さよならポニーテール/夢みる惑星

 さよならポニーテールの4枚目のアルバム『夢みる惑星』が6月7日に発売され、その日に入手した。
 さよポニといえば、みぃな、なっちゃん、あゆみん、しゅか、ゆゆ、という5人のヴォーカルの女の子を中心とするグループだが、活動拠点をインターネット上に置き、ライヴは一切行わず、メンバーはイラストやマンガで表現されたヴィジュアル以外正体を明らかにしないという謎のユニットである。しかも、同じグループのメンバーが一堂に会したことはなく、トータルプロデュースのクロネコ氏などごく一部の中心メンバー以外はほかのメンバーに会ったことがなく、お互いの顔も素性も何も知らないらしい。
 このあたりについては過去にも記事を書いた。

 「ポップグループの最新型『さよならポニーテール』という存在」
  http://d.hatena.ne.jp/peepooblue/20130821

 イラストで表現されたキャラクターと、それぞれのキャラを演じる実在の個人の関係はアニメにおける登場キャラクターと声優の関係にも似ているが、さよポニの場合、それぞれのキャラをどんな人が演じているのか、そのあたりが完全に秘匿されている。ファンにとって正体不明なだけでなく、メンバーにとっても自分以外のメンバーは正体不明なのだ。

 そんな中で、イラストやマンガによって、さよポニのヴィジュアル面を表現し、さらにツイッターフェイスブックといったSNSを通じた情報発信も担当していたのが、「神さま」という役職名を持つメンバー。初代神さまが「ゆりたん」、2代目神さまが「ちぃたん」。神さまが変わることで、ヴィジュアルも変化した。

 初代神さま「ゆりたん」時代のさよならポニーテール。しゅか、ゆゆ加入前。

 2代目神さま「ちぃたん」時代のさよならポニーテール

 「神さま」はこれからも交代していく、と予告されていて、3年半続いた2代目神さま「ちぃたん」の時代が昨年12月26日で終了。しかし、新しい神さまが登場することはなく、そこから神さま不在の第三シーズンが始まった。アニメでいえば声優だけがいて、絵がない状態。しかし、これは当初から予定されていたことではあるらしい。

 神さま不在のさよならポニーテール

 ここには5人の女性が登場していて、それがヴォーカルの5人に相当することは明らかだが、容貌は確認できないし、いわゆる「中の人」が実際に姿を現したものなのかどうかも分からない。さよならポニーテールのMVにはこれまでにもメンバーとは無関係のアイドル、女優、モデルなどが多数登場している。
 とにかく、このような状況になったさよポニの新しいアルバムが登場したわけだ。

夢みる惑星

夢みる惑星

 ふっくん、324P、マウマウ、メグ、クロネコという5人のメンバーがそれぞれに作詞・作曲した多彩な12曲が収録されているが、通して聴くと、「終わり」とか「別れ」を予感させるようなワードが数多く耳に残り、寂しさを湛えた作品集にも感じられる。
 クロネコ作品「わ〜るど2」ではキャンディーズの「微笑がえし」みたいに歌詞の中に過去のさよポニ作品のタイトルが散りばめられたりもしている。

「ねぇ、知ってた? この世界にも いつか終わりがあるんだって」


 全12曲メドレー。

 この動画の最後で5枚目のアルバム「君は僕の宇宙」が予告されているね。
 さよポニワールドにはまだ続きがあるようだ。