『プロフェッショナル 仕事の流儀-細田守-』親だよなあ。

「これカツヨだよね。カツヨ…」

プロフェッショナル 仕事の流儀細田守。冒頭の数分でダークサイドな細田守が見え隠れしていて、カツヨに永遠を見ていたひとが次々にtweetしてた。
番組の内容は『バケモノの子』公開の一年前?くらいから、細田のコンテ作業から完成までを追っている。

ナレーションも、いわゆる「ポスト宮崎駿」観点からの紹介で、細田守作品としては『時をかける少女』以降しか触れない。唯一『ハウルの動く城』がおじゃんになって細田がダークサイドに堕ちた話が語られたけど、『ハウル』→『どれみ』→『時かけ』って流れになっていて、都合よくフィルモグラフィー上から『ワンピース オマツリ男爵と秘密の島』が存在しないかのように語られていたのが、何だかなあ…と感じてしまった。まあ、原作のこともありますし、軽々しく扱える作品じゃないかもしれないので、出さなかったのかもしれないが。

ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島 [Blu-ray]

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やっぱり「親」なんですよね。実際に細田守のお子さんも出演していて、人の親になったんだよな…なんて他人なのにしみじみと…。

『バケモノの子』の絵コンテで斎藤優一郎のアニメ様インタビューで、「娯楽」「窓口を広げる」「カメラワーク」や「ショット」の話もでていましたが、今、細田さんがやりたいことは、老若男女問わず楽しめる娯楽映画なんだろうな、、、って改めて感じた。

あと、『バケモノの子』の話になりますが、あの映画で扱った「闇」とか「強さ」の意味合いって、それが持つ意味というよりも、子供が親にする曖昧で残酷な質問なんじゃないかなって思った。僕はまだ結婚していないので、子供がいる感覚なんてわかりませんが、よく子供が大人にされて難しい質問ってあるじゃないですか。

「死んだらどうなるの?」
「どうやったら子供ができるの?」
「なんて人を殺しちゃいけないの?」

とかの。
なかなか答えるのって悪戦苦闘すると思う、親って。
だから「強さ」や「闇」とか答えが百人一様っていうか、曖昧になるような質問にしたんじゃないかなって今更ながら。

それとTL見ながら感じたのが、やっぱり人は実体験に合った評価をするよなって話。
まあ、当たり前なんだけど好きになった作品で、その監督の評価の仕方って変わるね。
細田守って人も、メジャーになった『時かけ』以降が好きな人や、『デジモン』が好きって人もいる。僕がいくら細田守の女性観がおかしいとか言われても、「樹璃さんとか、枝織とか最高じゃねえか」ってなる。やっぱ、ウテナ勢としては支持していきたいし、ハウルとセットに語るべき『オマツリ男爵』だって大好きだ。

ひとつの作品の客観的な評価を飛び越えて、「好き」「嫌い」で見ちゃうね。あまり攻撃的になってもしょうがないと思うけど、ある程度はね。

でも、映画監督・細田守を見るなら何からがいい?って聞かれれば、いくらウテナ勢でも「やっぱり『時かけ』かなー」って、好きでもないのにオススメしちゃう。でも、やっぱり映画監督としてなら、『時かけ』は一度は見るべきだと思うし、次はわりとシネフィルも好きな『おおかみこども』かな〜とか言っちゃう。本当は、おジャ魔女の『どれみと魔女をやめた魔女』見て、いけるなら『ワニワニ』とか、やっぱり『ウテナ』とか?!とか迫りたくなっちゃう。しないけどさ。

まあ特に内容のないエントリーなので、なんとなく『おおかみこどもの雨と雪』の公開の際にSWITCHであげていた「エンターテイメントの作法はこの37本の映画から学んだ」でも載っけておく。やっぱ出崎・相米だなあ

ミツバチのささやき』『世界中がアイ・ラヴ・ユー』『カイロの紫のバラ』『ヤンヤン夏の想い出』『博士の異常な愛情』『アパートの鍵貸します』『昼下がりの情事』『美女と野獣』(アニメ)『或る夜の出来事』『素晴らしき哉、人生!』『ラブ・アクチュアリー』『ミリオンダラー・ベイビー』『許されざる者』『トゥモロー・ワールド』『ダイ・ハード』『ピアノ・レッスン』『シカゴ』『ベルリン・天使の詩』『セブン』『恋に落ちたシェイクスピア』『デス・プルーフ』『オール・ザット・ジャズ』『汚れた血』『私をスキーに連れてって』『マルサの女』『リアリズムの宿』『3-4×10月』『台風クラブ』『東京物語』『用心棒』『七人の侍』『銀河鉄道の夜』『劇場版エースをねらえ』『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』

バケモノの子 絵コンテ 細田守 (ANIMESTYLE ARCHIVE)

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SWITCH Vol.30 No.8 ◆ 細田守『おおかみこどもの雨と雪』はこの世界を祝福する

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