panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

生きていれば202歳、ショパンの朝

  
  木曜。朝。
  最近入手したと前に書いたと思うが、イリーナ・メジューエワというロシア人で日本在住(日本人と結婚しているはず)のピアニストが出したノクターン2枚組。ロシアン・ピアニズムという言葉がある。彼女はその今日の継承者の一人である。ある土曜の午後、藤沢の小ホールで彼女の、弾く体や腕の型からして高度な修練をうかがわせる(ような)演奏会もあった。終わって日差しの強い湘南の太陽の下に出たら、頭がクラクラしてしまった。別世界であった。
  さて何日かその夜想曲を聴きながら寝入る生活を続けていて、今朝、そのゆっくりしたテンポからアラウを思い出し、かけてみた。
  途中に即興曲4曲があり、その第一番の最初の短いメロディ(数小節)に独特の間が2回はさまれていることに気づく。第一番は有名だから、その冒頭のはずむような軽やかなメロディは知っている人も多いと思う。アラウはここを一気呵成に弾くのではなく、精妙に間を置いて比較的落ち着いて弾くわけである。うーん。大半のピアニストはいわば大西洋を飛行機で飛び越えるような、ざっーと弾きのめす感じ。アラウは対して、豪華船で堂々と進むピアニズムである。この違いは大きい。アラウには誰もが一聴、立ち止まってしまうだろう。・・・クラウディオ・アラウは大ピアニストだなあ。、、、この間はサンソン・フランソワの天才とも違うように思う。