ライトノベル三大奇書

ウィンドバードさんの去年秋の企画。
その告知
その発表
で、自分なりに選考してみた。
まずライトノベルの定義だが、「ライトノベルレーベル(電撃ほか)の全作品」プラス「上遠野浩平西尾維新乙一の3人の作品」とする。
奇書の定義だが、原義というか一般教養では「水滸伝」「三国志演義」「西遊記」を三大奇書といい、古今に卓絶した小説という意味で奇書というそうだ。
推理小説の世界では「黒死館殺人事件」「ドグラ・マグラ」「虚無への供物」を三大奇書と呼びならわし、こちらは「奇書」の字義どおり「変な小説」という意味が含まれている気がする。「卓絶した小説」には違いがないだろうが、メインストリームから外れている感がある。
と、いうわけでライトノベル三大奇書を勝手に選んでみました。

アクアリウムの夜 (角川スニーカー文庫)

アクアリウムの夜 (角川スニーカー文庫)

爽やかな高校生の青春ものかと思ってたら、爽やかどころじゃねぇというハナシ。
白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)

デビュー作というか、出版社の「〜賞」応募作品。それなのに「え、ここで完結?」というぶったぎりかた。
あと女性心理の描き方がぞわぞわするほど素敵。
猫弾きのオルオラネ (ハヤカワ文庫JA)

猫弾きのオルオラネ (ハヤカワ文庫JA)

元はコバルト文庫だったので入れた。オルオラネが猫をつまびく話。
タイポグラフィック」*1という、活字を自由に配置して絵画のように見せるスタイルを採り入れようとした作品。擬音多し。
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以上3冊だが、原義 中国でいうところの三大奇書風のセレクトでは無い。それなら、上遠野浩平西尾維新乙一の代表作(シリーズ)に「マリみて*2十二国記」から選ぶ。
ミステリ三大奇書の解説はNth Library日記さんが詳しい。ていうか、素晴らしい解説でした。ミステリに対して「純化」「越境」「否定」がそれぞれ三大奇書との事。
が、ライトノベルはミステリほどジャンルの定義が明確ではなく、抽出するほどの教義(ドグマ)が無いように思われる。
というわけで『奇書』という字面に合ってる3冊を選びました。*3
連想メモリンク 3大歪みゲー(コトバノツドイさん)

*1:夢枕獏の言うところの「タイポグラフィック」であって、現在使用される「タイポグラフィック」と意味が異なっている可能性あり

*2:1話目しか読んでないけど、人気があるのは知っている

*3:非常に単純かつ感情的な結論