アナログシンセの VCO ブロック (35) -- 温度補償回路(5)

今回は、差動増幅回路による温度補償回路の誤差の量 (の理論値) を評価したいと思います。
一般の数値計算では、指数関数、対数関数、三角関数などの値を求めるのに、その関数を (無限) べき級数で展開した式を有限項で打ち切った近似式を用いて計算するのが普通です。
しかし、この温度補償回路の場合には、目的は絶対温度に比例する直線、つまり1次の特性であり、それを差動増幅回路の指数特性で近似しています。
1次の直線を、無限のべき級数で表現される指数関数で近似するわけですから、誤差としては2次以上のべきの成分が表れます。

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