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Peepooblue’s Notebook

2018-09-23

[]STELLA LEE JONESライブ@横浜 11:39

 秋分の日横浜でSTELLA LEE JONESのライブ。

 その前にちょこっと横浜散策横浜駅から「みなとみらい」地区まで歩く。

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 横浜のとんび。

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 港の片隅にある小さな灯台

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 秋空。

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 地下3階のみなとみらい駅

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 こういう空間が世界を覆うような未来には来てほしくないものだ、なんてことを考えながら、海面上昇でこのあたりがすっかり水没して、人々が横浜の高台に追い詰められている『ヨコハマ買い出し紀行』(芦奈野ひとし作)のことを思い出す。

 さて、ステラのライブ。前回は行けなかったので、僕は1月以来・・・かな? 会場はグランドピアノのあるライブハウスHey-JOE。18時開場、18時半開演。

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 今日はオープニングアクトとして「神話と構造」が出演。といっても、ステラリズム隊ピアノ佐藤真也、ベース佐野俊介、ドラムス谷本朋翼によるトリオ。ループするピアノのフレーズに乗せて3人が突っ走るような演奏はジャズピアノのトリオというよりはロックピアノトリオといった感じ。カッコイイ。

 今年5月の初ライブの映像があった。

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 4曲で終了し、その後、ステラのメンバー全員登場。ヴァイオリン、ギター、アコーディオンピアノ、ベース、ドラムス、パーカッションの7人編成の大所帯(パーカッションの相川瞳さんは一応ゲストということになっているが、ほぼレギュラー化)なので、ステージと客席の区別のないフロアの半分ぐらいが演奏区域みたいになっている。ギターは平田氏は客席最前列に並ぶような立ち位置。今日はさらにゲストヴォーカルで夏川葵衣さんの出演が予告されている。

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 「Salar de Uyuni」からスタートしたライヴは3曲やったところで、平田氏以外のメンバーがいったんステージからさがり、改めて出てきた佐藤氏のピアノと平田氏のギターだけで「The Winter Song」を演奏。これがオリジナルの形態だそうだ。これは良かった。もちろん、バンドヴァージョンも大好きなのだけど。

 こんな素敵な演奏&映像が公開されていた。ギターDuoヴァージョン。

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 さらにゲストの夏川さんが登場して、ピアノとギターをバックに坂本龍一の曲「美貌の青空」を歌う。

 これは坂本龍一の「美貌の青空」。

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 この後、バンドの演奏に戻るが、わりとあっさり前半終了。

 「Jean Pierre」が「アメリ」などの作品で知られるフランス映画監督ジャン=ピエール・ジュネへのオマージュであることを僕は今回初めて知った。

 休憩を挟んだ第2部は「Parallel Railways」からスタート。 

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 そして、ステラ史上最大の難曲「Mirror」。レコーディングも大変だったそうだが、ライブでも演奏するたびに大変らしい。でも、美しい曲で、聴いているだけなら耳に心地よい作品だ。曲が終わった後、メンバーが最大の難所を無事突破したという安堵の表情を浮かべているのが分かる。しかし、なんでこんな大変な曲を作るのか、というような曲を作ってしまうのが平田氏であり、それを演奏してしまうのがステラなのだ。

 再び夏川さんが登場して、ステラにとって初めてのヴォーカル曲「お墓のバラード」。寺山修司の未発表の詩に曲をつけたものだそうだ。

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ジャズ、ロック、クラシック現代音楽映画音楽などさまざまな要素をあわせ持ち、しかもそのどれでもないようなステラの音楽で東京ペルー香港フランス・・・と世界中を旅しているような気分を味わいつつ、今夜も素晴らしい演奏に酔いしれた。

 1stの1曲目だった「Synapse」。ライブならではのソロ回しが楽しい。

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 本編最後は「Ring」、そしてアンコールは「The 15th Warriors」だった。

numapynumapy 2018/09/25 06:42 父親が樋川丸の船員でした。懐かしいです。

peepoobluepeepooblue 2018/09/25 08:23 numapyさん
そうでしたか。
横浜の港を眺めながら、今になって船に関わる仕事に憧れの気持ちを抱きました。
やっぱり海はいいですね。
ただ、海面に漂うゴミが多くて、最近注目を浴びているマイクロプラスチックなどの海洋汚染のことも考えざるを得ませんでしたが。

2018-09-01

[]Acoustic Asturias Live 14:00

 南青山のMANDALAでAcoustic Asturiasのライヴ。前回は同じ場所で昨年9月2日だったので、ちょうど1年ぶりだ。メンバーのクラリネット奏者・筒井香織さんがパリに留学したまま音楽活動の拠点をフランスに移してしまい、彼女の帰国スケジュールに合わせて日本でのライヴを行うということから、こんな具合になっている。前回は5年ぶりのライヴだった。

 昨年のライヴ映像。

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 そもそもアストゥーリアスは大山曜さんの音楽プロジェクトとして1980年代後半からスタートし、日本のマイク・オールドフィールドと評されるようにゲストミュージシャンを交えながらも、基本は大山氏がいくつもの楽器を自分で演奏して、コツコツとダビングを重ねながら緻密な音楽を作り上げていくというレコーディング主体の活動スタイルだったが、しばらく活動休止後に2003年、室内楽編成のアコースティック・アストゥーリアス(アコアス)として活動再開。さらにロックバンド形式のエレクトリック・アストゥーリアス(エレアス)も始動。さらに一人多重録音のマルチ・アストゥーリアスとしても作品制作も再開し、いまは3つの形態で活動している。

 そのなかで筒井さんの渡仏以降、活動ペースが落ちていたアコアスだが、1年に1度でもこうしてライヴが行われるのは嬉しい。今回はチケットがあっという間に完売となったため、いつのまにか昼の追加公演も決定していて、昼夜の2ステージとなったのだが、僕は夜だけ観てきた。

 最寄り駅は外苑前だが、僕は新宿から大江戸線に乗り、南青山一丁目で下車。地上に出るとポツポツと雨が降り出していて、会場に着く頃にはザーッと強い雨になった。

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 18時15分開場。19時開演。

 昨年のライヴではリーダーの大山氏が手首を痛めて演奏できず、代役として西村健さんがギターを弾いていたのだが、その後、アコアスはクラシック音楽に近い演奏形態で、練習に多くの時間が必要なため、作曲などほかの音楽活動との両立が困難との理由で、アコアスのライヴに関しては大山氏は作曲、プロデュースなど裏方に専念し、西村氏が正式メンバーとして参加するということが発表されていた。

 ということで、今日のメンバーも川越好博(ピアノ)、テイセナ(ヴァイオリン)、筒井香織(クラリネットリコーダー)、西村健(ガットギター)という4人。

 1曲目、WATARIDORIからスタート。これは東京とパリを結んだリハーサルの映像。

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 アコアスの音楽は変拍子だらけで、めまぐるしく展開する曲の構成も複雑で、演奏難度が異様に高そうなのだが、聴く側にしてみれば、難解とはまるで感じない。ヴァイオリンクラリネットピアノとギターが互いに主役になったり脇役に回ったりしながら、ソロで歌ったり、掛け合ったり、ハーモニーを奏でたり・・・。癒し系と評されることもあるが、癒されるというよりは心の中で静かにじわじわと興奮が高まってくる感じ。アコアスはロックなのだ。

 従来のアコアスはメンバーが一心不乱に演奏し、聴衆も集中して真剣に聴くというクラシックのコンサートに近い雰囲気だったが、大山氏がステージに立たなくなり、川越氏とテイさんがMCを担当するようになって、ちょっと雰囲気が変わってきた。ふたりともMC原稿を手にして喋るのは昨年と同じ。もともとテイさんはステージ上で喋ることはほとんどなく、伏し目がちにひたすらヴァイオリンを弾きまくるという、かなりミステリアスな存在だったのだが、近年は演奏中も表情が豊かになったし、かなり印象が変わってきた。

 6年ぶりに演奏された筒井さんの曲。原題フランス語なのだが、日本語でいうと「やわらかな回廊」。筒井さんがイタリアの美術館で、体調が悪かったせいか、床が波打っているような奇妙な感覚を味わい、それを表現したという話も曲そのものも記憶に残っていた。フランスではクラリネット奏者&現代音楽系の作曲家として活動している筒井さんらしいいろいろな意味でハードな作品。

「演奏している私たちもめまいがしそうです」とテイさん。

「どうもすみません」と筒井さん。

 ここからテイさんが筒井さんのフランスでの生活についてインタビューするコーナーが唐突に始まる。

フランスにも台風って来るんですか?」というのが最初の質問(笑)。

「それはまじめに答えるんですか」と筒井さん。彼女によればフランスには台風のような熱帯地方からの嵐は来ないが、激しい雨が降ったり、強風が吹き荒れる日は普通にあるとのこと。その風の音が日本とは違うのだという。劇場で「嵐が丘」のような芝居に使われる効果音の風の音そのままで、思わず窓を開けて聞き入ってしまうそうだ。

嵐が丘って知ってますか?」と筒井さん。

「エレアスの曲ですか?」とテイさん。ボケたのか、まじめなのか。客席&メンバー爆笑。たしかにエレアスにそういう曲がありますね。

「今年の日本は猛暑でしたけど、フランスはどうですか?」というのが次の質問。

「日本と違ってフランスは湿度が低いので、日本人にとっては涼しいぐらいですけど、フランス人は暑くてもうムリなんて言ってます。フランスにはエアコンのある家が少ないので、高齢者が暑さで亡くなることも多くて社会問題になっています」

 この辺から「なんの話をしてるんだ」という川越氏も客席も笑いが止まらなくなる。

フランス物価が高いそうですね」

「日本は消費税がすべて8%ですけど、フランスは肉や野菜などの食品は0%なので、そんなに高く感じません。でもレストランなどの外食は20%なので、たとえばラーメンは・・・」

「一体いつまで続くんだ(笑)」という川越氏の一言で、このフリーすぎるトークは強制終了。続きは次回ということだったが、「ラーメンは・・・」の続きがちょっと気になった。

 筒井さんがフランス語で解説する「ユハンヌス」。

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 そして、演奏が始まれば、また一糸乱れる超絶アンサンブル。

 大山氏作曲の「深夜廻〜テーマ」のアコアス版。元はゲーム音楽らしい。僕はゲーム音楽についてはほとんど知らないのだが(ハマるのが怖くて、近づかないようにしている)、このジャンルはある意味何でもアリの世界で、最もクリエイティヴな才能が集まっているといえるのではないか。アストゥーリアスのメンバーもゲーム音楽の作曲や演奏にかなり関わっている。たぶん、そちらのほうがお金にはなるのだろう。

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 あっというまに前半が終わり、休憩をはさんで第二部。女性陣は衣装をチェンジして出てきたが、男性陣はどうだったかな。

 後半戦では曲の合間に撮影タイムなるものがあった。今日のライヴは(というか、普通はみんなそうだが)、撮影および録音は禁止なのだが、曲間トークの時に自由に撮影できるコーナーが設けられたのだ。メンバーはコードを決めて適当に音を出しながら演奏しているフリ。

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 その後、曲の拍子を数えるのが大好きだという川越氏による変拍子を数えてみようというコーナーも。パット・メセニーの「First Circle」に出てくる11拍子のハンドクラップに刺激を受けたらしい。川越作品の「氷雨」(「ひさめ」ではなく「こおりあめ」)の曲中の8分の5拍子と8分の2拍子、8分の3拍子、8分の6拍子が不規則に連続するパート。僕の能力ではとても数えきれない。普通のリズムではないことだけは分かる。

 参考までにPat Metheny/First Circle。曲冒頭のハンドクラップを何拍子なのか数えてみよう、というような話だ。

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 こういうやたらと複雑な曲を作って演奏することに喜びをおぼえる人たちなわけだが、昼夜二公演(セットリストも半分は入れ替えたらしい。両方観ればよかった)で、心身ともに大変ではあったようだ。

 後半もあっというまにラスト。筒井さんの「ルカ組曲」。

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 そして、アンコールは「Distance」と「Ryu-Hyo」だった。

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 過去にアコアスはフランスイタリアツアーを行ったりもしているが、せっかくメンバーがフランスで活動しているのだから、またフランスでのライヴの実現を期待してしまう。彼らの音楽はヨーロッパでは絶対に受けると思うし、世界中どこでも通用するはずだと確信しているので。

Bird Eyes View: Acoustic Asturias

Bird Eyes View: Acoustic Asturias

Marching Grass On The Hill

Marching Grass On The Hill

レジェンド・オブ・ゴールド・ウィンド

レジェンド・オブ・ゴールド・ウィンド

 終演後。雨は上がっていて、外苑前交差点からは神宮球場の照明塔がまだ明るかった。去年と同じヤクルト広島戦で、昨年は近くのスタバカープファンで真っ赤に染まっていて、それだけでカープが勝ったんだな、というのがすぐに分かったが、今日は球場帰りのカープファンもさほど盛り上がっていない。今日はヤクルトが勝ったのか、と思ったら、その時点(21時半ごろ)ではまだ試合が続いていて、最終的にはやっぱりカープが勝った。優勝マジック15。リーグ3連覇はもう間違いない。

 

2018-01-20

[]STELLA LEE JONESライヴ 16:39

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 吉祥寺のシルバー・エレファントでステラ・リー・ジョーンズのライヴ。彼らのライヴはもう何度目か分からないぐらい出かけているし、そのたびに記事を書いているが、僕は直近2回は見逃していて、昨年5月以来だ。

 18時開場、18時半開演。

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 ステラはヴォーカルなしで、ギター、ヴァイオリンアコーディオンピアノ、ベース、ドラム、パーカッションというロックバンドとしてはちょっと変わった楽器編成の7人組。現在、パーカッションの正規メンバーが不在で今回も相川瞳さんがゲスト出演。ゲストといっても、最近、彼女はステラの音楽にとって不可欠な存在になりつつあり、ほとんどレギュラーメンバーになっているのだが。

 STELLA LEE JONES

  平田聡   ギター

  佐藤真也  ピアノ&キーボード

  入山ひとみ ヴァイオリン

  佐々木絵実 アコーディオン

  佐野俊介  ベース

  谷本朋翼  ドラムス

  相川瞳   パーカッション&ヴィブラフォン

 

 今日のライヴは6台のビデオカメラがセットされており、この先、映像作品の登場を期待したくなる。リーダーの平田氏によれば、「今日の撮影が何を意味するかは私にもわかりません」ということだったが。

 ステージにメンバーが登場し、効果音で駅の雑踏のノイズが流れると、相川さんのホイッスルが発車の合図。エレクトリックヴァイオリンが汽笛を鳴らし、アコーディオンが蒸気機関車のドラフト音を、パーカッションとギターが徐々に加速する列車の走行音を再現し、疾走感あふれる「Parallel Railways」からライヴがスタート。ヴァイオリンが京浜急行の電車のインバータ音を再現するのもすっかりおなじみだ。

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 ロック、ジャズクラシック現代音楽映画音楽など様々な音楽要素が入り乱れ、変拍子を多用した複雑なリズムに乗って、曲がどのように展開するのか、初めて聴く人にはなかなか先が読めないのだが、そこが彼らの音楽の持ち味であり、魅力でもある。

 演奏するのがとても大変そうな難曲「Mirror」ではウインドチャイムが倒れるハプニングがあったり、「Synapse」では相川さんのヴィブラフォン・ソロがフィーチュアされる新機軸も。ヴィブラフォン好きとしては嬉しい展開。

 ステラの数あるレパートリーの中でも聴きたい曲としてパッと頭に浮かぶ曲が次々と演奏され、時空を超え、国境を越えて、世界中を旅するような、めくるめく音楽体験を堪能した。どの曲もどの曲もいつまでもずっと聴いていたい、終わってほしくない、と思ってしまう。

 「燃えよドラゴン」へのオマージュであり、まさに香港・九龍城に迷い込んだような「Jigsaw Cats」

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 ステラの楽曲の中でも穏やかでポップで万人向き(?)の「August Showers」

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 寺山修司の未発表の詩に曲をつけたステラ初のヴォーカル入りの作品も演奏されたが、今日は歌なしのインスト・ヴァージョン。次回のライヴではゲストヴォーカリストを迎えて披露される予定とか。実は今日の客席にそのヴォーカルの人が来ていたらしい。

 ステラのライヴといえば、緊張感あふれる演奏と曲の合間のトークのグダグダ感のギャップというのも大きな魅力だと思っているが、今回はカメラが回っているせいか、トークは控えめ…かと思ったら、終盤になって、いつもの感じになってきた。平田氏がメンバー紹介でベースの佐野氏を紹介し忘れるとか。

 本編最後はドラムとパーカッションのバトルをはさんだ「Ring」。この後、平田氏がアンコール後にすべき挨拶を始めてしまったので、メンバーはそのままステージに残ってアンコールの「The 15th Worriors」を演奏。終演後には観客も一緒に記念撮影。

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(おまけ)井の頭公園の夕景。

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2017-09-02

[]Acoustic Asturias 09:29

 南青山のMANDALAでアコースティック・アストゥーリアスのライヴ。

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 近年はロックバンド形式のエレクトリック編成での活動がメインになっているアストゥーリアスだが、今回はヴァイオリンクラリネットピアノ、ギターの室内楽編成のアコアス。

 クラリネット奏者の筒井香織さんが2年間の予定でパリに留学して、そのまま音楽活動の拠点をあちらに移してしまったようで、すでに5年が経過。作曲や演奏だけでなく、教えたりもしているらしい。今回は筒井さんの一時帰国のタイミングに合わせてのライヴ実現で、2012年7月以来、5年ぶりとなる。ところが、リーダーの大山曜さんが手首を痛めてギターが弾けず、今回は代役として西村健さんが出演と予告されていた。ということで、今日のメンバー。

 川越好博(Pf)、筒井香織(Cl,Recorder)、テイセナ(Vln)、西村健(G) 

 17時半開場で18時半開演。客席は満員の盛況。

 実は今日はアコアスとファン層が重なっているアーティストのライブがいくつかあって、恐らくここにいる多くの人がどこへ行こうかと迷ったり、なんで同じ日にやるんだよぉ〜と叫びたくなるような日なのだ。個人的にはステラ・リー・ジョーンズのライヴとかぶったのが悲しい。どちらかが日曜日にしてくれたら最高の週末だったのに。

 というわけで、メンバーも今日はどれぐらいのお客さんが来てくれるのか、心配だったらしいのだが、満員ということで、感謝の言葉を何度も口にしていた。

 さて、開演前に大山氏が拍手に迎えられて登場。古傷の左手首をまた痛めてガットギターの弦を抑えるのがまだ難しいこと、(エレアスの)ベースギターはすでに弾き始めていることなど話したうえで、今日はギターを西村ケンさんにお願いしましたとのこと。また今日演奏する新曲についての解説、自分もアコアスの演奏を客席から観るのは初めてなので楽しみだ、などと語ってステージを下り、続いて川越氏を先頭にメンバー登場。

 1曲目はピアノの幻想的なイントロから始まる「WATARIDORI」。この会場はグランドピアノがあるのが嬉しい。そこにヴァイオリンクラリネットがまさに大空を舞う渡り鳥のように優雅に歌いだす。

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ヴァイオリンは前任の伊藤恭子さんの時代)

 今日はわりと良い席が取れて、ステージがものすごく近いこともあり、音楽がダイレクトに心に染み込んでくる。感動する。

 西村氏のギターは聴きなれた大山氏の音とはまた微妙に違った感じで、そこがまたよい。クラシックで同じ曲でも演奏者が違えば、音楽も違って聞こえるというのと同じ。個人的にはいつかアストゥーリアスの曲を全く違う演奏者で聴いてみたい、なんてことを考えたりもする。また、彼らの音楽をライヴハウスではなく、コンサートホールで聴いてみたい、なんてことも夢想する。実際、過去には筒井さんが出演するクラシックのコンサートにアコアスで出て、大絶賛を浴びたということもあったのだ。

 2曲目は「Adolescencia」。川越氏とテイさんが視線を交わし、息を合わせて同時に弾きだす。緊張感のある美しさ。力強いピアノとギターがリズムを刻んで曲を下から支え、ヴァイオリンクラリネットがソロで歌ったり、掛け合ったり、ハーモニーを奏でたり、というのが基本的なスタイルで、もちろんピアノやギターもソロやアンサンブルで聴かせどころがたっぷり。変拍子だらけで、演奏難度は非常に高そうだけれど、聴く側からすれば、難解なことは何もない。もちろん、この手のユニットにありがちな凡庸さとは無縁だ。

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 ふだんのアストゥーリアスのライヴでは基本的に大山氏がMCを担当するのだが、今日は川越氏が担当。

「先ほど大山さんが西村ケンと紹介しましたけど、西村タケシさんです」と改めて紹介。

 会場爆笑。大山さん、うっかり間違えたのか、それとも今まで知らなかったのか???

 西村さん、川越氏とは某シンガーソングライターのバックで演奏していた頃からの10年来の知り合いで、同じ北海道出身、しかも小学校も同じで、同じ戌年とのこと。アコアスのギターはテクニックだけでなく、曲全体の構造、構成を一瞬で把握できる能力が必要で、代役には西村氏が適任だと思ったとのこと。曲を完全に理解している作曲者本人(大山氏)が弾くパートを他人が弾く場合、ただ譜面通りに演奏するというだけでは足りない、譜面にならない部分まで理解する能力が求められるということなのだろう。

 こんな調子で書いていくと、いつまでたっても終わらなくなるので、あとは簡単に済ますが、ライヴは休憩をはさんだ2部構成。女性陣は後半は衣装をチェンジして出てきた。

 そして、今日のMCは川越氏とともにテイさんもマイクを握る。テイさんは僕が知る限りステージではまず喋らない人なので、声を聞けるだけでも貴重だ。少なくとも、アストゥーリアスのステージでは過去に一度、告知でちょこっと喋ったぐらいではないか。ただ、ふたりとも喋りは苦手なのか、MC原稿をしっかり準備して、それを見ながら話している。ほかのメンバーが譜面台を見ながら演奏しているのにテイさんはいつも通り今日も譜面台ナシなのだが、MCはそうはいかないようだった。

 そして、誰もが興味のある筒井さんのフランス生活の話も。5年前はまったく話せなかったフランス語も今はペラペラだそうだ。ついでに今日はわざわざフランスからアコアスを聴きに来たファンもいるようだった。彼らの最初のアルバムはフランスのレーベルから全世界発売されたし、過去にフランスでツアーもやっているので、現地にもファンはたくさんいるのだ。実際、彼らの音楽がヨーロッパで受けないはずはない。

 それから来年は日仏国交180年(と筒井さんは言っていたが、160年では?)の記念コンサートが両国でいくつか開催され、筒井さんの作品(といっても現代音楽らしい)も演奏されるそうだ。この分では筒井さんのフランス生活はまだ続きそうなのだが、できれば年に一度ぐらいは帰国してアコアスのライヴをやってほしい。

 とにかく、久々のアコアスなので、聴きたい曲は山ほどあるのだが、本編最後は「Marching Grass on the Hill」だった。誰もが、アノ曲を聴かなければ帰れない、と思うような曲がまだ少なくとも2曲はあるよなぁ、と思っていたら、予想通り、その2曲がアンコールだった。「Distance」と「Ryu-Hyo」。

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 もちろん、素晴らしい演奏で、大満足だったけれど、いつまでも聴いていたい、ずっと終わってほしくない、そう思わせるライヴだった。

 今回はトークも多めで、全体で2時間半ぐらいだったかな。

 会場を出て、外苑前の駅へ歩いていくと、やたらに神宮球場帰りのカープファンが目に付いた。スタバの店内など赤一色だった。ホームのスワローズファンが少なかったのは、負けたのでさっさと帰ったからだとあとで分かる。

 この日のライヴのダイジェスト映像。

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2017-06-15

[]さよならポニーテール/夢みる惑星 06:21

 さよならポニーテールの4枚目のアルバム『夢みる惑星』が6月7日に発売され、その日に入手した。

 さよポニといえば、みぃな、なっちゃん、あゆみん、しゅか、ゆゆ、という5人のヴォーカルの女の子を中心とするグループだが、活動拠点をインターネット上に置き、ライヴは一切行わず、メンバーはイラストやマンガで表現されたヴィジュアル以外正体を明らかにしないという謎のユニットである。しかも、同じグループのメンバーが一堂に会したことはなく、トータルプロデュースのクロネコ氏などごく一部の中心メンバー以外はほかのメンバーに会ったことがなく、お互いの顔も素性も何も知らないらしい。

 このあたりについては過去にも記事を書いた。

 「ポップグループの最新型『さよならポニーテール』という存在」

  http://d.hatena.ne.jp/peepooblue/20130821

 イラストで表現されたキャラクターと、それぞれのキャラを演じる実在の個人の関係はアニメにおける登場キャラクターと声優の関係にも似ているが、さよポニの場合、それぞれのキャラをどんな人が演じているのか、そのあたりが完全に秘匿されている。ファンにとって正体不明なだけでなく、メンバーにとっても自分以外のメンバーは正体不明なのだ。

 そんな中で、イラストやマンガによって、さよポニのヴィジュアル面を表現し、さらにツイッターやフェイスブックといったSNSを通じた情報発信も担当していたのが、「神さま」という役職名を持つメンバー。初代神さまが「ゆりたん」、2代目神さまが「ちぃたん」。神さまが変わることで、ヴィジュアルも変化した。

 初代神さま「ゆりたん」時代のさよならポニーテール。しゅか、ゆゆ加入前。

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 2代目神さま「ちぃたん」時代のさよならポニーテール

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 「神さま」はこれからも交代していく、と予告されていて、3年半続いた2代目神さま「ちぃたん」の時代が昨年12月26日で終了。しかし、新しい神さまが登場することはなく、そこから神さま不在の第三シーズンが始まった。アニメでいえば声優だけがいて、絵がない状態。しかし、これは当初から予定されていたことではあるらしい。

 神さま不在のさよならポニーテール

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 ここには5人の女性が登場していて、それがヴォーカルの5人に相当することは明らかだが、容貌は確認できないし、いわゆる「中の人」が実際に姿を現したものなのかどうかも分からない。さよならポニーテールのMVにはこれまでにもメンバーとは無関係のアイドル、女優、モデルなどが多数登場している。

 とにかく、このような状況になったさよポニの新しいアルバムが登場したわけだ。

夢みる惑星

夢みる惑星

 ふっくん、324P、マウマウ、メグ、クロネコという5人のメンバーがそれぞれに作詞・作曲した多彩な12曲が収録されているが、通して聴くと、「終わり」とか「別れ」を予感させるようなワードが数多く耳に残り、寂しさを湛えた作品集にも感じられる。

 クロネコ作品「わ〜るど2」ではキャンディーズの「微笑がえし」みたいに歌詞の中に過去のさよポニ作品のタイトルが散りばめられたりもしている。

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「ねぇ、知ってた? この世界にも いつか終わりがあるんだって」

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 全12曲メドレー。

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 この動画の最後で5枚目のアルバム「君は僕の宇宙」が予告されているね。

 さよポニワールドにはまだ続きがあるようだ。