The Passing − 書物について

2012-03-08

[] 岡本源太『ジョルダーノ・ブルーノの哲学――生の多様性へ』、月曜社2012年

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→ 書きました。よろしければご覧のほどを



【目次】

はしがき

序章 ジョイス――憐れみ感覚

第一章 ディオ・デ・ラ・テッラ――人間と動物

第二章 セラピス――感情時間

第三章 コヘレト――無知と力能

第四章 ペルセウス――善悪と共生

第五章 ヘレネ――芸術創造

第六章 アクタイオン――生死と流転

終章 ブルーノ――生の多様性

附録 ジェイムズ・ジョイスブルー哲学」「ルネサンス世界文学的影響」

あとがき

年譜/文献/索引


世界の広がりと深みを放浪し、ありとあらゆる王国を探求せよ」(『英雄狂気』より)。その先鋭的な宇宙観のゆえに異端宣告を受け、改悛を拒絶して生きながらにして火刑に処された16世紀イタリアの哲学者ジョルダーノ・ブルーノ(1548-1600)。トマス・アクィナスの厳密さとルネ・デカルトの明晰さのはざまに生まれ落ちた彼は、はたして近代科学の先駆か、それとも古代呪術の末裔か。ブルーノが開いた〈近代〉を生の多様性発見として再評価し、たえず変化し続ける動的関係に充ち満ちた〈無限宇宙〉の哲学を読み解く。ジェイムズ・ジョイスの2篇のエッセイブルー哲学」「ルネサンス世界文学的影響」の新訳を附す。


【紹介・書評イベント

【ERRATA】

目次(4頁)

誤】第三章 コヘレト――無知と力

正】第三章 コヘレト――無知と力能

107頁14行目

誤】たとえその支配関係が慣習によるものすぎず、

正】たとえその支配関係が慣習によるものにすぎず、

【せっかくなので一緒に読むと面白い書物10冊】

ジョルダーノ・ブルーノの訳書と研究書について基本的なことはすでにこちらにまとまっていますので、ここでは個人的なオススメ書物を。

ハンス・ブルーメンベルク近代の正統性(全三冊)、斎藤義彦、忽那敬三、村井則夫訳、法政大学出版局、1998-2002年

ブルーメンベルクの主著として名高い書物ですが、その最終章はブルー研究としても圧巻の一言

エレーヌ・ヴェドリーヌ『ルネサンスの哲学二宮敬、白井泰隆訳、白水社文庫クセジュ1972年

ひとまずルネサンス哲学にかぎって概観したいとあらば、類書は複数ありますが、個人的にはこれ。

エドガー・ウィント『ルネサンスの異教秘儀田中英道ほか訳、晶文社1986年

ジョルジョ・アガンベンスタンツェ岡田温司訳、ちくま学芸文庫2008年

概説はいいからもっと本格的にルネサンス哲学・・・というなら、この2冊から繙くのが良いかと。芸術にも興味があればなおのこと。

木村俊道『文明の作法ミネルヴァ書房2010年

ツヴェタン・トドロフ他者の記号学及川馥ほか訳、法政大学出版局1986年

芸術よりもむしろ倫理や政治に関心のある向きは、たぶんこの辺が。

ジョン・トーランド秘義なきキリスト教三井礼子訳、法政大学出版局2011年

シェリングブルーノ茅野良男訳、『フィヒテ・シェリング』(世界の名著続9/中公バックス世界の名著43)所収、中央公論社中央公論新社1974年1980年

田中純アビ・ヴァールブルク青土社2001年2011年

宮田恭子ジョイスと中世文化みすず書房2009年

ブルー哲学の残存に興味をもったら、いろいろありますが、たとえばこのあたり。

もっと気軽に一緒に読める小説3篇】

ベルトルト・ブレヒト異端者の外套」(『暦物語』)

ヴェネツィアの仕立屋夫婦、このまえ外套を卸したばかりのジョルダーノ・ブルーノが、まだ支払いを済ませてないのに異端審問所に捕まったと聞いて・・・

ウォルター・ペイター『ガストン・ド・ラトゥール』

ロンサールに憬れ、モンテーニュ薫陶を受けた青年ガストンは、宗教戦争のためなおも混乱するパリでジョルダーノ・ブルーノの演説を聞く・・・

ジェイムズ・ジョイスフィネガンズ・ウェイク

要約不可能。でも随所にジョルダーノ・ブルーノとその思想への暗示が鏤められ、またそれを文体において実践してもいます。

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