一皮剥けば三面記事

  















叔父さんの遺産相続の最中に主人の寿命は尽きてしまいました。

毎週自分の仕事が終わってから、新幹線でO市まで出掛けて色々

叔父の後始末をしていたのですが、ある時などO市から新幹線に

乗ってから眠ってしまい、京都まで行ってしまい引き返してきた!と

苦笑いをしていました。

学生時代ラグビーの選手で鍛えた がっちりした身体を自慢した

彼だったのですがさすがの彼も叔父のお蔭で心身を駆使して

寿命を縮めてしまったのです。

私は、相続問題には関係ないので何も聞いていませんでしたが、

当人が急死してしまったので、即座に税理士に委任してしまいました。

義弟は兄の後を自分が引き継ごうと思っていた様でしたが、

私がすでに税理士に引き続き委任したので、大いに不満だったようです。

  

               

其の後暫くは、新聞や週刊誌の三面記事に掲載されているような内容の事が、身近に起き始めました。

主人が生存していた時と何もかも手の裏を返したように変わってしまい「お兄さん!お兄さん!」と

何かにつけて主人に頼っているように見えた弟が豹変してしまいました。

実の母親を見ることも無く義弟夫婦は他人のようになっていました。

其の為、何もかも私の肩に被さって来ましたが、主人の気持ちを

考えると黙って遣れるだけのことをして行こうと必死でした。

叔父さんのお蔭でこのような事になってしまったので、関係者の心が異常な氾濫を

起こしているように見えました。

目の色が変わり、あわよくば・・・と言ういやらしい人間性がみんなの立ち居振る舞いに

見え隠れしているように見えました。

私は叔父のために一生懸命遣って来た主人が気の毒で心が締め付けられるような気持ちでした。