「アナと雪の女王」


2D吹替を先週見ました!アニメーションを映画館で見たのなんてほんといつぶりなのか…ディズニーはもとよりピクサーも見たことないし(お恥ずかしい)、ジブリもここ十何年来ご無沙汰、つーかそもそも映画館に足を運ぶ回数が少ないんですよね。で、なんで見に行こうと思ったかっていうと、もともと去年の暮れにホビットの全米興収チェックしてるときに(そんなことしてるのか、というツッコミはこの際なしで)、11月に公開された映画なのにいつまでたってもランキングから落ちない「frozen」という映画があって、すげーなどんな映画なんだろう、と思ってたんですよね。何しろつい先日の3/13まで、ベスト10内にとどまっていた*1んだからすごすぎる。

それで、このfrozenが「アナと雪の女王」のことだとわかるのに結構時間を要したんですけど、この吹き替えを松たか子さんがやるよ、という情報とか、アカデミー賞でのイディナ・メンゼルのパフォーマンスとか、いろんなものが積み重なって「見ようかな〜」という気持ちに。

だからねえ、そんなまああまり気合いの入っていない感じで(たまたま時間が空いたから、みたいな勢いもあって)見たのに、誰が予想したでしょうか。

開始5分で自分がごうごう泣いているなんて。

自分でもちょっとよくわかんないんですけど、あの姉妹の最初のエピソードと、そこからアナが開かない扉をノックして「雪だるまつくろう」って歌うとこでもー,ダメでした。なんで?自分も2人姉妹だから?でもうちの姉はエルサみたいじゃないし私もまったくアナみたいじゃない。あんな姉妹の哀しい断絶もべつにない。なのになんで?

そこから戴冠式の「生まれて初めて」でもさらに泣き(あの絵の真似するところね…!)、youtubeでさんざん動画を見たエルサの「Let It Go」でもうトドメ。ぎゃー!ちょっと!立ち上がれない!いくらyoutubeで先に見てても物語の流れで見るとこれはもうだめだ!泣く!とまあこんな感じで見終わった後は相当興奮状態でした。
以下ネタバレにつきちょっと畳みます!

この映画見てていいなあって思うのは、私の中でのディズニーのイメージというか、ありがちな「いじわるな母」「いじわるな姉」「けなげな主人公」「それを助ける王子様」みたいなフォーマットを踏襲してない、いや踏襲してるところはしてるんだけど、それが少しずれているところなのかなあと思いました。エルサは妹を傷つけることをおそれて閉じこもり、アナは姉に嫌われることをおそれている。これでアナが純度100%の「お前の明るさは罪」と言いたくなるようなキャラだったら多分こんなに心掴まれてないだろうっておもったなあ。エルサの氷の宮殿に辿り着いたとき、その閉ざされた扉の前でアナが躊躇うのがとてもいい。エルサは自分を傷つけたりしない、そのことには自信があるのに、閉じた扉はきっと開かないとアナは思っている。あの扉が開いたときの「…開いたわ」という驚きが、アナが今までどれだけ扉をノックしてきたか(そして答えてもらえなかったか)を表しているようで、なんでもないことだけどいいシーンだよな、と。

アナを助けるクリストフ(とスヴェン)、そしてオラフのコンビもすごくすてきで、最初のオオカミとの追いかけっこのときに、クリストフが何度も「初めて会った日に結婚!?」とその非常識さをなじるところ、「白馬の王子様幻想」をディズニー自ら打ち砕いているようでおかしかったなー。クリストフとスヴェン、どのシーンもいいんだけど(にんじんをシェアする場面はすべからく最高にかわいい!)、クライマックスの疾走で割れた氷にスヴェンが一瞬沈んじゃったときとかね、あそこでヒロインをとるかスヴェンをとるか…みたいなベタな選択をさせないところがすごく好きでした。見てる私もスヴェンがーー!!ぎゃーーー!ってなってたので(お前いいお客さんだな…)クリストフとおんなじようにほっとしたもんね。

オラフもほんっとかわいくて、なんといってもあの「アナのためなら とけてもいーよ」っていうとこ!んもー!泣いた!何!私の心にこんなピュアネスまだ残ってたの!?(知らんがな)オラフのグッズがあったら買ってしまいそうな俺がいるよ…!

松さんの吹替、というのは映画館に足を運んだ大きな理由のひとつだったんですが、アナの神田沙也加さんが勝るとも劣らない、いや正直「声優」としての仕事ぶりは松さんより神田さんのほうがより良い仕事していると言っても過言じゃなく、ちゃんと吹替の仕事を楽しめるのがほんっとに素晴らしいです。松さんはともかく「Let It Go」のあの勝負所でこれでもか、と言わんばかりの力技を見せてくれていてさすがとしか言いようがない。オリジナルが素晴らしいのはもちろんだし、イディナ・メンゼルとはちょっとタイプは違うかなとも思うんですが、松さんの声の「まだ花なら蕾」的な硬質さがエルサの雰囲気によく合っているよなーとも思いました。

松さんも神田さんも、そしてクリストフの原慎一郎さんもハンスの津田英佑さんも、さすがにミュージカル経験者で、ここで!盛って!というところで気持ちよく盛り上げてくれるところがたまりません。ピエール瀧のオラフもどうしてくれようか!ってぐらいかわいいし、ほんっとこの吹替キャスティングをした人を大々的にほめたいよ!

最初は2Dで十分かなーと思ってたんですけど、こうなったら3Dがどんななのか気になる(し、字幕でも勿論見たい)ということで今狙ってるのは先日オープンしたばかりのTOHO日本橋ご自慢のTCX+ドルビーアトモス…!先週の公開以来、「爆」という文字をつけても差し支えないほどの圧倒的な動員数なので、次週も相当数(今週はなんと鬼の8回回し!)かけてくれるだろうと期待しています!

*1:っていうか、もうブルーレイが発売になった今日の時点でもまだ11位。どんだけ強いんだ