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ぼくらの七日間戦争(著:宗田理)

録画してあった同書の映画化されたものを見たのと、帰省した際にその文庫を見つけたのでエントリ。今はオリジナル版だけでなく、小中学生に向けて読書の楽しさを体験してもらうための角川つばさ文庫版も出ているのにビックリしました。その理由は後述。



さて。二十年ぶり?ぐらいに読んで驚いたことを。


この本は初版が昭和60年(1985年)と26年も前になりますが、その中で風刺されている学校のあり方、子供の悩み、社会のひずみなどは全く色あせていません。むしろ悪化している部分もあります。


いじめは陰険に。
隠蔽体質は巧妙に。
PTAの圧力はより強大に。
そしてその中で暮らす子供達のストレスは過大なものに。


お先真っ暗。


そんな中でもこの小説までではありませんが(ここまでやったら社会問題ですが)、たくましく生き抜いている子供もいるでしょう。もちろんへこたれて、涙を流し、人知れず苦しんでいる子もいるのではないでしょうか。


そんな状況の中、この小説の中で子供達は犯罪とも言える行動で大人達に反旗を翻し、手玉に取っていきます。PTAにクレームつけられてもおかしくないこの本を角川書店が子供達に読んで欲しい図書として選んだのは素晴らしい選択だと思います。


できれば大人達にも読んで欲しい一冊です。もし読んだなら、とあるお母さんが言ったこの台詞を是非探してみてください。


「貧乏は嫌よ」


子供はこういう台詞を聞き逃してくれません。て、子供のいない自分が言うのは何ですが、自分が子供だった頃を思い出しながら読むと、自分が子供に無茶を言っていないか反省できる良書だと思います。


ぼくらの七日間戦争 (角川文庫)
宗田 理
角川書店
売り上げランキング: 97700


今日はそんな感じで。