おへそのあな
見てる。見てる。
ほうら、赤ちゃんが見ているよ。
聞いてる。聞いてる。
なになに、赤ちゃんが聞いているよ。
赤ちゃんはお腹の中から、
こんな風にみんなの事を見ているのかも。
お兄ちゃんが赤ちゃんのために
ロボットを作っているところも。
お姉ちゃんが赤ちゃんのために
お花を植えているところも。
お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんのことも。
おなかの中で赤ちゃんは逆立ちしているからね。
み〜んなさかさまに見えるんだってさ。
それからそれから、声や匂いも、み〜んな
お母さんのおへそのあなから
赤ちゃんに届いているんだって。
だから赤ちゃんは、生まれてきたいって思うんだね。
命の誕生を迎える喜びにあふれていて、
なんだか、幸せで泣きたくなるような絵本。
「おへそのあな」
長谷川義史/作
BL出版 1300円