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世界音楽紀行

2011-03-29

ギター?口琴? いいえ、マウスボウです

今回は口琴とギターが合体したような面白い楽器、「マウスボウ」を紹介します。

名前を直訳すると口弓ですかね?

その名のとおり、弓状の木に弦が張ってあり、それを弾いて演奏します。

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単体では非常に小さな音しか出ない楽器です。

楽器を口にあて、口腔に音を響かせ、倍音を操ります。このあたりは口琴と同じですね。

指で弦を弾いたり、スティックで弦を叩いたりして演奏します。一般的には木で叩く楽器のようですね。このあたりはカポエラで使う「ビリンバウ」に似ているかもしれません。

非常に原始的な楽器で、演奏者もそう多くは無いと思われますが、ダン・ゴッシという人が研究に研究を重ねた超高性能のマウスボウを開発したりしています。(その分お値段も高級ですが)


演奏動画です。

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金属弦を叩いてるという特性上、ハイがきつめの非常にブライトなサウンドです。弓をたわませることで少し音程がベンドできます。ゴピチャンと同じ理屈ですね。

弦を指でミュートしても面白い音が出せますし、カシシ(ビリンバウと一緒に使うシェイカーの一種)なんかを手に持つのもよさそうですね。同じような方法で発音する口琴とはまた違った、非常に面白いリズムを創り出せる楽器だと思います。口琴プレイヤーはもちろん、パーカッションプレイヤーにもオススメです!

民族楽器の面白いところは、地域が違っても意外と共通点があったりするところ。民族楽器を知ることは、地域同士のつながりを知る近道になるかもしれませんね!

2011-02-07

Gjallarhorn ― そのしらべは大地の叫び

今日紹介するのは超個性的なトラッドバンド、Gjallarhorn。(ヤァラルホーン)

フィンランドスウェーデンあたりの音楽を源流にもつバンドです。

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編成が非常に面白いバンドです。

透明感のある女性ヴォーカル(たまに超音波みたいな声出す)、フィドルヴィオラといった弦楽器パーカッションが一人、そしてなんと、ディジュリドゥ(!)・口琴(!!)・ビリンバウなど倍音系の楽器を操るトミー・マンシッカ・アホというスーパープレイヤーが在籍していた一筋縄ではいかないバンド。

このヘンテコな編成で北欧トラッドをガッツリ演奏します。

北欧音楽とディジュリドゥ?と思うかもしれませんが、このトミー・マンシッカ・アホのディジュリドゥこそがGjallarhornに力強さを与える原動力です。

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1stアルバムより、中盤、トミーのディジュリドゥが入って一気にパワフルに、よりプリミティブな雰囲気が増したのがわかると思います。私はこの曲を初めて聴いたときズガンとやられました。ディジュリドゥの新たなかっこよさを見つけたというか。

文字で見るだけだと北欧トラッドディジュリドゥは結びつきにくいと思いますが、音を聞いてみると不思議なほどしっくりくる。ディジュリドゥの「リズム楽器」としての側面を垣間見ることができる気がします。

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北欧に良く見られる踊るようなリズムにもしっかりと対応。かなり主張の強いサウンドではありますが、バンドから浮いてないところが特筆すべき点でしょう。

他の楽器から埋もれがち/浮きがちなディジュリドゥを「バンドの中の一つの音として」活用している稀有な例ではないでしょうか。


しかし残念ながら2004年にトミーは脱退。

その低音部を担うのはヨーラン・モンソンというコントラバス・ブロック・フルートエクストリームに吹きこなすプレイヤー。

更なる個性をバンドに持ち込みました。まるでマシンガンのように吹いたり、一聴して吹奏楽器とは思えないようなプレイを連発。ドローン要素も受け持ちますが、音階が出るようになり新たな展開も。

4thのリムファクセからはオーケストラも導入したりしています。新たな魅力が増えましたが、独特の野性味というかまさにギャラルホルンのような力強さは失われてしまったかも。

北欧音楽に興味のある人だけでなく、ディジュリドゥプレイヤーにも是非聴いてもらいたいバンド。新たな可能性が見えてくるんじゃないでしょうか。

2011-02-03

おもしろ口琴レビュー!

今回はいくつかとてもおもしろい口琴を手に入れたのでそのレビューでも。

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左から

ラジャスタン 2弁モルチャン

ベトナム製 アクリル口琴

ゾルタン口琴 ラパット

です。見た目からしてヘンテコなのが揃いました。

まずモルチャンから。

なんと弁が2枚並んでいます。この口琴はキーの違う二枚が並んでいますが、ユニゾンやセンターに枠があるものなどいろいろあるみたい。

弾き心地はお世辞にも弾きやすいとはいえませんね。弁は硬いし、長さが違うから弾きにくいしなんかもちにくいし、初心者にはまったくオススメできません!

でも2枚同時に弾くと独特のバイブレーションが生まれ、非常に深みのある超重低音を奏でることが出来ます。弾いてると口腔内がヘヴィな感覚になります!ヘヴィすぎて歯ががくがくします。

ゾルタン口琴の「アポカリプト」や「デイジーカッター」とは全く違うベクトルのエクストリーム口琴ですね。


次にアクリル製。

おもちゃのような見た目ですがなかなかどうしてイカしたやつ。

まず軽い。非常に軽いので全くストレスがありません。形的にアーロン・シラギー型のオルタネイト弾きはやり難いのでこちら側に引く形の弾き方が良いと思います。

アクリルという材質の特徴か超高音は出にくい感じもしますが、なかなか伸びのあるサウンドは悪くないですね。

そしてラフにプレイしても弁がフレームに当たりません。その割りに音量も結構あるので初心者にもオススメできます!(鉄臭くないっていうのは女性にもいいかもNE)

めっちゃいい!!ほんといい!っていう感じじゃありませんが、つい手にとって弾いてしまう、不思議な魅力があります。

最後はゾルタン・ラパット。

ゾルタン口琴は歯に当てて演奏するのが標準ですが、これは唇にあてて演奏するタイプ。弁はかなり柔らかく、尖ってない音が心地よい。重低音の伸びを楽しみましょう。

一番のポイントは歯に負担がかからないこと!これは大きい!疲れが半減します。

息使いへのレスポンスもいいので、やり方次第では細かいリズムもいけるでしょう。

ちょっと変わった口琴をお探しのアナタへオススメ。

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弾き比べてみました。

モルチャンはヘッドフォンじゃないと聞きづらいかも。

口琴ってほんと面白いですね。世界各国にあって、どの国でも形が違うし、新しい口琴もどんどん作られている。

同じものが2つないのも非常に面白いところですね。

当ブログでは面白い口琴を募集中。世界の口琴でレアもの・エクストリームなものがあったら教えてください!

2011-01-10

ゾルタン口琴 弾き比べレビュー(2)

暇だったので今日もレビューしちゃおうと思います。

今回は少し癖のある変り種口琴がメインです。

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上から

ロココ

クワイヤー

トーテム

まず上から。

ロココです。フレームがねじれてロココ調だからロココなんでしょうか。

ねじれたフレームのせいか、少し高音に癖のある感じですが、スタンダード寄りなサウンドだと思います。

弾き心地の面では、柔らかめの弁、細めのフレーム。大きさは割とあるのでゆったり弾くのがいいんじゃないでしょうか。

次はクワイヤー。

これは非常に面白い口琴で、フレームに入った溝により倍音がコーラスします。

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こんな感じ。

息を使ったプレイをする際非常に独特の演奏感があります。引っかかるというか・・・そういった面ではタフですね。

速弾きにはあまり向いていない印象ですね。マイクを通すと面白いサウンドになるので、一本持っておいて損はないでしょう。生音は少し小さめかな?

トーテム。

重低音系に属する口琴ですね。

路線的には、ゴーレムなどと同じかな?太いフレーム、硬すぎず柔らかすぎずな弁、タフな口琴です。

サウンド的には重苦しすぎず、うるさすぎず。深みのある倍音です。

割と小回りが利くので、どっしりした演奏から速めのプレイまで対応できる、オールラウンダーの低音系です。

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こんな感じ。音量に差がありますが口琴の特徴を知ってもらうためなので、音量調整はしてません。録音環境は同じです。

比較なら同じフレーズ弾けって感じですが、口琴毎に特徴ありすぎてうまくいかないのであきらめました。腕が足りてません。

こういった一味違った口琴が多いのもゾルタンの魅力。まだまだ変なのがたくさんありますよ!!

次回はロシア口琴のレビューでもしてみようと思います。

2011-01-09

ゾルタン口琴 弾き比べレビュー(1)

不定期連載口琴レビュー。今回は以下の3種類のレビューをしようと思う。f:id:penguincafee:20110109233303j:image

上から

ブラックファイヤー

ブラックファイヤー(ベース)

ゴーレム

です。

まずブラックファイヤーから。

まず最初に驚くのは音量の大きさ。一般的な楽器店などで売っている安い口琴と比べると非常に大きく、パワフルな音です。

弁の硬さ、大きさ、重量それぞれバランスがよく、弾きやすい。愛用者が多いのも頷けます。

音の特長としては、ヘヴィすぎず軽すぎず。どちらかといえば重い方寄りな気もしますが(キー次第か?)、他の楽器と合わせるときも合わせやすいでしょう。シャープな音なので抜けもよさそうです。

弾きやすいといっても、ゾルタンの口琴はフレームと弁の間が凄まじく狭いので、初心者には難しいかも。バッキング・速弾きなんでもござれのオールラウンダーですね。

次はブラックファイヤーのベース版。非常に低いキーです。

弁に重りが巻きつけてあり、これで音を低くしているようです。

弁が大きくゆっくりと振動するので、演奏は非常に難しいです。速弾きにもあまりむいていません。

振動が大きいので、自分の頭も大きく揺れます。喉にも深い音が響いてきて非常に弾いてて気持ちいい。外に向けて演奏するというよりは自分で楽しむ、ゾルタン口琴でいう「インナーピース」や「チベット」といった機種に近いかもしれません。

最後にゴーレム。

なんといってもでかい。ブラックファイヤーの2倍くらい?(そんなにないか)

重く、フレームも太く、弁も硬め。非常にタフな口琴です。

その無骨で鈍重そうな見た目に反して、プレイアビリティは非常に高い。

ラフな演奏にも対応できるので、意外なほど速弾きもしやすい。

音は見た目とおりの重低音、ブラックファイヤーのようなシャープさ、煌びやかさはないですが独特の倍音がうねります。

これはオススメのゾルタンですね。名前かっこいいし。ゴーレムて。

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3種類弾き比べてみました。

クオリティはアレですが、各口琴の個性が少しでもわかっていただけたら幸い。

形や名前も個性的、音もそれぞれぜんぜん違う。コレクション性も高い口琴だと思います。収集癖がある私にとってはもうドンズバな口琴

まさにシンプルだけど奥が深い。そんな楽器です。