風が吹ーいーた、ぜー!

かのこん (MF文庫J)

かのこん (MF文庫J)

ゆやよん、ゆやよん。…おおおおおお、えろーい!以上!
という訳で、序盤での音楽室は秀逸もの。ちづるさんの一挙手一投足がわりと鮮明にイメージできるのが良い感じです。出会ってから→次のステップ、までの展開がこれほどまでに早いのは逆に新鮮で、だからこそ面白いのかも知れません。
中盤からは、まあ普通な話運びで。何しかごっちゃ煮な人物関係が、読むにあたっての引っ掛かりとなってしまったのは残念。謎とか伏線も消化されてない気がするものの、1冊で済ますにはこれくらいのゆるやかな展開の方がまとまるか?といった所。
とにかく言いたいのは、洗って返すなど言語道断!ボーイ・ミーツ・ガールものとしての素晴らしさ!であります。ありがちというには余りにも艶やかな描写が気に入りました。イラストレーターさんに関しても、「粋」なチョイスですなーと思いつつ。

クリスマス上等。 (MF文庫J)

クリスマス上等。 (MF文庫J)

恋人はサンタクロース♪というのが良かったのでした。
という訳で、内界人向けのTV番組のためにサンタクロース役として抜擢されたごく普通の高校生・鉄平が4時間という決められた枠内の中で不幸な女の子を救え!という異世界系のような落ちモノ系のようなお話。
面白かったのはレポーター・槍ヶ岳と鉄平の掛け合い。初っ端、押し入れから出てきたときと、最後の「締め」などが特にテンポ良い。TVはあんまり観ないという作者の経歴とは裏腹に、深夜番組の企画モノのような雰囲気が上手く表現されていたように思えますが、さて。ぜんぜん関係ないが『水曜〜』が観たくてたまらなくなった!魚取りに行くやつとか。
鉄平が選ばれたのには、それなりに説明があるものの、かなり強引。ヒロイン・古都ゆかりとの絡みも読んでて少し気恥ずかしい展開だったなー。ヒロインの容姿やら言動以前に、「古都」という苗字が何故か気になってしまいキャラとして印象が薄くなってしまったし。どこぞのギャルゲーにいたか?って感じで悩みっぱ。どうなんだ…○○○○の伏字は気になるけども。
そんなこんなで、『かのこん』にしろ『クリスマス上等』にしろ、つかみの部分は大分良いなぁと思う反面、中盤以降が少し眠いというかだれ気味なのが特徴。それぞれにインパクトはあったので個人的にはそれでもOK、楽しめたです。お話の続けやすさではクリスマス、ヒロイン単体の魅力ではかのこん、かな。