モナーク・セイクレッド

ベン・トー 2 ザンギ弁当295円 (スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 2 ザンギ弁当295円 (スーパーダッシュ文庫)

これは半額弁当を巡る、熱き狼達の物語である(CV:小林清志)。
という訳で、祝!続刊であります。1巻で最も気になったいた未登場人物・著我あやめが今回のヒロイン。主人公との距離が予想外に近いポジションだったせいもあり、何とも言えず甘酸っぱい読み心地でした。このままシリーズ化すれば氷結の魔女・湖の麗人を軸としたラブコメ路線もアリなのかしら…と妄想してみたり。個人的にお気に入りなのは前巻同様、白粉とのボケ・ツッコミなのですが。マッスルデカちょっと読みたい。
それにしても熱いな、と。冒頭から熱くて手に汗握る描写が!それは以前、佐藤洋が乗り越えてきた道にも通じるものがあって、狼たちの信念や流儀が如何に半額弁当に込められているかという事を実感しました。ありえないようでいて素晴らしい…という面白さが絶妙です。考えてみれば集英社、なのでドラゴンボール的描写は非常に馴染みますね。白梅さんの名前もそう言えばタオバイバイ。
描写、でいうともう一つセガをはじめとするレゲーが多くでてきますが…何気にキャラ心理と上手く絡んでいて何ともニクイ演出になっているのが感心しつつも寂しい?ような。一言でいうと、カオスが足りない。レゲー部分に限らず、全体的にスッキリしたのは間違いないです。1巻の詰め込みすぎな濃さと比較すれば物足りないかも知れないけど、今後に期待が持てるという点では良い訳でして。石岡君ネタもあって満足でしたし。…相変わらずでしたが。それどころか回顧録ばっかなのが2巻における彼の生死を不安に駆り立てる所でもあり。南無。
何はともあれ、最終的な感想としてはザンギ弁当喰いてぇ!だったので、作者上手い!と言わざるを得ない描写力にまず感服を。ザンギ、なんていうからてっきりスーパーウリアッ上なお国に関連した食べ物かと思いきや、普通にあるとは。真面目な話、一度食べたいっす。後はラブコメ路線にするなら、名無しの茶髪さんも中々の有望株だよな…と期待です。これで名前が木和田輝だったらどうしよう…とも思いつつ。