panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

巨人アンダーソン君のフィリピン研究を読み始める


  土曜。朝。
  フィリピン関係の本だった、のか。『想像の共同体』の著者ベネディクト・アンダーソンインドネシアとタイの専門家だと思っていたので、この最新刊がフィリピン・ナショナリズムの父ホセ・リサールを扱っているのを知って、自らの認識不足を痛感。アンドやや狼狽。
  前著の自伝『ヤシガラ碗の外へ』(同じNTT出版)は抜群に面白かった。イートン校に兄弟でしかも給費生(奨学生)で入った唯一の例だということもこの本で知った。兄(?)はあの大歴史家ペリー・アンダーソンなのである。兄弟そろって秀才なのに、かたやアジア研究、かたやマルクス主義国家史研究。アジアに生まれ父を早くに失った二人は社会の端っこにいることで、イギリス=ヨーロッパの成り立ちの根本的な問題に気づいたということだろうか。