赤カナリヤは いってしまった・・・!














昨日は車の更新に神戸まで出掛けてきました。

阪急の高架下の商店街を歩きながら、車の運転も もうそろそろ卒業する

方向で今後やっていった方が良いのでは?と考えていました。 

取敢えずあと3年の間に結論を出せばよい!と思いながら、帰ってきました。

必死になって免許を取り、姑の病院や施設探し、役所や銀行の往復、

1週間分の買い物等等 本当にお世話になった車です。

主人の車の助手席におさまって、彼方此方出掛けていた優雅な

奥様業の時期は ほんのわずかでした。 

あの頃、夫の車で郊外へ赤カナリアを見に出掛け 雄と雌の番いを

買ってきた日の事や、其のカナリアとも 最後に不思議な別れ方を

したことを思い出しました。

それは丁度、主人が急逝した後の 四十九日の朝の出来事でした。

  『 ガッタン』 とベランダで大きな音がしたので飛んでいくと

カナリアの巣箱の戸が開いて 『バタン バタン』 していました。

「しまった!」 と思って 急いで箱の中をのぞいてみたら、

メスのカナリアが一羽になって 縮こまって箱の隅で震えていました。

いつもベランダの屋根を うろついていた野良猫が、カナリア

巣箱を見て かっこうの朝ごはん!とばかりに 失敬しようとしたようです。
 
嘗て主人と一緒に専門のお店で 番いの赤カナリアを手に入れて、

それから巣引きをして 結構増やしましたが、其の元のオスが逃げたのです。

もうひとつの箱の若鳥も一羽逃げていたので、急いで階下に下りて

その辺りを探すと 向かいの家の庭木に止まっていました。 あわてて捕まえましたが

肝心のオスの方は、どこを探しても見つからず、結局メスのみが箱に残されてしまいました。

この番いは、最初に気に入って、主人と買ってきた、とても理想的なカップ

だったので、残念で心残りでした。

次々巣引きをして孵ってくる雛が成長しても、このオスほど立派な
                                  
カナリアは 出て来ませんでした。

カナリアの巣引きをしながら、この雄と雌の子育ての連係プレイを

観察するとそれは見事なもので 
                   

2週間で卵が孵るまで交代で

卵を温め雌がえさを食べる間、

雄が巣に入って座り 卵を温めました。

又この雄の感心なことは、雌が座り続けていると、代わりに餌を雌に運んで

食べさせてやっていたのですが、他のカナリアはそこまでするのかしら?

と思うほどまめまめしく、雌にやさしく 子育てに協力していました。

「下手な人間より父親として立派だな〜」と亡夫とよく話して感心したものです。

思えばカナリアの巣引きに夢中になっていた頃が ”しあわせ” と言うこと

だったのでしょうか?

夫の四十九日の朝に飛んで行ってしまい 帰って来なかった

雄のカナリア! そして巣箱の中に一羽心細げに残されたメスの 

カナリア! それは、主人と私の姿を象徴しているように思えました。