サービスとしてのサービス

Service as a Service の時代

特定のソフトウェアをオンデマンドで、水道の蛇口を捻れば水が得られるように利用することをSoftware as a Service、略してSaaSなどと呼ぶことは周知の通りだ。これに対して、Service as a Serviceは、特定の「サービス」をオンデマンドで受けることをいう
ポータルサイトでの旅行の予約、NASDAQの株価の閲覧、インターネット上での仮想コミュニティ活動への参画、ニュースの斜め読みなど、現在のWeb上で提供されているあらゆるサービスの利用も既にその範疇に入る。そして、その利用範囲は今後、さらに多岐に渡ると予測される。

これはヤフーなどのポータルサイトのサービスとどこが異なるのだろうか?

「オープンサービス」はややソフトウェア領域に近いが、消費者側の様々な要求に対して、サービス提供側がアメーバのように組み合わさって、その消費者要求を満たす新たなサービスを作り出すことを意味する

 例えば、CRM機能を提供するSugarCRMとコンテンツ管理機能を提供するJoomlaが顧客の要求するサービスレベルにもとづいて結合し、新たな「Web会員管理サービス」をコミュニティが開発する。そこにはハードウェアをホスティングするサービス提供会社も参画するだろうし、このシステム全体を保守する会社も必要になるだろう。他に、カスタマーサービス部門、従業員にシステムの使い方を説明する担当者、マニュアルを作成する人など、あらゆるステークホルダーがオンデマンドでコミュニティを形成するわけである。

ということは、ヤフーのような多機能的ポータルを個々の(瞬間的)デマンドに対応して随時サービスの固まりとして(瞬間的に・即興的に)出現させることと、そのサービス群をコミュニティという携帯で提供するということなのか。ただし、コミュニティという用語の意味が今ひとつはっきりしない(私がということだが)

オープンサービスを目指して世界をリードするのはIBMとSun、そして、コミュニティではSugarCRM、MySQLJBossEclipseなどであろう。 いや、今やIBMやSunは既に「コミュニティ」と化しているのかもしれない。

企業がコミュニティでコミュニティが企業。昔のネットワーク組織論とどう異なるか要検討。