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2005年09月16日(金) 梅田望夫さん講演ログ

[] フォーサイトクラブセミナーウェブ社会『大変化』への正しい対応・間違った対応」梅田望夫さん講演ログ

 仕事を早めに切り上げて梅田望夫(id:umedamochio)さん講演に行ってきました。私はフォーサイト誌の読者ではありませんが、フォーサイトクラブ・セミナーのお知らせを読んで講演の開催を知りました。ダメモトで抽選に申し込んだら当たった次第。

 以下は私が講演を聴きながらPCキーボードを叩いて記録したログです。


 このログをご覧になる方にお願いしたいのですが、「ここに書いてあることが梅田さんの講演内容100%ではない、内容が正しいかもわからない」ということをご承知ください。

 できるだけがんばって追いつきましたが、梅田さんのお話を正しく、完全に書き取れたわけではありません。ログを取りながら梅田さんの話の展開について行けなくて取りこぼした部分や、帰りの電車記憶を頼りに追加修正した部分が結構あります。

 梅田さんがblogエントリに書かれたなかで、今回の話に関連すると思う話題にリンクを張っています。もしも「これは、このblogエントリと関連しているのでは?」と思う点がありましたら教えていただけると幸甚です。

 それではお楽しみください。


編集長からご紹介

梅田望夫さんです

今日の観衆は、ほとんどがフォーサイトの定期購読者だが、100名ほどブログ読者や、新聞で知った人が来ています。

フォーサイト6月号梅田さんの論文が大きな反響を呼びましたが、

今日はその先、その大変化に対応するにはどうしたらいいのかを話して頂きます。


梅田さん登場

こんなにたくさん人が来るかとは思っていなかったので緊張してます。

みなさんの時間を無駄にしないように一生懸命やるのでよろしく。


最初に、このセミナー存在インターネットで知った人?

(1/3くらい?挙手)

インターネットでアナウンスがあったことを知らない人?

(1/3くらい?挙手)


大体半々くらいですかね


この2つの集団が

全く分かり合えない別世界を作ってしまうのではと思っている


なぜならインターネット集団はそれが当たり前だと思っているのでそれを説明できない

一方インターネット使ってない人は中で何が起きているのか想像できない

このままだとわかりあえない世界になっちゃうなーと

この2つの世界に少しでも橋渡しできればと思います。


後半は質疑応答なので、質問してくれたら何でも答えます。


不特定多数無限大

インターネットの進化

これまでの10年、次の十年、その先10年と進んでいく上でその本質ってなんだ


本質の本質を抽出すると、

不特定多数無限大と(を)同時に○○するコストがゼロに近づいていくこと


不特定多数無限大」というのがキーワード


例えばテレビを放送するというのは不特定多数無限大に影響を与えるということだが、

昔はテレビ局みたいにテレビを持っていなかったらこういうことはできなかった


コストが問題

コストをいっぱいかければ不特定多数無限大に何かするというのは昔からできた

インターネットはこのコストを下げる


blogというのがあるけど

不特定多数無限大に向けてそれぞれの人が放送することが可能になっているということ


そういうことをやりたいと思ったときに1000万円かかる、500万円だと誰もやらない

100万円だとマニアがやりはじめて、もっと下がれば…

コストがゼロに近づくことがインターネットの本質


1億人から1円ずつ

子供の頃見たこんな夢

「1億人から1年に1円ずつもらえたらいいのになぁ」


素朴な子供の疑問みたいなもんだけど、こういうことをイメージしたことある

大人になるとムリと思って考えないけど


1円だったら何とかなる

例えば今日来た人に私(梅田)が1円くださいといって回ればくれるかも


でも実際に街中でやったら30人くらいでつかれちゃう


でもインターネットというのは

例えば1億人から1円集めるコストがゼロになったらどうだろう?

ということを考えられる


1億人を時間で考えると、

1万人が8時間働くと、8万時間

8万時間ってどういうことだろうと思って、働く人の数を増やしていくと

1万人の8時間というのは10万人なら48分

100万なら4.5分

1000万人なら38.8秒

1億人になったら大体3秒集めればいい


1億人から3秒集めるなんてできないよねーというのが

今までの世界の常識

いますぐはできないけど、1億人から3秒集めてきて、1万人が8時間と同じ価値のものを作ろう

こういうのがインターネット


インターネットにさわったことがない人にはピンとこないかもしれないけど

こういうことがいいたい


量子力学

インターネット(pekeq:このあと落としてしまった)


いつもこれからどう進化していくかを考えているんだけど


ふと、量子力学の解説の本を読んでいて思ったこと

ファインマンという物理学者

物理学(asin:4000077112)という教科書の名著を書いています。


その教科書は5巻目(asin:4000077155)から量子力学になる

1−4巻はニュートン力学

量子力学というのは非常に大きさが小さいものに対する学問


1巻から4巻でニュートン力学を学んできたその読者に対して

5巻目の冒頭で、

「諸君がこれまでに見たことのある何物にも似ていない」と書いている


今までの力学の頭で量子力学のことを読んだら、絶対わからない

「今まで諸君の読んだものとは全く違うから、丸ごと理解してくれ」と書いているわけ


ファインマンという量子力学の大家がこういう風に考えているというのが

非常に理解できる


これからの話をアナロジーで考えると間違えます

丸ごと、そういうもんかと受け入れて


ネット世界の4大法則と3大潮流

これが最近の研究成果


ネット世界の4大法則と3大潮流


ファインマンがこれまでに見た何者にも似てないと言ったのと同じで

これから言うことはこれまでに見た何者にも似てないというわけです


何故この4法則を考えたかというベースがこの3つの潮流

(pekeq:チャート上は逆順で並んでいたが、話す順番は下からだった)

1.インターネット

これはわかりますよね


2.チープ革命

ムーアの法則というのがあって、

ITの世界はこれがなかったら面白くなかっただろうなーと思います

同じ性能のものが毎年20-30%くらい値下がりする

べき乗で効いてくるので、10,20年たつと信じられない値段になる

こういうどんどん安くなるという法則が、もう40年ITの世界では続いてる

つまり不特定多数無限大というののコストがどんどん下がっている


3.オープンソース

自分がアメリカに渡った後、この11年の経験の中で一番不思議だった

インターネットソースがおかれると、その向こうにいる人、不特定多数無限大の人が

そういうのを発見して、面白いからいじってみようかなという人がどんどん出てくる

そうするとMSみたいに金かけているものよりもいいものができちゃう


昼間は別の仕事をしてよるちょこっと趣味でソースを書く人がいて、

インターネットがそういう人の力を集積する


オープンソースというのは、不特定多数無限大に開かれたインターネットの性質を

証明した最初の例だと思う

これからどうなるんだろという不思議な予感がする


若い人にとってオープンソースでものが作れるんだというのは自信になっていると思う

企業が強制力を使わなくてもすばらしいものができるという例示


最近のUSで話題になっているのが、

不特定多数無限大の人が、自発的に協力

すると何ができるんだろう? というコンセプトが多い


この3つの要素が閾値をこえて、以下の法則ができてきた


  • 第1法則:神の視点からの世界理解
  • 第2法則:ネット上に作った人間の分身が金を稼いでくれる新しい経済圏
  • 第3法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=something
  • 第4法則:オープンにすると何かが生まれる
第1法則:神の視点からの世界理解

人間一人一人は神の視点はもてない

人は飛行機に乗っても鳥の視点になれない


ところがインターネットというのはその向こうにいる不特定多数無限大の人が何をやっているかというのを見ようと思えば見れる

googleというのはサーチエンジンで、キーワードを入れるとマッチするページが出る


googleが持っているシステム世界中サイトに何が書いてあるかを神の視点で把握している

把握しているから検索すると0.5秒でぱーんと返してくれる


神の視点で検索するというのを創業7年くらいの会社がしてる

インターネットの会社というのは多かれ少なかれ会員が何をしているか記録しているし見ることができる

この性質は、リアルの世界ではどこにもない


第2法則:ネット上に作った人間の分身が金を稼いでくれる新しい経済圏

僕らみんなリアルな世界で生きている。働いてる

ところがインターネットの上にサイトを作るというのは自分の分身を作ること

分身は24時間活動できる

プログラムを書く、あるいはかかなくても何かをすることはできる(pekeq:アフィリエイトとか?)


最近の自分の分身をインターネットにおく

blog作る、サイト作る

そうすると金儲けができる


自分の分身をインターネット

すごくいいかげんにやっても1日100円稼げる

そんなにないかな。でも1月3000円か。そんぐらいはいけると思う

1日1000円は工夫しないといけないけど


月に500円くらい稼ぐような話題は日本みたいな先進国だとあんまり話題にならないけど

でも発展途上国なら月に$30とか稼いでくれるとしたらえらいことだ


先進国だとはぁ?てな感じだけど、発展途上国だと大ニュース

だからそういう国の人は興奮してる

(pekeq:RMTとか?)


第3法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=something

消えて失われていったはずの価値の集積


無限大からゼロに近いものを集める


1億人から3秒集めたら、1万人が1日働いたのと同じこと

普通、3秒というのは消えていくだけの時間

その価値を集めることができるようになった。


価値を集めるのにコストがかかったら集めようと思うやつはいない

1人から1円集めるのに10円かかったら損するだけ

でもインターネットムーアの法則コストがどんどん下がる


まだ効率はすごい悪いけど、できるかもしれない

そういう仕組みを作ったらすごいことになるかも


第4法則:オープンにすると何かが生まれる

日本企業とは正反対(クローズにしようとする)


オープンにすると、どっかの誰かが知らない間に何かできてくる


私は野球が好きで

フィールド・オブ・ドリームスという映画があって

その中のセリフ:if you build it, they will come

「場を作れば何かが生まれる」


20代の人は体で結構わかっていることが多い

旧世代の人にはいくら説明してもわかってくれない

いつもやってるから、わかってくれないことがよくわかる


オープンにするしないというので軋轢があるんですよね



これらのキーワードを憶えて帰ってくれればもとはとってもらえたかなと


Google

こういう性質を全部集めたのがGoogleという企業

(pekeq:でもGoogleってオープンかなーー??)

詳しい話はいまはしませんが



総表現社

(pekeq:切り替わり直後を落としてしまった)

総表現社会の到来

プロフェショナルとは誰かを認定する権威の交代

(富の分配メカニズムもシステムが内包)


これまでは自分が作ったものとか、考えを見てもらいたいというのは

限られた人に許された特権


メディアというのがその中の中核

出版、テレビ


メディアというのが表現できるプロフェッショナルを認定していた

新聞記者音楽家、何にしてもメディアが誰が表現して良いかというのを認定する権威だった


これをテクノロジーというのが変えようとしている


日本で1億人のうち、表現できる立場にいる人は1万人くらいじゃないだろうか。

新聞記者、その他表現できる立場にある人


1億人のうち1万人というのは1万人に一人 そういう人はすごい人なのか?

そういう人は1万人に1人のすごい人という存在、天才ではない。


世の中で表現できる立場にいる人は、いままで単なる偶然でそこにいるだけで

能力的に優れているわけではないわけ


例えばここにいる人みんなが表現を許されたとしたら、

今までよりすごいものがどんどん出てくるんじゃない?


そういう考えから我々は遠ざかっている。

学歴社会とか、出版社に認めてもらってとか、音楽大学出るとかしないと認定されない


でも人間の能力というのは多彩で、もっと表現できる人はいっぱいいるかもしれない


こういう人がみんな表現できるようになると、

総表現社会になる


総表現社会になったとしても、我々の時間は有限

それでも総表現社会になっていく理由

500万人がわーわー言っている中で、いるもの・いらないものを振り分ける技術が進んでくる

総表現社会の中から、自分にあったものを抽出してくれるテクノロジーがあれば

今までよりもっと素晴らしい面白いものが見られるのかも


テクノロジーによる抽出というのは、

今回主催されている新潮社とか出版社には恐ろしいけど、みんなには素晴らしいもの


ネット新時代に対応するための7原則

ネット新時代に対応するための7原則

皆さんの手元にコピーがあるよ

  • 1.アナロジーで考えてはいけない
  • 2.「ムーアの法則」を信じ、「おっちょこちょい」であれ
  • 3.Only the Paranoid Survive(アンディ・グローブを思いだそう)
  • 4.「時間の使い方の優先順位」を変えないと何も変わらない
  • 5.新しい現象に対し、「古い感覚を総動員した理論武装」で戦うな
  • 6.若い人に教わることを忌避するな
  • 7.Never Too Late

1.アナロジーで考えてはいけない(ファインマン先生を思い出そう)

例えば、それはセブンイレブンシステムと同じじゃないかとか

似ているところはあるけどそういう風に考えないでほしい


頭のいい人ほどアナロジーで考えて結局本質をわからない

丸ごと信じて


2.「ムーアの法則」を信じ、「おっちょこちょい」であれ

若い人に聞いて欲しい


ムーアの法則

3年で4倍ぐらいというのを信じると、すごい可能性が広がってくる


今は高くて買えなくても、何年かたったら買えるなーと


尊敬するベンチャーキャピタリストが言っていたこと

「自分がやってきたことはムーアの法則を信じて、ちょっと頭を使っただけだ」


ムーアの法則を信じるというのは

今はできなくてもいつかできると信じていくこと


こーゆーことが実現するだろうなと思った10個が実現するかと言えば

そのうち1個くらいしか実現しない


1個しか実現しないよーと思って追わないのが普通の人

10個実現すると思って全部追っかける、で9個はスカでもやるひとがおっちょこちょい

そういう態度でやってほしい


3.Only the Paranoid Survive(アンディ・グローブを思いだそう)

アンディ・グローブ

paranoid - すごい心配性


ほとんどの人は1つ前のルールで生きているから、

これまでOKだからこれからもOKじゃない?と思ってる


どうもこれダメじゃない?ダメになるんじゃないかな、いずれ古くなるんじゃないかなー

という心配性な人でないとITでは生き残れないというのがアンディ・グローブの言ったこと


これがIntelの会社の考え方


こういう考えがないと生き残れない。


4.「時間の使い方の優先順位」を変えないと何も変わらない

じゃー何か変えようと思ったときに、

明日からどうすると思ったら、思うだけだと何も変わらない


一番大事なのはお金ではなく時間の使い方を変えること


梅田例:

いまフォーサイトの連載10年目


2002年パラノイアになって

今までと同じ生き方をしていては10年先につまらんない人間になっちゃう

時間の優先順位を変えた


フォーサイトは歴代の編集長と仲が良かったのでやめなかったけど、

時間を取られる既存のメディアにかくのはやめた

自分より年上の人と会うのはお金をくれるときだけだと決めた(笑)


でもできるだけ自分より年下の人といっぱい会おうと思った

毎日blogを書くようにして、続けてる

そういうのがウケているから今日も人がいっぱいきてくれたのかなー


いくつかの仕事をやめて、NPOを作った

今日も何人か仲間が来てます。

若い人がUSでも活躍できるグローバルに活躍できるように

1万人というのはアイキャッチだけど、春・秋に20人くらい若い人をシリコンバレーに呼んで

仲間達と一緒にいろいろやってる


はてなの取締役をやってます。

日本でもっとも面白いベンチャー


はてなの取締役になることができたことを

年上の人からは、まー当然ですよねーと言われるけどそれは違って

若い人と一緒にやっているからはてなの取締役として選んでくれたと思っている

数ある大人の中から自分を選んでくれた。それがうれしかった


5.新しい現象に対し、「古い感覚を総動員した理論武装」で戦うな

フォーサイト読者に言いたい

読者は一つ前の世代で最も優れた人が多い

一つ前というと失礼だな。今の世界でもっとも優れた仕事をされている方々


一つ前の世代で最も優れた人が、新しい世代でもっともやっかいな人になる


これがもう大変な問題

自信があるから何でもわかるとおもっているんだけど、

一つ前の考え方で理論武装して戦ってくる

これがえらいことだ。


これが大変なパラドックスになっていて、ここをどうにかしないと

時間の優先順位を変えて、一番大切なものを捨てなくちゃいけない


6.若い人に教わることを忌避するな

若い人に教わること

はてなに入って、どんだけ若い人に教わっただろう

教えることもあるけど、学ぶことの方が多い


前世代は次世代に教わらなくちゃいけない。

でも前世代は絶対にそういうことをしない。


以前やった仕事で、講演することになって、若い人を入れてくれとお願いした

話すときに、一番若い人誰ー?と聞いたら23歳だった。大学出たて

終わった後、日本だと、質問というのは年上からしてくる

そうすると、若い人がこいつはなんてバカな質問してるんだろうという顔をしている


最後に23歳に感想を聞いたら、

全部知っていることばっかりでつまんないことでしたと言われた


最後、トップの人にシリコンバレーから自分を呼ぶんじゃなくて、

この人に聞けばいいじゃない?と言ってしまった


どうしても上の人から下の人をみるとダメに見える

上から見れば下は絶対ダメな部分はあるけど、そこから教わらないと


7.Never Too Late

で、こういうのはNever Too Lateですから

今からでもやりましょう


講演終了

休憩時間

バッテリー残量64%

内容drop率20-30%くらい? 早口でバンバン進んでいたのでキーボードの回転がおいつかなかった

そんな話題が細かく変わる中で、はてなの話題をすごく大切な感じで話していた


この間に質問の回収があった。


質疑応答

編集長

このビル9時にしまっちゃうんです。

時間押してます。(いま8時15分)

8時50分まで質疑応答やります


Sさん

質問:

日本的企業に勤めてます

質問なんですけど、シリコンバレーに長くいらっしゃるそうなんですが

ぼく今27歳なんですが

20代くらいのシリコンバレーの若者と、日本の若者の違い

日本人特有の特徴とかありますか?


梅田さん:

いきなり難しい質問でーー

シリコンバレーにいる人と日本の人の一番の違いは、

シリコンバレーの人の方がものはあんまり知らないかもしれないけど積極的に何かやろうとする

日本の人は全部勉強しないと何かやっちゃいけないと思ってる


シリコンバレーの人は、全て知らないと自分を表現できないとは思っていなくて、

面白いと思ったらどんどんやってく

日本の人は、欠点をなくしてからその上に表現しないきゃいけないと思ってる

表に向かって発信しない、バカって言われたら恥ずかしいと思ってる


ポテンシャルは変わらないと思ってます


シリコンバレーのひととか、表現していることは実はたいしたことがないことも多いんだけど

どんどん出す

日本の人はまじめで、全部勉強しないといけないとおもってる


次の人

質問:

デジタルデバイドと言われますが、高齢者がそれに当たると一般的に思われていますが

10,20代の若い人にPCいじれないとか、インターネットを知らないとかいう人もいる

学校で話をしていたらblogを知らないとか言われた(私は教員ではないですが)


梅田さん:

それは深刻な問題だと思っていて、インターネットを知らなくてもいいんだけど、

ITやインターネットは能力増幅器。自分でやりたい人はどこまでも延びていく


それを徹底活用して、いけるところまでいこーぜーという人と、

先まで行く気がぜんぜんない人


私が若い人いい、というのは前者の人

一方、言われたことだけやってもいい大学が出られちゃう時代なので

こんないい大学出てるのに、こんなこともできないのかーという人もいる

そういうのが問題だと思います。


Kさん

質問:

blogも読んでますがFaceToFaceで話を聞くと説得力が違う

シリコンバレーが発展してるのもそのへんなんでしょうか

梅田さん:

シリコンバレーのシリコンバレーたるゆえん

反骨精神。シリコンバレーにあるのは反骨、反体制、反establishment

新しいものをおもしろがって

権威が交代するのを喜ぶ。それをテクノロジーが実現するような

カウンターカルチャー

そういう中からApple, Googleが生まれた


既存ものを壊そう。それは正しいことだ

そこに金、人が集まってくる


シリコンバレーの機能というのは日本だったり中国だったりEUにもあるんだけど、

どっかでチキンなところがあって、別にぶっこわさなくても

自分がこの世界の端っこにいればいいじゃんとか思うんだけど

シリコンバレーにはいけるところまでいこーぜーという感じがある


Mさん

質問:

選挙関連

梅田さんのblogの中で、

blogが力を持って、選挙屋さんが驚くようなことになるんでは?と書いてあったが

どうよ?


梅田さん:

影響出たと思う。

政治のプロの人が、小泉さん自信は総選挙に出る際に絶対勝つと思っていたけど、

最初は誰も(どの政治のプロの人も)そんなこと信じていなかったと言っていた


私は小泉圧勝を予測してたんですけどね

今更言ってもしょうがないけど(編集長さんから、そういうメールをだいぶ前の段階でもらいましたとフォロー)


いろんなblogをみると、みんな小泉支持

普段は反自民なのに、今回は小泉だといってる


総表現社

1億人いるとしたら、総表現社会の担い手としては1000万人はいるのでは

残り9000万は読む人

いまblogを書いているのはその1000万の人

その人々が周りや家族に影響を与える


そういうひとのほとんどが、かなり早い時期から今回は小泉だといっていた

これはえらいことだと

でも選挙屋さんは1万人の目線でみてるからわからない。


Kさん

質問:

googleについて

みんなの意見をテクノロジーを使ってリストアップしていく

梅田さんの言葉だとそのテクノロジーを使ってランク付けされた順位が常に最善だという感じだけど

でもその順位を操作して、世をリードする可能性があるんじゃないかと

googleならgoogleという組織を玉石混合から玉だけを抜くものとして信用していいの?


梅田さん:

googleというのは大変な怪物となる

情報を全部押さえてしまう

そういうパワーがあるというのに気づいている人は日本では少ない

余談だけど、

将棋の羽生さんと半年前に食事したとき

将棋ファンだから嬉しくてしょうがなくて、でも将棋の話ばっかしててもあれかなーとおもって

彼に自分の書いたものを送った。

こういうのをクライアント企業でもなかなか理解してくれないんですよーと送ったんだけど、

羽生さんはよくわかりましたと言ってくれた

で、羽生さんからすごい鋭い質問があって、

こんな質問はIT業界の中からは聞いたことない。羽生さんイイ!


Oさん

質問:

私は若くもなくフォーサイトの典型的な読者層でもないんですが

ネット社会の中で分身が金を稼ぐ経済圏ができると、いう話だったんですが

そういうのができると今あるリアルの経済圏との関係ってどうよ。

梅田さん:

併存するでしょう。

ネットの方が半分にいくことはないでしょう。

半分以上はリアルネットが半分いくのも大変だと思う


USだといまダブルインカム、2人で稼がないとリスクが大きい

これからquad incomeになるのでは

お父さんのリアルネット

お母さんのリアルネット

この4つを会わせてやっと生計が立つ時代になるんじゃないかと

そうすると息子さんがもっと儲かるサイトネットで立てて、家庭内のパワーバランスが崩れるとか(笑)

そういう時代が来るんじゃないかな


Kさん

質問:

自動車関連の会社に勤めてます

今後10年20年に、車とネットで想起するようなことってありますか?


梅田さん:

案外変わらないんじゃないかな

ネットの影響を及ばさないものもある

ネットと車というのは、みんなの考えているより影響がないかなーと思う

うそですけど、そういう気がしてます


アメリカに住んでるとそう思う。

アメリカって日本みたいに少しづつ進歩する国じゃない

30年前の映画を見ても今と全然かわってないこともある。


日本はムリにでも結びつけようとするので、

無理矢理進化させていることがある。


ぼくはクルマとネット(pekeq:dropしてしまった「あんまりリンクしないんじゃないかと思う」、だったかな)


USにきてケチャップのビンを見ると、

どうしてケチャップのふたというのはなんで進化しないんだろうと思う


うまく出ないからバンバン振って、どどっと出てくる → ハインツ儲かるウマー


日本は技術者自己実現のためにやる


例えば、ラー油の瓶のふた。1滴ずつポタポタ出てくる

これもっと出た方がいいんじゃない?ドバっと出た方が儲かるんじゃない?と


最後にはラー油のふたにインクジェット技術を使う奴が出てくるかも(笑)


日本は(pekeq:dropしてしまった「強引に進化しちゃう」みたいなことだった)

アメリカはクルマはただ移動するだけのものでありつづけると思ってたり


次の人

質問:

日本の変化はUSに影響を与えることはあるか?


梅田さん:

日本は進みすぎ。IT立国とか言って

ありとあらゆるところでラー油のふたみたいなことが起こってる


確かに先進的マークとではあるが、

それを世界にもっていけるかというと、どうかなー


米国人は電話はかけられればいいし、と思ってる

最近の若い人は日本でどんどんイノベーションが起こっているとかいうけど、

それがワールドワイドにいけるかというとちょっと


日本よりアメリカの方が遅れてるといった話


日本だけがパラダイス的にすごい

東京に帰ってくると、なんでここが進化してんの?もういいのに。と思うことがあります


次の人

質問:

総表現社会において正しい・間違った情報が出てくるだろうけど

そういうのはどうやって担保されるんでしょうか?


梅田さん:

哲学的な世界観なんですけど

若い人は世界は49対51で正しいことが勝つとおもってる


日本のエスタブリッシュメントの人は、

ひとつ悪いところを見つけて全部悪いというけど


インターネットは真っ白にならない

でも、最後の最後で、ギリギリのところで善意とか人間のいいほうのことが

勝つという世界観が、インターネットに住んでいる人は実感してるんじゃないか


その実感というのを次の世界の人に、

日本の全てを支配しているエスタブリッシュメントの人はわからない

今日は話をきいてわかったと思っても明日起きたらわからない


blogを書ける。コメント書ける

ひどいことになることもあるけど、最後は収まる


炎上する人と収束する人をみると、その違いに

これからの世界を生きていけるかどうかの違いがある。


編集長の人:納得したひと、手をあげてくださいー 結構手があがってきたけど、明日の朝になったらどうでしょうね


次の人

編集長:若い人からの質問は梅田さんの人生観についてが多いです

質問:

捨てたもので大切なものは?(pekeq:おれの質問だ)


梅田さん:

捨てたものは

日本のエスタブリッシュメントの人たちのつながりかもしれない。

お金もらわない年上の人と会わなくなったら、結構なつかしくなって会いたいとか


日本のestablishmentはすばらしい。だからこそ私もそこにいた

でも新しい時代になってそこを減らした

イヤで減らしたわけじゃないから、やっぱりもうちょっと関係があってもいいかなーとも思う


でも時間は有限だから、それはできない。


質問:

古い感覚で判断しちゃだめというが、判断する上の基準は?


梅田さん:

なるべくおっちょこちょいであろうと

小さな芽が大きくなったら面白いかなー

育ったときに自分がいたいかなー

そういう目で見てます。


この小さな芽は育ってもあんまり関係なさそうだと思ったら

見てはいるけどかかわらないようにしてる。


小さな芽を説明すると、なんでそんなことに興味持ってるんだかわかんないとか言われる

でも、これまでの経験とかシリコンバレーの経験とかが私の中にしみこんでいて、

そういう判断ができるようになったんじゃないかなーと思う。

おしまい

mkatzmkatz 2005/09/18 08:46 講演に行けませんでしたが、ここで読めて、とてもうれしかったです。どうもありがとうございました。

konokono 2005/09/18 22:53 googleについての質問の回答で、「Googleはこのままいくと怪物になってしまうか
もしれないので要注意」みたいなコメントの後に「でもこういうことを言うと往々
にして”Googleは悪だ! 以上!”みたいな受け取られ方をするんだけど、それは止めて
ほしい」と言われていたのを覚えています。
その後に別の質問の回答として「51対49で善が勝つ」という話がありましたが
Googleの件もそこにつながっていくのでしょう...。

maha-raomaha-rao 2005/11/01 17:22 臨場感溢れる記録ありがとうございました。音声入力でこの労作が自動的に作成できるようになるのでしょうが、未来を先取りしていますね。著作権の件、厳密にはいけないのだろうけれど、下の講演ログだったら抵触しなさそうだし微妙なところです。デジタル時代の著作権は一から考え直さないとじきに空洞化してしまいかねません

maha-raomaha-rao 2005/11/01 17:22 臨場感溢れる記録ありがとうございました。音声入力でこの労作が自動的に作成できるようになるのでしょうが、未来を先取りしていますね。著作権の件、厳密にはいけないのだろうけれど、下の講演ログだったら抵触しなさそうだし微妙なところです。デジタル時代の著作権は一から考え直さないとじきに空洞化してしまいかねません