虹の小箱

2017年06月09日 この5年以上

某島の野良猫への餌やりとTNRをやっていて、資金時間も体力も使い果たして伝統芸能舞台に行っても以前のように特別空気感を感じることが出来なくなってしまった。捨てられては死んでいく猫を年中見ていると、心の皮が薄いままではやっていられないのだ。

伝統芸能は鈍感だとさらさら見終わってしまうから、受け取るものチケット代に見合わない。能狂言しかり、文楽しかり、歌舞伎しかり。だが逆に、強い波動を出す人がわかりやすくもなった。かさぶたのように厚くなった心の皮のほんの少しのひびから突き抜けて何かが刺さる。

去年、歌舞伎座で観た松緑さんの光秀から発する波動には3階席で観ていても射抜かれた。当代の松緑さんはお嫌いな方も多いようだが、あれを観て何も感じなかったとしたら役の性根というものを知らずして伝統芸能を見ている残念な人だと思う。


4/22に拝見した「枕物狂」は、正直なところよくわからなかった。話がわからないのではない。東次郎さんは何を演じられてもその役をどう捉えて表現しているかが、はっきりわかる。武田神社薪能での「萩大名」などは太郎冠者になめられている間抜け大名をまさに体現されていて、あちこちで笑いが起きていた。

だが「枕物狂」には「これだ」という人物像が今ひとつからなかった。私が鈍感になっているのかもしれないけれど、もっとシャープ若い娘への眩しい想いが出ていたら人間の業のようなものが受け取りやすかった気がする。全然違う方向を見てるのかな、わたし


先月は則孝さんの「初」大藤内を観るためにセルリアンに行って来た。最初は目に見えて緊張していたのでこちらまで力が入ってしまったが、尻上がりに波に乗っていくのが感じられた。若い頃より声も安定して来たし、色んな役に挑戦してほしい。

小袖曽我と夜討曽我、続けて観るのは初めて。五郎十郎もよかったけれど、母がよかったな。脇柱の前あたりの席で母の横顔がよく見える位置だったのもあろうけれど、初めの凜とした母が、仇討ちに行く兄弟を見送る時には一気に何十も年をとったように見えた。こういうのを見ると「ああ、来てよかった」と思う。


来月は、鎌倉能舞台の三代目が矢来で船弁慶のおシテをなさるのでいく予定、とても楽しみ。

2016年08月22日 日が空いてしまって

8/11に山本会別会に行ったのですが、翌日から自分史上ベスト10に入る多忙な時期に入ったために感想を書けませんでした。今日やっと一段落明日からは皺寄せた仕事の片付けや後回しにしていた自分自身のことなどをぼちぼちこなす予定。

くらなくらな 2016/12/20 12:56 とってもご無沙汰しております〜はや年末でクリスマスカードも出さぬまま失礼しております m(_ _)m

ちょうど山本会の記事なので…先週15日、めでたく当選した武蔵野大学での狂言会に参りました。
東次郎・則俊お二人の附子がとってもパワフル、講堂いっぱいのお客さんは年配者多数でしたが反応よくてご一緒にたくさん笑わせていただきました。来年もご兄弟お元気でご一門をひっぱっていらっしゃることでしょう。
また劇場・能楽堂などでお目にかかることを願っております。peacemamさまもよいお年をお迎えください。

peacemampeacemam 2017/01/11 22:43 すごく遅い反応で失礼しました^^;ご無沙汰いたしております。年末から年またぎでちょっと出かけておりまして、帰ってから体調を崩してこんなにボケた返信になりました。秋にちょっと体調を崩して、だらだらと引きずっておりまして、能狂言もですが遠出が難しくなっています。早く元気になってまたどこかでお目にかかりたいと思っております。

2016年06月19日 道成寺

書きかけのまま非公開日記になっていた(^^;;

鎌倉能舞台の中森貫太さんの4度目の道成寺。次は3代目の披きかしらね?なんて思いながら観ていました。6月は異常に忙しいのがわかっていたのでなかなかチケットを買う決断が出来ずにいて、買おうとした時は正面には良さそうな席が残っていませんでした。でも、よくよく考えたら能が道成寺だし狂言が鍋八撥だから脇正の真ん中辺りが鐘入りも能力コント狂言の側転も見やすくていいんじゃないか?と思って購入。とても楽しく拝見。

道成寺、前場はじっくり進んだし恨めしげに鐘を見込んでからの鐘入りもきれいでよかったのだけれど、後場はもう少し間を変化させてもよかったんじゃないかしら。淡々と同じテンポで展開してしまい、ワキの留めに重さが出なかったような気がした。もちろん、ここがじっくり観たいというこちらの呼吸と合わなかったという私個人の印象に過ぎないのだけれど。

鍋八撥、国立の橋掛かりは長いから側転で幕入りは大変だろうなーと思っていたけれどすごいスピードできれいに回りながら入って行って思わず拍手したくなってしまった(⌒-⌒; )狂言方は身体能力の高い人が多いなあ。

葛西さんの拍手による人数決めという展開、さすがに飽きてきた。面白かったのはご本尊が都の方を向いていたということ。やっぱり一度は道成寺に行ってみたいものです。電車の乗り継ぎは大変そうだし、主要駅からレンタカーがいいのかしら。

2016年06月14日 武田信玄みたい

今日になって山崎館長の訃報が流れてる。ってことは私が気付かなかったのではなくて日曜まで伏せられていたの?我が死を伏しておけと影武者をたてた信玄公みたいですね。きれいな去り際、やっぱり素敵な方です。最近、ただ歳をとったというだけで横柄になったりすぐにキレたりする中高年男性は見習ってほしいです。

色々な人と対談なさっているはずだし、対談集とか出版されないものでしょうか。日本はもっと日本独自文化大事にしてほしいです。ドナルド・キーン先生や鳥越文蔵先生などから、引き出せるだけ引き出して多くの若者日本文化のなんたるかを教えてほしいです。

2016年06月12日

ちょっと変わった風流つきの「翁」でした。貴重な面を使っての連続公演の初回になります。最近は一寸先も見えない人生を送っているのでセット券などは買うことができないので、第一回だけになると思います。面は、どうなんでしょう?近くで観ないと違いはわからないような気もしました。

なんと情けないことに、今日今日まで横浜能楽堂山崎先生がご逝去されたことを知りませんでした。もしかしたら耳に入っていたのかもしれませんが、自分の身内のことでいっぱいいっぱいになって通り過ぎてしまったのだと思います。放送を聞いて慌ててロビーに走り、遺影を拝見して愕然……手を合わさせていただきましたがひどく悲しい思いで紅葉坂をくだりました。そういうわけで、そっちの方が衝撃的で公演を観た感想は吹っ飛びました。今更ですが、今まで素晴らしい企画をたくさん催して下さり、ありがとうございました。何度もお近くで拝見しては「またいらしてる」と思うのが密かな歓びでもありました。心から寂しいです。