小児科医による熱傷の湿潤療法

2012-08-20

大人の足背熱傷

42歳女性

ソーメンの茹で汁をこぼして受傷

病院形成外科受診し、ヒビテン消毒、アズノール塗布ガーゼ貼付、 2週間して治らなければ移植しなければならないと説明された。アズノールを処方され受傷5日目の再診を指示されていた。受傷3日目に知人の勧めで当院を受診し湿潤療法開始した。

初診時(受傷3日目)

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アズノールを流したあと

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痛みが強かったので生理食塩水で洗浄し、ワセリンを塗布したプラスモイストトップ(大人用紙おむつに貼付したもの)で被覆。セフェム系経口抗生剤を投与した。


受傷5日目

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自宅で1日2回生理食塩水で洗浄しワセリンを塗布したプラスモイストトップ(大人用紙おむつに貼付したもの)で被覆してもらった。

創部全体に痛みが強く、感染が悪化した可能性が否定できず、新キノロン剤に変更した。


受傷7日目

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自宅で同様に湿潤療法施行し、痛みはやや軽快してきた。


受傷11日目

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ほぼ上皮化し、痛みも全くなくなった。ワセリン塗布せずプラスモイストトップ(不織布ガーゼで裏打ちしたもの)で被覆してもらった。


受傷23日目

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完全に上皮化した。瘢痕、拘縮なく、ツッパリ感も全くない。

日焼に注意するように説明し、治療完了とした。


この例のように少なくともお湯で受傷した熱傷は湿潤療法で綺麗に治ります。

皮膚科や形成外科など従来熱傷を治療されている先生がおこなう保存的治療とはイソジン、ヒビテン等の消毒薬を使用して、ゲーベンクリーム、アズノーツ軟膏、アクトシン、ブロメライン等を塗布し、ガーゼで覆われます。

これらの外用薬は非常に痛いですし、殆どの場合傷を深くして、2週間しても上皮化せず、皮膚移植?という話になることがしばしばです。

熱傷をされた場合

http://www.wound-treatment.jp/ f:id:pediatrician:20050518125208j:image


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に連絡を取って指示を受けることを強く勧めます。

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