The Passing − 書物について

2017-05-23

2017年3月新刊

・植村玄輝『真理・存在意識――フッサール論理学研究』を読む』、知泉書館2017年 → 著者の植村玄輝さんよりご恵贈いただきました。ありがとうございます。しっかり勉強させていただきます

アリストテレス『弁論術/詩学』(新版アリストテレス全集18巻)堀尾耕一ほか訳、岩波書店2017年

・ルネ・デカルト『医学論集』山田弘明ほか訳、法政大学出版局2017年

ボッカッチョデカメロン』(上)平川祐弘訳、河出文庫2017年

増田展大『科学者の網膜』、青弓社2017年

・利根川由奈『ルネ・マグリット――国家を背負わされた画家』、水声社2017年

・都留ドゥヴォー恵美里日系ブラジル人芸術と〈食人〉の思想――創造と共生の軌跡を追う』、三元社、2017年

・五十殿利治『非常時のモダニズム――1930年代帝国日本の美術』、東京大学出版会2017年

高村峰生『触れることのモダニティ――ロレンス、スティーグリッツベンヤミンメルロ=ポンティ』、以文社2017年

塚本昌則・鈴木雅雄編『声と文学――拡張する身体の誘惑』、平凡社2017年

井戸田総一郎、大石直記、合田正人模倣創造――哲学文学のあいだで』、書肆心水2017年

・香田芳樹『魂深き人びと──西欧中世からの反骨精神』、青灯社、2017年

2017年3月読書

・Giordano Bruno, Sigillus sigillorum. (1583)

星野太『崇高の修辞学』(2017)

渡辺洋平『ドゥルーズと多様体の哲学』(2017)

グルタフ・ルネ・ホッケ『迷宮としての世界』(原著1957)

グルタフ・ルネ・ホッケ『文学におけるマニエリスム』(原著1959)

ヘンリーペトロスキー『鉛筆人間』(原著1989)

ヘンリーペトロスキー『本棚の歴史』(原著1999)

海野弘書斎文化史』(1987)

海野弘書斎の博物誌』(1994)

・伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』(1965)

北杜夫どくとるマンボウ航海記』(1960)

2017年3月の見聞

・『MIMOCAコレクション』展(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

岡山大学ダンス部第28回公演『Zooooo!!!!!』(西川アイプラザ

『オルセーのナビ派』展(三菱一号館美術館

ミュシャ』展(国立新美術館

『シャセリオー』展(国立西洋美術館

パロディ、二重の声』展(東京ステーションギャラリー

バロック巨匠たち』展(姫路市立美術館

『新宮晋の宇宙船』展(兵庫県立美術館

2017-02-28

2017年2月仕事

岡本源太「イメージにおける自然自然の「大分割」を超えて――イメージ論の問題圏(三)」、『現代思想』第45巻第4号(2017年3月臨時増刊号「人類学の時代」総特集)、2017年2月、317-325頁


書きました。人類学者フィリップ・デスコラによるイメージ論「造形人類学」を検討しました。あわせて同号掲載美術史家トマ・ゴルセンヌの仕事も紹介。

[]2017年2月新刊

星野太『崇高の修辞学』、月曜社2017年 → 著者の星野太くんよりご恵贈いただきました。刊行を楽しみにしていました。ありがとうございます

渡辺洋平『ドゥルーズと多様体の哲学――二○世紀のエピステモロジーにむけて』、人文書院2017年 → 著者の渡辺洋平くんよりご恵贈いただきました。出版を待っていました。ありがとうございます

上野修ほか編『主体論理概念倫理――二〇世紀フランスのエピステモロジースピノザ主義』、以文社2017年 → 著者のおひとり信友建志さんよりご恵贈いただきました。いつもありがとうございます

文芸事象の歴史研究会『GRIHL――文学の使い方をめぐる日仏の対話』、吉田書店2017年 → 編者のおひとり野呂康さんよりご恵贈いただきました。ありがとうございました。

佐々木守俊『平安仏教彫刻史にみる中国憧憬』、中央公論美術出版2017年 → 著者の佐々木守俊さんよりご恵贈いただきました。ありがとうございました。

山田俊弘『ジオコスモスの変容――デカルトからライプニッツまでの地球論』、勁草書房2017年 → 同叢書天才カルダーノ肖像』著者の榎本恵美子さんよりご恵贈いただきました。ありがとうございます

松枝到イメージの産出』、せりか書房2017年

久保田晃弘『遙かなる他者のためのデザイン』、ビー・エヌ・エヌ新社、2017年

・菅香子共同体のかたち――イメージと人々の存在をめぐって』、講談社選書メチエ2017年

ボリスグロイス『アート・パワー』石田圭子ほか訳、現代企画室、2017年

ネルソングッドマン芸術言語』戸澤義夫、松永伸司訳、慶應義塾大学出版会2017年

・倉科岳志『イタリア・ファシズムを生きた思想家たち――クローチェと批判的継承者』、岩波書店2017年

[]2017年2月読書

・Giordano Bruno, Sigillus sigillorum. (1583)

・Bertrand Prévost, Peindre sous la lumière. (2013)

・カルロ・ギンズブルグ『ミクロストリアと世界史』(2016)

・スティーヴン・グリーンラット『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』(原著2011)

齋藤哲也「逸脱するイマージュ」(2008)

河本真理オートマティスムvsコラージュ」(2008)

・中畑正志『魂の変容』(2011)

星野太『崇高の修辞学』(2017)

2017年2月の見聞

・『古代ギリシャ』展(神戸市立博物館

・『クロニクルクロニクル!』展(クリエイティブセンター大阪)

・『クラーナハ』展(国立国際美術館

・『ピエール・アレシンスキー』展(国立国際美術館

・『アドルフ・ヴェルフリ』展(兵庫県立美術館

・『彫刻大集合』展(兵庫県立美術館

・『曖昧関係』展(銀座メゾンエルメスフォーラム

・『ティツィアーノヴェネツィア派』展(東京都美術館

国立西洋美術館常設展

・『ラスコー』展(国立科学博物館

・『1950年代の日本美術』(神奈川県立近代美術館葉山館)

・『反映の宇宙』(神奈川県立近代美術館葉山館)

・『endless――山田正亮絵画』展(東京国立近代美術館

・『島村光・金重有邦・隠隆一』展(岡山県立美術館

・『イメージの森へようこそ』展(倉敷市立美術館

大原美術館常設展


ルカス・クラーナハ(父)にティツィアーノ・ヴェチェッリオと、ルネサンス美術展覧会がふたつ。ティツィアーノダナエ》はまだ実際に見たことがなかったので収穫。ティツィアーノの人体像は実物で見るといつも、複製での印象と違って、端正に見える。『ラスコー』展と『古代ギリシャ』展も充実の内容。『endless――山田正亮絵画』展の印象の力強さは、作品展開もさることながら制作記録に支えられているか

2017-01-31

[]2017年1月新刊

ジョルジョ・アガンベン哲学とはなにか』上村忠男訳、みすず書房2017年

ロラン・バルトテクストの楽しみ』鈴村和成訳、みすず書房2017年

・アーサー・ダントー芸術の終焉のあと――現代芸術と歴史の境界山田忠彰監訳、三元社、2017年

・ホルスト・ブレーデカンプ『泳ぐ権力者――カール大帝と形象政治』原研二訳、産業図書2017年

クロード・ルフォール『民主主義の発明――全体主義限界』渡名喜庸哲ほか訳、勁草書房2017年

染谷昌義『知覚経験の生態学――哲学へのエコロジカルアプローチ』、勁草書房2017年

熊野純彦カント――美と倫理とのはざまで』、講談社2017年

河野雄一『エラスムス思想世界――可謬性・規律改善可能性』、知泉書館2017年

・フェリックス・ラヴェッソン『十九世紀フランス哲学杉山直樹・村松正隆訳、知泉書館2017年

荒木浩編『夢と表象――眠りとこころの比較文化史』、勉誠出版2017年

[]2017年1月読書

・Giordano Bruno, Sigillus sigillorum. (1583)

ポール・ヴァレリーレオナルド・ダ・ヴィンチ方法序説』(原著1985)

クロード・レヴィ=ストロース構造人類学』(原著1958)

クロード・レヴィ=ストロース『野生の思考』(原著1962)

クロード・レヴィ=ストロース『みる きく よむ』(原著1993)

・Philippe Descola, « Anthropologie de la nature [Modalité]s de la figuration » (2005-2007)

・Philippe Descola, « Anthropologie de la nature [Ontologie des images] » (2008-2011)

・Philippe Descola, « L'envers du visible » (2010)

・Philippe Descola (dir.), La fabrique des images. (2010)

・Thomas Golsenne, « L'image contre l'œuvre d'art, tout contre » (2010)

・ジャン=ルイ・ド・ランビュール編『作家仕事部屋』(原著1978)

・Hubert Damisch, Traité du trait. (1995)

・Hubert Damisch, Un Souvenir d'enfance par Piero della Francesca. (1997)

・Hubert Damisch, « Hors cadre » (entretien avec Giovanni Careri et Bernard Vouilloux) (2013)

・新田博衞『気ままにエステチックス』(1993)


スコライメージ論を数年ぶりに読み返すものの、やはりレヴィ=ストロースに比べるとほんとうに芸術作品を好んで見ている感じがしない。最近では風景論のほうに関心が移っているようにも思えるが、いつかイメージ論が著書にまとめられたりするのだろうか。息抜きに読んだド・ランビュール編『作家仕事部屋』には、バルトビュトールレヴィ=ストロースらが語った執筆のあれこれが載っていて、興味深い。思索執筆も、技術というよりは仕掛けの問題として扱うべきか。技術がそもそも習慣化と主体化の問題に帰するのであれば、なおのこと。新田博衞『気ままにエステチックス』は、簡潔で怜悧美学思索に圧倒されつつ、一息に読了し、何度か読み返す。

2017年1月の見聞

・映画『大いなる沈黙へ――グランド・シャルトルーズ修道院』(2005)


照明なし、ナレーションなし、音楽なし、監督ひとりで撮影、の修道院生活ドキュメンタリー。とはいえ、映像自体は長回しではなく、しっかりと構成されいて、意外なほどテンポよく進む。季節や時刻を跨いだ映像の重ね合わせも多い。現実生活感というよりは、時間を超えた印象のようなものをつくりだそうとしているのか。修道院生活の厳格な時間管理の様子は片鱗がうかがわれるだけだが、ある意味ではそれもモンタージュとは別の仕方で時間を超えることを目指しているのかもしれない、と勝手な連想がはたらく。

2014-08-01

[]

  • Naturaliser l'esthétique ? Questions et enjeux d'un programme philosophique, sous la direction de Jacques Morizot, Presses universitaires de Rennes, 2014.

2014-07-01

[]

  • Elie During et al., Métaphysique d'Alien, Léo Scheer, 2014. → 『エイリアン形而上学』ということで、このところフランス現代思想SF的な問題設定で形而上学を論じるの動向が増えてきている模様。執筆陣は、Elie During, Jean-Clet Martin, Raphaël Bessis, Charles H. Gerbet, Laurent de Sutter, Frédéric Neyrat, Marika Moisseeff, Antoine Hatzenberger, Véronique Bergen, Peter Szendy。
  • Locus-Spatium. XIV Colloquio Internazionale (Roma, 3-5 gennaio 2013) Atti, a cura di Delfina Giovannozzi e Marco Veneziani, Olschki, 2014.

2014-06-29

[][][]アーミテイジ

  • David Armitage, "What's the Big Idea? Intellectual History and the Longue Durée" (2012)

このところ思想史に「長期持続(Longue duré)」の視点回帰してきているとして、イギリスの政治思想史家デイヴィッド・アーミテイジが、新たな「観念のなかの歴史(History in Ideas)」を提起したマニフェスト的な論考。ラヴジョイ的な通時態の観念史と、スキナー的な共時態の思想史と、その双方との方法論的差異を明確にしていく手際は鮮やかで、直線的な時系列を飛び越えて伝達され受容される政治的倫理的・科学的観念――この論文では「civil war」が具体例として分析される――「のなかの」歴史を、「時間横断的な歴史(transtemporal history)」と「系列的な文脈主義(serial contextualism)」の方法論によって発掘していくべきという主張を、明快にまとめている。

観念の具体的な伝達・伝承・受容の物質的にして制度的な基盤を問うことで、かえって複数時間を横断していく歴史を浮かび上がらせ(その意味時間の横断は歴史を超えることではない)、そしてまた、その観念が実際に提起され発言された論争的な文脈・状況・戦略を再構築することで、かえってその同時代的文脈を超えて通底している過去(や現在未来まで)を掘り起こす――このアーミテイジの方法からは、もちろん、すぐさまフーコーからアガンベンにいたる「考古学」「系譜学」が連想されるところだけれど、でも同時に、この方法論を言説分析から事物や図像分析へと拡張するなら、アビ・ヴァールブルクからベール・ダミッシュにいたる美術史にもつながるように思う(アーミテイジ自身はニールマクレガー『100のモノが語る世界の歴史』に言及している)。「観念」が非実体的にして問題提起的なものなのだとすれば、それはかならずしも「言語」と一対一対応するものではないだろう。ここに、「理論的対象」が思想史に(も)入り込んでくる余地がある。

2014-06-16

[][][][]アロア

  • Eammanuel Alloa, « Changer des sens. Quelques effets du “tournant iconique” » (2010)

イメージ論についての泰斗から新進の論客までを集めた論文集の編集を、このところ矢継ぎ早にいくつも手懸けているエマニュエル・アロア。その見通しの良さが、本人の論考にもよくあらわれている。が、裏を返せば、イメージ論の動向をそれなりに追いかけている人間にとっては、すべておなじみの見取図ということでもある。

ゴットフリート・ベームとW・J・T・ミッチェルによる「図像転回〔iconic / pictorial turn〕」の提唱以降、イメージ学(Bildwissenschaften)やイメージ研究image studies)の名のもとに、さまざまなイメージの地政学的・社会的・性差別的な意味や効力が分析されている。けれどもこのとき、イメージを言説制度や社会状況のたんなる「図解」に還元してしまうという、パノフスキー図像学のと似たようなアポリアが生じてもいる。それに対して、ジョージスタイナーやハンス=ウルリヒ・グンブレヒトのように、言葉に還元できない剥き出しの現前を主張する動きも出てきている。アロアは、このそれぞれを「アレゴリー」(別のものを語る)と「トートロジー」(同じことを語る)と特徴付けながら(そしてこの対立する二つをロラン・バルトのなかに集約的に見いだしながら)、そのいずれでもない第三のイメージの捉え方として、ジョルジュ・ディディ=ユベルマンのような徴候的読解を位置づける。

わかりやすく見通しのよい図式だけれども、そのわかりやすさが逆に見落とさせてしまイメージの一局面こそが、実は重要であるようにも思う。つまり、変換や翻訳の(「イコノクラッシュ」の?)問題。

2014-06-01

[]

  • Massimo Cacciari, Labirinto filosofico, Adelphi, 2014. マッシモ・カッチャーリも『哲学迷宮』と題した新刊を。
  • Imago Exegetica: Visual Images As Exegetical Instruments, 1400-1700, ed. by Walter S. Melion, James Clifton, and Michel Weemans, Brill, 2014.
  • Commenter et philosopher à la Renaissance. Tradition universitaire, tradition humaniste, sous la direction de Laurence Boulègue, Presses Universitaires du Septentrion, 2014.

2014-05-01

[]

  • Pierre Hadot, Discours et mode de vie philosophique, Paris, Les Belles Lettres, 2014.
  • La performance. Vie de l’archive et actualité, éd. par Raphaël Cuir et Éric Mangion, Dijon, Les Presses du réel, 2014.
  • Transmettre l’art – Figures et méthodes – Quelle histoire ?, eacute;d. par Valérie Mavridorakis et Christophe Kihm, Dijon, Les Presses du réel, 2014.

2014-04-01

[]

  • Jacques Rancière, Le Fil perdu. Essais sur la littérature moderne, Paris, La Fabrique, 2014. → ジャック・ランシエールの新刊。久々の文学論のよう。
  • Georges Didi-Huberman, Quelle émotion ! Quelle émotion ?, Paris, Minuit, 2013.
  • Georges Didi-Huberman, Phalènes. Essais sur l'apparition, 2, Paris, Minuit, 2013.
  • Georges Didi-Huberman, Sentir le grisou, Paris, Minuit, 2014.
  • Georges Didi-Huberman, Essayer voir, Paris, Minuit, 2014. → 気がつくとジョルジュ・ディディ=ユベルマンの書物はどんどん出てますね。といっても、短いものが多いですが。『蛾』は『ナナフシ』につづく論文集。
  • Gilbert Simondon, Sur la technique, Paris, PUF, 2014. → ジルベール・シモンドンの遺稿出版は着々と進行。
  • Xavier Pavie, Exercices spirituels. Leçons de la philosophie contemporaine, Paris, Les Blelles Lettres, 2013. → ピエール・アドの衣鉢を継いだグザヴィエ・パヴィの『精神修養』、古代哲学篇(2012年刊)につづく現代哲学篇が刊行。アド自身の遺稿出版としても、もうじき『Discours et mode de vie philosophique』(Les Belles Lettres)が刊行される模様。