物は言いよう

週刊金曜日 マガジン9条

2007-02-03

[]「ザ・ホワイトハウス」♯305「ドナの日記」(WAR CRIMES)

日曜日(SUNDAY)

記者会見室。

フットボールの実況中継が聞こえてきます。

そこへ記者たちが集まってきて、CJもやってきました。のんびりと徐々に埋まっていく座席。日曜日だからか、みなラフな格好です。おだやかな陽気。

CJが「では。」と言うと早速、質問が飛びます。

クリス:使われた銃は?

CJ:どちらの?

クリス:最初の方です。

CJ:38口径です。では、現時点で確認できていることだけお伝えします。テキサス州アイリーンのユナイテッドバプテスト教会で、銃撃事件があったのは9時の礼拝が始まって15分後でした。

とここまで説明したところで、CJは記者のひとりに向かって「ウィル・ソーヤーじゃないの?」とおどろいた様子で聞きます。「やあ、CJ。」とウィル。どこぞから帰国したとのことです。

そしてCJは彼にサンフランシスコ・クロニクルに入ったのかと聞きます。質問の意図を測りかねた様子で否定するウィル。CJいわく、記者のイスは決まっていて、今ウィルが座っているのはサンフランシスコ・クロニクルの座席だということ。座席の前のプレートに名前が書いてあるらしい。「イスを寄付した会社の名前かと思ったよ。」と言って後ろの席に移動するウィル。

CJ:礼拝が始まって15分ほどたったころに、ダリル・べクテル容疑者が聖堂内に入ってきました。報告によれば逃げた妻を捜していたそうです。そこで38口径を1発撃ちましたが、妻には当たらず、ハロルド・ウィンターさんの左肩に命中。ウィンターさんは65歳で、現在、アビリーン・メディカルセンターで手術を受けています。ベクテルはさらに2発から4発撃ったようですが、この点に関しては現場にいた人々の証言がわかれています。そこで、ロン・カールが上着の下から自動拳銃を取り出し、ベクテルに向けて3発撃ちましたが、うち1発がメリッサ・マーキーちゃんに当たりました。

スティーヴ:その子の年齢は?

CJ:明日で9歳です。

スティーヴ:ダリル・ベクテル、もしくはロン・カールはどんな罪に問われるんでしょう?

CJ:警察当局の発表を待ってください。ちなみにロン・カールの方は、外から見えなければ銃を持ってよいという許可を得てました。

アーサー:テキサスでは教会へ銃を持ち込むことが許されるんですか?

CJ:それも警察当局から発表がありますが、テキサスでは銃の持ち込みを禁じる表示がなければ許されるそうです。(CJにメモを持ってくるキャロル。)

さらに質問が飛びますが、CJはそれを制するとメモを読み始めました。そして…

CJ;メリッサが…亡くなったそうです。

ウェストウィングのロビー。

サムとドナが話しています。質問がわからなくても、そういえば言い直してくれるし、わからなければそう言っていい。思い出せないとも言っていい。などとドナにアドバイスするサム。ドナは感謝しています。

サムがジョシュにも相談したかと聞くと、ドナいわく、ジョシュは自分に怒っていると。

質問を受けていると自分が悪いことをしたような気持ちになるかもしれないけど、そうじゃないとドナを励まして送り出すサム。

そして、今度はやってきたチャーリーと話し始めるサム。フットボールの賭けについてらしい。

サムは「オークランドレイダース」にかける模様。うんちくをベラベラと語ります(笑)が、少しの沈黙の後不安気な顔で「テネシー・タイタンズがいい?」と。さらにチャーリーに「目がそう言ってる。」などといちゃもんをつけはじめ…。で、テネシーオークランドで迷ったあげく…結局ニューオリンズに!

そんな話をしていると、大統領夫妻が玄関のドアを開けて帰ってきました。

「お帰りなさい。」とチャーリー。そして「礼拝はいかがでした?」と聞くと、同時に…

大統領:最悪だ。

アビー:素晴らしかった。

と正反対の感想。さらに「最悪」を繰り返す大統領に…

アビー:バチがあたるわよ。

大統領:私は地獄行きに決まってる。

チャーリー:どうなさったんです?

アビー:お説教に重みがないって言うのよ。

大統領:あぁ、まったくなかった。

アビー:すばらしかった。新約聖書の「エペソ人への手紙」がテーマ。「夫よ、キリストが教会を愛し、自らを捧げたように妻を愛しなさい。」

大統領:その前をすっ飛ばしてる。「妻よ、主に仕えるように夫に仕えなさい。キリストは教会の頭、夫は教会の頭である。」

アビー:飛ばして当然でしょ。…くだらないもの。「夫よ、キリストが教会を愛し、そのために自らを捧げたように妻を愛しなさい。」キリストがそうしたのは水で清めることによって教会を聖なるものとするためであり、教会の栄光の姿を自分に…なんとかするためよ。

大統領:「迎える。」だ。エペソ人への手紙に不満はない。私は君が望めばいつだって水で清めてやってるだろ。

アビー:じゃあ、何が不満?

大統領:おざなりなんだよ、あの神父は!聴衆は退屈してたし、私は何度も穴を掘って逃げ出そうと思った!聴衆を喜ばせるっていうことを知らないんだ。

そして「子守唄でも歌えばよかったの?」と嫌味をいうアビーに、むしろそれぐらいすべきだと大統領。お説教の音色やリズム、ピッチなどが音楽に通じるという持論らしい。

「あなたは口から生まれてきたみたいね。」とあきれはてるアビー。大統領は「それでも神は愛してくださる。」と。そしてアビーがエペソ人への手紙を誤解していると大統領。夫婦のことではなく人間全体について言っているのだと。

大統領:聖パウロはこう言っている。「キリストに仕えるように互いに仕えよ。」互いに仕えよだ。1日24時間ケーブルテレビからアメリカ人の性欲と食欲を満たすくだらん番組が垂れ流され、安っぽいドラマがまるで名作のように送り出されている。そんな時代に、いかに聖パウロの言葉が重要か。これを終わらせるのは互いに仕えることだろ。

アビー:じゃあ、あなたの仕事ね。

大統領:いや、私じゃない。そうとも言えるが、明日には他の人間の仕事になる。とにかくあの手のくだらない番組はすぐにでも一掃すべきだろ!国家の安全にかかわる。

話の論点がどんどんずれていってしまいました(笑)

そして、お風呂に入ってシナトラを聞くというアビーに大統領が「私が歌ってやろうか?」と言って一節うたいはじめました。

「You make me egg foo yung…」"You Make Me Feel So Young" by Frank Sinatra

そんなごきげんな大統領の元へCJがやってきました。そしてメリッサ・マーキーが亡くなったと。落胆する大統領をアビーは励まします。そして、法律顧問のバビッシュと会うから公邸にいると言って去っていきました。

大統領がいつ会見に出ればいいか聞くと、情報が集まるまで2,3時間待った方がいいとCJ。そしてあまり深入りしてはいけないから、地方検事ではなく、警察に話を聞くと。

大統領が執務室の方へ戻ってくると、レオもやってきました。「2、3時間待つこと」を確認してCJが去ると…

大統領:「互いに仕えよ」だ、レオ。君に仕えるにはどうすればいい?

レオ:結構です。マーガレットがいますので。

執務室に入ってくる2人。

レオは「ホインズにテキサスへ行くように言いましょう。」と。「行きたがらないだろう」と大統領

レオのきょうの予定は戦争犯罪法廷の件でアダムリーと会うとのこと。大統領は自分はノータッチだとレオに。

そして「ホインズをテキサスへ行かせるべきか…。」と気乗りしない様子で言います。すぐにホインズを執務室へ呼ぶことに。

行政監視委員会に呼ばれたドナ。

「あなたは宣誓した上で証言することをお忘れなく。」と言っているのは以前デートしたクリフ。法廷で行う証言とまったく同じ効力があるようです。

まず、ドナは名前を聞かれて、スペルまで丁寧に答えます。

すると、クリフは「証人と個人的な付き合いがあることを記録に残したい。」と。それに異存はないと弁護側。そしてドナに「気楽にしてください。」と。

いよいよ、本格的な質問の開始。

行政監視委員会の調査のために書類をまとめたかを聞かれ、その手順を詳しく話すドナ。クリフはドナに、大統領選挙の結果など分かりきった質問をして、緊張をほぐそうとしてくれているようです。

そして別の委員からの質問へ。

アルバムは持っているかと聞かれて、最初は持っていないと証言したドナでしたが、すぐに写真は持っているけれどアルバムには貼っていないと細かく訂正を。満足そうなクリフ。

スクラップブックは持っているか、もらった手紙は保管しているか…など聞かれ、「日記はつけてます?」と聞かれたところで「いいえ。」と答えるドナ。

クリフが驚いた表情を浮かべました。そして速記者に今の部分を読み返すようにと。読み返す速記者。「質問・日記はつけてます?答え・いいえ。」

困惑した様子のドナ。質問は続きます…。

CJのオフィス。外は雨。

CJのデスクの椅子にウィルが座っています。

そこへCJがやってきました。「楽しそうね。それ私の椅子よ。」でもウィルも負けていません。「あぁ。でも、名前がなかったんで。」と。

なつかしく話す2人。ウィルは2年半ミャンマーに行っていたけれど、ミャンマー政府に追い出されたようです。「実のところ僕はミャンマーじゃ人気者でクビに賞金をかけられた。」とウィル。CJは大笑い。

なんでも、ウィルはミャンマー政府の資金源である麻薬について核心まで迫ったためにそうなったらしい。そして国務省に連れ戻されたと。

ウィルとしては上からの命令でかなり不本意だけれど、ホワイトハウス担当へと戻ったとのこと。

そして、本題へ。広報部長トビー・ジーグラーの「大統領が再選を果たしたら副大統領おかげだ。」という発言についてCJにコメントをもらいたいとウィル。

驚くCJ。情報源は「彼から聞いた人物。」とのこと。ため息をつきながら「ちょっと時間をもらえる?真偽を確認したい。」とCJ。

2年半もいなかったとは思えないとCJが言うとウィルは「つまり君は僕がいないことを忘れてたんだよ。」と皮肉たっぷりに。そして、まだホワイトハウスに不慣れなようで、部屋を出てどちらに行くべきか一瞬迷ったあと、去っていきました。

ルーズヴェルトルーム。

サムがある議員の補佐官テリー・ベックウィズとミーティング中です。「教育施設改良国債」に300億ドルの予算を引き出すため、歳出委員会で彼のボスの票が欲しいとサム。テリーはその代わりに協力して欲しい法案があると。それは「法定貨幣改正法」で、趣旨は「1セントをなくすこと」。

造幣局は去年140億枚の1セントを製造したけれど、連邦準備銀行は価値がないから持て余していると。「1セントの価値はあるはずだろう?」とサム。しかしテリーは今の1ドルには30年前の25セントの価値しかなく、1セントは無に等しいと。ガムすら買えないとテリー。

さらにテリーは、この法案に反対するなら、もっともな理由を出さないと自分のボスは納得しないと。そして、「300億ドル欲しいんだろ?」と。サムは持て余されている1セントをまわしてもらおうと皮肉を。そして、とにかく理由を考えるとサム。

大統領執務室。

チャーリーを呼ぶ大統領。そして「インディアナポリスに?」と。ノートルダム大出身が3人もいるカンザスシティーにかけるべきだと大統領(笑)チャーリーは「それはあなたの基準です。」と負けてません。

そこへ大統領の秘書ナンシーが副大統領がみえたことを伝えに来ました。部屋に入れるようにと大統領

大統領はアビリーンのバプテスト教会で起こったことについて知っているかホインズに聞きますが、彼は何も知らないようです。

そして、大統領はホインズにビールを勧めますが、彼は遠慮して水を頼みます。大統領は子どものころ日曜礼拝の後、父親にわけてもらったビールがクセになって…といって、ビールを頼みました。

そして単刀直入にホインズへ「テキサスへ行ってくれ。君はテキサス人だからな。」と。

大統領:10年前に全国的な銃規制法が通過したとき、銃を持つ権利を訴える圧力団体は連邦議会に背を向けた。全米ライフル協会は立法府に組織的な圧力をかけて規制を弱めさせ、その結果、銃の売り上げは伸びたし、協会の会員は増えてる。

ホインズ:その説には異論がありますが…。

大統領:州の立法府の全国会議が来週、テキサス州サンアントニオで開かれる。

ホインズ:それにあなたの代理で出席しろと?私がテキサス人だから?

大統領:…それに副大統領の仕事だからだ。

そこへナンシーがビールと水を持って入ってきました。

考え込むホインズ。

ロビー。

1人の軍服姿の男性が座って人を待っています。そこへレオがやってきて「アラン」と呼びかけました。笑顔で握手を交わすふたり。

レオのオフィスへと歩いて行きます。

なごやかに話していましたが、本題に入ると、厳しい表情で来週末に大統領が行うラジオ演説の原稿が届いたとアダムリー。その草稿が「先の世界大戦が終結した時、国連の発足とニュルンベルクでの戦争犯罪裁判において、わが国は主導的な役割を演じました。今ふたたびモラルリーダーとしての役割が求められています。」と、裁判に賛成する内容になっていることに納得がいかないようです。

レオはただの草稿だと言いますが、自分たち軍人やペンタゴン、軍事・外交委員会にとって、戦争犯罪法廷はとてつもなく大きな問題だとアダムリー。

トビーのオフィス。

ソファに寝そべって新聞を読んでいるトビー。そこをCJが通りかかって、中へ入ってきました。CJが呼びかけても「いないよ、私は。」とトビー。そして、新聞で顔を隠してしまいました。今は仕事モードじゃないと。大統領がホインズと会っていると聞いてその成り行きを見にやってきただけだと言います。さらに「君はシカゴ・ベアーズに賭けたんだろ?君の金は俺がもらった。」と(笑)

そんなトビーにCJは先ほどのウィルから聞いた話をします。

CJ:もし大統領が再選されたら副大統領のおかげなんですか?

トビー:不思議だな。私も2、3日前にそんなことを言ったんだ。

トビーは下級職員とのミーティングの最後にそのことを言ったようです。

「時間をくれ」とトビー。そして、CJが部屋を出て行くとジンジャーに「ここで働く下級職員と上級職員アシスタント全員に連絡を回してくれ。2時間後に下の食堂へ集まるようにと。…都合がつかないなら来なくていいと言え。ただし、クビだと。」と…。

上空から映した映像が、道行く「傘」を映し出します。階段の上にある1つの傘に近づいてくる、もうひとつの傘が。ドナと、彼女の家の前で帰りを待っていたクリフです。

「嘘をついた理由を知りたい。」とクリフ。ドナは嘘なんてついていないと言いますが、クリフはドナの部屋で日記を見たのにどうして嘘をついたんだと。しかし、かたくなに日記などつけていないとドナは言います。

クリフは誰にも言わないから嘘をついた理由を教えて欲しいと食い下がりますが、ドナは自分の上司や大統領を調べている人に「誰にも言わない」なんて言われたくないと。

するとクリフは憲法の条文を持ち出して、ドナの証言が「議会に対する嘘・委員会に対する妨害行為・議会侮辱罪」などの罪に当たるとして、それがどのぐらいの刑を受けることになるのか列挙し、ことの重大さを半分おどかすように理解させようとします。そして、ドナはうっかりミスを犯しただけなのだから、弁護士と話して穏便に済ませると。

それに対してドナは「脱いだ下着を探している時に日記を見つけたなんて言える?もうここには来ないで。」と言って家の中に入っていってしまいました。

広報部。

サムとジョシュが話しています。「政府が1セントを廃止できない理由」について。

ジョシュは「バカげているから。」とあきれ気味ですが、サムはそうとも言い切れないと。実際に1セントはほとんど流通していないし、3分の2は貯金箱や引き出しの奥に眠っていると。

さらにサムが1セントについての調査結果を報告します。財務省には財政の負担を軽くするために…と道で拾った1セントをハガキに貼って送ってくる人がいるらしい。「それでも負債が減らないのはなんでだろ。」とジョシュ。

サムはさらに、1セントの亜鉛と銅の配合の比率などをとくとくとジョシュに説明。そして「アブない人になってきちゃってる?」と…(笑)

すると今度はジョシュに「お前、ドナに怒ってるのか?」と聞くサム。ジョシュは怒ってなんかいないと答えます。そして、腕時計を見て「そろそろ終わった頃だろう」と。

ふたたびサムは質問を。「アメリカのどこにでもある物体で公衆電話でも自販機でも使えないものは?」ジョシュは「1セントだろ。」と。

さらにサムは「橋の料金所では使えない。いや、イリノイは別だ。」と。「なんでイリノイじゃ使えるの?」とジョシュが聞くとサムは調べておくと言います。しかしジョシュは「いいよ、調べなくて。」とあきれて言うのでした。

会見室後ろの記者室。

ウィルのところへやってきたCJ。トビーの件はもう少し待って欲しいと言います。そして、ウィルのこれまでの「武勇伝」を聞くCJ。

フィジーのある村でパソコンを使って神の言葉をあやつれるように見せかけたり、次の日の天気を当てたりして、神に祭り上げられたとか。

CJが自分も神になれるか聞きますが、身長が高すぎるからダメだとウィル。CJの場合、戦いに使われる戦士の像に似せて、顔も体も真っ黒に塗られ、いのししの腸で首を絞められるだろうということ(笑)「怖い。なら止めとく。」とCJ。

大統領執務室。

カーペットに描かれた国章を挟んで椅子に座った大統領とホインズが対峙しています。

ホインズ:29の州では銃の携帯に一定の条件を設けている。

大統領ニュージャージー州を見てみろ。条件も何も存在しない。これがどういうことかわかるか?要するに「外から見えなければ銃を持っても良い」という許可を警察の一存で勝手に与えられるということだ。テキサスは今、ニュージャージーと同じ方向へ行こうとしている。そこへ君が行けば…

ホインズ:今私が行くのは自殺行為でしょ。

大統領:だからこそ効果があるんだ。敵対する連中の前で言いにくいことを言えば、勇気の証明になる。

ホインズ:ニューヨークじゃ、私の勇気は絶賛されるでしょうが、地元の有権者は…

大統領:地元じゃヒーローだろ?

ホインズ:それは過去の話です!

大統領:君の信念を訴えれば、テキサスにも伝わる。

ホインズ:私の信念じゃない。あなたのでしょ。

大統領:そうだ。忘れてた。

そう言って立ち上がる大統領

ホインズ:大統領、銃の所持者を危険人物扱いしてもらちが明きません。特に南部じゃ、銃はひとつの伝統なんですよ。父から息子へと受け継がれていく遺産なんです。それを…

大統領:理由にはならん。銃が父親から息子へと受け継がれていく伝統?開拓時代は終わった。銃はもう必要ない!

ホインズ:あなたは今回のアビリーンの事件を利用していると言われますよ。全米ライフル協会はあなたが喜んでると言うでしょう。

大統領:連中をこの部屋に呼んでそう言わせろ。今すぐだ!私の前に呼び出せ!喜んでるだと!?死んだのは9歳の子どもだぞ。

そこへチャーリーがメモを持って入ってきました。そのメモを見て沈黙の後、大統領は「パッカーズが負けた。」と。

大統領:死んだ子は9歳だ。

ホインズ:先月、アイダホで男が一家6人を惨殺しました。身重の妻まで殺したんです。なのになぜリベラルな知識人は騒がなかったか。凶器がオノだったからです。オノも規制すべきですか?

大統領:ほぉ。考えもしなかった。鋭い指摘だ。

ホインズ:反対派につっこまれる。

大統領:オノの規制強化か。

ホインズ:あなたは銃やタバコやアルコールを批判しながら、大麻の合法化を説く公衆衛生局長官を野放しにしてる。

大統領:いや、それは違う!知ってるか?去年一年の銃による死亡者は3万708人だぞ。アルコールによる死亡者は3万5450人、タバコによる死亡者は40万人、大麻ではゼロだ!今度の事件で少女を撃ってしまった男は、何の罪にも問われない。それはなぜか。その教会には銃を持って入ることを禁じる表示がなかったためだ。この問題は議論を呼ぶぞ。死んだ子は9歳だ。

レオのオフィス。

アダムリーとの話し合いは続いています。

1つの政府では手に負えないほど大きな犯罪を裁く機関がどうしても必要だとレオ。たとえば組織的な民族の撲滅や奴隷制、拷問、レイプ、強制妊娠、テロリズムなど、こういった犯罪には常設の機関が必要だと。

それに対して「国家の主権」はどうなるのかとアダムリー。アメリカには自らの政府と法律に対する責任があると。それに国連は民主的な組織ではないと付け加えました。

戦犯法廷は国際協定によって守られていて、アメリカが協定に従わない場合にはどちらにしろ国連が動き出すとレオ。国連による追求が弱まるわけではないと。

そこへ、ノックの音が。サムが入ってきました。

アダムリー:戦争犯罪の件だ。そっちは?

サム:1セントの件です。…後にします。

サム、撃沈…(笑)そして、部屋を出て行きました。オフィスへ帰る道すがら、帰って来たドナとすれ違うサム。ドナは無事に済んだと。

サムはドナにも1セントの話をしますが…とうぜんドナにはなんのこっちゃ(笑)

サムが去っていくと、ドナはジョシュがオフィスにいるのを見つけました。思い切ってジョシュのほうへと歩いて行くドナ。そしてジョシュに話があると言います。中で話そうと。

ジョシュがオフィスのドアを閉めると、ドナは話し始めます。「日記をつけてるかって言われて、つけてないってウソを言ったの。」と。驚くジョシュ。そして他にこのことを知っている人はいるかと聞きます。ドナは知っている人はいないけど、クリフに見られたと…。さらにドナは、さっきクリフにアパートに来たときに日記を見たと言われたと。

言葉も無いジョシュ。ドナが証拠になることは何も書いていないと言いかけると、ジョシュはそれを遮って「そんなことわからないだろ!何が証拠になるのを決めるのは君じゃないんだから!」と怒鳴りました。

大声を出さないでというドナを制してさらに「大統領を追及するきっかけを欲しがってる。それを君は差し出したんだ!君は召還され、宣誓した上で質問に答えたんだぞ!?」と怒鳴るばかりでドナの言い分を一切聞こうとしません。

そしてドナが何をすればいいのかと聞くと、何もせずにただじっとしていろとジョシュ。ドナは今にも泣き出しそうな表情で、黙ったまま部屋を出て行ってしまいました。

少し後悔した表情のジョシュ。

トビーが食堂へと歩いて行きます。

食堂には大勢のスタッフ達。トビーは語りかけます。

トビー:古いことわざがある。「しゃべるものその意味を知らず、知るものしゃべらず。」真実かどうかはわからん。だがマスコミはコメントさえ取れればその人間が知っててしゃべってるのかどうかなど、気にしない。この中には先週のミーティングに出た人もいるだろうが、ほとんどが出てないだろう。だが、全員に聞いて欲しい。

そしてトビーは呼び出した経緯について続けました。

そこへやってきたサムも話を聞いています。

トビー:我々は仲間だ。ひとつのチームだ。大統領と補佐官を筆頭とするチームだ。勝つも負けるも一蓮托生。ともに喜び、ともに悲しむ。仲間がいるから敗北に耐えられるし、勝利の酒はうまい。このチームが気に入らないなら…抜ければいい。…知ることは素晴らしい。スクープや特ダネを握っていれば記者に近づいて「すごいことを知ってる」と言いたくもなるだろう。だが、それは裏切り行為だ。このチームを売ることになる。明日、その記事が新聞に載るだろう。私にとっては侮辱であり、大統領にも侮辱だ。魔女狩りをする気は無い。騒ぎ立てる気も誰かをクビにするつもりもない。ただこれだけは言いたい。私は君らを…信じている。君らのためなら何でもする。

席を立って出て行くトビー。サムが「みんな驚いてた。」と。「君はいい部下だ。」とトビー。サムは「あやしいな…。フットボールの賭けに勝ったんでしょ?」と。

賭けには勝ったけど、それとは別に本心だと言って、何か協力できることはないかとトビー。それで、1セントを廃止すべきでない理由を考えてもらうことに。

下院では審議されることはないとトビー。下院議長の出身地はイリノイだから。1セントに彫られたリンカーンの出身地であるために、橋の料金所で唯一1セントが使える州。

かなりバカげているけれど、理由になるとごきげんなサム。トビーに感謝を。

CJのオフィス。

CJが戻ってくると、ウィルが待っていました。トビーが改めてコメントを用意したいと言っているとウィルに告げます。しかし、ウィルは必要ないと。驚くCJ。

ウィルはそのネタについて、ニュース性が無いと言って、書く気がないようです。去っていこうとするウィルを引き止めたCJ。どうしてホワイトハウス担当が不本意なのか聞きます。

ウィル:僕は速記者じゃないからね。それにゴシップは書きたくない。先週会った記者は10年間スキャンダルばかり書いてきたことを悔やんでた。その二の舞だけは演じたくないからね。僕は今大事な時期なんだよ。いい記事を書かなきゃならない。だから、部長の冗談なんかどうでもいいんだよ。わかるだろ?

そしてCJはウィルに「好きな席に座って。」と言うと去っていきました。

レオのオフィス。

アダムニーとの話し合いは続きます。

139カ国が署名して、35カ国が承認している世界の流れに逆らうのかと説得するレオ。アダムニーは「当然だ」と折れる様子はありません。そして、共和党の強硬派の議員はこの協定に署名したNATO加盟国への軍事援助を打ち切る修正案を議会に提出すると。

そんな法案が通るわけないとレオ。

しかし、アダムニーはこの強硬派の議員たちがアメリカ兵が拘束され戦犯法廷で裁かれる場合には国際司法裁判所があるオランダに攻め込んででも救い出すように言っているとも。

レオ:「逃げ道を作っておけ」というのか?我々はニュルンベルク裁判を行った。東京でも戦犯を裁いたんだ。しかしやがて、冷戦の脅威がせまり、それどころではなくなってきた。だからドイツロケット開発者が技術協力でアメリカに来たとき…

アダムニー:おい、待ってくれ!

レオ:旧ナチスの将校達がCIAの護衛付きでやってきても我々はあえて見て見ぬふりをしたんだ。なぜなら彼らは共産主義との戦いに手を貸してくれたからだ。それで、逃げ道をどこに求めろと言うんだね。

黙りこくるアダムニー。彼はある書類を取り出しました。そしてレオに「ローリング・サンダー作戦を覚えているか?」と。「あぁ。覚えている。もちろん。」とレオ。どうしてこんな話を持ち出すのか、不思議なようです。

アダムニー:66年の9月。君は105Fファイターチーフに乗っていた。タイの第355戦術戦闘航空団だ。私は指揮官で君に指示を与えた。「最初のポイントから273の方向へ17キロ進め。攻撃目標は東西に連なる山脈から1キロ離れた川にかかる橋だ。」

レオ:…いや、あれは軍事施設だ。

アダムニー:いや、民間施設だ。ダムだった。11人の民間人が死んだ。

愕然とするレオ。長い沈黙が続きます。そして「どうして今頃になって。」とアダムニーに問います。

「君も戦犯として裁かれていたかもしれない。」とアダムニー。レオは混乱して何も言うことが出来ません。そして搾り出すように再び「どうして、今頃になって言うんだ!」と。

「戦争はすべて犯罪だ。」とアダムニー。

結局、今週中に大統領を交えて話し合うことに。「ありがとう」とレオ。「こっちこそ。」と言うとアダムニーは部屋を出て行きました。窓の外を見やるレオ…。

大統領執務室。

こちらでも話し合いは続いています。

大統領は自衛のための銃なら隠し持っていたら意味がないだろうとホインズに問います。犯罪者に銃を見せつけた方が効果的だろうと。

ホインズは平行線の議論にもう答える気力をなくしたのか、ただ「わかりません。」と。

ホインズ:それよりも問題は銃を持つ権利が脅かされることです。

大統領:その権利を認めた憲法修正第2条は警察はおろか、通りに外灯すらない時代に作られたものだ。国民が自衛する必要などないだろう。

ホインズ:同感ですよ。

大統領:なら、そう言ってくれ。

ホインズ:国民の40%は自宅に銃を持っています。

大統領:銃の所持を絶対に正しいと思っているのは16%だけだし、絶対に間違っていると思っているのは9%だけだ。中間層は取り込める。

ホインズ:病気のことで弁明を続けていたんじゃ、無理ですよ。

大統領:こうなったのは誰のせいだと?

ホインズ:どういう意味ですか!?

大統領:…君のせいじゃないか!君が大統領選への出馬をにおわせたせいで、人びとは私の健康に疑問をいだいた。

ホインズ:あなたにまさか再出馬の意思がおありになるとは思わなかったからですよ!私はテレビを観てはじめて知ったんですから!

大統領:私の妻もだ!

ホインズ:あなたが完全にぶち壊したんです!すべてを!

大統領:あぁ!その通りだ!

ホインズ:あなたのせいです。

思いのたけを吐き出したふたり。沈黙が訪れます。そして、大統領が「私の副大統領は楽じゃないか。」と。ホインズは大きなため息をついて「まったくです。」と。

大統領:だが、君が副大統領として指名される道はひとつしかない。私が勝つことだ。

ホインズ:ええ。そして、あなたが勝つためには…私の力が必要だ。それはお分かりでしょう。

大統領:あぁ。

ホインズは指名を約束してくれるならテキサスへ行くと承諾。

そこへ、チャーリーが会見の準備が出来たことを伝えに来ました。

シャツのボタンを留めネクタイを締めなおす大統領

夜。噴水のある、とある公園。

ベンチにジョシュとドナが黙ったまま座っています。そこへやってきたのは…クリフ。

ジョシュは彼に近づいて、1時間待つから近くのカフェでこの日記を読んできてくれと。そして、気になったところがあったら押収していいし、そうじゃなかったらそれまでだと。さらに、もし日記の一部が新聞に出たり、自分の気に入らないことがあったら10月4日と5日の記述を暴露するとクギを刺しました。

その2日に何が書いてあるのか聞くクリフに「君だよ。」とジョシュ。クリフは了解して日記を受け取ると、カフェへと向かいました。

ゆっくりとドナが座っているベンチへ戻ってきたジョシュ。「かなり冷え込んできたね。」とひとこと。そして、不安げにジョシュを見るドナに「うまくいくさ。」と。

風の音と噴水の水の音だけが聞こえる静かな夜…。


ほんとに話題が盛りだくさんにつまった回でした。これだけ詰まっていてもどれも薄くなることがないっていうのがさすがはアーロン・ソーキンだなと。

大統領とファーストレディの「お説教論争」も楽しかったし、サムの1セントのうんちくも興味深かったですが、銃に戦争犯罪…。重たい話題も多かったなと。

「戦争はすべて犯罪だ」えぇ。その通りでしょう。でも、そこで止まっちゃってて、だったら、そもそも戦争をはじめないようにしようと考えられないのが、この軍人の悲しいところだなと冷たく思ってしまいました。

最高司令官の命令に忠実に従うことが優秀な軍人ということなんでしょうけれど。

戦争自体が犯罪なんだからその中で行うことについて裁くべきでないっていうのはどういう屁理屈なのかなと。

レオに対してもそんな古いネタを持ち出して、あれは「脅迫」なんじゃないですか。民間施設だとわかっていて攻撃を命じた方が罪だと思いますけど。まぁ、アダムニーの気まずそうな表情が救いではあります。

あと印象に残ったのはトビーの演説。

いつも皮肉屋のトビーが「私は君らを…信じている。君らのためなら何でもする。」なんて熱いことを言うんですよ。くーっ!かっこいいじゃないですか!

そして、大統領とホインズの銃論争にも釘付けでした。

わたしみたいな単純なヤツは刀狩みたいにいっせいに銃禁止!ってことにすれば銃から身を守る必要もなくなるんじゃないかと思いました。銃を持つ権利を主張するのなら、銃を持っている人の隣人が安心して生活する権利はどうなるのか聞いてみたいです。

9歳の女の子を殺してしまった人は、「正当防衛」ってことで何の罪にも問われないんですからね。理不尽です。

で、普段からあまりうまくいっていない、ふたりですが、最後にはこれまでたまりにたまったわだかまりが一気に吹きでてました。でも、「雨降って地固まる」的なことで、逆によかったんじゃないかなと。

あと、大統領ビールをすすめたときに一瞬とまどったような返事をするホインズ。後のエピソードを見るとその理由がよくわかります。ホインズは大統領が「わかっている」と思っているからとまどいもなおさらですね。

ドナの「偽証」に関しては、最初観たときは、「日記ぐらいのことでガタガタ騒ぐんじゃねぇよ。さすがは訴訟大国アメリカだな。」ぐらいに思ってたんですが…(笑)よくよく考えてみれば日記だからこそ…ってことですよね。

今、ミステリチャンネルでやってる「名探偵モンク」の先週の回で、ひき逃げをした犯人が100年後まで開けられないであろうタイムカプセルに入れる手紙に、自分がひき逃げを犯したことを署名入りで告白して納めて、それがある人のために5年たって開けられてしまうかもしれない…というところが新たな殺人の動機になっていたんですが、それを警部は「告白衝動」と言っていて。

あぁ、なるほどと。もし、ドナもダンボールを整理していてなにか大統領の職務遂行に関する秘密を知ってしまったら、日記というとてもプライベートなものに告白するかもしれないなと。だから、「日記をつけていない」というウソが大きいと考えたわけですね、クリスは。

それにしてもドナは書いてある本人に読まれるなんてとんだ災難でした。

夜風に揺れるドナの髪と、あの何のBGMもないほんとに静かな終わりがよかったですね。最初はどなってしまったけれど、最後にはただひとこと「うまくいくさ。」っていうジョシュ。やさしさがにじみでていました。

やはり最初は、前回の告白のことがくすぶっているところに、ドナとクリフとの関係を突きつけられて感情的になってしまったんでしょう。

ちなみに、ドナ役のジャネル・モロニーは今回のエピソードと前回の「かけ引き」(ON THE DAY BEFORE)」でエミー賞ドラマ部門助演女優賞にノミネートされました。


余談。

アメリカの一般教書演説と施政方針演説を数日差で見たわけですが。

なんでもアメリカの真似をしろというわけではないですけど、いい加減、国会答弁にプロンプターを導入した方がいいんじゃないでしょうか。どちらも原稿棒読みには変わらないんですが、やっぱりイメージは変わってくるんじゃないかなと。

細川護煕が首相時代に記者会見では導入したみたいですが、結局浸透しなかったようです。

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