだと思う。どっちの政策もリフレ的であるからだ。問題は、どっちにしろ、政治の領域に関わる問題なので、そう簡単に実施はできない。財政から金を出せば、それは納税者に跳ね帰ってくる。当然、納税者は反対するからね。


イギリスは、今回、わりと簡単にどっちも実施できる。アメリカは、ちょっと難しい。ベビーブーマーが引退して、これから深刻な財政負担が襲いかかってくる中で、財政を拡張するのは大変な事だからだ。(イギリスはこういう縛りが少ない分、積極的に銀行を国有化してる)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/pal-9999/20090308