第3回プログレッシヴ・ロック・フェス 〜真夏の夜の夢〜@日比谷野外大音楽堂

去る8/25、行ってまいりました
「第三回プログレッシブ・ロック・フェス〜真夏の夜の夢〜」

知る人ぞ知るプログレの大物たちが来日するこのフェス。
今回のメンツは

Barclay James Harvest(以下BJH)
VAN DER GRAAF GENERATOR(以下VdGG)
Goblin

というなんとまぁ濃いラインナップ。特にBJHは初来日、Goblinは昨年のイタリアンプログレフェス(秋)から一年空けずに再来日ということで、ワクワクしながら会場入り。

BJHとVdGGは詳しくないのであまり書きません。悪しからず…

1.BJH
正直ほぼ予習をしていかなかったのですが、英国らしい翳りのあるサウンド、段々陽が落ち夜の空気に変わっていくタイミングにはぴったりのバンドでした。まだPAがちゃんとできてなかったのか、ヴォーカルが少し聴こえにくかったのが残念。また野外で聴いてみたい。

2.VdGG
ピーター・ハミルが本当に凄かった。異常。いや、以上、


そして今回のお目当てのGoblin!
Goblinは「サスペリア」や「ゾンビ」といったホラー映画のサウンドトラックで人気を博したイタリアのバンド。クラウディオ・シモネッティ(key) マウリツィオ・グアリーニ(key) マッシモ・モランテ(gt) ティッタ・ターニ(Dr) ブルーノ・プレヴィターリ(Ba)の5人組。
「シャドー」「フェノミナ」等数多くのサントラ作品を残していますが、「ローラー」や「マークの幻想の旅」といった優れた非サントラ作品も世に送り出しています。

セットリストはコチラ
SE〜Magic Thriller
Mad Puppet
Dr.Frankenstein
Roller
E Suono Rock
Non Ho Sonno
L'alba Dei Morti Viventi
.Zombi
Suspiria
Tenebre
Phenomena
School At Night〜Profondo Rosso

鉄板曲盛り合わせとも言えるセットリストです。

陽も完全に落ち、紫一色に照らされるステージ。おどろおどろしいホラーなSEとともにGoblinのメンバーが登場。一曲目、Magic Thrillerからガツンとハードな音をぶつけてきます。

Goblinは元々ジャズロックに寄った演奏するバンドだったのですが、近年リズム体を若手(といっても40近い)のメタル寄りプレイヤーに入れ替えたことで、かなりヘヴィでメタリックな演奏をするバンドに変身しました。

「ゾンビ」や「サスペリア」といったサントラ曲もメタリックにアレンジされててナイス!かなり古いバンドですが音的には同世代のプログレバンドより一回り若い印象を受けます。

そしてなんといってもGoblinはステージングが楽しい。
ドラムとベースの若手二人はメタルバンドかというくらい客を煽る煽る。それにつられるようにしてヒートアップする老人(失礼)3人組。
クラウディオは飄々と演奏し、手が空くと客の方を向いて踊ったり煽ったり。
マッシモは基本的にギターを見てる感じですが、ソロでは吼えるようなしぐさをしたりヘドバン(!)もしてました。そして何故かメロイックサインを連発・・・メタル爺である。こんなアグレッシブなプログレバンドはそうそうない!お客さんは基本座って大人しかったのが少し残念でした。立ってワーワーやりたかった・・・
プログレは基本的に演奏者も観客も小難しい顔をしながら小難しい音楽を聴くジャンルなので、客層的に仕方のないことなのかも。

そんなこんなで畳み掛けるように名曲を披露しライブは終了。ちょっとPAの調子が悪くてギターがハウってたり、グリアーニのキーボードが調子悪くて危ない局面もありましたが期待を裏切らない素晴らしいパフォーマンスでした。
ウワサではまた来日するかもしれないとのことなので、プログレファン以外にも見てもらいたいバンドです。


猛暑のなか無事終わった夏のプログレフェス。次回も開催するらしいです。
もうそろそろ呼ぶ大御所もなくなってきたんだから次はアレア、バンコあたりを呼んでもらえませんかね!?まさかのキングクリムゾン!?
次回も楽しみです。

ニック・ベッグス (kajagoogoo)

一年ぶりに復活。
勉強もかねて好きなベーシスト・音楽・楽器について書こう。

とりあえずはイギリスはニューロマンティック系のバンド、kajagoogooのベーシスト
ニック・ベックスの紹介です。ヴィジュアル系の走りですね。

ブロンドの髪が綺麗ですねぇ。割と雰囲気イケメン(失礼)

さてこのkajagoogoo、80年代ど真ん中のチャラチャラしてるメンズの集まりと侮るなかれ、なかなかどうして面白い音楽を繰り出します。

チャキチャキギターに細かいドラム、音色の多いシンセ、なぜかベースはヘンテコなスラップ。うーん、なんでもあり。

この音の雰囲気、空気感、最高だと思いませんか?
フュージョン系のおしゃれなスラップでなく、妙にはっきりした発音でベキンベキン叩くスラップをする人です。レッチリに代表されるモダンなスラップともまた違った独特の文化ですね。

あと歌うたえる。

近年というかお歳を召してからはチャップマン・スティックにも取り組み、
同じくイギリスのプログレッシブロックバンドのIonaにゲスト参加したりもしています。意外と多才。

基本的にPOPな曲をやる人ですが、ちょっとひねった面白いベースを弾く人です。Duran Duranのジョン・テイラーと並んでもっと評価されていい人だと思うんだけどナァ。

Too Shy: the Best of Kajagoogoo and Limahl/+DVD

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ムビラ ジンバブエ・ショナ族の親指ピアノ

おはようございます。今回はカリンバのお化けみたいな楽器、
「ムビラ」の紹介です。オルゴールのもとになったとも。


これがムビラ。これはガリカイ・ティリコティ氏作、キーはB♭。京都のコイズミ楽器さんで購入しました。見た目のインパクトは強烈です!

ムビラはジンバブエ・ショナ族に伝わる親指ピアノの一種です。
いわゆる「カリンバ」に比べ大きく強靭なキーが特徴。

サウンドは煌びやかな倍音の中にも深みがあり、下部についている「マジャカ」というノイズ発生装置の効果もあいまって独特の音色を創り出します。

短いフレーズを繰り返し繰り返し演奏し、先祖の霊を降ろす儀式に使われていた(使われている?)楽器です。

ミニマルなリズム、マジャカによるジージーといったノイズ、歌に踊りと非常にトランシーな楽器であるといえます。

演奏風景・・・

この丸いものは「デゼ」といってムビラの音を増幅する装置です。
カリンバのように箱型のボディを持たないので、外などで演奏するときは必須のアイテムです。

大人数で演奏するとすごい迫力ですね。

ムビラは現在も職人が一つ一つ手作りで作っているそうです。
作り手の個性が色濃くでる楽器で、サウンド・クセ・ビジュアル・果てはチューニングに至るまで同じ楽器はありません。
(というかチューニングが無数にありすぎる)

とはいえ、ガリカイ氏の作るムビラはいくつかの決まったチューニングに基づいて調律されており、違うキーでの合奏が可能です。(普通は同じ職人の同じキーのムビラで合奏するのが基本だそうです。)
音楽的には一歩進んだムビラといえるでしょう。

かなり原始的な民族楽器ですが、使われる音階は西洋のそれに近く、割とコンテンポラリーな演奏にも対応できそうです。

音色は美しいので、メロディをポロンポロンと演奏するのもいいですが、やはりこの楽器が進化を発揮するのはミニマルな演奏をした時でしょう。

そういう意味では、ディジュリドゥなんかとは相性がいいかもしれませんね。


一人で弾けば瞑想できそうな深い音。多人数でやればどこまでもテンションが上げられる、非常に面白い・楽しい楽器だと思います。

日本でもムビラを専門に扱っているショップや、各地でのワークショップも行われています。
何かを始めたいと思っているアナタ、ムビラの奥深い世界に一歩踏み込んでみませんか!

Udu Utar ウドゥ・ウタール UFOみたいなウドゥドラム

ネタが入ったので更新更新。

ユニークなパーカッションのラインナップで知られるLP社が発売している
ウドゥ・ドラムシリーズ。

今回はその一つ、ウドゥ・ウタールをゲットしました。

普通の壺をひらたーくのばしたような特徴的な見た目ですね。

叩いてるところはこんな感じ・・・

ヘッドホン推奨。

平たいので、通常の壺スタイルよりもより太鼓に近い感覚で叩けます。
公式サイトのカタログにもあるように、コンガやボンゴのテクニックが応用できるよ!って感じらしいです。

太鼓プレイヤーには比較的違和感なく使える楽器でしょう。

ホールを叩いたときのベース音は低く、深みのある音。サステインも長めで心地よいです。

そしてウドゥウタールの最大の特徴であるベル。壺の首にあたる部分ですね。
ここを叩くと、カン、カンとカウベルのような抜けの良い小気味いいサウンドが!これがもう病みつき!口の部分を叩いても、口が広いためか「ポワンポワン」とウェットなサウンドが。これは他にはないオリジナリティでしょう。

ゆったりとした民族音楽調の曲に合わせて叩くとほんと気持ちいいです。
楽器としてのクオリティを上げながらも、ウドゥ本来の素朴なサウンド、叩き心地は忘れていない。万人にオススメできる楽器ですね!


他にも、LP社からは面白いウドゥが多数発売されています。
機会があって手に入ったらレビューしてみようと思います。

MR.BIG  Japan Tour 2011 @金沢

いってまいりました。MR.BIGを見に。金沢まで。

セットリストです。
1.Undertow
2.American Beauty
3.Daddy, Brother, Lover, Little Boy
4.Green-Tinted Sixties Mind
5.Take Cover
6.I Won't Get in My Way
7.Stranger in My Life
8.Once Upon a Time
9.A Little Too Loose
10.Road to Ruin
11.Still Ain't Enough for Me
12.Just Take My Heart
13.Merciless
14.I Get the Feeling
15.Where Do I Fit In?
16.The World On the Way
17.Voodoo Kiss
18.Carry On
19.Around the World
20.All the Way Up
21.As Far as I Can See
22.Addicted to That Rush

  • - - - - - - - encore 1 - - - - - - - -

23.To Be With You
24.Colorado Bulldog

  • - - - - - - - encore 2 - - - - - - - -

25.30 Days in the Hole
26.Baba O'Riley

最新作What if...からと、昔の曲もかなり。
結構充実したセットリストじゃないでしょうか?
途中のアコースティックパートでは被災地へのチャリティーソングを披露。

やはり20年来のバンド、ベテランの貫禄というか安定感のあるライブでした。
エリックも調子がよく、昔の曲も良く歌えていました。
今回ちょっと??だったのがポール・ギルバート。音作りがかなりジャキジャキしたハイ寄りの音になっており、バンドの音に負ける・・・
ソロの時は多少よかったですが、リフが聞こえない・・・
時代の移り変わりで本人のスタイルも変わってるんでしょうが、MR.BIGサウンドとしては合っていないんじゃないかなぁという印象。

対して全くぶれてないのがビリー・シーンのベース。
基本的には緑のYAMAHAで、あの音であのプレイを連発。
少し歳はとったかもしれないけど、「ビリー・シーン」としての魅力をバリバリ出していました。
ソロタイムではお決まりのというか、ビリー印のフレーズ満載w
あれを見れただけでもベーシスト的にはかなり満足。

選曲は安定の選曲って感じですが。一番感動したのはラストのBaba O'Riley。
The Whoの名曲ですね。
シーケンサーの部分をギターで再現し、ベースでピートとジョンの2役をやるMR.BIGスタイル。
そしてラストのパートでビリー・シーンの怒涛のソロ。
2階席で見てたのですが、全体的に盛り上がりがイマイチだったような・・・
カバー曲だからしかたないかもしれませんが、MR.BIGは結構やってるんですけどね。

ポールの音がうーん・・ってとこを除けば、個人的にはかなりよかったライブでした。(ビリー・シーンが見れたしね!)
まだツアーは続くので、機会があれば見に行くことをオススメします!

その後は金沢兼六園にいったり名物ハントンめしを食ったりして終了。
ごちそうさまでした。

ギター?口琴? いいえ、マウスボウです

今回は口琴とギターが合体したような面白い楽器、「マウスボウ」を紹介します。
名前を直訳すると口弓ですかね?
その名のとおり、弓状の木に弦が張ってあり、それを弾いて演奏します。

単体では非常に小さな音しか出ない楽器です。
楽器を口にあて、口腔に音を響かせ、倍音を操ります。このあたりは口琴と同じですね。
指で弦を弾いたり、スティックで弦を叩いたりして演奏します。一般的には木で叩く楽器のようですね。このあたりはカポエラで使う「ビリンバウ」に似ているかもしれません。
非常に原始的な楽器で、演奏者もそう多くは無いと思われますが、ダン・ゴッシという人が研究に研究を重ねた超高性能のマウスボウを開発したりしています。(その分お値段も高級ですが)


演奏動画です。

金属弦を叩いてるという特性上、ハイがきつめの非常にブライトなサウンドです。弓をたわませることで少し音程がベンドできます。ゴピチャンと同じ理屈ですね。
弦を指でミュートしても面白い音が出せますし、カシシ(ビリンバウと一緒に使うシェイカーの一種)なんかを手に持つのもよさそうですね。同じような方法で発音する口琴とはまた違った、非常に面白いリズムを創り出せる楽器だと思います。口琴プレイヤーはもちろん、パーカッションプレイヤーにもオススメです!

民族楽器の面白いところは、地域が違っても意外と共通点があったりするところ。民族楽器を知ることは、地域同士のつながりを知る近道になるかもしれませんね!

哲J・ディジュリドゥワークショップ&Live@民族楽器コイズミに行ってきました!

というわけで今日は日本を代表するディジュリドゥプレイヤー・哲Jさんのワークショップ&Liveを京都のコイズミ楽器さんで受けてきました!!

私が東京にいるときにも哲JさんのWSは受けたことがあるのですが、必ず何か気づくことができるWSだと思います。

まずは軽くウォーミングアップの後に口の中で作る倍音から。
そしてそれを維持したまま循環呼吸。これが曲者ですね。のどを巧く使って鼻の奥で吸うようにする・・・・うーん難しい。
一人で練習するときも呼吸の際倍音を崩さないように練習してるのですが、まだまだですね。

ディジュリドゥを演奏する上で腹筋とノドの重要性を再認識。

その後はリズムについて。
リズムを創り出す上での「呼吸」の重要性。これがまた深い!
哲Jさんのリズムを聴いてると、体感的には「楕円」のリズムだと思いましたね。
ベースでやるリズムが体に染み付いてるので、新鮮というか新たな発見が。

舌でリズムを作る際に一番難しいのが低音をしっかりつなげること!舌と唇を一緒に動かして音がブツ切になっちゃいけないんですねー。
ここをしっかりとクリアして、常にドローンが鳴っている状態にすることが一種の「ディジュリドゥらしさ」を出すポイントですね。新たな発見がいっぱいのWS
でした。


その後哲Jさんのアコースティック・ライブ。なんと2〜3mくらいの至近距離で、PA無しの生音・そしてディジュリドゥ一本の音をガッツリ堪能できるそれはもう贅沢なライブでしたー。やっぱりディジュリドゥは生で聴く楽器ですね!


小さめのイダキと大きめのジャルーイダキを使われていたのですが、私は小さい方のイダキに圧倒されました。ディジュリドゥの不思議なところで、大きいから音がでかいとかローが出るとかそういうもんでもないんですね。
もう低音がまわっちゃうんじゃないかってくらいヘヴィで、それでいて高音も煌びやか。最高のサウンドでした。

曲は、イダキを使った即興・何曲かの伝統曲。更にディジュリボーンを使ったコンテンポラリーな曲も一曲。
イダキについてや、アボリジニについて、その文化についての話も交えながらの充実の1時間。まさに倍音のシャワーを浴びてみも心もリフレッシュ!
ゆったりといい時間が流れていたと思います。最高の一日でした!



そしてなんと!来月4月には!超絶タンバリン奏者 田島隆さんのライブ&タンバリン教室がコイズミ楽器で行われるとか!

これは要チェックですよー!

タジバリンを駆使しタンバリンの概念を覆す圧倒的プレイ!ドラムとベースを同時にやってスキャットだと!?化け物かぁ!

教室もレギュラー化されるようなので要チェックですね。これを機にタンバリンはじめようかな・・・・