キタキツネ


(雨上がりのキタキツネ。びしょ濡れの体をブルブル)
 この写真はかつて北海道の国道最高地点、大雪山系三国峠を自転車で越えた時に、十勝の山奥で撮影したもの。
 自転車で通りかかったら、向こうから駆け寄ってきて、僕の周りをウロウロ。北海道ではこうして観光客から餌をもらうことを覚えたキツネがあちこちにいる。わざわざ道路の真ん中に出てきて、車を停めようとするキツネもいて、そのため交通事故も多い。自転車で北海道を旅すると、至る所で車に轢かれたキツネを目撃することになる。

 写真のキツネは僕から餌をもらえないと分かると、今度は道端の草むらでバッタを捕まえて食べていた。しばらく、見物してから走り出そうとすると、虫追いに熱中していたキツネはその時だけちらりと僕の方を振り向いた。

 大抵のキャンプ場にもキツネが棲みついていて、あちこちのテントからいろいろな物をくわえて行く。霧多布のキャンプ場では真夜中に僕のテント(正確にはテントとその外側にかぶせた雨除けシートとの間の空間)に頭を突っ込んでゴミを引っ張り出そうとする大胆なやつもいた。
 本州以南のホンドギツネではそのような話はあまり聞かないように思うが、何が違うのだろう。

上野動物園ホンドギツネ