2009-10-17
効率的だから自転車に乗るわけじゃない
僕が「あー走りてー」とかき立てられたブログのエントリーはこちら。
4つのサイクリングロードをつないで日本海へ - Blue-Periodさんの日記
ツーリング日記を書く人は多いけれど、これほどブクマされたエントリーはそうそうないんじゃないだろうか。うまく言葉に出来ないけれど、このエントリーには「オレも走りたい」とかき立てるものがあった。自慢(自虐?)じゃないけど、ロングライドに関して僕はすれっからしだ。大抵のツーリング日記は「ほー」と思う程度だ。でもこのエントリーにはかき立てられた。「あーオレも走りてー」と。なんでだろう?
ブクマした多くの人もきっとそう感じたはず。写真もステキだ。
Blue-Periodさんのブログは、数ヶ月前にはてなの自転車ブログをあれこれ見ていて辿り着いた。そこで彼が初めてロードで走った時のエントリーを読んだ。少し引用させていただく。
使い方を覚えたサイコンのボタンを押してスピードを見てみると、ちょい待て、おいおいおいと。
なにこれ速い。
ぜんぜん速い。
普通に30km/hとか出てる。
ちょっと頑張ると、40km/hとか出る。
ぜんぜん違う。
違う乗り物。
つか、前の自転車なんだったの?
茅ヶ崎へ、熱海へ、浜松へ、名古屋へ、漕いで行ったあの自転車はなんなの?
これはすごい
なにが違うんだ
ホイールか
700×23cのホイールか
ドロップか
ハンドルなのか
自転車は二の次だと思っていた
どうせロードでも25km/hでひいひい言うんだと思っていた
しかしこれは違う
ものすごく速い
止まらない
とりあえず大森へ、と思っていたら銀座へ着いていた。
このエントリーには思わず笑ってしまいつつ、強く印象に残った。僕は自転車の楽しさを誰かに伝えたくて本を書いているけれど、この文章には「敵わない」と思った。これは「初めての人」だからこそ書ける文章だ。迷わず彼のブログをはてなアンテナに登録した。
僕がアンテナに入れたことがきっかけなのか、本がきっかけなのか、どちらが先なのかわからないけれど、その後彼は僕のブログを訪れてくれて、興味を持って僕の本も読んでくれたようだ。ブックオフで見つけたというのが気に入らないけどw。
時々、彼がメンテのことなどで試行錯誤しているのを読んで何かアドバイスしたくなったけれど「こういう人にはオッサンのお節介は必要ないな」と思いとどまった。彼は試行錯誤も楽しんでいるように思えたのだ。
話が少し逸れるけれど、最近、ライフハック系のサイトやブログが人気だ。仕事のこと、普段の生活のこと、様々なティップスが紹介されている。僕も時々「へー!」と関心してしまうような情報が紹介されている。でもだんだんそういった情報も次から次へと紹介されると辟易した気分になってくる。急き立てられるように、こういった情報を日々追いかけている人もいるんじゃないだろうか。
ネットの書き込みを読んでも、リアルで人と話しても、最近は「効率的に」という言葉をよく見聞きする。「効率的にやりたい」「無駄なことはしたくない」「遠回りしたくない」そんなオーラに頻繁に出会う。そういう人は皆、向上心があって前向きな意欲のある人にも思える。だから否定はしない。もちろん仕事を効率的にやることは必要だ。でもさ、そればっかりじゃないだろうという気にもちょっとなってくる。
嘘かホントかわからないけれど、twitterで勝間和代女史をフォローしていたけれど「役に立つ情報が流れてこないのでアンフォローした」というコメントを某所で読んだ。何か勘違いしていないか。「この人をフォローすると役に立つ」といったリストも時々見かける。twitterに一体何を期待しているのだろう。tumblrについても「効率的に必要な情報が集められる」という解説をする人がいる。いや、それってちょっと違うような。多分、twitterもtumblrも「効率的」という言葉で括ってしまうと、その可能性や意味を大きく見誤る。
「○○まで行く一番楽なルートを教えてください」そんな質問が自転車系の掲示板ではよくある。危険なルート、走りにくいルートは避けるように、自分が知っていれば教えてあげたいと思う。でもバイパスと旧道、バイパスは路面もいいしアップダウンも少なく走りやすい。目的地に最短時間で着くだろう。しかし旧道の峠道を通れば素敵な景色を眺めることができたり、おいしい湧き水を見つけたり、もしかしたらタヌキや猿に出会えるかもしれない(笑)。バイパスを教えてもらって、ずっとバイパスを通っていればそんなことに気がつくこともない。
気がつくことが出来る人はバイパスを走りながら「あれ、山の上の方にも道があるな」と好奇心を抱いた人だけだ。
効率的なことを教えてもらっても、それを実行するだけでは教えてくれた人以上のノウハウは貯まらない。だってその人はその「効率的なこと」に辿り着くまでにいろいろな方法を試しているのだから幅や深さが全く違う。
「効率的に」という言葉を発した途端に、目の前に広がっていた世界が一気に狭くなってしまうように感じるのは僕だけだろうか。
僕は自分の本の中で、あるいはこのブログの中で自分のノウハウをいくつか書いている。「それって自己矛盾じゃね?」いやそうじゃないんだ。僕は自分で試してみて「いいな」と思ったこと、役に立ったことを書いている。でもそれは僕のやり方であって他の人にとっていいやり方かどうかは僕にはわからない。いいじゃん、少しぐらい試行錯誤したって。そのほうがきっと楽しい気付きもあるはずだ。自転車好きならきっとわかるよね。バイパスから上に峠道が見えたら次はその道を登りにいっちゃうような。
「都内を移動するには自転車が最も効率がいい」それはその通りだ。でも「だから乗っている」わけじゃないよね?
「路面もいいしアップダウンも少ないし、こりゃ距離が稼げるな」
「・・・・しかし、つまんねー道だなぁ」
先日の酒田行き。日光街道を走りながらこんなこと考えていた。
多分、ノウハウを100知るよりも、Blue-Periodさんのエントリーを読んだ方が「走ってみたい」という気持ちになるだろう。結局、人を突き動かすのはそういうものなのだと思う。










>でも「だから乗っている」わけじゃないよね?
最初は効率の良い移動手段だから、自転車通勤をはじめたつもりでした。
しかし、半年経った今、朝は(遅刻できませんから)まっすぐ職場まで走りますが、帰宅時は道草が増えて、時間がどんどん長くなっています。
どうやら、「効率がいい」だけが理由ではないようですね、私も(笑)。
この夏にふと手にした「自転車で遠くへ行きたい」「ロングライドにでかけよう」に感化され、20年ぶりに自転車を購入し、今は週末のみですが100km前後を走っています。そして、近いうちにロードを買ってブルベに出てみたいと思うようになりました。
昨日ネットサーフィンをしていて、私にきっかけを与えてくれた本の著者のブログに思わずたどり着き、ぶしつけなお願いで恐縮ですがコメントを書いております。今、pdedalfarさんのmixiのコミュニティに参加したい気持ちがふつふつと沸いています。が、mixiのIDを私は持っていません。もしよろしければ私を招待して頂けないでしょうか。よろしくお願いいたします。
不躾なお願いなのですが、「自転車で遠くへ行きたい」コミュニティに招待していただけないでしょうか。僕はmixiに参加したことがないのでどうかよろしくお願いします。
私も会社の後輩からロードバイクの楽しさと巡行性能を聞き、居てもたってもいられなくなってロードバイクを買ったクチです。
ロードバイクが納品される間が待ち遠しく、米津さんの本を片手にモチベーションをひたすら高めてました(笑)
そして、納車した翌週にヒルクライムありの220kmを走り、大変な思いをしましたが、翌週には、再び120km×2や3日でヒルクライムだらけ350km、水戸ー盛岡450kmとハマりまくっています。
いつか、ブルべでお会いするかもしれませんね。
自転車の楽しさを教えていただき、ありがとうございます。
私もnekki5149さんのエントリーをブクマしに伺いますね(^^
>YO-TAさん
よく言うんですが「自転車通勤、遠くを近くすることはできないけれど、近くを遠くするのは簡単だ。遠回りすればいいだけ」ってね(^^
>akutanさん
拙い本を読んでくださってありがとうございます。巻末に載せてあるメールアドレスまでメールをください。ご招待します。
>HEIZOさん
こちらこそ読んでくださってありがとうございます。
ロードマン世代の出戻りは大歓迎です(^^
遠くの景色が動くことに感動しました。
荒川を並走する首都高のクルマ(渋滞中)よりも早かったのにも感動。
飽きるまで現行には手を出さずにいようかと思います。
初乗りで130km。やっぱ読むだけでチャリで行ける距離が伸びるw
本はふだんあまり買わないのでほんの1300円にびっくりしましたが、よく考えてみればチューブ1本分、たいしたことありません。私は世の中のなんかに毒されています。
PS 紹介していた人「都会の人」ですね。文章の感覚が自分の感覚とはだいぶ違います。
「読むだけで行ける距離が伸びる」って最高の褒め言葉です(^^
最近、flickrで海外の自転車スナップをよく見るのですが、ダブルレバーのクロモリに普通の人が乗ってごく普通に走っている写真が沢山あります。それがなんだかいい感じで。日本で今ダブルレバーに乗っていると「懐古趣味」と思われそうですが、そんなことないですよね(^^
>ひらひらりんさん
読んでくださってありがとうございます。
距離格差は実はほんのちょっとしたきっかけで越えられるし、ロードレーサーという道具があれば誰でも必ず越えられることなんですが、これが言葉ではなかなか伝わらないことがもどかしいですね。