ルーパス、納得の連覇

今シーズンもお疲れさまでした。

リーグワン決勝 ブレイブルーパス18-13スピアーズ

決勝にふさわしい、素晴らしい試合でした。
ラグビーは相手にボールを渡さなければ勝てる」というスプリングボクスの哲学そのまんまのスピアーズに対し、NZの保守本流であるカンタベリー出身のブラックアダーHC率いるブレイブルーパスがどう立ち向かうかが焦点だと思っていましたが、ボール保持とアタック精神という、シーズンそのままのスタイルで臨んだルーパスの見事なゲームプランでした。後半60分までスピアーズにラグビーをさせなかったのがとにかくすごい。もちろん、モウンガが演出した森のトライも大きかったですが、総合力で完全にスピアーズを上回っていました。

これで、リーグワン初の連覇となりましたが、難しいシーズンだったと思います。特に静岡ブルーレヴズにレギュラーシーズンで2敗したのは痛かったはず。それでも、きちんと勝ち切ってシーズン1位を獲得してそのまま優勝。モウンガにフリゼルとワールドクラス獲得にきちんと投資しての連覇は納得です。いいチームになりましたね。これでしばらくは「東芝の時代」になるのではないでしょうか。

さて、敗れたスピアーズですが、世界を席巻する南アのスタイルをそのまま持ち込んで、しかもそれを日本で執行する首脳陣がとにかくすごいです。これができるクラブは世界を探してもそうないはず。ただ、惜しむらくは、10番と12番の高齢化がそのままボトルネックになってしまっています。12番は若手がいるのでともかく、10番は致命的。一度、チーム編成は見直してしかるべきではないでしょうか。

ともかく、今シーズンはこれでおしまい。楽しかったですね。数多噴出した問題点については日を改めて、本ブログにて書きたいと思いますが、今日は素晴らしい決勝戦の余韻に浸りましょうか。

リーグワンRS、極私的各チームの通信簿

 

リーグワンのレギュラーシーズンが終わってプレーオフ(と入替戦)に突入ですが、プレーオフに入る前に各チームの通信簿を作りました。

1位 ブレイブルーパス 85点 チームMVP:FB松永

前年度王者として堂々の1位通過は立派。モウンガを中心とした重層的なアタックは魅力的かつパワフルで、総得点741、総トライ110はいずれもリーグ最多。PGがわずかに3というのもすごい。100点にしたいところだが、レヴズに2敗したのはちょっといただけない。松永は全チーム通じてのレギュラーシーズンMVPでもいいくらいの出来でした。

2位 ワイルドナイツ 80点 チームMVP:SO山沢京平

堀江の引退と松田の移籍に加え故障者続出でさすがに陰りも見えたが、層の厚い選手層でカバー。特にSO山沢京は代表レギュラーも狙えそうな勢いで成長した。ただ、さすがに下降線モードに入ったかなという感じは否めない。過去のシーズンのような絶対的な立場ではなくなった。

3位 スピアーズ 85点 チームMVP:HOマークス

前年度はなんと6敗でプレーオフも出られず。ここからよく戻しました。プチ・スプリングボクスラグビーに磨きがかかって、面白くないけど、ちゃんと勝ってるのは立派。リクルートも進んではいるが、主力の高齢化は気になる。

4位 ブルーレヴズ 100点 チームMVP:全員

文句なしのレギュラーシーズン。特にルーパスに2勝、ナイツに1勝はすばらしい。これがサンゴリアスイーグルスに出来ないのが謎なんですが・・・。SH北村は新人王どころか、代表レギュラーも狙えそう。

5位 スティーラーズ 70点 チームMVP:LOレタリック

昨季も5位。今季も5位。定位置ですなw シンプルで無駄のないアタックがやりたいのはわかるので、だからこそ来季はディフェンスを整備してほしい。LOレタリックは言わずもがな、FLコストリーはリーグを代表する選手になりつつある。

6位 サンゴリアス 55点 チームMVP:CTBプニヴァイ

過渡期ならではのカオスと言いますか、チームの骨格がようやく見えてきたころにはシーズンが終わってました。取りこぼしもあったけど、なんとかプレーオフに滑り込んだのは救い。首脳陣は来季が勝負。CTBプニヴァイは個人的にはリーグ最高の13番。

7位 ブラックラムズ 70点 チームMVP:SHペレナラ

一にペレナラ、二にペレナラ、三四が無くて、五にペレナラ。ペレナラ一人でチームが変わった。Xファクターにもほどがあるペレナラさんのおかげで大躍進。イケイケのチーム体質にマッチしたのでしょうね。来季は真面目に6位が狙えると思います。なお、もう一人の立役者は、FL/No.8のギル。

8位 イーグルス 50点 チームMVP:WTB石田

余計な負けがとにかく多すぎた。しかも、これまで格下だった、ボアーズやラムズ、ヒート戦を落としたのは沢木らしくない。デクラーク筆頭に主力に負傷者が続出したとはいえ、いろいろ限界が来ちゃった感じで、首脳陣総とっかえの噂も当然か。WTB石田は代表に呼ばれなかったら嘘。

9位 ダイナボアーズ 50点 チームMVP:吉田杏

毎年毎年こんな感じなんですが・・・。ちょっと殻を破れなくなって、中堅よりやや下が定位置になってきた感じ。何が足りないのかといえば全部。あと、品格。FL吉田杏は移籍して大正解。あと、WTBナコは個人的にですが、大のお気に入り。

10位 ヴェルブリッツ 0点 チームMVP:HO彦坂

10位なんだーw せっかくのSO松田獲得も、ハンセンの目指すラグビーと全く合ってないように見えた。まあ、松田は頭がいいのでフィットするだろうと思っていたらシーズンアウトの大怪我。来シーズンが見ものですな。シーズン終盤になって失点が減ってきたのはいい兆候では。そして、どれだけ選手を集めようが、チームの根幹となるHO彦坂みたいな選手が光るわけ。

11位 ヒート 60点 チームMVP:No.8マテーラ

シーズン後半はDFが崩壊してしまったが、今シーズン前半の最大のサプライズチームとなりました。守りとフィットネスをちゃんとやれば何とか試合になるし、接戦に持ち込める。スクラムも悪くないので、もし残留できるなら、来季はもっと良くなるはず。マテーラは格が違いました。もう少しいてほしいな。

12位 D-Rocks 20点 チームMVP:SH飯沼

2シーズンのDiv2生活で染みついた錆は簡単には落ちなかった・・・。何やってもいいとこ無しで辛いシーズンになってしまいました。残留してもこの内容では来季も厳しくなると思います。あと、外国人使い過ぎ。SH飯沼は孤軍奮闘。仕掛けも好きだし、見ていて気持ちがいい。

 

明日からプレーオフです。優勝はルーパスの予想。

ルーパスが連覇に前進? いまいち締まらないDiv1中位陣

 

ブレイブルーパスワイルドナイツを押し切って、わずか1点差ながら首位に浮上。ワイルドナイツのリーグ戦での連敗は20年ぶりだとか。

それよりも気になったのは、「これでワイルドナイツ相手に3戦負けてない」というワーナー・ディアンズの談話。そうか!ワイルドナイツは3戦続けてブレイブルーパスに勝ってないのだ。なんとなくだけど、ワイルドナイツがピークを過ぎつつある中で、ブレイブルーパスが上昇気流に乗りまくってるのかもしれません。プレーオフ決勝はこの2チームだと思いますが、今節の勝利でルーパス連覇の筋道が見えてきたような気がします。

それにしても、今季のリーグワンは実力が伯仲してきた一方で、締まらない試合が多いようにも見えます。言うまでもなくサンゴリアスヴェルブリッツの体たらくぶりが多くの割合を占めているのですが、プレーオフ圏内にいるスティーラーズイーグルスのゲームもそこまで内容よくない。特にスティーラーズは今節のサンゴリアス戦はひどかった。今はちょうどリーグ戦の中盤の後期で、疲労や負傷が嵩んでる時期でもあるんですが、条件はみんな一緒。ヒートやブラックラムズの躍進でDiv1の12チームの差が縮まったのは事実ですが、中堅どころの伸びしろのなさは、早くも来季に向けた課題だと思います。

フィロソフィーとリアリズムの狭間で

 

当たり前のことですが、このブログは、私個人の趣味嗜好と見識だけが綴られており、何の公共性もないことをあらためてご理解いただければと思います。
そのうえで言いますが、リーグワン、あんまり方向性がよくないです。

開幕節のDiv1の6試合は東京サンゴリアスv埼玉ワイルドナイツ以外はどこも接戦で、しかもサヨナラ勝ちが3試合と濃い内容ではありました。試合の強度も世界レベルで見ごたえある開幕節ではありました。
しかし、しかし、です。
埼玉以外のクラブは戦術や志向するラグビーがあまりにもつまらない。東京ベイ、横浜、豊田は特にです。では、どうどうつまらないのか?

昨今の世界のラグビーは23年W杯以降、「南アフリカとそれ以外」になってしまってることはこのブログを読む人ならわかると思いますが、その「究極のリアリズムのラグビー」の影響が、明らかにリーグワンに及んでいるということです。それはつまり、何が何でもまず勝つことがすべて、ということです。

もちろん、リーグ戦で勝たないと先がないプロ興行ですから、それはそれでいいのです。しかし、フィジカルコリジョンで圧倒して相手を疲弊させること、がお客さんの目にどう映るのかについてはどう考えているのでしょうか。勝ち負けを度外視しても面白いゲームをしろとは言いません。しかし、日本代表より数倍強い南アフリカと同じことをしていて先があるの?と思ってしまうのです。

チームのフィロソフィーが先か。目の前の勝利が先か。競技に関係なく歴史上ずっと苦悶してきた課題ですが、リーグワン各チームがどう臨むのか。期待していいのかな?

まずあてにならないリーグワンDiv1展望

もう週末に開幕です。

ベスト6

埼玉
BL東京
豊田
神戸
東京ベイ
横浜

大胆にも、東京Sが7位に沈んでプレーオフ出場を逃すという仮説を立てさせていただきました。
実は昨シーズンほど上位チームの差はないと思うのですが、東京Sはここ数シーズンで感じられた「頭打ち感」がいよいよ顕著で、正直言って、これといった上がり目が見えてこないのです。
HC人事で海外の大物を逃して、内部昇格にとどまったのがその象徴で、正直言って、なんで小野?
もちろん、埼玉、BL東京の2強に及ばなくとも、残り4チームとは接戦になるでしょうが、それでも、決め手に欠けるなと思います。マクマーンの復帰でケインが7番で固定できそうなのが救いかな。

注目はもちろん豊田。スティーヴ・ハンセンとイアン・フォスターの両巨頭体制で必勝の陣を敷いてきました。これで勝てなかったらいよいよ問題です。次期日本代表監督人事にも関わってきますし、いろんな意味でここは結果を出したい。
指導陣だけでなく、SO松田の加入はもちろん大きい。キックが使える松田なら、FWを前面に出したい豊田の志向とも合うでしょう。世界最優秀選手のデュトイの残留も好材料(いよいよ渡欧は諦めた?)。

入替戦行き

相模原or三重
浦安

浦安はギャップに慣れるまで時間かかると思います。手ごたえ感じ始めたころにシーズン終わりそう。相模原は中堅へのランクアップを図りたいシーズンなので、この順位に終わりたくなければ上位を喰うしかない。しかし、今の上位はそう簡単に負けないと思うのです。
三重は昨季後半から内容がよくなったので頑張れば10位もあるかな。

ハロプロ楽曲大賞2024

今年もこの季節がやってきました。

1位 灰toダイヤモンド/BEYOOOOONDS 3pt

これぞハロプロファンク。まさに保守本流の一丁目一番地。どんなに新しい音楽を取り込んでも、ハロープロジェクトにはこーゆー曲が無いとダメ。


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2位 アタシリズム/つばきファクトリー 2.5pt

オケがとにかくカッコいい、つばき屈指のフロアキラー。イントロからアウトロまで完璧すぎる、アイドルロックの理想形。


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3位 圧倒的LOVE/稲場愛香 2pt

稲場さんのソロデビューに相応しいどストレートのアイドルソングハロメン時代より歌い手のアイドル性が際立った。これまでのアップフロントに無い作曲陣の組み合わせも注目。


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4位 なんだかセンチメンタルな時の歌/モーニング娘。'24 1.5pt

やっぱり、モーニングのシングルはこうでないと。 ちっとも分かりにくくなんかないよ!


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5位 ちはやぶる/OCHA NORMA 1pt

オチャ、久々のヒット曲。グループのカラーにぴったりなアグレッシブさがよい。


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MV部門

1位 圧倒的LOVE/稲場愛香
2位 THANK YOU, HELLO GOOD BYE/アンジュルム
3位 ちはやぶる/OCHA NORMA


推しメン部門

後藤花
推しメンというよりも、その年の個人的MVPを決める感覚で選んでます。
今年は、その底知れぬポテンシャルを買って選びました。

 

ワースト楽曲部門 ※そんな賞ないです

初恋、花冷え/アンジュルム
あまりにも志が低すぎる。つばきのボツ曲かと思った。

力負けのジャパン、光明もあるけど課題は山積

こんな暑い中でラグビーやるのってどうなの?

PNC決勝
フィジー41-17ジャパン

前半を10-10で折り返して、シンビンで一人少ない時間帯に失点しなかったところまではよかったんですが、細かいミスが重なって最後まで主導権を握れずに最後は力負け。特に7点ビハインドの状況で相手22mラインまで入ってからのラインアウトミスで攻撃権を失ったのが大きかった。HO原田、LOディアンズと、今最も頼りになるメンバーでのミスだからこっちも心が折れた。

さて、カナダ、USA、サモアに3連勝してフィジーに負けてこの夏は終わったわけですが、藤原と李のHB団が成長したことはよかったです。特に李については、危機感からの成長がはっきり見られたのでこのまま伸びてほしい。FB起用の場合は矢崎とどうすみ分けるのかも注目ですね。

しかし、課題は山積です。特にディフェンスの組織化はようやく形が見えてきたレベルで、どう考えても攻め込まれるシチュエーションの多いジャパンにとっては死活問題。ダブル、トリプルでのファーストストップはできるようになってるけど、ちょっとでもパワーで勝る相手に食い込まれちゃうと、どうしてもフォールディングが遅れる。専門家ではないけど、もうちょっと前で止めたいのが本音。

アタックについてはツイタマ、ライリー、長田が安定してるだけに、HB団とCTB12の組み合わせをもっと考えたい。27年のことを考えたら藤原-李のHB団を固めてほしいけど、エディーのことだから来年は高本(東京S)や家村(静岡)を呼びそう。

ただ、こういう細かいことよりも、「結局エディーはどうしたいの?」が一番の課題かも。「超速ラグビー」は、この前も自分のスペースで話したけど、「ラックを制すればトライは獲れる」程度にしかディテールが見えてきてないし、キック関連の約束事も曖昧。秋のシリーズはブラックス筆頭に格上相手になるけど、もうちょっと整備した戦術の片鱗が見たいものです。大事なことなので二度言います。「で、エディーはどうしたいの?」