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2009-03-12

[]税金と年金保険を払えば年金がもらえる?ご冗談でしょうファインマン先生 税金と年金保険を払えば年金がもらえる?ご冗談でしょうファインマン先生を含むブックマーク

とりあえず、なんだが、ここ数日のエントリを書いてみて、「年金と税金払えば、社会保障受けられて当然だ」と思っている人がいて驚いた。はてなブックマークのコメントを読んでびっくりした事だ。


何でだろうね。


「賦課方式」型の社会保障制度については、ノーベル経済学者賞を受賞したポール・サミュエルソンがこう述べたので有名。最近、話題の本である竹森先生の「資本主義は嫌いですか?」や、ジェレミー・シーゲル教授の「株式投資の未来」でも、引用されている有名な一文だ。


「社会保険の本質は、それが保険経理的に、不健全なところにある。だれもであれ退職年齢に達すれば、給付金を受け取る権利が与えられ、それは自分の支払った拠出金をはるかに上回る・・・なぜ、こんなことが可能なのか?・・・人口が増加する国では、若者の数がつねに老人の数を上回るからだ。ようするに、実質所得の伸びが年率3%を維持する限り、給付金の原資となる税収額は、景気の局面がどうあれ、いまの退職者が過去に支払ってきた納税額を大幅に上回る・・・成長する国家とは、これ以上なくよくできたポンジー型利殖装置といえる」


ここでいう「ポンジー型利殖装置」とは、イタリア生まれのアメリカ人、チャールズ・ポンジーが作りだした詐欺方式である。皆さんがよく知っている「ネズミ講」だ。


始めた人は100万円を貰える。次に、100万円を支払った人への支払いは、後から加入した人の掛け金で賄われる。理論上は、人口の壁にぶつかるまで拡張が可能だ。だが、人口の壁にぶつかって、いずれ破綻する仕組みなのだ。一回、この仕組みがばれたら、誰もが返金を求める。そのとき、ねずみ講は破綻する。


「賦課方式」の年金は、まさにこの仕組みを取っている。「老人の介護費、医療費、年金は、全部、若者が払う仕組み」だからだ。年金が国営のネズミ講だと言われるのもこのせいだ。そもそも、サミュエルソン自身、この仕組みをネズミ講だと言い切っている。


ただし、この仕組みは、チャールズ・ポンジーが考え出した仕組みよりも良く出来ている。というのも「人口が増え続け、所得が増え続ける限り」、永続可能な仕組みなのだ。そうすれば、年金の掛け金は、支払われる給付金をつねに上回る。


しかし賦課方式は、そもそも問題がある。


女性が十分な数の子供を常に社会に供給するか、あるいは所得を増やすために国の生産性を引き上げ続けないといけないのだ。この犠牲を払う覚悟はしないといけない。もし、このどちらも達成できないならば、賦課方式の年金はいずれ限界を迎えてしまう。他の全てのネズミ講のように。


年金はありていに言えば国家そのものが抱える債務だ。だから、それを支払う為に、今の日本は、女性が頑張って子供を産むか、生産性をガンガン引き上げて国のGDPの成長率を高めるかしない。そうしないと、いずれ、社会保障制度そのものが破綻する。年金と税金を真面目に払っていようがいまいが関係なく。


今の日本では、女性が子供をいきなり産み始めるなんて、ほとんどありえないだろう。だから、巨額の年金債務を抱えた日本は、今後、成長するしかないのだ。そうでなくては、社会保障システムそのものが破綻してしまう。


成長なんて糞食らえという人もいるだろう。しかし、巨額の年金債務を抱えた日本が、この問題を解決する最もスマートな方法が、成長なんである。他の方法は、あまりに不快な問題を引き起こす。


つまり、増税するか、あるいは社会保障のレベルを引き下げるか、あるいはそのいずれもか。どれを取るにしても、ろくな選択肢ではない。


あるいは、シンガポールの初代首相リー・クアンユーが「若者はおそらく反乱を起こすか、国を出て行くかするでしょう」と言ったように、日本から他の国に移住してしまうという手もある。いわば逆姥捨て山だ。日本に老人を残して、若者はみんな他の国に移住してしまう・・・という話。実際に、日本人はあまり移住しないから、これはありえないという人が大半だが。個人レベルであれば、英語を話せる人は、シンガポールにでも移住を考えたらいいと思う。


シンガポールは賦課方式の欠点をリー・クアンユーは早い段階から理解していたので、日本の年金や医療保険制度のような社会保障制度が存在しない。その代わりにCPF(Central Provident Fund) と呼ばれる国による強制預金制度がある。おかげで、高齢化という氷山にぶつかったとき、ある程度はその衝撃が和らげられる。これは賦課方式でなく、積み立て方式だから。


ただ、こういう巨額の年金基金の存在が、世界にとっていいかどうかはよくわからない。積み立て方式も、問題はあるのだ。


★年金は2020年代に破綻、国庫負担率引き上げなければ

 厚生労働省は、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引き上げが実現しなければ、

2020年代に年金積立金が枯渇して基礎年金が給付できなくなるとする試算をまとめた。

 試算には現在の世界的な金融危機の影響を織り込んだため、年金財政の破綻(はたん)が

20年程度、早まった。こうした内容を盛り込んだ公的年金の財政検証を月内にも公表するとともに、

今国会に提出している国庫負担割合を引き上げる国民年金法改正案の早期成立を目指す方針だ。

 試算ではまた、3分の1から2分の1への引き上げが実現すれば、夫が平均収入の会社員、

妻が専業主婦というモデル世帯の給付水準(所得代替率)が将来にわたり、現役世代の

平均収入の50%台を維持できるとした。04年の年金改革の際、政府・与党は「50%」以上の

水準確保を約束している。ただ、2055年の合計特殊出生率は1・26、年金積立金の運用

利回りは名目で4・1%を試算の前提としており、楽観的という指摘もある。

 厚生年金と国民年金は04年の年金改革で、5年に1度、財政検証を行うことになっている。

09年の財政検証では、15年度以降のおおむね100年間の財政状況の見通しを示す。

ソース:読売新聞(2009年2月19日05時07分)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090219-OYT1T00148.htm


こんな記事も、こないだあったばっかりだが。


一昨日の記事で、賦課方式はフリーライダーが一人勝ちしかねないシステムだっていう話をした。これが最悪のレベルまでいってしまっているのはイタリアで、その話は昨日した。冗談みたいな年金の話である。


では、もっと酷いフリーライダーの国を紹介しようじゃないか


こっちで話したけど、イタリアの年金は世界最悪のシナリオを描いている。現在の所は、だが。フリーライダーだらけなのだ。一人で多数の年金を受け取り、子供も作らず早期引退する人がいる一方で若者の給与の33%が年金にもっていかれる。賦課方式というネズミ講を十分に利用し尽くした国民性としかいいようがない。いずれ破綻するだろうが、それまではフリーライダーの悪あがきが続くだろう。


よく、この問題で、世代間闘争という言葉が使われる。「若者には増税、老人には多大な年金」と矛盾が、内戦にまで発展するんじゃないかという危惧だ。僕は、内戦するくらいなら、さっさと移住するけど。


「大きな政府は終わった」と派手に宣伝したレーガン大統領ですら、この点には切り込まなかった。クリントンもそうだった。ブッシュもそうだった。アメリカは、どんどん若者に冷淡になっている。しかし、一方で、高齢者には未だに手厚い。高齢者には、結構「大きな政府」なのである。世代間の所得格差は、アメリカでも広がる一方なのだ。これは日本と同じ。日本も若者や子供には小さい政府だ。一方で、年金や高齢の労働者の賃金、社会保障制度なんかは手厚い。高齢者には「大きな政府」なんである。


マーガレット・サッチャーは、早い時期にこの問題に切り込んだので、イギリスは、高齢化という氷山にぶつかっても、アメリカや日本ほどには衝撃を受けない。何故、彼女だけがある程度の成功を収めれたのかは、僕はよく知らない。今回の金融危機で、もっともやばい国はイギリスだが、年金問題を早い時期にある程度、片付けてしまっているので、さっさと銀行を国有化したり、財政を拡張したりする余裕があるのが強みだ。


冗談みたいな話だけど、アメリカには、高齢者のロビー団体がある。アメリカ退職者協会(AARP)は会員数が3000万人以上。年間予算は50億ドル以上という巨大な組織だ。年金給付に反対する人々を一掃できるほどの巨大勢力で、アメリカで医療改革を行おうとすると、大概、これに潰される。インフラよりも老人退職施設への支出を優先するインセンティブをもつ組織が、これほどの力をもっているのである。


フランスとドイツでは、すでに有権者の三分の一が退職者となっていて、公的給付に依存している。彼らは、年金のために投票するだろう。


日本はさらに悪い。50歳以上人口が有権者が人口に占める比率は、2006年では52.0%だ。年金のために投票する人が今後、さらに増えていく。メディアの論調も、年金擁護に向かうだろう。TVや新聞の主な視聴者は、これから老人になるからだ。「インフラや子供の教育より年金」という形で。不快な話だが、そういう風になる可能性がある。



「ソ連やね、中国には、『子どもの城』というのがあってね、そこでは子どもは自分の好きな教科を勉強できるんだよ。学校とは違う特性を生かせるんだよ。日本にはないね。日本ではできないね。そんなできないことよりも、老人のためにもっとお金を使わなきゃだめだよ。北欧などでも国家予算の50%以上を福祉に使っている。もっと福祉にお金を使わなきゃ。」


年寄りは年寄りのことしか考えていない


今日、ひできさんの所で、こんな記事を読んでますます暗い気持ちになった。彼らは年金が貰えると思っているんだろう。年金はすでに債務超過なのに。このままでは、現役労働者には増税が待っている。きっとそうなるだろう。プライマリーバランスの黒字化を財務省が急いでいるのだって、社会保険財政の膨張に対する財源を確保する当てがないからだろう。先に歳出カットして、その後増税。それしかない。増税分はどこに使われるかといったら、そりゃ年金だとか介護費だとか医療費になる。団塊世代が引退した後、これらの費用が馬鹿げたほど増えていくからだ。


高齢者の投票率が高く、人口も多く、彼らには年金のために投票する強いインセンティブがあり、一方で若者の投票率が低く、人口も少なく、年金についてはあきらめている人が多いのはある種のブラックジョークだ。先進国は皆同じ悩みを抱えている。ひょっとしたら、若者は、いずれ移住すればいいやとか思っているのかもしれない。そうすれば、実は、何も問題がなかったりするからだ。


「賦課方式」という形のネズミ講が破綻したとき、何が起こるかはまだわからない。一番悲惨のはアルバニアで起こったような形だ。


アルバニアでは1990年以降、市場経済化と国際社会への復帰が始まり、ECからの経済支援に拠り自由経済を謳歌し始めていた。またボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に伴い武器や薬物の密売などの闇経済が拡大した。1990年代半ばから政府の黙認も受け、投資会社という形で全国的に流行し最盛期には10数社、国民の3分の1が投資するまでになった。

しかし、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の終結により配当原資となっていた武器貿易が行き詰まり、1997年に相次いで破綻した。出資者の多かった同国南部を中心に暴動となり、大統領の辞任などの混乱を招いた。国民の一部が横流しされた銃器を用いて内乱状態となり、現在でも同事件にまつわる国民の間の禍根は残っている。


無限連鎖講


アルバニアでは、国民の3分の1がねずみ講に投資してしまい、それが発覚したとき、暴動にまで発展してしまった。しかも、内乱状態にまで発展してしまったんである。



リー・クアンユーは、「納税労働者一人につき2票を与える」という提案をしたことがある。高齢者が若者を常に打ち負かし、インフラや教育よりも年金、介護、医療など、老人向けの費用ばかりがかかる国になるのを防ぐ意味合いで、だ。ただ、そんなことをやった国は地球上のどこにもないが。現在の所は。


僕は、このままいくと、日本人で優秀な人からさっさと移住してしまうんじゃないかって危惧している。この問題については解決方法がないのだ。年金が破綻してしまうまではまず改革は出来ないだろう。


英語は勉強しておいたほうがいいよって、年下の人に勧めているのはそのせい。逆姥捨て山的発想だが、年金ももらえず、税金だけ重くなる国にどれだけの若者が残ってくれるのか、僕は確信がもてない。でもって、英語が出来れば、わりと移住先には苦労しない。シンガポールあたりは実に有望だ。


リー・クアンユーがいったように、内乱か移住かという不快な選択肢を選ばされる日が近いんじゃないかって思うのはこのせい。

0909 2009/03/12 23:24 >はてなブックマークのコメントを読んでびっくりした事だ。
ぼくも同じ気持ちでした。
それに対するこの記事と前回のイタリアの記述はとてもよい記事だと思います。

生物のあらゆる階層・社会のさまざまな局面でゲーム理論的なゲームが存在し、それは善とか悪とかで割り切れるようなもんじゃないという前提を肌で感じてはいるんだけど、割り切れない人が多いみたいですね。
まぁ、割り切ったら割り切ったで、絶望感しか残らないんですけどねw

うまそううまそう 2009/03/13 00:53 医療技術職をしています。以前より「するどい!」と思いながら見ていました。


>高齢者の投票率が高く、人口も多く、彼らには年金のために投票する強いインセンティブがあり、一方で若者の投票率が低く、人口も少なく、年金についてはあきらめている人が多いのはある種のブラックジョークだ。先進国は皆同じ悩みを抱えている。

常日頃思う事を、簡潔に表現しているには敬服しております。

で、私なりに思うを述べますが…

これはひとえに、0才〜投票権前までの「投票権がない」事の不条理かもしれない…と思っています。
もっとも0才に参政権を言われても無理なんですが、未成年の親が子の投票権を持っていてたほうが、このような不条理は解決しないと思います。


また、

>賦課方式はフリーライダーが一人勝ちしかねないシステムだっていう話

ヨーロッパのある国(ドイツ?)では、そうならない様に子供を持たない世帯では、年金?or税金?の負担額が大きくしているという事を聞いたことがあります。



また、これらの問題には、一部の医療人からも「痛い指摘」もあり…

http://www.residentnavi.com/study/pickup_041112.php

>>本当に必要な人に使うなら問題ないのですが。安楽死の問題は議論したんですよね。死にそうな人にどうしますか? 今だったら保険でカバーされる。・・・

                   〜

>>1人の患者さんに対して月に500万円から600万円の保険の請求があるというのは、30兆円の中からそういう人たちの医療費を使っている。だから、外来の患者さんの自己負担を増やすとか減らすとか、そういうことでは医療費はたいして減らないんであって、高額医療の部分をどうにかしないといけないのではないでしょうか。

という、医療経済学的に考えなければならない事項も存在します。



で、なぜこのような「後、先、を考えない偽善的な高齢者の待遇の良さ」は、 …話が大きくなり過ぎますが… 私の考えでは、憲法25条も問題かと思うわけです。 …夢想的な話になりますがご勘弁を… 


日本の「生存権」はかなり無秩序に無限大な権利を持っています。
ですので、

>「年金と税金払えば、社会保障受けられて当然だ」と思っている人がいて驚いた。

と言う事になる訳です。

hihi01hihi01 2009/03/13 16:30 palさん、こんにちは、

リンクをありがとうございます。

前の方のコメントを読ませていただき大きくうなずきました。年齢にかかわらず家族の人数だけ投票権が与えられればよいわけですね。票数は人頭、行使は世帯毎日、話しがつかなければ世帯を割ると。

子どもの未来を考えない親はいない(といいきれないのが悲しい)ことになっているので、すべての国民の利害を調整でき、家族制度の強化になる。かつ、財政出動をともなわない出産と養老へのインセンティブになります。