10『天地明察』沖方丁
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/12/01
- メディア: 単行本
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構成がねえ……冒頭の場面がすむと回想に入るのですが、そこからいつかは冒頭に戻るんや、と思うにしては回想がきっちりしすぎてて、冒頭を意識しながら読むべきか、この場面(ただし回想)だけに集中していいのか、中途半端な読み心地。で、「あの場面への回想なのだな」と思うと先が読めてしまうし。
それと、長い話だから「からんころん」をキープするのは難しいわ。
11『利休にたずねよ』山本兼一
- 作者: 山本兼一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/10/13
- メディア: 文庫
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「利休ものやったらこれが面白かったよ」と勧められました。うん、確かに面白かったです。『秀吉と利休』と対になってる感じ。二冊とも読むのがおすすめです。もっとも、こちらの方がずいぶん俗ですが。でも茶席のしつらえの描写などは細かくて見えるようでした。
ところで文庫本の解説は宮部みゆきさんです。利休にたずねるとしたら…の質問は愚問過ぎるような…
12『知ってる古文の知らない魅力』鈴木健一
- 作者: 鈴木健一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/05/19
- メディア: 新書
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13『下手な人生論より徒然草』荻野文子
- 作者: 荻野文子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/10/05
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で、その人生論より、「おお!徒然草にもこんな古典からの引用が!」と気づいてそれを楽しんでおりました。つまり、『知ってる古文の知らない魅力』の説が、徒然草でも実証された訳です。荻野さんはそんなおつもりはないので、「これの元ネタは中国の漢詩で…」とか全然書いていないのですが。
つれづれの引用と荻野さんの実体験は興味深く読めますが、つれづれに基づいた荻野さんの人生論の部分は斜め読みになってしまいました。
14『破獄』吉村昭
- 作者: 吉村昭
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1986/12/23
- メディア: 文庫
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とにかく刑務所から脱獄しまくる男とそれを追う人、彼らを取り巻く時代の話。吉村昭ですから、事実中心にたんたんと進んでいきます。脱走男の心理描写なんかありません。私はこういう書き方は好きですが、物足りない、と思ったら映画を見ましょう。緒形拳がやっているそうです。しらなんだ。こっちも見たい。
脱獄後、服や食べ物を民家からちょこちょこ盗んで調達するのですが、今の時代やったらこれは難しかろうなぁ。