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2012-04-27

[]CL準決勝 バイエルン対レアルマドリーのお話 CL準決勝 バイエルン対レアルマドリーのお話を含むブックマーク

皆さん、こんにちは、今日は、CL準決勝、バイエルン対レアル・マドリーの試合のレビューをしたいと思います。ホントは、もっと早めに出したいと思ってましたが、色々あって遅れました。なんで、今日は、1stレグと2ndレグをいっぺんにやります。



本題に入る前にモウリーニョのチーム作りについて

さて、まずは、レビューに入る前に、先日、発売されたワールドサッカーダイジェストNo.362に、スペイン人の監督、フアン・マヌエル・リージョによるレアルマドリーの現状分析があります。


ちなみにですが、フアン・マヌエル・リージョは、以前、雑誌のスポルティーバで、岡田ジャパンの分析をしたことがあり、その時の内容は、


『 岡田ジャパン 』 ファン・マヌエル・リージョ


↑のブログで、抜粋を読めます。ちなみに、内容的には、「世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス〜イタリア人監督5人が日本代表の7試合を徹底分析〜 (COSMO BOOKS)」と、そんな変わりません。


岡田ジャパン時代のプレスと守備のポジショニングの問題は、スペイン人だろうと、イタリア人だろうと問題にするでしょうしね。


まぁ、それはともかくとして、WSD最新号での、レアル・マドリーの現状分析の奴をちょいと引用しますが、



ジョゼ・モウリーニョ監督率いるマドリーに明確なスタイルは存在しない。細部に渡って分析すれば見えてくるものがあるが、それとてスタイルと呼べる代物ではない。逆の見方をすれば、確固たる形を持たない捉え所のなさこそ、このチームの強さの秘訣かもしれないが。


最大の特徴は、目まぐるしく攻守が入れ替わる激しい展開を得意とすることだ。じっくりパスを回しながら敵を崩すのでなく、ボールを奪ったら守備組織が整う前に電光石火のカウンターを仕掛け、前線のタレントのスピードと抜群の決定力を活かしてゴールを奪うのを十八番とする。


その前線にはクリスチアーノ・ロナウド、メスト・エジル、カリム・ベンゼマといった一級のタレントが揃い、彼らの華麗なコンビネーションから生まれるゴールも多い。もっとも、あくまでそれは傑出した個の力に依拠した芸当だ。マドリーの攻撃には、チーム全体で共有するプレーコンセプトは一切見受けられない。


こうした戦い方がモウリーニョ監督の意図するものなのか、正直わたしには判断がつきかねる。というのも、マドリーの攻撃はすべて選手任せで、そこに監督の意志はまったく見いだせないからだ。自らが指向するスタイルをチームに植え付けるのが、監督の果たすべき最大の仕事だと考えるわたしにしてみれば、これは信じ難い事である。久しくマドリーの練習場に足を運んでいないが、毎日どんなトレーニングをしているのか皆目見当がつかない。

(中略)

個人能力への依存は、オフェンスのみならず、ディフェンスにおいてもはっきりと見て取れる。DFラインは組織的な完成度が高いとはいえず、ともに強さとスピードを兼ね備えたペペ、セルヒオ・ラモスの両CBが、能力の高さに飽かせて敵の侵攻を食い止めているのが実情だ。さらにイケル・カシージャスのスーパーセーブで勝点を拾った試合も少なくない。


というのがあります。まあ、恒例のモウリーニョ批判はさておき、こんな感じの分析が載ってます。ついでにですが、同じWSDに、インテルの項目もあり、そこに現役イタリア人監督ロベルト・ロッシによるモウリーニョ時代のインテルの分析があるので、それも引用しときます。



機能していないのは組織的なプレッシングだ。前線のアタッカー(とくにディエゴ・ミリートとヴェスレイ・スナイデル)によるアクティブな守備参加がないので、中盤以下はリトリートして守らざるを得なくなり、ボールの奪取位置が必然的に低くなる。これはモウリーニョ監督時代から潜在していた問題だ。モウリーニョの解決方法は4−2−3−1システムの採用と両ウィングのハードワークで、サミュエル・エトー(現アンジ)とゴラン・パンデフ(現ナポリ)にその”重労働”を受け入れさせていた。しかし、モウリーニョ退任後の2シーズンは、この問題が改めて顕在化したままだ。


モウリーニョは守備の貢献度が低いミリートとスナイデルを前線に残して、スピードのあるエトーとパンデフを両翼に配した。その上で迅速なポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)からのカウンターを最大の武器とするチームを作り上げ、チャンピオンズ・リーグを制してみせたのだ。現在のインテルが失っているのはこのトランジションの切れ味で、ボール奪取後のスピードに乗った速攻は稀にも見られない。


そもそも、奪ったボールは素早く前線に送り届けるという共通認識がチームに浸透していない。まずはポゼッションでボールの支配を安定させ、ビルドアップから崩しを図るという流れにならざるを得ないのは、そのためだ。


というのがあります。


まず最初にですが、これらの監督のインテル分析、レアル分析からもわかるように、モウリーニョという監督のチーム作りで共通するのは、「迅速なポジティブ・トランジション(守から攻への切り替え)からの速攻」を最大の武器に据えてるって所です。これは、チェルシー、インテル、レアル・マドリーの3チームで共通しており、モウリーニョといったら、極悪なポジティブ・トランジションからの速攻というイメージがついています。とにかく、奪ったら、素早く前線に展開し、相手の守備ブロックが整う前に叩く。典型的なトランジションサッカーです。ちなみに、レーブのドイツ代表だったり、クロップのドルトムントも、系統的にはトランジションサッカーです。


サッカーというのは、極論してしまえば、「攻撃(ボールを自分たちが持っている時)」、「守備(ボールを相手が持っている時)」、「トランジション(イーブンボールの瞬間)」の3局面しかありません。トランジションサッカーってのは、このトランジションを非常に重要視するサッカーです。


そして、もう一つの特徴として、守備の局面では、それほど人数かけた守備ブロックは作らない所です。インテルでは、前に二枚残して8人で守備ブロック作るのが基本でしたし、レアルでは後ろ6〜7枚でブロック作るのがフツーです。このあたり、引いて守る際、9枚で守備固めるクロップのドルトムントとは違うわけです。もっとも、チェルシーの時は7〜9枚でブロック作ってたので、結局、選手次第ってのもありますけど。


それで、なんですが、7枚の守備ブロックってのは、どうやっても相手にスペース与えてしまうんですね。だから、相手方としては、思わず人数かけて攻めたくなる。


ところが、人数かけて攻めると極悪なポジティブ・トランジションからの、高速カウンターが飛んでくると。


モウリーニョがあんまし人数かけた守備ブロック作らないのは、一種のトラップみたいなモンです。スペースがあるもんだからと、人数かけて攻めちゃうと、カウンターの餌食にされます。


この話は後でしますが、モウリーニョのチームはカバーリングの関係はしっかり整理されていて、少ない人数でも守るためのチーム作りはきちんと行われている・・・といいたいのですが、なんせレアルがお山の大将軍団なので、そーゆーのまるで無いときもあります。ちなみに、バルサとやるときに限っては、レアルの選手は全員で守備やります。しかし、この話も後でしますが、バイエルンとやった時には、前の連中が戻ってこないので、後ろの6枚とエジルにとんでもない負担がかかってました。



CL準決勝1stレグにおけるレアルマドリー


というわけで、ここからが本題です。CL準決勝1stレグのレビューですね。まずは、スタメンから。こんな感じでした。


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でマッチアップはこうなるはずなんですが・・・・・・・・


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と、書いてはみましたが、これ、レアルというチームのやり方をまとめるあたって、あんまり意味のないまとめではあります。理由は、前の3枚がもどってこないからです。だから、マッチアップといっても、守備やんないクリロナの対面のラームが、ドフリーでした。ただ、モウリーニョにしてみたら、クリロナが守備やんないのはいつもの事です。なんで、ラームが上がった場合、レアルはどう対処してたか、って話になるわけです。酷い話です。この世にラームをドフリーにして何とかなると思う指揮官は、そうそういません。モウリーニョもそう思ってたでしょうけど、クリロナは外せませんしねえ。結局、この事が、モウリーニョの頭の痛い問題になり続ける訳ですけど。


ここからは実際の試合でのキャプからになりますけど


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こんな感じで、開始2分の時点で、やらかしてましたレアルさん。前4枚が戻ってきてくれないから、守備でどうしても人数が足らなくなる。具体的には、ここでファーサイドに誰もいない。



最初にはっきりさせておきたいのですが、バイエルンの両翼、つまり、ロベリーを止めようとおもったら、3枚サイドに使う必要があります。ドルトムントは、SBとSHでロベリーを挟み込み、ボランチをカバーに向かわせてました。ですが、これをやってしまうと、通常、中央が1ボランチになってしまいます。そして、中央が1ボランチになると、1ボランチの両脇のスペース使われて、危険な状況を作られる可能性が高いです。そこで、ドルトムントのクロップは、WGを中央に絞らせたり、香川を下がって来させたりして対応してました。


こんな感じです。

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これは、ボルシアMGなんかも同じ事やってましたけどね。この場面では、8枚での守備なんですが、ドルトムントのWGのグロスクロイツが、ボランチのゾーンをカバーしてるのがわかると思います。あそこまで絞って守備させるんですね、クロップは。ああいう風にやって、ボールサイドと中央に相手にスペース与えないように守るわけです。ドルトムントの守備の特徴として、中盤の5枚の守備での連動性があります。トップ下、ボランチ、ウィングは、それぞれが開けたゾーンを、お互いにカバーしあう動きを必ず見せます。特にサイドにボールがある時の動きは、かなり秀逸です。


ちょっと、守備ブロックの枚数別に、サイドでのカバーリングの関係を図にして解説しますけど、

(灰色の点がボールです。念の為。)

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こうります。


で、レアルなんですけど、基本的に7枚で守備ブロック作るやり方をバイエルン戦で取ってました。つまり、後ろの6枚と、エジルorディマリアが戻ってきて守備やってました。でもって、前半、クリロナが戻ってきてくれないので、ロッベンのサイドにボールが出ると、ケディラがサイドに出て行かざるを得ない。ダブルマークに行かないとロッベンは止まりません。しかし、そうすると、ボランチの両脇にスペースが出来てしまう。


で、まさに、そのスペース使われて、14分に危険なシーンを作られました。こんな感じです。


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ここでは、最後に何とかセルヒオ・ラモスの守備が間に合ったんですけど、このシーンで問題なのが、エジルとディマリアのカバーリング。ディマリアがファーサイドのカバーに入るか、エジルがボランチがあけたスペースをカバーに入らないといけないんですけど、両者ともに中途半端なカバーしかしてないんです。だから、どうしたって、人数足らなくて、危険な状況まで持ち込まれる。


正直、このやり方で、バイエルンを0点に抑えるのは、まず無理です。リーガなら、これでもいいかもしれないけれど、バイエルン相手にこの守備のやり方は無理があります。ロベリーの攻撃力は異常なので。


というわけで、この形は、1stレグで、何度も見られた光景でして、


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こんなシーンだったりします。この後、カバーがいなくなったファーサイドにクロスが出て危ないシーンでした。



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で、もう一つ、こんなのもありました。4バックにおいて、SBとCBの間にスペースが出来たら、そこはボランチが潰しておかないと危険なので、この時のケディラのカバーリングはこれでオッケーです。もし、あそこを潰してなかったら、ロッベンに、あそこでボール受けられてました。ただ、これをやると、リベリーに中央にカットインされちゃうんですね。ある種、もうどーしようもないシーンです。で、その後、どーなったかというと、


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こうなりました。ここはシュバイニーがシュート打ってくれて助かりました。右サイドでラームがフリーだったんで。



それでなんですけど、1stレグの後半の見所は、モウリーニョの采配です。モウリーニョは、レアルの守備の問題点をなんとか塞ごうと、涙ぐましい努力を続けることになります。で、結局、それがはまることはありませんでした。ちょっと、レアルの守備の変更を時間帯とメンバー交代でみていきましょう。


まず、レアル対バイエルンで、前半からずっと問題になっていたのはクリロナとラームのマッチアップです。クリロナは、ラームのオーバーラップについていかない。だから、ラームがフリーになりやすい。


それに対して、モウリーニョが取った対応策は、ケディラとコエントランでロッベンをダブルマークし、アロンソをカバーにまわらせる事です。ラームがオーバーラップしてきたらコエントランがマークし、ケディラとアロンソでロッベンを挟み込む。そして、バイタルのスペースはエジルORイグアインに潰させると。


ただ、このやり方はエジルとディマリアの負担が非常に大きいし、二人とも、カバーリングが上手い選手ってわけじゃありませんから、かなり危なっかしいやり方でした。カバーしなければいけない場所を空けているケースが目立ちました。


そこで、モウリーニョは、同点にしてから、しばらくして動きます。68分にマルセロを投入して、クリロナを右に回します。これによって、ラームのオーバーラップの脅威はなくなりました。マルセロがついていけばいいだけなので。しかし、クリロナを右に回した事で、今度は右に問題がでます。それが次のシーンです。


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ここですね。ラームのオーバーラップが前半から脅威になっていたので、それをなんとかしたくてマルセロ右にいれたのに、右から左へのサイドチェンジを簡単にいれられてしまい、ラームのオーバーラップから綺麗なクロスを入れられてしまいました。このあたり、相当詰んでます。クリロナは下がってきても、守備はパイロン程度ですから、ほとんど意味がない。


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また、この77分のシーンでもそうなんですけど、ここで、バイエルンのCB、バドシュトゥバーにプレスがかからない。バドは、フンメルスほどではありませんが、高精度のフィードが出来るので、ここはプレスがかからないと厳しいんですけど、クリロナが右にいると、ここは絶対プレスがかからない。


そんなんで、次にモウリーニョが試したのが、ディマリアに変えてグラネロを入れ、ベンゼマを右にして、クリロナをワントップの位置にしたんですが、これもはまりませんでした。


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こんな感じです。ベンゼマを右に回してみたら、今度は、ベンゼマが、バイエルンの右SBのアラバにあっさりと振り切られてしまい、全く役に立たない。なんで、この後、モウリーニョはベンゼマに変えてイグアインを投入し、442なんだか433なんだか、よくわからない形みたくします。


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とにかく、もう涙ぐましい努力の跡が見られるんですが。素直にクリロナ変えたい所ですけど、それが出来ないんですよね。で、最後は、ラームのクロスをマリオ・ゴメスに決められて、バイエルンが勝ち越しました。最後まで、モウリーニョは守備をはめ込むことができませんでした。


レアルのWGは守備での貢献が非常に低いです。だからバイエルンみたいに強力なサイドアタッカーを持つチーム相手には、レアルの守備はバイタルが空く傾向があります。ロベリーがボール持つと、ボランチがサイドに出て行くしかないので、どうしたって、中央で1ボランチになってしまい、1ボランチの両脇のスペースを使われる。そのため、バイエルンは、リベリがサイドに張るより、リベリが中央に入ってくる事での中央突破を狙ってました。レアルはバイタルにスペース出来てるんで、そこ狙いなんですね。


もちろん、中央でボール取れれば、そこからクリロナの超高速カウンターで点とれるというのはあるんです。短所はすなわち長所でもあるんですけど。


レアルの攻守のバランスって、結構シビアなバランスの上に出来ていて、そのあたりが難しい所なんです。


さて、一方ですが、バイエルンの守備なんですけど、これが堅い。というより、単純に、マリオ・ゴメス以外は、きちんと下がってきて守備やってました。要するに、守備時に枚数の問題を抱えることはないわけです。それからもう一つ。トップ下のトニ・クロースです。彼、ボランチとトップ下、どっちもやれるポリバンレントな選手なんで、ボランチが開けたスペースをカバーリングするのが上手い。ミュラーのほうが、攻撃力はあるんですけど、ミュラーは、カバーリングはあんまし上手くありません。なんで、ハインケスが、クロースを使ったのは当然かなと。レアルの攻撃力を考えれば、クロースのほうが安定します。ちょっとキャプでやりますけど


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こんな感じです。バイエルンの方は、守備の際に、クロースが下がってきてボランチが開けたスペースを埋めてくれるので、守備時に枚数が足らなくなるという事はまずありませんでした。クロースのカバーリングは、非常に気が利いていて、驚くほどです。なんで、レアルは遅攻だと、サイドチェンジがキーでした。そこにしかスペースがないので。



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あとは、こんな感じです。トニ・クロースとリベリは全く守備をさぼらないので、右サイドと中央には、ほとんどスペースがありませんでした。レアルも、それで苦労してました。唯一、狙い目だったのは、ロッベンの背後のスペースで、レアルは、遅攻では、そこを上手く使えるかどうかがキーでした。とにかく、リベリーの運動量は尋常でなく、守備ではカバーリングに走り回り、攻撃ではカウンターで起点となりと、レアルにとって、最大の脅威となっていました。本当に素晴らしいプレーヤーだと、何度も思いました。ワールドクラスのタレントにも関わらず、攻守にまったくサボらないのだから、素晴らしいプレーヤーです。ハインケスから、あれだけ信頼されているのも当然だと思いました。


それから、宇佐見が試合でれないのはしょうがないかな、と。攻守にあれだけの存在感があるウィング相手では、スタメンとるのはちょっと無理です・・・・僕は宇佐見に超期待してるクチなんですけど、CLでのリベリー見てたら、あれからスタメン奪うのは無理ですわ・・・・宇佐見もリベリーを尊敬してるみたいだけど、あのプレーを見せられたら、スタメン争い以前に、超リスペクトしちゃうのも無理ないかなと。


1stレグは、バイエルンが2−1で勝利しました。レアルとしては、アウェーゴールを取れたので、まぁ、OK。バイエルンとしては、レアル相手でも、十分やれると確信を抱いた試合だったと思います。レアルの攻撃は脅威でしたが、守備はそれほどでもない。ロベリーなら十分崩せるレベルの守備で、これなら、バイエルンは十分やれます。バイエルンは、守備では9枚でブロック作れるし、カバーリングも的確でした。そして、GKは、「グローブをはめたメッシ」ことマヌエル・ノイアーです。守備に関しては、バイエルンのほうが良いくらいです。モウリーニョのチームのなかで、レアルは、一番、守備に問題を抱えているチームです。これは、もうしょうがないんですけどね。クリロナ、ディマリア、エジルに、マルセロと、攻撃は超一流だけど、守備は・・・というプレーヤーばっかり、ペレス会長が揃えるので・・・




CL2ndレグ レアル・マドリー対バイエルン


2ndレグでモウリーニョとしてきつかったのは、ケディラの運動量が落ちてた事です。1stレグより、カバーできる範囲が狭くなってました。バイエルンのボランチ、グスタボが広い範囲をカバーして潰しまくっていたのとは、対照的でした。クラシコ後だったので、しょうがないのですが、モウリーニョのレアルは、ケディラの豊富な運動量とカバーリングに頼っている所があります。その為、時間がたつほど、ケディラの運動量が極端に落ちてしまい、モウリーニョとしては厳しい試合でした。なんでかというと、ケディラの運動量が落ちると、アロンソの両脇にスペースが生まれやすく、中央突破を食らいやすくなるからです。


一方、バイエルンは、1stレグと同じでした。両ボランチの脇にできるスペースからの中央突破狙いです。この試合、ケディラの運動量は落ちてたし、両WGとトップ下のエジルのカバーリングの悪さはそう簡単に直るもんじゃありません。バイエルンとしては、ひたすら、両ボランチの脇のスペースを使った中央突破でokでした。途中からモウリーニョがシステム変更を行うまでは、これが機能しまくりでした。モウリーニョも、試合中、なんどか、守備をはめこもうと、色々やってたんで、苦労してるのがよくわかる試合でした。モウリーニョも大変です。


さて、この試合のレアルの攻撃の狙いですが、まず、伝家の宝刀、高速カウンター。そしてサイドチェンジですね。バイエルンはロッベンのポジショニングがちょっとおかしい時があるし、戻りもそんなに速くない。マルセロのマークを外してしまう時がある。だから、それ狙いのサイドチェンジなんかです。バイエルンの守備は、マリオ・ゴメスを一人残して、後ろ9人でブロックを作るんですけど、ロッベンはカバーリングやマークにちょいと難のある選手なんで、そこが狙い目です。ちなみに、リベリは、守備でも献身的で運動量があり、カバーも確実なんで、穴作ってくれません。


ただ、CLセカンドレグでは、レアルの守備の問題点が出る前に、バイエルンの守備の問題点が、おもいっきり出る試合となりました。あれにはホントに驚きました。


バイエルンの守備上の問題点について


さて、バイエルンの守備は、人数かけて行うゾーンです。人数かけてるわけですから、スペース埋めるのは楽です。ただ、欠点がないわけじゃありません。これも、こないだのWSDの最新号に、バイエルンの現状分析があるんで、そこから引用します。ちなみに、分析してる人は、中野吉之伴さんで、現在、ドイツのフライブルガーFCで、U18とU16の監督してる方です。


視察した前述のバーゼル戦と二度のマルセイユ戦(CL準々決勝)で見られた他の問題は、無謀なプレッシング。たしかにチーム全体の守備意識は高まり、DF&GKの選手層は厚くなった。しかし、中盤より前のタレントの守備力そのものが増したわけではなく、ボールを奪いにいっても奪いきれないシーンが目についた。


とくにマルセイユ戦では敵のボールホルダーを数人で囲みながら、ドリブルでかわされるケースが頻発。プレッシングで生じた自陣のスペースを突かれて、何度か窮地に陥っていた。仮に守護神ノイアーのファインセーブや相手のシュートミスがなければ、失点を喫していたはずだ。このウィークポイントがCL準決勝のレアル・マドリー戦で致命傷となりかねない。

(中略)

ハインケスがテクニカルエリアでよく指摘しているのは、奪いに行っても奪えないプレスの修正だ。まずは、この部分を改善すべきだろう。


中盤に攻撃的な選手を数多く配しているバイエルンは、一対一の守りに長じた選手が少ないため、基本的にコンパクトな守備陣形でのゾーンディフェンスを志向している。複数人で相手を追い詰めながらミスを誘うのが狙いだが、じっくり我慢すべきときでもがむしゃらにボールを追いかけ回し、中途半端なチェックになりやすい。


(中略)

具体的な改善策の一つを提示すれば、ボールを奪いたいあまりの一か八かのタックルを控えさせたい。プレスをかける選手は、つねに相手をかわされた場合を想定しなければならない。



というのがあります。バイエルンの欠点は、まさにここなんですけど、連動してないプレスで無理に相手をおっかけまわして、プレスをかわされてピンチになる事があります。特に、これ、マリオ・ゴメスとトーマス・ミュラーがスタメンの時に起こりやすいです。この二人、ファーストディフェンダーとしては、ちょっと問題があります。ドルトムント戦でも顕著でしたが、マリゴメとミュラーのプレスのタイミングが悪く、中盤との連動性がありませんでした。結果として、FWとMFの間にスペースが生じてしまい、そこをドルトムントのギュンドアンとケールに使われ、危険な状況を何度も作られていました。バイエルンは、プレスで囲みながらも、そこで取れずにドリブルで交わされてしまうのも欠点の一つです。


それから、これ、ブンデスでよくある話ですけど、「ボールを奪いたいあまりの一か八かのタックル」ですね。延長戦で、ひどいのがあったので、これは後述します。



ここからは、キャプも使ってやります。バイエルンのCLセカンドレグにおける失点シーンです。


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これ、レアルの先制シーンのキャプです。この後、ディマリアのシュートをアラバがハンドしてしまって、PK。レアルが先制しました。このシーンでは、バイエルンの悪い癖というか、サイドに人数かけてるのに、そこでボールを取れない。しかも、簡単にクロス上げられてしまってます。バイエルンのCB二人は、スピードとアジリティのあるアタッカーの相手を苦手としていて、これ、シーズン通して問題でした。香川に振り回されたドルトムント戦の前半とかも典型的なケースです。ディマリアがドリブルで突っ込んでくると、バイエルンのCB、相当苦しんでました。


ただ、ここはアラバが不運だった部分もありました。だから、問題というほどでもありません。むしろ、問題だったのは、14分のレアルの追加点の場面でして。


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まず、ここです。二人でボール取り入って交わされてしまうとか、一番やってはいけない事をしてしまう。ただ、この時は、まだ助かったんです。バイタルにクリロナとベンゼマがいたけど、そこでシュートは打たれず、逆サイドにださせることには成功した。ところが、逆サイドからケディラに繋がれた時に、またバイエルンがやらかしてしまう。


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ここですね。クロースとアラバが同時にケディラにつっかけてしまう。前にリベリとゴメスとロッベンが残ってるのだから、後ろには5人しかいないし、ロッベンの位置をみれば、左サイドで守備の人数が足りてないのは明白で。二人で無理にボールを奪いにいって、それでボールを取れず、エジルに出され、エジルからクリロナにボール出されて、ノイアーと一対一を作られ、これでレアルが二点目を上げました。レアルの選手にああいう事やってしまうと、酷いことになります。無謀な守備すぎるんです。我慢すべきときに、がむしゃらにボールを取りに行ってしまうのは、バイエルンの守備の問題でした。


それから、バイエルンの無謀なタックル、我慢できない守備の例として、もうどうしようもねぇと思ったシーンがあって


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この時間帯に、バイエルン、おまえら、一体、何してんだと。マルセロ相手に何人、滑れば気が済むんだよと。最後にイグアインがオフサイドだったから助かりましたけど、この時間帯に、あんだけ滑る必要性ゼロです。とにかく、マルセロの攻撃を遅らせるだけでいい場面で、4人も滑ってるわけで。バイエルンのDFは気が狂ってしまわれたのかと思いました。


モウリーニョとしては、バイエルンのDFが、無意味にボール奪いに来てくれた方が、ある意味で助かるわけですよ。時々、無謀すぎるプレスを発動するし、滑ってくれたら、レアルの選手はドリブル得意なんで、交わしていけますからね。


CLセカンドレグで、レアルが二点を先取できたのは、よーするに、そういう理由です。バイエルンの無謀すぎる守備のせいです。無理にボール取りにいって、交わされて大ピンチとか、CLマルセイユ戦から、進歩がない・・・ハインケスが、テクニカルエリアから、大声出すわけです。



CL準決勝バイエルン対レアルマドリードの感想


さて、まとめに入りたいと思います。CL準決勝の感想としては、両陣営とも、守備上の欠点から失点してるケースが目立ちました。


レアルは、両WGが守備で戻ってこないか、戻るのが遅いため、ロベリーにボールが出てしまうと、サイドにボランチが出て行かざるを得ず、結果として、バイタルがスカスカになってしまい、そこで起点を作られてシュートを食らうケースが目立ちました。


一方のバイエルンですが、レアルのカウンターのケアは、よく出来ていたのですが、悪い癖である無謀なプレス、一か八かのタックルを仕掛けてかわされて大ピンチってのが、どうしても目につきました。


今回の試合については、バイエルンの勝ち抜けは、割と順当だったと思ってます。あの無謀なプレスとか、無理にボールを奪いにいく守備とかを控えさせれば、バイエルンは、レアルと結構やれるチームだったからです。一方で、レアルのほうは、1stレグで、バイエルンに対するリスペクトが、ちょっとなさ過ぎた感じです。このレベルの相手とやるのに、まさかの攻守分断サッカーをやるとは思いませんでした。ロベリーがいるチーム相手に、7枚で守備するのは無理ゲーです。2ndレグで、同点にされたシーンでも、やっぱり、カウンターの際に、WGやトップ下の戻りが遅いので、どうしたって、バイタルにスペースできてしまう。そこからボールを繋がれての失点でしたしね。


流石に、モウリーニョも、2ndレグでは、守備の枚数増やしてきましたし、バイエルンにバイタル狙われてるというのを見て、2ndレグ後半から3ボランチ気味にして、バイタルのスペースを消す作戦にも出てましたが、その頃にはケディラの運動量が落ちすぎてました。85分のゴメスの決定機の時も、ケディラがボールサイドに絞り切れておらず、結果として、ロッベンをフリーにしてしまいましたし。ベルナベウでの試合にも関わらず、何度もバイエルンに決定機を作られてましたが、あんだけバイタルに大穴があく守備方法をやってれば、それも当然で。


もっとも、延長になると、バイエルンのほうも、流石にカウンターが怖いのか、SBあげて攻撃することは少なくなったので、レアルは、守備で問題を抱えなくなってましたけど。


今回のCLにおけるバイヤン対レアルの試合については、モウリーニョの涙ぐましい采配がみれて楽しい試合ではありました。バイエルンにバイタルを何度も狙われているのをみて、なんとか、それを止めようと、1stレグ、2ndレグで色々とシステムをいじっていたのが、印象的でした。クリロナ外せばいいだけともいえますが、それは出来ないので、ホントに苦労してました。


そんな訳なんで、今回は、モウリーニョもやることは全部やって負けた試合だったんで、しょうがなかったかなと。審判も問題なかったし。


とりあえず、今回はそんな所で。


あと、CL決勝ですが、バイエルンはグスタボがいないので、中盤で誰がボール狩るのかとか、バドがいないので、最終ラインから組み立てられないぞとか、色々と大変です。もっとも、チェルシーも、主要メンバーの多くが出れない状況なんで、ホームでやれるバイエルンが有利って事にしときます。

yyyyyy 2012/04/27 06:08 今シーズンビエルサのビルバオが非常に魅力的なサッカーをしているので是非記事にして欲しい

aa 2012/04/27 12:15 とても面白い記事でした。
やはり現代のサッカーでは前線の選手もしっかり守備をすることが求められるのですね。

axel69axel69 2012/04/27 12:37 バイエルンの前線のプレスの甘さについてはブンデスの「ドルトムント以外はバイエルンに攻撃的にこない」ことの裏返しのように、そして1対1で突っ込んでしまうのも同じくブンデスというかドイツサッカーの「1対1で負けたらアカン」という文化に起因してるように思えました。
一方でレアルも2ndレグで2−0にした段階で守備的にできなかったのは「常に攻撃的」を求める観客含めてのレアルの文化なのかなと。
個人的には2ndレグのレアルを難しい状況に追い込んだ1stレグ決勝点の立役者ラームに感嘆しました。

ssss 2012/04/27 13:13 面白かったです!
昨日再放送を見直したばかりで、まさにバイエルンの無謀なタックルを
何やってんだよ、馬鹿じゃネーの?と強烈に思ったばかりだったので
余計にそうそうそうそう!と思っちゃいました

決勝戦、両チームともアレですが楽しみです。
レビューも楽しみに待ってます。

おれおれ 2012/04/27 15:05 質の高い分析ありがとう!

ネロネロ 2012/04/27 17:32 クリロナが守備しないのは気になっていましたが、それが起因する問題点をコラムで認識することができました。とてもおもしろいコラムありがとうございます

とむくるーずとむくるーず 2012/04/28 10:08 とても楽しく読ませていただきました。オリンピックまでにU-23日本代表の解説も是非一度していただけないでしょうか。

リッペンリッペン 2012/04/28 11:33 名称は統一されていた方が読み易いので、修正をお願いしたく。
・本文ではロベリー
・キャプチャや図ではリベリ

アロハアロハ 2012/04/28 12:22 ↑ロベリーはロッベンとリベリーの二人のことを指してるんだよ

カガーカガー 2012/04/29 00:41 解説ありがとうございました!

楽しくて大変素晴らしかったです。palさんが本を出されたら絶対買います!ていうか、監督とかをなさったらと思いますし、日本代表のコーチになって欲しいです。
もしくは是非プロとしてWOWWOWなどサッカー解説者になって頂きたいです。解説のレベルが高いのにさらにわかりやすくて最高です。
なるほどそういうことだったのかあ、と理論的にわかりました。

サッカーってこんなに科学的なスポーツなんだと驚きました。本当に貴重なお時間を使ってみんなを楽しませてくださって、ありがとうございました!

↑↑↑↑↑↑ 2012/04/29 08:42 糞ワロタw

はじめましてはじめまして 2012/05/01 18:53 サッカーは日本代表戦くらいしか見ない僕には
このブログに書かれている内容を全て理解する事は到底出来ないのですが、
サッカーの戦術的な部分を素人にも分かりやすく説明されているので
非常に興味深く読ませてもらっています。

今後も楽しく読みやすい記事を期待してます。

カリメロンカリメロン 2012/05/01 21:01 やはりバルサもレアルもメッシシステム、クリロナシステムなんですね
あんだけ点をとってもらわないと困りますね
ユーベなんかは今一番良いサッカーしてますね

かめむしかめむし 2012/05/09 15:27 守備のメカニズムや大事さがよくわかりました。
これを見ると、やっぱり守備意識の低い家長さんや宇佐美さんなどは、なかなかきびしい気がしますね〜。香川なんかはなにげに守備意識高いですもんね。

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2012-04-20

[]セレッソ大阪研究。今シーズのセレッソ大阪の変化について セレッソ大阪研究。今シーズのセレッソ大阪の変化についてを含むブックマーク

皆さん、こんにちは。といっても、これ書いてるの夜なんですけど。


さて、本日は、今シーズンのセレッソ大阪のレビューをしたいと思います。やっとこさ、レビューやれる所まで、こじつけました。その間に、他の海外の試合とかに浮気してたのは秘密です。ちなみに、研究の題材にしたのは、セレッソ対大宮、セレッソ対新潟、それから、ナビスコカップのセレッソ対浦和の試合です。



セレッソ大阪というチームの変化について


さて、まずは、セレッソ大阪の話から。ここ最近は、代表やU23代表に多くの若手を送りこみ、日本代表の中盤の製造工場となっているセレッソなんですが、今年から、監督が替わりました。

前監督のレヴィー・クルピといえば攻撃については、


「ゴールをしろ、ゴールする事でサッカーの道は開ける(セレッソの3シャドーに対して)」

「シンジにあってお前にないのはゴールだけ(家長に対して)」


という名言を残したレヴィー・クルピ監督。とにかく、セレッソは攻撃については自由で決まり事がほとんどないと、倉田なんかが言ってました。基本、この監督、「ゴールをしろ」と選手に発破かけるんですが、攻撃については、選手の発想を大事にする監督で、決まり事を作らない監督でした。「攻撃は自由」「ゴールをきめろ」って監督の元から、次々と素晴らしい若手が育つことになるんですが。


チーム作りの基本として、左サイドにレフティでビルドアップできるSBとボランチを置くという姿勢は一貫してるんですけど、それ以外は、ホントにフリーダムで、フォーメーションも、しょっちゅういじってます。


ただ、J1では、最終的に、4231の3シャドーというシステムに落ち着きました。現在のセレッソの看板とも言えるシステムですね。



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図にするとこんな感じです。3シャドーと呼ばれるのは、4231の、3の所の選手が、全員シャドーだからです。3の両翼の所にウィング的な選手がいないんですね。で、ウィングの役割は、ポゼッション時、両SBを高い位置にあげることで補ってました。


で、このシステム、非常に攻撃力が高いんですけど、反面、J1の各チームとの対戦が一巡し、対策されるようになると、両SBの裏のスペースを使われるとカウンターに脆いって問題がクローズアップされるようになります。セレッソとやる場合、ボール持たさせとけば、勝手に両SBあげて攻撃してきてくれるんで、カウンター狙いのチームとしては、やりやすいチームなんです。ボール取ったら、両SBの裏使ってカウンターすればいいだけなので。


とまあ、そんな所が、クルピ時代のセレッソの話です。セレッソの1トップ3シャドーは、非常に多くのシャドーストライカーを同時起用できるのが特徴なんですけど、両SBをあげることで、ピッチの幅を作りだすため、カウンターに脆いという欠点をもってました。クルピがCBに対人が強くカバーリングの範囲の広い選手を常に起用していたのは、それに対する保険みたいなものです。



さて、そのクルピ監督から、今年、後を継いだのが、セルジオ・ソアレス監督です。僕は、最初、クルピ路線を継続するのかと思っていて、また、両SBあげるサッカーやるのかと思ってたんですけど、これがちょっと違ってます。


これは、初戦のサガン鳥栖対セレッソ戦の時から明らかで、試合後、セレッソのGK、キムジンヒョンのインタからの引用になりますが、

●キムジンヒョン選手(C大阪):

「(前半にファインセーブが続いたが?)相手がロングボールで、速攻で崩してくるのは、みんな分かっていたこと。それでもシュートまで来られたが、僕のセーブは普通のこと。いつの試合でも、そのシュートは絶対止めないといけないと思ってやっているので、(ファインセーブという)そんなセーブは絶対ないと思っている。

(守備意識について)昨年はサイドバックが2人とも出て行って、そのあと、カウンターとか、危ないところがあったんですが、今年はサイドバックが1人上がると、1人は絞って、あまり上がらないようにしていて、3人で守っているから、昨年より安定している感じはあります。試合ではどこのチームでもチャンスはあるし、僕らにもチャンスはあったが、それを集中してやられないようにしただけです」


【J1:第1節 鳥栖 vs C大阪】試合終了後の各選手コメント(12.03.10)


黒字で強調しましたが、ソアレス体制になってから、両SBが上がるなんてことはなくなりました。このソアレスって監督、最初は、攻撃大好きな人かと思ってたんですが、蓋を開けてみたら、この人、どっちかっていうとバランス型の監督で、相手チームの研究もマメに行うタイプのようです。去年のセレッソの試合のVTRも全部みたそうです。研究熱心な監督さんなんですね。


で、なんですけどね。両SBが上がらないってことは、3シャドーは成り立たないんですよ。1トップ3シャドーは、両SBあげる事で、3人のシャドーが自由に動けるってシステムだし。片方のSBが上がったら、片方はバランスとって下がるってシステムなら、1トップ2シャドーって所です。そんな訳で、今年のセレッソは、去年ほど、攻撃に比重をかけてません。去年は、攻撃に6〜7人かけてくる事もありましたが、今年からは、5〜6人程度までです。そして、その分、カウンターは食らいにくくなっており、守備は安定してます。セレッソに対して、去年と同じ感覚でカウンターしようとすると、スペースなくて苦しむ事になります。


こっからは、いつものキャプ使った奴でやりますが、


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このシーンは、今年のセレッソと去年の違いでもあるんですけど、このシーンで、両SBが上がってこないんですね。去年だと、両SBが上がってきます。なんで、去年ほど、攻撃にバリエーションを持たせることが出来なくなってます。勿論、その分、カウンターを食らいにくくなってるんですけどね。両SBをあげないシステムになったので、セレッソは、ウィングのどちらか一方がサイドに張ってないと、ピッチで幅を使えなくなってます。でもって、もう一つ。


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このシーンですけど、やっぱり、ここでも右サイドにアタッカーがいないので、パスコースが限定されちゃってるんですね。こういったシーンをまず紹介したのは、今年からセレッソは、両SBをあげなくなってるからです。これ、結構大きな違いなんです。両SBをあげずに3シャドーやろうとすると、ピッチで幅を使えなくて、攻撃方向が限定されて、相手DFにひっかりやすくなります。


また、もう一つの違いとして、去年と比較して、体感ですが、セレッソは攻守の切り替えの速度が上がってます。この部分が徹底されている感じで、守から攻への切り替えも早いし、攻から守への切り替えも早いです。


そんな感じなんで、全体的に、ブラジル人監督のチームなんですけど、攻守の切り替えの早くて運動量の多いサッカーになってます。去年に比べると、縦に早いサッカーになった感じです。去年と比較すると、今年のセレッソは


  • 攻守の切り替えが早く、縦に早いサッカーになっている
  • 両SBをあげる攻撃はしなくなったのでカウンターを浴びにくくなった
  • 両SBをあげないので幅を使うにはウィングの片方がサイドに張る必要がある。
  • ボランチがカバーする範囲が広くなり、一方でCBがカバーする範囲が狭くなった(これは後述)

という感じです。それで、なんですけど、現状、セレッソの問題として、ピッチで幅を使えないという点を挙げておきます。両SBがあがる去年と同じ感覚でやってしまってるようで・・・これだと、相手チームは中央固めといて、サイドにボールが出たら、それで出て行ってチェックすればokみたいな感じになってしまってます。これだと、DFが攻撃方向を予測しやすいので、いくらか修正が必要だと思われます。



今期のセレッソの攻撃について。Jリーグ第六節 セレッソ対アルビレックス新潟などから

さて、ここからは、Jリーグ第六節の、セレッソ対アルビレックス新潟のお話です。まず、この試合ですが、マッチアップはこうなってました。


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これですね。セレッソはいつもの4231、アルビレックス新潟は442です。この試合のポイントとしては、新潟は、とうとう、攻撃の要とも言えるミシェウが復帰した事です。新潟にとって、ミシェウは、只一人、攻撃のリズムを変えることができる選手で、変えが利かない選手と言えます。この試合でも素晴らしい活躍でした。



で、マッチアップなんですが、


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こんな感じになってました。まず、アルビレックスの方なんですけど、中央を、ミシェウ、三門、本間の三枚で固め、両SBには両SHが対応してました。新潟の守備で特徴的なのは、両SHの守備方法で、中央に絞ってボランチの守備を手伝うより、セレッソのSBへのケアを優先してる所ですね。 


そして、新潟は、中央をボランチ2枚と、中央に絞った4バック、ミシェウで固めました。セレッソは中央突破の多いチームなんで、中央をがっちり固めるのを優先してました。SBも中央に絞り気味のポジションを最初から取っており、セレッソの中央突破を警戒した布陣です。


さて、こういう相手とやる場合、まず、どこにスペースが出来るかって話になるんですけど、これは、図にするとわかりやすいんですけど、


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この赤で囲ったスペースになります。両SHが、セレッソのSBに引っ張られるので、ボランチとSHの間にスペースが出来やすいんですね。セレッソは、ここで、ボギョン、清武、ブランキーニョケンペスがボールを受ける事ができれば、そこを起点にして崩しに移行できるわけです。


セレッソによる、ここのスペースの使い方は結構、面白くて、キャプで説明すると、


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こんな感じです。ここで、まず、左サイドに張っている左SBにボールを出して、新潟のSHをサイドに引っ張り出す。その動きと並行して、ブランキーニョが下がってきて、左SBの高橋からパスを受ける。そして、高橋はオーバーラップして、新潟のSHを引っ張る。ここで、ブランキーニョは、相手のSHがあけたスペースにドリブルをいれてます。そうすると、新潟のボランチがサイドに出てくるので、新潟のボランチの間にスペースが出来る。そこに清武が入り込んでボールを受ける、と。


ここで、新潟のSHは、セレッソのSBのケアを強く意識してるんで、どうしても、ボランチとSHの間が空きやすいんですね。セレッソとしては、そこを上手く使いたいという感じでした。あそこで、シャドーが前を向ければ、そこから、セレッソは色々できます。ただ、今年からは、両SBが上がってるわけじゃないので、選択肢が少なくなってしまっており、セレッソの攻撃の機能不全の原因になってます。


第六節の新潟戦に関しては、セレッソは、最後の部分で、攻撃で幅を使うことができず、攻撃が中央に偏って、非常に苦しむことになりました。左SBに丸橋がいないってのも痛かったんですけど、結局、新潟に完封されちまいました。新潟としては、中央はがっちりと6枚で固めているので、幅を使われない限りは、どこかでひっかけられる。この問題、ナビスコカップの浦和戦でも、未だに解決されてませんでした。浦和が遅攻の際に、しっかりピッチの幅を使って攻撃できてるのとは、その辺り、対照的な部分がありました。セレッソに関しては、誰が幅を作るのかって所がはっきりしてくれば、もっと良い攻撃が出来るようになると思ってます。今のところ、幅を誰が作るのか、チームではっきりと役割分担が出来ていない感じです。で、幅を作れないと、相手に中央をがっつり固められてしまい、セレッソ得意の中央突破ができないので、この部分は今後の課題でしょうね。


今年のセレッソの攻撃についてなんですけど、これ、監督が替わったせいでもあるんですが、クルピ前監督と比べて、今年から指揮をとっているソアレス監督は、結構な研究マニアって感じです。相手チームのスカウティングをよくやって、相手チームの弱いところをチクチクと攻める感じのゲームプランを立てる感じなんです。新潟戦でも、ナビスコカップの浦和戦でもそうなんですけど、相手のいやがる事をやってくるようになってます。そのあたり、去年みたいに、自分たちのサッカーをやれば勝てるみたいなクルピ時代とは、ちょっと毛色の違うチームになってきてはいます。


これ、ナビスコカップでのセレッソ大阪対浦和レッズの試合でも思った事なんですけどね。


今年から、浦和レッズの指揮を執っているのは、元広島のミシャ・ペトロビッチ監督です。で、ペトロビッチサッカーといえば、3421バリアントとでもいうべき、あの有名な奴です。守備時と攻撃時に変形する3421ですね。特徴としては、最終ラインでのボール回しで、フリーの選手作って、そこから、中盤と前線にボール入れて崩していく所です。こいつは、遅攻で点をとれるサッカーで、ペトロビッチの広島ってのは、5本以上のパスを繋いで取った点数が、総得点数の3割くらいを占める所に特徴がありました。遅攻で点とれるんです、あのサッカー。普通、遅攻で取った点ってのは、全得点の1割あれば良い方なんですけどね。


ペトロビッチ監督のサッカーは、とにかく理詰めで攻めてきます。ただ、その攻撃は、最終ラインのボール回しで、フリーな選手を作ることから始まって、そこから、相手の守備の弱いところついてきます。(この話は、セレッソの守備の所でもします。)裏を返せば、最終ラインのところでフリーな選手を作れないと、崩しにいけない。


なんで、ナビスコカップでは、セレッソはハイプレスをかけて、浦和のボール回しを破壊しにいってました。セレッソのハイプレスの勢いに負けて、浦和は自分たちのサッカーができなくなってました。


そしてもう一つ。ペトロビッチ監督って、広島時代から、セットプレーの練習を全くやらないので有名です。そのため、セットプレーからの失点が多くて、これは、広島のウィークポイントの一つでした。実は、浦和レッズ自体、去年、セットプレーからの失点が多く、この部分での改善は全く見込めない状態なんですね。


でもって、ナビスコカップでも、セレッソにセットプレーから3失点を喫しており、まー、見事にやられちゃったねという感じです。一点目の清武のミドルはしょうがないにしても、二点目と三点目はちょっとね・・・・


逆にソアレス監督にしてみれば、してやったりというゲーム展開なんですよ。ハイプレスをかけることで、浦和レッズに自分たちのサッカーをさせず、一方で、自分たちは、浦和が弱いセットプレーで得点を重ねていくというね。浦和にしてみれば、一番、やられたら嫌な事をフルコースでやられた形でした。


とまあ、そんな訳でして、今年のセレッソの攻撃に関しては、ソアレス監督のカラーが段々と出てきたという感じです。傾向としては、クルピのサッカーより、手堅く勝ちに行くサッカーという感じです。相手の弱みをしっかり把握して、そこを攻めていくサッカーという感じです。実際、去年よりも、早い段階からポイント稼いでますしね。クルピ時代は、3シャドーの連携が取れてくるシーズン中盤以降に勝てるようになる感じでしたし。


浦和対策に関しては、今回、ソアレス監督のセレッソがやったみたいに、ハイプレスで浦和のサッカーを破壊して、浦和が苦手のセットプレーから得点を取って勝つってのは定番の一つになるんじゃないかとは思ってます。


最後に、繰り返すようですが、現状のセレッソの攻撃は、攻撃の幅を誰が作るのか、そこがはっきりしてません。幅を作れないと、相手は中央固めとけばいいだけなので、セレッソみたいに中央突破が得意なチームは、かなり乙ります。中央突破を行うには、サイドを上手く使う必要があって、今年のセレッソは、未だ、両サイドを上手く使えてないのが現状です。ピッチで幅を作れてないんです。


今期のセレッソの守備について


さて、次にセレッソの守備のお話です。



これは、最初のセレッソの攻撃の所からのつながりになりますが、今年から、セレッソは、両SBをあげて攻撃することはなくなりました。サッカーってのは、攻守が連続しているスポーツなんで、これは、守備にも影響を与えます。つまり、DFがカバーする範囲に影響がでているんですね。


結論からいえば、両SBをあげて攻撃しないので、CBがカバーしなきゃいけない範囲が狭くなりました。去年は、SBが二人とも前に出て行ってしまう上、ボランチの片方も前に行ってしまうので、CBがSBがあけたスペースをカバーしなくちゃいけませんでした。そんなわけで、カウンターで、SBがいないサイドのスペースにボールが出されるとCBがカバーに出ていってました。去年のセレッソは、CBがとんでもなく広いエリアをカバーしないといけなかったわけです。


しかし、今年からはSBは上がっても一人だけなんで、CB二人とSBがゴール前を固めている事が多く、代わりに、ボランチ二人のうち、片方がSBがあけたスペースをカバーしてます。なんで、セレッソのボランチは、去年より、広範囲をカバーしてます。特に、ボランチの山口蛍が、驚くほど広い範囲をカバーしています。今年のセレッソは、SBがあけたポジションは、ボランチがカバーする形に変更されており、ここは去年との違いになってます。



まずは、セレッソ対新潟の試合のキャプでやりますけど


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こんな感じです。今年のセレッソは、後ろにカウンターのケアで4〜5枚残している事が多く、そう簡単にカウンターでやられない守備方法を取ってます。具体的には、SB1枚と、CB二枚、そしてボランチ1〜2枚が残って、カウンターに備えてます。そして、ボランチのカバーリングの関係も明確で、右サイドにボールが出ると、山口蛍が右サイドのカバーに出てきて、扇原が中央のスペースを潰します。一方、左サイドを攻められた時は、扇原が左サイドのカバーに出て行って、山口蛍が中央のスペースを潰します。又、SBがあけたスペースには、ほぼ必ずボランチがカバーに入ります。


そんな訳なんで、セレッソの守備ってのは、去年と比較すると、かなり堅いです。去年と同じ感覚でセレッソにカウンターしようとすると、スペースが無い上に、攻守の切り替えも速くなってるので、苦労することになります。


ただ、どんなやり方でもそうですが、突破口ってのはあるわけで。セレッソの守備に関しては、新潟にしろ、浦和にしろ、すでに研究を済ませているようで、この2チームは、セレッソの守備の弱いところをしっかり狙ってきていました。


結論から先にいうと、セレッソの現行の守備方法は、サイドにボールを出されたときに、中央に残ったボランチの両脇にスペースが出来やすいです。そこを狙われると厄介なことになります。


これも、ちょいとばっかし、キャプでやります。こいつは、セレッソ対新潟の奴からです。


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流れとしては、こんな感じです。セレッソは、サイドにボールをだされた場合、ボランチの一方が、カバーに出てきて、もう一方がCBの前に残ります。なので、どうしても、ボランチの両脇にスペースが出来やすい。そこでボールを受けられると、CBが出てきて、SBが中央に絞ります。その瞬間に危険な状況を作られやすいです。


さて、もう一つ。これは、左サイドの守備のシーンです。


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流れ的にはこうでしたが、ここ、新潟がよくセレッソを研究してるなと思ったシーンです。セレッソは、サイド攻撃を食らうと、ボランチが一枚、サイドに出張ってきます。そこでボールを奪ってカウンターに繋げたいんでしょうけど、その際、山口と扇原の間にスペースが生じやすいし、ボールサイドに全体を寄せてくるので、山口と扇原の間のスペース使って、逆サイドのアタッカーに展開できれば、チャンスになります。


ただ、セレッソ自体、それはわかってるわけで、なんだかんだで、よく守れています。ソアレス監督自身も、そこを狙われるってことはよくわかってるでしょうしね。


ただ、しかし、セレッソ対新潟の試合では、ソアレス監督の采配が裏目に出て失点してしまいました。その時のシーンをちょいとキャプで解説しますけど、


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これですね。新潟の決勝ゴールのシーンです。スローインからのシーンなんですけど、このシーンで、決定的な役割を果たしているのは、まず、その前のソアレスの交代策。MF扇原に変えてFWの播戸を投入したんです。それで、なんですけど、セレッソのダブルボランチは、片方がサイドに出たら、もう片方がCBの前のスペースを潰すって分担になってます。ところが、ここでは、その分担が行われてないんです。なんで、中央がガラ空きになって、そこにボール入れられて失点しちゃいました。


山口蛍は、このシーンで、ミシェウにマンマーク気味でついていて、ミシェウについてサイドに出て行ってしまってます。ミシェウは、この辺り、やっぱり上手いというか。この日、セレッソの問題になったのは、ミシェウのポジショニングで、セレッソのボランチコンビの間でうまーくボール受けたり、山口蛍を自分のポジショニングで動かして、中央にスペース作ったり、ボールをうけて裁いたりと、新潟の攻撃を一人で動かしてました。


このシーンだと、山口蛍があけたスペースを誰がカバーするか、そこがしっかり出来て無くて、あんなに中央にぽっかりスペース作ってるようでは、やはり駄目です。ただ、この手の事は、メンバー交代後にはよくある事なんですけどね・・・・


セレッソのボランチコンビは、今年、連携しながら広範囲をカバーしてるので、正直、試合の途中で変えるのは止めた方が良いと思ってます。途中から、コンビを組み替えると、齟齬がでる可能性が高いです。



ちなみに、ナビスコカップの浦和戦でも、浦和に、ボランチの間に生じるスペースは狙われていて、こんなシーンがありました。


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このシーンでは、セレッソサイドがよく対応してたんですけどね。なんというか、守備での修正は、予想以上に速く行われていて、その辺り、ソアレス監督って、意外と対応が早いなと。


それと、似たようなシーンでもう一つ。


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これですね。これは、浦和サイドのいい攻撃で、感心した奴です。ペトロビッチ監督って、攻撃については、相手方の弱いところをしっかりスカウティングしてて、これはいい展開でした。セレッソのボランチの動きを逆手にとったスペースメイクと、ピッチを広く使った攻撃。見事なパスワークとスペースメイクです。正直、浦和のほうは、チーム作りに時間がかかるかとか思ってたんですけど、予想以上に早く、チームができあがってきていて、驚いてます。このシーンの攻撃とか、普通によい展開で、感心したくらいです。セレッソの弱いところをしっかり突いてきてるし。


最後に、今シーズンのセレッソの守備についてまとめると、両SBを上げて攻撃しなくなったので、CBがカバーする範囲が大幅に減少し、CBはゴール前での守備に専念してます。それと引き替えにですが、ボランチがカバーする範囲が非常に広くなってるのが特徴です。そして、今年のセレッソのボランチコンビは、前に繋ぐ能力が高い選手なので、セレッソのボランチコンビの所でボールを取られると、まず間違いなく速いカウンター食らいます。大宮戦の3点目とか、その典型で、山口蛍のパスカットからのショートカウンターで決めた得点です。


まとめに入りますが今シーズンのセレッソについて

さて、クルピ前監督から、ソアレス新監督へと、監督交代が起こったセレッソ大阪なのですが、ここまでの試合をみてきた感じでは、今年のセレッソは、どちらかというと、バランス型のチームに変化したという感じです。


昨年までのセレッソは、非常にアグレッシブなチームでして、攻撃では、両SBをあげて自由奔放な攻撃を行い、後ろは、CB二枚の能力の高さに任せてカウンターを潰すみたいな所がありました。そのため、非常にエンターテイメント性の高いサッカーで、見てる側としては面白いのですが、一方で、J1の各チームに研究されてくると、両SBの裏を使われてのカウンターに弱いという問題を抱え続けることになっていました。


しかし、ソアレス監督就任後は、両SBを上げず、最もスタンダートなスタイル、つまり、SBはつるべの動きが基本で、片方が上がったら、もう片方は下がってバランスを取るという形に変化してます。


また、SBがあけたスペースは、ボランチが埋めるというのが基本形となっており、ダブルボランチがカバーしなければならない範囲は、去年よりも広いのですが、ボランチ二人がボールを奪ってさばけるので、ボランチがボールを奪ってからの速攻は非常に迫力があるモノになっています。


そんな感じなんで、今年のセレッソに関しては、バランス重視のサッカーになったという感じでまとめたいと思います。攻撃と守備のバランスは、去年よりも良くなっており、守備のやり方が非常に組織的なサッカーになっています。攻守の切り替えも速いです。


つまり、コレクティブな守備からボールを奪ってカウンターというのが、現状のセレッソでの一番の得点源になりそうな気配です。ただ、新潟みたいに、セレッソにボールを持たせてカウンターを狙ってくるチームとは、ちょいとかみ合わせが悪くなってます。まだ、セレッソは、ボールを持って攻撃する事に関しては、幅を誰が作るのかってことが、チームとして整理されてないので。


では、今日はこのあたりで。


ちなみに今週は頑張って、バイエルン対レアルマドリードの試合のレビューもやりたいと思ってますので、暇だったら読んでくださいな。ただ、守備の話が中心になると思います。これから、しばらくは、あんまり需要はなさそうですけど、サッカーにおける守備の話でもしたいと思ってるので。あと、今年は、Jリーグでは、サガン鳥栖と大宮、セレッソ、ガンバを中心的にみてるので、そのあたりのレビューも、継続的にやっていきたいと思ってます。


ではでは。

HHRHHR 2012/04/20 01:42 相変わらずの良質記事ありがとうございました。守備の話はなかなか読む機会がないので今から楽しみです。

るるばするるばす 2012/04/20 08:24 更新が有るとラッキーを感じます。楽しく読ませて頂いています。先週、今週は大変ですが、頑張ってサッカー見たいと思います。

ガンバサポガンバサポ 2012/04/20 11:56 毎回面白い記事をありがとうございます。
ガンバのレポも楽しみにしています。

paint-it-pinkpaint-it-pink 2012/04/20 15:38 はじめまして! セレサポの一人です。
以前からこちらのブログは楽しく拝読しておりました。
相変わらず見事な分析に感服いたしますm(_ _)m

とむくるーずとむくるーず 2012/04/20 17:14 さっそくのセレッソ記事有難うございます。Jの勝敗(展開)予想なんかもしていただけないでしょうか?

ff 2012/04/20 20:52 変えが利かない→替えが利かない

Hey Hey 2012/04/21 08:16 非常に解りやすく、面白い内容いつも有難うございます。今年調子があがらないガンバと鹿島の原因等教えて頂きたいデス。

灰猫灰猫 2012/04/23 00:56 おお、更新されてる。相変わらずの分析力ですねー読んでて楽しいです。
個人的には名古屋の3バックの将来性なんかのお話が聞きたいところですが、次回の更新も楽しみにしています。

でっどべあでっどべあ 2012/04/23 11:42 更新楽しみにしてました。今回のセレッソもふむふむと勉強させていただきました。
因みに、柿谷選手は活躍できそうでしょうか。また、機会があればよろしくお願いします。

カガーカガー 2012/04/23 13:47 palさんの更新を楽しみに生きています。今ヨーロッパは凄い試合が行われています。雑感のような感じでも良いので感想でも良いので色々解説いただけるとうれしいです。
あと香川はドルで大活躍していますが消えている時もあります。日本代表ではトップ下はどうなんでしょうか?
大変でしょうがみんな楽しみにしていますのでよろしくお願いします。

のりへのりへ 2012/04/23 17:44 解り易い分析ありがとうございます。
CLの分析も楽しみにしています。

よっし〜よっし〜 2012/04/24 07:06 いつも丁寧な分析、有難うございます。
先日の鹿島戦、ご指摘の通りの弱点を突かれてよもやの大逆転による敗戦…。
ナビスコの疲れや、前半のダブルボランチのイエローも影響しましたかねー。
山口選手、守備専のように見ておられる人もいらっしゃいますが
良質なロングフィード持ってます!本当にこれからが楽しみな1人です。

たかとびたかとび 2012/05/02 19:46 以前書かれておられた左利きの選手を右サイドにもってくると左利きの選手は優位に
なると書かれておられてましたがキムボギョンがまさしく右サイドから良いシュート
で得点量産してますね。。

2012-04-13

[]サッカーにおいて監督解任は効果があるのか サッカーにおいて監督解任は効果があるのかを含むブックマーク

皆さん、こんにちは、久々の更新です。ホントは、大宮対セレッソの試合か、ドルトムントバイエルンの試合のレビューでもやろうかと思ってたんですけど、時間かかりそうなので、今日は、手軽に書けそうな話題で、ブログ書きのリハビリでもしようと思い、このネタ取り上げます。


取り上げようと思ったのは、


相馬直樹監督 契約解除のお知らせ


なんてニュースがあったからでもあります。フロンターレさん、とうとうやってしまったわけですが、個人的には、これ、逆効果じゃないかなーと思ってます。いや、ホントに。



監督交代がチームに与える影響について

「かつて監督は、三ヶ月は何とか持ちこたえねばならないものだった。それが今では四週間だ」

オットマー・ヒッツフェルト(元バイエルン監督)

さて、ですが、監督解任というのはサッカーにおいては、別に珍しい話じゃありません。あの、伝説の名監督、ヒッツフェルトですら、こんな調子です。そのくらい簡単にクビ切られます。もっとも、これは、現代の企業社会、トップのCEOの皆様にも言えるんですけどね。2006年には、全世界の3分の1のCEOが交代したそうで。アホな話ですが。


Jリーグの監督は、平均1.5年で解任されます。イングランドプレミアリーグだと、平均2年で解任です。ブンデスリーガでは、発足以来、約300人の監督が、任期満了前に解任されてます。要するに、長期政権作れる監督ってのは、まずいないって事です。


監督の就任会見で、大概、新監督さんが笑顔で挨拶をします。オシムはしかめッ面してたけど、大概笑顔で、いろんな抱負を述べます。きっと頭の中では、チームを率いて、采配をびしばし当てて、サポーターから暖かい声援と拍手をもらえる光景でも浮かべてるんでしょう。


しかし、近年のサッカーの現状を鑑みれば、監督に浴びせかけられるのは、サポーターからの声援と拍手でなく、怒号と皮肉とブーイングがほとんどで、試合の後には、監督の采配批判、戦術批判をこれでもかとばかりメディアやブログで書きたれられるのが関の山です。大概、結果はそうなってます。


サポーターから愛される監督なんて黄色いカラスと同じくらいありえない存在となりました。


なんで、サッカーの監督というのは、これほどに厄介な仕事なのかは、サッカーの世界に身を置く人なら誰でも知ってるでしょう。サッカーの監督が評価されるのは勝ったときだけだからです。引き分けと敗北は、罪であり、許されざる事なんですね。


ちょっと考えれば、馬鹿馬鹿しい話なんですけどね。サッカーの結果は監督ではどうしようもない要素が大量に絡むんですけど、勝利という結果以外は評価されない。それがサッカーの世界です。だから、サッカーの監督は、自分の職を守ろうとしたら、勝つしかない。それ以外に、自分を守る術はないんです。ただ、現実問題として、それがどれだけ難しいかは、ちょっと考えればわかるでしょう。


そんな訳で、勝てない監督は、解任される運命です。ビッグクラブでは、勝てる監督でも、「やってる試合がつまんない」とかいう理由で解任する珍しい所もありますけど。でもって、勝てる監督がいるってことは、負ける監督がいるって事です。つまり、サッカーの世界ってのは、監督解任が短期間で起こる事が、構造的に組み込まれてるんですね。無能とかそれ以前の問題で、構造的に、監督は解任されるように出来てます。勝てない監督は無能と言われますが、サッカーの世界は、「負ける監督」というのがいないと成り立ちません。なんで、一人の監督が5連勝とかすれば、その背後でどっかの監督のクビが飛ぶ仕組みなんです。今年は、J1ではサガン鳥栖、J2ではベルマーレが予想外の躍進をしてますが、その背後で、次々と監督のクビが飛んでます。でも、仕組み的には、そういうモンなんです。


しかし、ここで問題になるのが、「監督解任」が、どれだけチームの勝利に貢献するかです


監督交代は、サッカーのチーム編成において、どれほどの効果をもつんでしょうか?実は、それを調べた人がいます。



監督交代にまつわる研究とルーキー監督の成績


さて、ここからメインディッシュ。サッカーの監督交代について、書籍でまとめられているのは、そんなに数がないんですが、その数少ない例を紹介します。


勝利を求めず勝利する ― 欧州サッカークラブに学ぶ43の行動哲学

勝利を求めず勝利する ― 欧州サッカークラブに学ぶ43の行動哲学

調べてもわからないサッカーのすべて

調べてもわからないサッカーのすべて


この2冊ですが、それぞれ、監督解任における研究の紹介や、ルーキー監督の成績についての考察があります。



まず、スプレンガーの「勝利を求めず勝利する」のP55からの引用をします。



「監督の交代はうまくいくものではない」


オランダの経済学者ルート・クーリングはこう言っている。彼は経営トップの交代が企業の成功に与える影響を解明するために、サッカーのオランダリーグを調査した。


すると、1993年から1999年までに28回の監督交代が行われたが、結果として監督交代がいい影響を与えた事を裏づけるものは全くなかった。クーニングはこう結論づけた。

「ファンとメディアの圧力のほうが、監督交代の効果の見込みより重要な役割を果たしている」


2003年、この結果に対してミュンスター大学の二人の研究者ベルント・シュトラウスとアレクサンドラ・ティッペンハウアーが賛意を表した。彼らは1963年から1998年のデータを元に、監督交代の効果について検証した。


調査は、監督交代前の12試合と後の12試合を比較するという方法で行われた。その結果、短期的には成績が上向きになることが多かったが、それだけにその後の急降下が厳しいことがわかった。これに対し順調に推移して落ち込むことがあまりなかったのが、「監督を交代させない」チームだった。


「リーグ戦における監督交代」を研究したマティアス・キルタウも同様の結論に達した。新監督は、10戦目までは3ポイント多く獲得するものの、それから効果は消えてしまう。さらに、その短期的な成功も新監督の手腕によるものではなく、監督交代がチームを刺激する「劇薬」として瞬間的に効果を発揮したものだった。



で、その後、スプレンガーは、アメリカの経営学者のマルガレーテ・ウィアーズマのアメリカにおけるCEO退任の影響の調査の研究(1997〜1998年の間の59件)から、このような引用をしてます。


「よい影響はなかった。慎重な後継者選びを怠った為だ。投資家の信頼を早く取り戻したいと望むあまり、それが企業のためになるのかということより、トップ選定の顛末そのものが前面にでてきてしまうからである」



また、猪狩真一の「調べてもわからないサッカーのすべて」では、ルーキー監督の成績を強引に評価した項目があります。で、ルーキー監督が採用されるパターンには、四つあって


1 完成度が高いチャンピオン級のチームに、クラブの生え抜きが投入される。例、磐田全盛期の鈴木政一さん、ヴェルディ全盛期の松木安太郎先生。

2 それなりの戦力を持ちつつ優勝争いから遠ざかっているチームに、OBが投入される。例、名古屋のピクシー、Fマリノスの木村和司さん。

3 窮地に陥ったチームが監督を解任し、コーチがスライド昇格する。例、06年京都の美濃部さん、09年の江尻さん、05年の中田さん。

4 資金難などで戦力不足が明らかなチームがルーキー監督に火中の栗を拾わせる。例、去年の浦和、02年の札幌の柱谷さん。


ですね。で、ですが、当たり前ですが、3と4は、ろくな事になりません。そもそも無理難題ですから。1のケースが一番幸福で、松木監督でも勝てます。というか、松木さんのルーキー監督時の勝率は、77%で、もの凄い数字をたたき出してます。2はケースバイケースって所でしょうかね。



監督解任は短期では効果があるが、長期的にみれば何の意味もない

まぁ、僕がいいたいのは、こういう事なんですけど、サッカーにおいて、監督の解任ってのは、短期的には効果があるようです。解任後、新監督がやってきて、10試合くらいは効果がある。研究結果でもそう出てるし、実際、僕の感覚的にも、それは合ってます。監督交代後の10試合くらいは、上手く行く。研究によると、監督交代後、10試合で平均して3ポイントほど成績が上向くみたいですが。


ただ、その効果は、10試合前後で消えちゃうんですね。しかも、その後は、急降下が厳しいケースが多いと。最近のインテルでは、ラニエリ監督なんてモロにそれですね。一時、持ち直してましたが、その後、元通りになって成績が急降下。で、解任。チェルシーも監督交代後、成績が良くなってますが、あの効果は10試合程度で消えるでしょう。そして、その後は、元通りのチェルシーが帰ってきます。日本だと、やっぱジェフですかね・・・監督交代後、最初は上手くいくけど、その後グダグダ・・・という。


今年のJ1で言えば、ガンバと川崎と横浜FCが、監督のクビを飛ばしたわけですけど、これから、あと6〜7試合くらいは、成績がそれ以前よりは上向くと思います。


ただ、言いたいのは、それは一時的なモンだって事です。そういった効果はすぐ消えて、元通りになっちゃいます。ほとんどのケースで、それが一般的なんです。


だから、監督解任をするタイミングってのは、唯一、「チームが降格圏内にいて残り試合が10試合を切っている」時が、最も効果的だという結論になるんですよ。序盤に監督交代させても、効果は短期で消えて、その後、急降下に見舞われる事が多いので、大した意味がないんです。


もっとも、06年の横浜FCの高木琢也監督の時みたいな例外というか、奇跡が起こる事もありますけどね。


一応、言っておきますが、たまーに例外的な監督ってのはいるにはいます。シャムスカとかオシムとか、日本人では西野朗とか関塚隆あたりです。


U23の事で、関塚さん叩きがよく見かけますが、関塚さんって、特別な監督の一人です。就任一年目でJ2からクラブを昇格させ、その後も継続的に結果を出せた監督なんて、他にいないです。J2の一年目で勝率80%を記録しており、これは、J2でのルーキー監督の最高勝率ですし、その後も、コンスタントにJ1で結果だして長期政権を作ってます。J2から昇格させたばっかのチームを、その後、就任2年間で、ACL圏内にまで引き上げるってのが、どれほど難しいか、それを理解してくれる人がなんで少ないのか理解に苦しむ所でして。こんな事が出来た人、関塚さんしかいないんですよ。U23だって、アジアの大会で優勝したり、きっちり予選突破したり、結果はコンスタントに出してるじゃないですか。


僕は、関塚さん叩きについては、代表監督にまつわる儀礼的なもんとして、しらけた目でみてる口です。関塚さん以上に継続的に結果を出した監督なんて、日本人じゃ、西野朗しかいません。


そんなわけで、U23の監督を交代させるなら、後任として、西野朗を呼べるのが条件と考えているクチです。それ以外の日本人監督は、ほぼ全員、関塚さん以下の能力しかもってないので、問題外です。実績からみたら、そうなんです。


そんなわけで、フロンターレは、関塚さん以上の監督が欲しいなら、西野朗を呼ぶしかないと思います。いや、マジに。


西野朗って監督は、マイアミの奇跡の奇跡に始まって、柏レイソルガンバ大阪で、継続的に優勝争いできるチームを作り続けた実績をもつ人です。こんな人、他にいやしないんですよ。監督業で、優勝争いしなかったシーズンが3シーズンしかない。他に、こんな監督いますか?って話で。


まぁ、雇うのに億かかるだろうから、西野朗に億はらうより、その金で良い選手取った方が良いというもの事実かもしれません。


今日はそのあたりで。

   2012/04/13 05:53 海外での統計をもとにJを語られても……お話になりません(´・ω・`)
前回叩かれたからって過剰反応しすぎ

イブラヒモビッチイブラヒモビッチ 2012/04/13 06:17 関塚さんもあの偏った面子でよくやりくりしてるなと思います。OA枠どうなるんですかね。個人的にはボランチとストライカーで誰か呼ぶのかなとおもいますが

解任に納得のガンバファン解任に納得のガンバファン 2012/04/13 07:39 Jの統計をもとに語ったら「歴史の浅いJの統計を引き合いにだされても」って言う人がでてくるんだろうなあ。

J fanJ fan 2012/04/13 07:46 セホーン・ロペスでバラバラになったガンバ。あの内容のサッカー続けていたら、長期的に見てマイナスにしか感じないのは自分だけでしょうか。

JヲタJヲタ 2012/04/13 09:27 去年の浦和が「資金難」などで「戦力不足が明らか」なチームが「ルーキー監督」に「火中の栗を拾わせる」ケース? (´ε`;)ウーン… 監督を連れてくる手腕がないフロントが監督就任を熱烈に望んでいたOBを安易に選んだだけなんだけど。 あれで資金不足戦力不足とか・・そもそもゼリコはルーキーじゃないでしょ・・ よく知らないのかな。本に書いてなかったからわからなかったかな?

某J2さぽ某J2さぽ 2012/04/13 09:34 > 12試合と後の12試合を比較するという方法で行われた。その結果、〜
これが前監督末期12試合+新監督就任後12試合の成績の統計だというのは理解できるのですが、

> 順調に推移して落ち込むことがあまりなかったのが、「監督を交代させない」チーム
こちらがどの時期の何試合の統計なのかがわからず、監督交代チームの成績と比較しうるものなのかちょっとわからないです…

「監督交代を帰結するほど悪い内容の12試合」+「そのような悪い状態のチームを引き継いだ新監督がチームを立てなおそうとする12試合」
の成績が、
「チームが監督交代を必要としない成績を収めている期間××試合」の成績より悪いって、当然のような気が…

本を未読なので勘違いだったらすみません。

コバトン松村コバトン松村 2012/04/13 11:09 つまり10試合ずつ監督を交代すると最強か?w

とむくるーずとむくるーず 2012/04/13 12:22 セレッソの試合の解説またお願いします!

( ー`дー´)キリッ( ー`дー´)キリッ 2012/04/13 12:42 いつもおもうんだけど、自分の論に都合のよいデータだけもちだして
自論を展開してるような気がする。

そう、気がするだけだけどね。でも、気づいてる人は多いと思うよ。
もう騙されないだからね( ー`дー´)キリッ

本質的に主はアジテーター気質あるよね。注意注意・・・。

名あり名あり 2012/04/13 13:02 自分に都合のよい云々って個人のブログなんだから別に良いでしょう。勿論指摘して批判するのも自由ですから、むしろ賛否両論な内容が健全なのでは。宗教じゃないんですから。
それと去年の浦和は全盛期に比べると資金も戦力も落ちていて、監督の采配がルーキー以前の有様だったのだから、あながち間違いとは言えませんね。

名あり名あり 2012/04/13 13:06 今気が付いたのだが、「もう騙されない」って以前は騙されていたのですか?

名あり名あり 2012/04/13 13:09 そもそもサッカーの話は必ず例外が存在しますからね。それこそがサッカーの面白さであり、ジャイアントキリングが起こる要因なんでしょう。

おるおる 2012/04/13 13:16 某所で取り上げられてからコメント欄がちょっと荒れてきているみたいですね。まあ、嫉妬みたいなもんかなー。(監督業も同じですよねー)リスペクトしている人は黙ってみていることが多いですから。これからも考察頑張ってくださいねー^^

名あり名あり 2012/04/13 13:18 4連続投稿すまない。浦和のルーキー以前って「ぺ」のほうね。堀さんは始めからその場しのぎだったからpal-9999氏の説の裏付けになるな。

うんうん 2012/04/13 17:52 めんどくさい絡まれ方してて笑ったw
試論を一つの完成した論文と捉えられるのはしんどいだろうな

にわかにわか 2012/04/14 01:25 監督解任はサポーターのガス抜きとか期待感を持たせる効果を狙ってて、単純にそのシーズンの成績や強化以外の意味もあると思う。
経営側の理屈では勝利より儲けが重要だし。

同じく解任に納得のガンバファン同じく解任に納得のガンバファン 2012/04/14 08:10 ガンバの場合は、セホーンがひどすぎた…。
そもそもなぜ西野さんと契約更新しなかったのかが意味不明だったのですが、
「西野朗に億はらうより、その金で良い選手取った方が良いというもの事実かも…」で
ああそういう理由も考えられるか…と思いました。

ただpalさんと同じく、自分も選手より監督にお金を使う方がよいと思います。
組織の能力はボスに大きく左右されますから。

イージーイージー 2012/04/14 12:02 ドル×バイエルンのレビュー、めちゃ楽しみにしてます!

わ 2012/04/14 15:44 相馬の解任に関しては同意見ですね
去年一年間という評価する期間がありながら今年序盤まで引っ張って解任は意味がありません
新監督もチームを1から作る時間がありませんしね

ただガンバに関しては当てはまらないんじゃないですかね
あれを残り10試合まで引っ張ったら、解任ドーピングをして3ポイントほど上向いたところで降格圏脱出なんて夢のまた夢でしょう

新 2012/04/14 16:19 うちも監督解任しそうな雰囲気ですね。はやく切るようなクラブじゃないんですけどルーキー監督なんですぐに結果求めるのは酷ですよ。
関塚監督は川崎時代の印象が強いので私も悪い印象はないですね

カガーカガー 2012/04/14 17:52 ドル×バイエルンのレビュー是非お願いします!

香川がくさびを受けるとバイエルンはタイトなマークについてきて、香川はトラップミスを多発していました。どうしたらバルサのようにフリーでもらえたりするのでしょうか?香川はトップ下で固定されるのは向いていないのでしょうか?
ゲッツェが帰ってきたら緩和されるかもしれませんが。ギュンドガンあたりまではマークは甘くてフリーなのに香川には厳しかったですね。
でもレバが受けられているということは香川のフィジカルやワンタッチの精度にも問題があるようにも思えますが。

よくわからないので解説おねがいします!

まえだまえだ 2012/04/15 06:01 意見にはいろいろ納得できるところもあるのですが、関塚監督がJ2で良い成績を残したのだから、五輪の監督としても優秀だという論調では説得力に欠ける気がします。
ACLで優秀な成績を残した監督だから、CLやWCでも優秀な成績を残すだろうと言っても、説得力を持たないでしょうし。

関塚監督が優秀であるというのであれば、試合を分析して、戦術なり采配なりの優秀さを示していただかなければ、関塚監督を叩いている人たちを納得させることは出来ないのではないでしょうか。

名あり名あり 2012/04/15 11:29 戦術や采配がいくら優秀でも、試合に勝てないなんてことはよくありますからね。結局結果が全てだと、監督業は本当に辛い職業ですね。結果的に「監督解任が長期的には効果がない」説を実践しているのがアルビレックス新潟ですね。プロになってから一度も監督解任していませんね。

とどとど 2012/04/15 21:22 今季のガンバに関しては例外で良いんじゃないでしょうかね
どう見ても西野→セホーンより西野→松波の方が、やってるサッカーが近いから
継続性という意味では迷走どころかむしろ本道に立ち返った観がw

ひろ。ひろ。 2012/04/16 00:12 叩かれ方乙であります。
基本ネットライターとしてのスキームを持たれているので、サッカー側のスキームの人と合わないのかなとは思いますがそれはそれ。

そもそも、ココらへんの話って「監督って何」とか「クラブって何」が曖昧なんで困りますよね。最初にクラブという組織と機能の定義(ちなみにクラブごとにバラバラ)をして、そのうちどの機能が監督の責任領域でどこらへんまで影響があるか(無論クラブごとにバラバラ)を把握して(ちなみに把握は不可能)、ようやく議論になると。

でもそれじゃ議論にならないから現象としての「監督解任」をお題にするとそうなりますよ、というのはその通りで、反論する人は難しい領域を扱わなきゃいけませんね。

ただ、多分監督解任というアクションが自分に跳ね返らないと思っているステークホルダー(フロントとか社長はもちろん、実はサポもその中に入る)が多いところはダメなんでしょうねえ。

それではまた楽しみにしています。

mm 2012/04/16 01:51 >名あり

何回も何回もコメントしないように
一回で言いたいことまとめてくれ

にわかファンにわかファン 2012/04/16 13:13 そもそも効果があるか否か統計を取ってみたところ〜ってデータなんだから、例外はあって当たり前じゃない。データで考えるとこういう傾向にあるよ〜ってだけの話。過剰に噛み付くような事じゃないと思うけど?
最初に「逆効果ではないか」っ始まってるんだから、それを補強するデータがくっついて来るのは当たり前。そこに反証データまで出してきてあーだこーだやったら何言ってんだかわからん謎な文章が出来上がるだけだと思う。

代表監督なんてのは批判したがり人間にとっては格好の的だからねぇ・・・。

ガンバに関してはなんでフロントは全然タイプが違うのを連れてきたのか、と・・・
さすがに急落し過ぎだったからね。
でも、0じゃなくてマイナスから出直しだからなぁ・・・

ささささ 2012/04/16 13:57 関塚監督が優秀な監督であることを疑う人はいないですよ。疑う人はもちろんいるでしょうがごく少数ですよ。

●選手選考におけるクラブとの葛藤と、「結果」を求められるという凄まじい
ジレンマを抱えながら、選手の所為にすることなく、予選突破という結果を
出しましたし、その過程で成長した選手も少なくないはずです。

たにやんたにやん 2012/04/16 20:41 興味深かったです。僭越ながら、ベガルタ仙台の戦術(カウンター・守備ブロックの作り方等)と強さの秘密についてのpalさんなりの分析が気になります。よろしくお願いします!

脚サポ脚サポ 2012/04/16 23:48 ガンバの例を思うに、
長期間かけて作ったクラブのサッカーがベースとしてある
新監督がぶちこわしたので解任して、以前のサッカーを知る監督を就任

一方、短期的に監督を交代させベースとなるサッカーができてないチームだと
立て直すにも監督、クラブ、選手が手探り状態で崩壊しやすいのかと

反町反町 2012/04/19 13:20 うーん・・・僕自身、ワールドクラスか、というと、そう言える面もあるかなとは思っていますけど、
ワールドクラスの監督といえどもここに書かれている状況なわけであって、
そういう意味では、ここに書いてある内容については、いいこと言っているかな、と。
ま、僕もまだ解任されたくないですから、その考え方をどんどん広めてもらえれば有難いな、と考えるのは当然あります。
ただ、ここを松本のフロントが読んでくれてるとは思えないのでね・・・、そこは厳しいかなと。
まぁ僕も、もうしばらくは選手のせいにして凌いで行けると思っていますから、そこはまだ少し時間はあるのかなと。
また次の記者会見でみなさんに喜んでいただけるよう、(そのことばかりを考えて試合に臨んでいますので)がんばります。

WWWW 2012/04/25 21:10 チェルシーVSバルサ
ちょうどディマテオ就任10試合目だった気が・・・つまり決勝は

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