2016-10-21 詩「世界の美しさについて」 「世界の美しさについて」着色された思い出ではなくて イデオロギーに汚された感慨ではなくて 紋切り型のポエジーではなくて いま、目の前に見えているもの ガラス戸の向こうのコンクリートのベランダ 生え放題の植物 ベランダの向こうの木々 ガラス戸のガラスに映る室内の本や衣類 葉っぱを黄緑に透かす曇り日の光線 雑草をそよがせる風 ぼんやりとした日光 垂直に落ちるカーテン きみの視線はきみの肉体を超えて 世界を見ている